あらすじ
第1話 手紙
もうすぐ中学3年生になる小春は、具合の悪い祖母・春子の看病をしていた。そこで、偶然、引き出しにしまってあった祖母の古い手紙を見つける。小春が手紙の存在を誰にも言えないでいるうちに、祖母はあの世に旅立ってしまった。手紙は2通あり、台湾の豊岡と名乗る男性から届いたものと、祖母が豊岡に書いたが出せずにいた返事だった。豊岡は祖母の若い頃の恋人で、2人は結婚するつもりでいたが、約束の日にトラブルに遭い、すれ違ったままだった。月日が経ち、豊岡から手紙が来た時には、祖母はすでに祖父と結婚していた。ずっと祖父のことが好きだと思っていた祖母に、忘れられない男性がいたことを知って、小春はショックを受ける。しかし、亡くなった祖母の想いを豊岡に伝えるため、千春は家族に内緒でひとり、台湾へ向かう。
第2話 犯人
ほのかはメガネにそばかす、髪は大雑把なおさげという、少しがさつな高校2年生の女の子。昼休みにお弁当を食べ終り、月見ヶ丘の芝生でひとりうたた寝をしていたら、寝ている間に誰かにキスをされる、という大事件が起きる。覚えているのはキスをされたことと、そこにかすかなリンゴの香りがしたことだけ。ほのかは幼なじみで隣に住むカンタに今日の大事件を伝え、自分にキスをした相手を探して欲しいと言う。
登場人物・キャラクター
小春 (こはる)
第1話「手紙」に登場する。もうすぐ中学3年生になる女の子。見て見ぬふりができないまっすぐな性格。髪型は肩まであるストレートロングで、長い前髪を後ろに縛り、おでこを出している。ある日、祖母の古い手紙を見つけてしまい、祖父以外に好きな男性がいたことを知り、ショックを受ける。家族や友人にも言えない秘密を抱えてしまった小春は、亡くなった祖母の代わりに手紙の内容を伝えるため、ひとりで台湾へ行く。
山田 ほのか (やまだ ほのか)
第2話「犯人」に登場する。高校2年生の女の子。あまり外見には気を使っておらず、肩までの髪を普通のゴムで雑におさげにした髪型。メガネをかけており、そばかすを隠そうともしない。レスリング部に所属しており、男子部員も負かしてしまう。隣に住む伊藤カンタという幼なじみがいて、彼の部屋にはノックもせずに入る間柄。カンタからはブス、バカと言われ続けてきたので、自分を好きになってくれる男性など、現れないと思っていた。
春子 (はるこ)
第1話「手紙」に登場する。小春の祖母。目が細く、穏やかな顔立ちで、髪型はおかっぱ。小春が中学3年生になる春に亡くなってしまう。若いころ、結婚を考えていた豊岡という男性がいたが、すれ違いにより、彼とは結ばれることはなかった。豊岡からの手紙と、出せなかった豊岡宛ての手紙を大事に持っていた。
豊岡
第1話「手紙」に登場する。小春の祖母・春子の恋人だった男性。プロポーズの返事を聞く約束の夜に春子が来なかったため、失恋したと思い、消息を絶つ。元々は貧乏だったが、台湾に渡って事業を成功させ、今は大きなビルに住んでいる。春子にフラれたショックでやけになっていた時期もあったが、52年経ったいまでも、春子が忘れられずにいた。
永春 (よんちゅん)
第1話「手紙」に登場する。豊岡の孫の男性。台湾行きの飛行機で偶然、小春の隣の席に座っていた。機内で小春が落としたスマホを拾ってあげたり、顔色の悪い小春を心配していた優しい青年。自分の祖父を訪ねてきたことがわかると、その場所まで案内し、彼女に会ってあげて欲しいと、祖父・豊岡を説得する。
伊藤 カンタ (いとう かんた)
第2話「犯人」に登場する。山田ほのかの家の隣に住む幼なじみ。高校2年生の男の子。くせ毛の黒髪で、メガネをかけたマジメそうな理系男子。女心がわからず、ほのかにブス、バカなどと暴言を吐いたり、そっけない態度をとる。キスの相手を探して欲しい、というほのかの頼みをしぶしぶOKする。部員1人の天体研究部に所属しており、家でもよく天体観測をしている。 新しい星を見つけて名前をつけたいと思っている。学校でも食後は歯を磨く。
中川 (なかがわ)
第2話「犯人」に登場する。バスケ部に所属する高校3年生の男の子。プレイボーイで、外見も中身もチャラ男。髪を下ろし、メガネを外したほのかをかわいいと褒める。ほのかに噓をついてキスをしようとしたが、自分の彼女に見つかって未遂に終わる。