概要・あらすじ
蓮見圭は明るくて元気いっぱいな女の子。優しい双子の兄である天馬彩人と蓮見理人に囲まれ、一見幸せそうな彼女は、その過去に大きな問題を抱えていた。編入試験をパスして無事に紫ノ塚学園に入学した圭は、同じく高校から編入してきた神崎京介と同じクラスになる。圭が拒食症であること、好きな相手に怪我をさせて記憶障害にしてしまったこと、その記憶を取り戻すために、なくなった指輪を探していることなど、彼女の複雑な事情を知って心を痛める京介は、いつの間にか圭を好きになっている自分に気づくのだった。
登場人物・キャラクター
蓮見 圭 (はすみ けい)
紫ノ塚学園に通う高校1年生の女子。高等部に進級する際、学園に編入してきた。自称粘り強く諦めの悪い性格だが、実はとても繊細な心の持ち主。ストレスや心の負担があると、食事が喉を通らなくなる。小学3年生のときには、拒食症のせいで入院したこともある。また中学2年生のときに事故に遭い、そのせいで1年留年している。諏訪駆の影響を強く受けているため、楽天家で前向きなところがあるが、同時にもろい部分も併せ持つ。 自分がなくしてしまった駆の指輪を探している。
神崎 京介 (かんざき きょうすけ)
紫ノ塚学園に通う高校1年生の男子。蓮見圭のクラスメイト。高等部に進級する際、学園に編入してきた。中学の頃はバスケットボール部に所属。自分のミスで、大事な試合に負けてしまったことを引きずっている。子供の頃から左目の視力が悪いため、右目に頼らざるを得ないが、日常生活に大きな支障はない。一人暮らしのため家事が得意で、自分のことは何でも自分でできる。
天馬 彩人 (たかま さいと)
蓮見圭の実の兄で、蓮見理人とは双子の兄弟。天馬加也乃の養子になったため、法律上は圭と理人のいとこ。圭と理人と3人で暮らしている。紫ノ塚学園に勤める教師で、担当は日本史。圭と神崎京介のクラスの副担任でもある。ひょうひょうとしていて、あまり感情を表に出さないミステリアスな性格。痩せているにも関わらず、かなりの大食らいである。 紫ノ塚学園の卒業生。
蓮見 理人 (はすみ りひと)
蓮見圭の兄で、天馬彩人とは双子の兄弟。視力が悪く、眼鏡をかけている。圭をとても可愛がっているが、少々シスコン気味。圭のこととなると、冷静でいられなくなる。圭と彩人と3人で暮らしている。料理が得意で、いつも夕飯や弁当を作っている。良識派で、すぐにふざけてしまう彩人に対して何かと苛立つことも多いが、仲はいい。
諏訪 駆 (すわ かける)
天馬彩人の高校時代の同級生の男性。楽観主義者のように見えて、本当は人の気持ちに敏感で、繊細な心の持ち主。十二指腸潰瘍を患って入院生活を送っていたときに、拒食症で入院していた蓮見圭と出会い、彼女の心を救った人物。交通事故に遭った圭をかばって大怪我をし、記憶障害になった。
羽野 蝶子 (はの ちょうこ)
羽野蝶子の双子の姉。紫ノ塚学園の養護教諭を務める26歳の女性。黒ぶち眼鏡をかけた美人だが、ぶっきらぼうな話し方をする。自らも紫ノ塚学園の卒業生で、天馬彩人、諏訪駆とは同級生。高校生のときは生徒会長を務め、羽野鳥花と同じ研修部に所属していた。
羽野 鳥花 (はの とりか)
羽野蝶子の双子の妹。二卵性双生児なので、顔はそれほど似ておらず、性格はさらに似ていない。運動オンチだが、愛嬌のある性格。紫ノ塚学園の卒業生で、天馬彩人、諏訪駆とは同級生。蝶子と同じ研修部に所属していた。駆の元婚約者。
天馬 凌 (たかま しのぐ)
紫ノ塚学園に通う高校1年生の男子。天馬彩人の義理の弟。彩人の養父の再婚相手の連れ子で、彩人とは一切血が繋がっていない。血縁上は彩人、蓮見圭、蓮見理人にとっていとこにあたる。子供の頃から繊細で人見知りが激しく、圭と氷浦海響以外には心を閉ざしている。圭が諏訪駆を想い続けていることを否定する。
氷浦 鈴音 (ひうら りおん)
紫ノ塚学園に通う高校1年生の女子。蓮見圭や神崎京介のクラスメイト。気管支が弱く、小学生の頃に入院していたことがある。そのときに、圭と大部屋で一緒だったため仲良くなった。生徒会長を務める氷浦海響の妹で、少々ブラコン気味なところがある。
君島 嵐士 (きみじま あらし)
紫ノ塚学園に通う高校2年生の男子。生徒会副会長を務めている。綺麗な顔立ちだが、実はちゃらんぽらんな性格。神崎京介の中学校のときの、バスケットボール部の先輩。少々Sっ気が強く、気にかけている京介を、いじりながら可愛がっている。
氷浦 海響 (ひうら あおと)
紫ノ塚学園に通う高校2年生の男子。生徒会長を務めている。氷浦鈴音の兄。スポーツ万能で、頭脳明晰。クールであまり感情を表に出さないが、君島嵐士とは互いに信頼し合っている仲。天馬凌を心配し、見守っている。
神崎 茨 (かんざき いばら)
神崎京介の8歳年上の姉。神崎家の長女。金髪で、ヒョウ柄などの派手めな服装が好み。京介をとても可愛がっている一方で、何かというと、すぐに手を上げてしまうが、それも愛情表現の1つだとうそぶく。
神崎 静 (かんざき しずか)
神崎京介の姉。神崎家の次女。長い黒髪に眼鏡をかけ、あまり表情を変えず淡々と話す。京介が一人暮らししている部屋は、元は静が短大在学中に住んでいた部屋。彼女の少女趣味が活かされた、乙女チックなデザインとなっている。可愛い女の子も好きで、蓮見圭のことが気になっている。
天馬 加也乃 (たかま かやの)
蓮見圭、天馬彩人、蓮見理人の父親の妹。3人にとっては血の繋がった叔母。圭と顔立ちが似ている。生まれつき身体が弱く、繊細な女性。メルヘンチックで、ピンクのバラが大好き。子供がいないので彩人を養子にしたが、その数年後に亡くなる。
諏訪 充 (すわ みつる)
諏訪駆の兄。駆より8歳年上。年の離れた駆を、とても可愛がっていた。羽野蝶子と羽野鳥花が中学生のときに、家庭教師をしていた。穏やかな性格で、勉強の教え方も上手。駆たちが高校を卒業する間近に、交通事故で亡くなってしまう。
場所
紫ノ塚学園 (しのづかがくえん)
蓮見圭や神崎京介が通う学校。中等部と高等部がある。中等部からの持ちあがりの生徒が多いので、みんな身内のように仲がいい。編入してくる生徒は少数派だが、アットホームな雰囲気のなか、歓迎されている。必ずどこかの部活に所属しなければならない、という校則がある。
研修部 (けんしゅうぶ)
学校内のボランティアや雑用を中心に活動している部活。生徒会と関わることも多い。必ずどこかの部活に所属しなければならない、という校則があるため、これまでの部活にどうしても合わない、という生徒のために作られた。蓮見圭と神崎京介が所属している。
その他キーワード
指輪 (ゆびわ)
諏訪駆と羽野鳥花が婚約したときに作った、おそろいの結婚指輪。駆に片想いしていた蓮見圭が、いたずら心から盗んで隠し、その直後に事故に遭ったため、どこに隠したのか忘れてしまった。駆の記憶障害を治す鍵になるのではないかと、圭が必死で探し続けている。