あらすじ
ジュンとの出会い
文具メーカーに勤務している夏目ヒナタは、終業後は実家が経営している喫茶店を手伝っていた。ヒナタには10年間交際している恋人の五十嵐コースケがいるものの、もはや家族のような関係となっており、コースケに対して胸のときめきを覚えることはなくなっていた。そんな関係に特別な不満はないものの、ヒナタはどこか満たされない日々を送っていた。そんなある日、喫茶店の新人アルバイトとして高校生の五十嵐ジュンがやって来る。かわいらしい顔立ちで、さらに誉(ほ)め上手なジュンに対して、ヒナタは久しぶりに胸が高鳴ってしまう。しかし、ジュンは年下の学生のため、ヒナタはこのときめきはアイドルに対する感情と同じだと納得しようとする。しかし、その後もヒナタはジュンに対するときめきが抑え切れない。一方のジュンもヒナタに対して恋心を抱き、懸命に背伸びをしたアプローチを開始する。そんな中、ヒナタはコースケと会話するたびに、心の距離が離れていく感覚を覚える。
登場人物・キャラクター
夏目 ヒナタ (なつめ ひなた)
文具メーカーに勤務している女性。年齢は27歳。帰宅後は実家が営んでいる喫茶店を手伝っている。恋人の五十嵐コースケとは10年間交際しており、大きな不満はないものの、心を揺さぶられる出来事もなく平穏な日々を送っている。ある時、喫茶店の新人アルバイトとしてやって来た高校生の五十嵐ジュンと知り合い、彼から好意を寄せられる。ジュンに絆(ほだ)されてはいけないと思いつつも、久しぶりのときめきに胸を高鳴らせてしまう。美術系大学出身で、特技はイラストを描くこと。
五十嵐 ジュン (いがらし じゅん)
高校2年生の男子。五十嵐コースケの弟で、夏目ヒナタが卒業した高校に通っている。ヒナタの実家が経営する喫茶店にアルバイトとして採用され、彼女と知り合う。おとなしい性格ながら、自分の思いをはっきりと口にする。誉め言葉も照れることなく伝えるため、たびたびヒナタの胸をときめかせている。ヒナタとかかわっていくうちに恋心を抱き、精一杯のアプローチを開始する。兄のコースケの明るく実直なところを尊敬しているが、五十嵐ジュン自身と比べてしまい、ひそかにコンプレックスを抱いている。高校では文芸部に所属しており、趣味で小説を執筆している。ちなみにアルバイトを始めた理由は、執筆用のパソコンを購入するため。
五十嵐 コースケ (いがらし こーすけ)
夏目ヒナタと10年間交際している会社員の男性。五十嵐ジュンの兄。ヒナタの実家が経営している喫茶店にもよく出入りしている。ヒナタのことを愛しているが、どちらかというと家族愛に近く、恋人同士のようなスキンシップは今さら不要だと考えている。明るく真っ直ぐな性格で、裏表がまったくない。隠し事が苦手で、ややデリカシーに欠ける一面がある。弟のジュンとの関係は表向きは良好ながら、彼から苦手意識を抱かれていることに気づいていない。ジュンが年上の女性に恋をしていることは知っているが、相手がヒナタだとは想像もしていない。また、年相応の恋愛をしてほしいとの思いから、年上女性との交際には否定的な立場を取る。
瀬山 (せやま)
夏目ヒナタと同じ文具メーカーに勤務する男性。ヒナタと同期入社で、お互いのプライベートも相談するほど親しくしている。社内でも知られる女性アイドルオタクで、イベントがある日は早めに仕事を終わらせて退社している。ヒナタが五十嵐ジュンにときめきを感じていることを知っているが、五十嵐コースケの弟だと思っておらず、男性アイドルとカンちがいしている。
書誌情報
愛するあなたと恋するきみが 2巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2022-02-10発行、 978-4098612468)
第2巻
(2022-11-10発行、 978-4098614608)