概要・あらすじ
同じ日に同じ病院で産まれた沢渡鷹と東条鷹は、偶然にもふたりともバイク乗りになっていた。沢渡の友人の死をきっかけに知り合ったふたりは、お互いをライバルとして意識し始め、バイクレースの世界に身を投じていく。
登場人物・キャラクター
沢渡 鷹 (さわたり たか)
物語の当初では奥多摩で無茶な走行を繰り返していたストリートライダー。物語の当初では18歳。バイク仲間の円山健一の死がきっかけで出会った東条鷹に強いライバル意識を抱き、バイクレースの世界に身を投じる。陽気でおちゃらけた性格だが負けん気が強く「ぬかれたらぬき返す」が信条。テクニックは荒削りでコース取りもめちゃくちゃだが、天性の勘と度胸で周囲を驚かせるレースを行う。 産まれて間もない頃に自分のいた病院が火事になり、東条と共に助けられるが父の沢渡健悟と死別し、美容師の母沢渡緋沙子に育てられる。そのため緋沙子には頭が上がらないマザコン。愛車はKAWASAKI Z400FX、HONDA CBR400Fなど。 レースではYAMAHA TZ250、KAWASAKI Z1000、elf-e、SUZUKI GSX-R750などに搭乗。
東条 鷹 (とうじょう たか)
東亜自動車の社長令息で、物語の当初から天才的なサーキットライダーとして活躍している。物語の当初では18歳。沢渡鷹の潜在している才能を見抜き、ライバルとして意識し始める。沢渡とは対照的に冷静沈着な性格。卓越したレーシング技術を持ち、緻密な計算に基づいてレースを展開させる。頭もよく、チームの運営やマシンの開発にも携わる。 産まれて間もない頃に病院で起こった火事がトラウマになっており、大きな炎を見ると身がすくみ上がって、赤ん坊のように幼児退行してしまう。このことはレースを行う上で最大の弱点となる。愛車はKAWASAKI Z400FX、HONDA CBX400Fなど。レースではYAMAHA TZ250、elf-e、SUZUKI GSX(カタナ)750の他、B・M・W開発研究室と共に独自に開発したマシンに搭乗。
沢渡 緋沙子 (さわたり ひさこ)
沢渡鷹の母親。俳優やTVタレントも顧客に持つ有名な美容師。芸能人や夫の沢渡健悟の勤める病院で沢渡鷹を出産するが、病院が火事になり夫と死別し、女手ひとりで沢渡鷹を育てる。男勝りで姉御肌な性格。美容師となる前には、当時唯一取得していた資格である運転免許を頼りに様々な職を経験しており、プロレーサー並みの運転技術を持つ。 東条鷹と出会ったことで、病院の火災の際に沢渡鷹と東条鷹が取り違えられていたことを確信すが、育てた沢渡鷹を突き放すことができず、苦悩する。愛車はコルベット・スティングレー C3。
花園 明美 (はなぞの あけみ)
沢渡鷹の遠縁に当たる人物で、名前に似合わず男性。河童のような頭に老け顔だが沢渡とは同い年。登場した際は大学受験のため、沢渡家で居候をしていたため、沢渡のことを「鷹ぼっちゃん」と呼ぶ。沢渡、東条鷹と同じ関東大学に進学した後、沢渡と共に関東大学自動車部二輪部に入部する。 そこで天才的なエンジニアテクニックを発揮し、メカニックマンとして活躍する。その後は吉村秀雄の師事を受けた後、東条の依頼を受けてバトル・ホークの設計を手がける。
東条 洋一郎 (とうじょう よういちろう)
東条鷹の父親で東亜自動車の社長。気の弱い性格。息子の東条鷹にはいずれ東亜自動車を任せる心づもりでいる。そのため東条鷹がレース中に事故を起こしたことで、東条鷹がレースを続けることに難色を示し始める。
東条 美亜 (とうじょう みあ)
東条鷹の妹でかなりのブラザーコンプレックスの持ち主。暴走族に絡まれていたところを沢渡鷹に助けられ、沢渡に恋心を抱く。沢渡と東条の取り違えについて沢渡緋沙子と東条洋一郎が話し合っているのを偶然聞いてしまい、動揺する。
エビさん
沢渡鷹行きつけのバイクショップバリバリの店長。サーキットレーシングに挑戦するようになった沢渡をサポートする。東京都に実在するバイクショップとその店長がモデルになっている。
円山 健一 (まるやま けんいち)
沢渡鷹のバイク仲間のひとり。KAWASAKI Z400FXを購入し、慣らし運転に沢渡のヘルメットを借りて奥多摩を走っていた所、沢渡と勘違いした暴走族に絡まれ、事故を起こして死亡する。
風羽 正 (ふうば ただし)
東条鷹と同じレーシングクラブブルー・ウェイ・レーシングに所属している先輩格のレーサー。国際A級ライセンスを所持している。東条がブルー・ウェイ・レーシングを脱退した際には、イギリスのチーム・フェザーを紹介した。新谷かおるの漫画作品『エリア88』に登場するフーバー・キッペンベルグがモデルのスター・システムキャラクター。
ギルバート・ウェラー
アメリカの大企業ウェラー財団の代表者。あらゆる車種が参加可能なレース大会、競争技世界一決定戦を開催する。巨額を投じて日本に大会会場「ダイノゾア・シアター」を建造し、アジアにおける市場拡大の拠点とすることを目論んでいる。
パトリシア・ウッド
全米F2チャンピオン。ギルバート・ウェラーの娘で、戸籍上はウェラー姓。両親の離婚をきっかけに、レーシングネームとして母方の姓を使用している。ウェラー財団代表チームとして競争技世界一決定戦に参加した際、偶然知り合った沢渡緋沙子を自分のチームメイトに指名する。離婚してまもなくそれぞれ再婚を果たした両親に傷つき、レース中に自殺することを考えるが、緋沙子に助けられる。 緋沙子に親しみを抱き、沢渡家にホームステイをするうちに沢渡鷹と恋仲になる。愛車はシボレー カマロZ28。
シーナ・ウェラー
ギルバート・ウェラーの後妻。ギルバートが先妻のエリザベスと結婚している時期から、ギルバートと愛人関係にあった。その時期にパトリシア・ウッドを出産するが、ギルバートたちに引き取られてパットとは離れて暮らす。ギルバートと結婚してからもパットはそのことを知らず、両親の離婚の原因になったと思われて恨まれている。
咲也 ひろみ (さくや)
関東大学に通う女子大生で、実家は鈴鹿サーキット近くで民宿を営んでいる。沢渡鷹とペアを組んで鈴鹿耐久4時間に出場する。大学では演劇部に所属し、少女役として活躍。「コマシのひろみ」という異名を持つ。鈴鹿耐久後は沢渡緋沙子の紹介でオーディションを受け、女優となる。
デイビッド・アルダナ (でいびっどあるだな)
ヨシムラR&Dに所属する一流のレーサー。鈴鹿耐久8時間に出場した際に、耐久4時間優勝者となっていた沢渡鷹と知り合う。その後、エルフ・レーシングと契約し、ドイツホッケンハイム・サーキットで開催されたヨーロッパ世界耐久選手権最終戦に出場し、そのペアに沢渡を指名する。 終盤では東条鷹に招聘され、チームバトルホークに参加。実在のレーサーデイビッド・アルダナがモデル。
マリー・クレール・ベルモ
イギリスの名門レースチームチーム・フェザーに所属するレーサー。風羽正の紹介でチームに転入してきた東条鷹の案内役を務める。出会った当初は東条に対して冷たい態度を取っていたが、次第に恋に落ちる。デイトナ・200マイル・オートバイ・レースでは、東条とペアを組みレースに出場。 その後、レースの引退を決意した東条にプロポーズされ婚約するが、結婚式を目前にして交通事故死する。
吉村 秀雄 (よしむら ひでお)
一流のエンジニアで、レースチームヨシムラR&Dを率いてレースに参戦している。同じくエンジニアで、娘婿でもある、森脇護とヨシムラ・モリワキ連合チームを結成し、レーサーに沢渡鷹を招聘。また花園明美のエンジニアとしての才能を認め、自分の技術を教える。実在のオートバイチューニング技術者吉村秀雄がモデル。
その他キーワード
バトル・ホーク
『ふたり鷹』に登場するオートバイ。東条鷹が自分のアイデアを元に、独自に開発した次世代型のオートバイ。全輪駆動、エアブレーキ、垂直式ステアリングといった特異な機構を持つ。設計は花園明美。物語終盤に開催された世界耐久選手権で、東条の運営するレーシングチームチーム「バトル・ホーク」のメインマシンとして参戦。 搭乗者は沢渡鷹、東条鷹、デイビッド・アルダナの3人。