まいてつ

まいてつ

PCゲーム『まいてつ』のコミカライズ作品。列車事故によって心に大きな傷を負った人間と意思を持った人形が、街を盛り上げるために協力してSL列車を復旧させながら、それぞれに負った傷から立ち直っていく姿を描いたヒューマンドラマ。「コミッククリア」で2017年12月から2019年1月にかけて配信された作品。

正式名称
まいてつ
ふりがな
まいてつ
原作者
Lose(シナリオ:進行豹)
漫画
ジャンル
恋愛
 
ヒューマンドラマ
関連商品
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あらすじ

第1巻

第二の故郷である御一夜に、エアクラ工場の誘致の話が持ち上がっていることを聞いた右田双鉄は、誘致を阻止するために養父の家に帰省する。寝泊りする養祖父「右田汰斗」の部屋を片付けていた双鉄は、精巧で美しい人形を発見して起動させる。動き出した人形は意思を持っており、双鉄をはじめとした右田家の人々の前で、蒸気機関車8620号を制御する人型モジュール、レイルロオドハチロクだと自己紹介する。前のオーナーの汰斗が亡くなっていることで、ハチロクの新しいオーナーとなった双鉄は、ハチロクといっしょに出かけて雛衣ポーレット、レイルロオドのれいなと知り合う。双鉄はポーレットも工場誘致に反対の立場だったために協力を申し出ると、彼女から観光振興の目玉としてハチロクの蒸気機関車を走らせることを提案される。双鉄もその提案に賛成するが、ハチロクの蒸気機関車は所在が不明なため、双鉄とポーレットは手がかりを探るために汰斗の部屋にある資料を調べ始める。資料のおかげで蒸気機関車は無事に見つかったものの、とても走らせることができる状態ではなかった。なんとか蒸気機関車を直して走らせたいと思う双鉄は、協力してくれる人を見つけるために奔走するのだった。

第2巻

右田双鉄ハチロクは、多くの人の協力を得てハチロクの蒸気機関車8620号の試験運転を成功させる。しかし問題は山積みで、まずは客を乗せる客車を見つけるのが急務となった。だが、ハチロクの蒸気機関車に見合う客車はなかなか見つからず困っていた双鉄に、「電車姫」と呼ばれている毛利安芸から連絡が入る。毛利の支援で客車を無事に手に入れて試運転を行うが、蒸気機関車から出る煙が客車内に入って来る問題が発生。翌日には煙が入って来なかったりと、日によって試運転の結果が大きく異なるために具体的な対策が取れずにいた。そんな中、双鉄から車内でバーベキューをすれば煙が出ても問題ないと提案され、さまざまな対策と試運転を繰り返した結果、蒸気機関車はバーベキュートレインとして運用が開始され成功を収める。

関連作品

ゲーム

本作『まいてつ』は、Loseから発売されたPCゲーム『まいてつ』が原作となっている。原作はヒロインごとにルートが用意されているが、コミックス版ではハチロクをヒロインとしたルートが描かれている。

登場人物・キャラクター

右田 双鉄 (みぎた そうてつ)

ハチロクの所有者(オーナー)となった大学生の男性。第2の故郷である御一夜に、エアクラ工場の誘致の話が持ち上がっていることを聞き、御一夜の自然を守るために誘致を阻止しようと、大学を休学して帰省した。両親と妹を列車事故で亡くし、今でも事故のことがトラウマとなって、列車に近づくと身体の震えが止まらなくなる。事故後は「右田汰斗」の養孫として引き取られ、義姉の「右田真闇」や義妹の右田日々姫と共に暮らしている。汰斗が亡くなったあとは汰斗の部屋にあるものをすべて相続したため、部屋の中にあったハチロクのオーナーも右田双鉄が引き継いだ。まじめな性格で、責任感と郷土愛が非常に強い。雛衣ポーレットからハチロクが所有する蒸気機関車8620号を修復して走らせることができれば、御一夜の観光復興と工場誘致阻止の目玉になると提案され、その資金や人材などを集めることに奔放する。そしていっしょに蒸気機関車を修復させ走らせていく中で、ハチロクのことが気になっていく。

ハチロク

帝鉄8620形蒸気機関車トップナンバー機8620専用のレイルロオド。精巧な人形だが知性と自我を持っており、会話もできる。動力源は水と石炭。奥ゆかしい性格の大和撫子ながら、嫌っているエアクラのことになると悪意をあらわにする。もともとは「右田汰斗」が所有者(オーナー)だったが、活動停止しているあいだに汰斗が亡くなり、再起動時に汰斗から引き継いだ右田双鉄を新しいオーナーと認定する。自分の半身ともいえる蒸気機関車8620号を修復して走らせていく中で、双鉄のことを特別な男性として意識するようになる。

右田 日々姫 (みぎた ひびき)

右田双鉄の義妹。祖父の「右田汰斗」が双鉄のことを養孫として引き取ったため、双鉄と血はつながっていない。双鉄に思いを寄せているが、気持ちをはっきりと伝えられずにいる。通う学園の先輩、宝生稀咲の影響で、御一夜にエアクラ工場を誘致することに賛成の立場だったが、双鉄が反対していることを知って気持ちが揺れ動く。成り行きで蒸気機関車8620号の復興に参加させられるが、次第にのめり込んで広報活動や運転の補助などを担うようになる。

雛衣 ポーレット (ひない ぽーれっと)

御一夜の市長と御一夜鉄道株式会社社長を務める女性。れいなの運転士(マスター)としてキハ07-Sを走らせる「まいてつ」でもある。御一夜にエアクラ工場を誘致することに反対の立場で、右田双鉄とハチロクと出会うと、ハチロクが所有する蒸気機関車8620号を修復して走らせることができれば、御一夜の観光復興と工場誘致阻止の目玉になることを思いつく。双鉄とハチロクの賛同を得られると、市長と社長という両面の立場から多くのことをサポートする。

れいな

御一夜鉄道株キハ07-S専用のレイルロオド。運転士(マスター)は雛衣ポーレットが務めている。精巧な人形で知性と自我を持っており、会話もできる。天真爛漫な性格で、のんびりとした口調で話す。同じレイルロオドのハチロクとは仲がよく、ハチロクが所有する蒸気機関車8620号の修復にも最初から参加する。

毛利 安芸 (もうり あき)

廣島毛利電気鉄道を経営する女性。古風なしゃべり方と、和服を着ていることから、「電車姫」とも呼ばれている。エアクラの台頭によって列車の大廃線時代が来た時にまいてつの基礎を築いて鉄道網を存続させたため、鉄道業界では多大な影響力を持つ。右田日々姫が作った広報誌「8620運転台通信」を見てハチロクが所有する蒸気機関車8620号に興味を持ち、右田双鉄に支援を申し出る。

宝生 稀咲 (ほうしょう きさき)

御一夜の学校に通う少女。右田日々姫の先輩でもある。学生ながら隈元銀行御一夜支店長を務めており、御一夜にエアクラ工場を誘致することに賛成の立場を取る中心人物の一人。右田双鉄が誘致に反対する理由に理解を示しつつも、御一夜の経済のためには工場を誘致するしかないと考えている。

その他キーワード

エアクラ

エアロ=クラフテック社が開発した乗り物。太陽光と地磁気によって動力を生む機関を搭載している。動力炉は非常に低コストで運用が可能で、それまで物流や人の移動に使われていた鉄道を廃線に追い込むほど広がっていく。ただし動力炉は複数を同時に扱えず、巨大な動力炉は製造コストが跳ね上がるといった欠点もある。また動力炉作製のための工場を作ると、周囲の経済は発展するが自然が破壊されるため、御一夜では工場誘致派と反対派が対立している。

レイルロオド

鉄道車両を制御する人型モジュール。精巧な人形で知性と自我を持ち、会話もできる。それぞれのレイルロオドには分身ともいえる車両を持ち、運転時には運転士(マスター)といっしょに運転席に入ってサポートする。運転用と整備用の二つの体があり、脳にあたるタブレットを交換して使い分けている。レイルロオド同士なら情報・感覚・感情をある程度なら伝えられる「共感」という機能があり、事故防止やダイヤ調整などにも役立っている。エアクラに搭載されたナビにも共感と似た機能があるため、エアクラナビから情報を受け取ることも可能となっている。

まいてつ

さまざまな維持費を負担してでも、鉄道会社から車両を買い取って営業運転している鉄道ファン。毛利安芸の案がもととなって生まれた制度を利用しており、エアクラの台頭で多くの列車が廃線となったあと、地方の民間鉄道会社と協力して全国の鉄道事業を支えている。

クレジット

原作

Lose(シナリオ:進行豹)

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