ひぐらしのなく頃に 宵越し編

ひぐらしのなく頃に 宵越し編

「ひぐらしのなく頃に」シリーズの番外編。芥川龍之介の短編小説『藪の中』がモチーフとなっており、シリーズ初の平成を舞台に、それぞれの事情で雛見沢に集った男女4人が明かす一夜を描く。原案は竜騎士07。

正式名称
ひぐらしのなく頃に 宵越し編
ふりがな
ひぐらしのなくころに よいごしへん
原作者
竜騎士07
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

昭和58(1983)年6月に発生した火山性ガスの噴出により、一夜にして住民の大半が死に絶えた雛見沢村。その後もガスの影響のため、村の一部は立ち入りが禁止されていた。およそ20年の月日を経て、ようやく閉鎖が解かれた。そして、平成18(2006)年6月21日。青年・乙部彰は、雑誌の記事を見て集った仲間とともに集団自殺をするため、車で雛見沢村を訪れていた。

雨の中、1人車を離れた彰は、ぬかるみに足をとられて崖から転落してしまう。そして落ちた先で遭遇したのは、誰もいないはずの村の方角から現れた園崎魅音だった。

登場人物・キャラクター

乙部 彰 (おとべ あきら)

華奢な青年で、一人称は「僕」。都会に憧れて、進学を機に田舎から上京する。都会に満ちた誘惑に耐え切れず、遊ぶ金がかさんで多額の借金を背負ってしまう。そのため大学も中退せざるを得なくなり、両親にも相談することができず、途方に暮れていた。そうしたところへ、雑誌で練炭自殺の同行者を募る記事を見て、自殺志願者たちとともに雛見沢を訪れる。 偶然遭遇した園崎魅音たちと関わる中で自分の性根と向き合い、生きる希望を取り戻していく。

荒川 龍ノ介 (あらかわ りゅうのすけ)

雑誌「週刊セブン」お抱えの男性フリーライター。幽霊や心霊などオカルト関係の記事を多く手掛けており、雛見沢村についても詳しく調べ上げている。雛見沢の大災害が本当に「オヤシロ様の祟り」だったのかどうかを確かめるため、雛見沢村へと足を運ぶ。その道中で練炭自殺者たちの死体が乗った車を発見。救援を求めて古出神社の集会所までやって来たところで、乙部彰たちと出会う。

十和田 八重 (とわだ やえ)

雛見沢の閉鎖が解除されたことを知り、興味本位でドライブに訪れた女性。黒澤工とは恋人同士。粗野な性格の工を献身的に支えるが、実態は工からDVを受けて支配されている状態にある。ドライブ中、偶然に古出神社の集会所に辿り着く。工と雨宿りをしていたところ、乙部彰、園崎魅音、荒川龍ノ介が現れ、ともに一夜を過ごすこととなる。

黒澤 工 (くろさわ たくみ)

十和田八重とともにドライブで雛見沢を訪れた青年。大学時代から八重と交際を続けている。プロのミュージシャンを目指しているため定職に就かず、周囲からは八重に対するヒモだと思われている。特にアルコールが入ると横暴になり、八重に対して暴力を振るうようになる。

園崎 魅音 (そのざき みおん)

乙部彰が雛見沢の山中で遭遇した女性。和服を着て、日本刀を携帯している。かつて雛見沢を支配していた御三家筆頭の園崎家の跡取りであり、家を正式に継ぐのに必要な家宝である振鈴を探し出すため、20年ぶりに雛見沢を訪れる。

芥川 (あくたがわ)

乙部彰とともに雛見沢を訪れた自殺志願者の男性。車の運転を担当している。知人の借金の連帯保証人になってしまったため、練炭自殺を計る。23年前に起こった雛見沢の大災害と、それに端を発する「オヤシロ様の祟り」の騒動についての知識を持ち、彰たちにそれを語る。

千秋 (ちあき)

乙部彰とともに雛見沢を訪れた自殺志願者の女性。愛していた夫に先立たれ、練炭自殺を計る。生前の夫は資産家であり、彼女に莫大な財産を残していた。しかし、千秋は夫のいない世界に興味はなく、遺産に関しては「自分には必要のないもの」と発言している。

マチ

乙部彰とともに雛見沢を訪れた自殺志願者の女性。彰たちには、自殺しようとする理由を明かそうとはしない。詮索しようとした芥川には「誰でも他人に知られたくない過去は持っているでしょ」と言い放ち、突っぱねている。

三船 (みふね)

園崎家のナンバー2だった人物。現在は園崎家から分裂した一派の頭領を務める壮年男性。園崎家を牛耳るために、振鈴を探す園崎魅音に刺客を差し向ける。魅音の父親が組長だった頃にはその腹心であった。組長が病死し、その座に魅音の母親が就任した際には、新組長である魅音の母親を暗殺している。

葛西 (かさい)

園崎家の構成員であり、園崎魅音の腹心。組が分裂した後も、魅音に付き従っている。魅音の母親を暗殺した人物が三船であることを突き止めた。魅音が振鈴を探しに雛見沢村へと戻った際には後を追い、武力衝突の手助けをした。

集団・組織

園崎家 (そのざきけ)

かつての雛見沢村における御三家の筆頭。村を実質的に支配していた一族。組長であった園崎魅音の父親が病死し、魅音の母親が跡を継いでからは、一枚岩ではなくなった。魅音の母親が三船によって暗殺されると、魅音を次期組長として認める派閥と、認めない派閥に分かれてしまう。

場所

雛見沢村 (ひなみざわむら)

古くは「鬼ヶ淵村」と呼ばれていた村。現在は廃村となっている。外界との交流をほぼ断絶しており、その存在を知る人もほとんどいなかった。昭和58(1983)年に起こった火山性ガスの噴出災害(雛見沢大災害)によって、日本中に認知されることとなった。住民は土着の神「オヤシロ様」を信仰する風習がある。

古出神社 (ふるでじんじゃ)

雛見沢村唯一の神社。境内には、かつて村の集まりで使われていた集会所があり、裏手には、村の宝物や祭具を収蔵する祭具殿などがある。園崎家の家宝も保管されており、それを探すために園崎魅音は神社までやって来た。

祭具殿 (さいぐでん)

村にまつわるものを収蔵する倉。古出神社の裏手にある。かつては部外者の立ち入りは固く禁じられていた。「祭具殿」という名前とは裏腹に、大量の拷問器具が収蔵されている。そのようなものがある理由について、荒川龍ノ介は、実際に使うのではなく、拷問器具の存在による抑止効果を狙ったものではないかと推測している。

その他キーワード

玉弾きの刀 (たまはじきのかたな)

雛見沢御三家に代々伝わる家宝の刀。振鈴を得るための鍵になると言われている。古出神社の祭具殿に収蔵されており、園崎魅音は、振鈴を手に入れるために、この刀を求めて雛見沢村へと戻って来た。刀としての能力はすさまじく、魅音はこれを用いて文字通り弾丸を切り裂いている。

巻物 (まきもの)

祭具殿に保管されていた巻物。玉弾きの刀と同じく、振鈴を得るための鍵になると言われている。すぐに見つかった玉弾きの刀とは違い、祭具殿内のどこにあるかがわからなかった。園崎魅音の旧友の霊が、その在り処を明かした。

振鈴 (しんれい)

園崎魅音が追い求めている園崎家の家宝の鈴。園崎家を継承する儀式に必要なものであり、一族の人間は、これを所有している組長には絶対服従しなければならない。 雛見沢村の園崎家本家に隠されており、その場所は一子相伝の極秘機密である。

クレジット

原作

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