まだ、生きてる…

まだ、生きてる…

妻と子供に捨てられ、すべてを失った老齢の元サラリーマンが、自給自足のサバイバル生活を通して、再び生きる力を取り戻していくヒューマンドラマ。物語は、息子を主人公にした続編『まだ、生きてる…2』に続いている。

正式名称
まだ、生きてる…
ふりがな
まだ いきてる
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

しょぼくれた年配男性の岡田憲三は、山中で首吊り自殺をしようとしていた。憲三はうだつの上がらないサラリーマン生活を38年間続けてきたが、定年を迎えたとたんに、家族が彼を残して家出。貯金もすべて妻に持ち去られてしまい、どん底の状態にあった。財布に残ったわずかな金を見つめ、「38年間働くだけ働いて俺に残ったのは1万6千円か……」と慟哭する憲三。

すべてに絶望した彼は、故郷の山で首を吊るが、土壇場でロープが切れ、自殺にも失敗してしまう。だが、奇跡的に生き延びたことで何かが吹っ切れた憲三は、この山の中で死ぬまで生き抜くことを決意。すべてが自給自足のサバイバル生活を開始する。

登場人物・キャラクター

岡田 憲三 (おかだ けんぞう)

元サラリーマンの年配の男性。会社では経理畑にいたが、パソコンが使えず、若い社員から馬鹿にされる存在だった。妻と2人の子供がいるが、定年を迎えたとたんに家族が全員そろって家出。妻の岡田富裕子が全財産を持ち去ってしまったため、ほぼ無一文になってしまう。絶望のあまり故郷の山で首吊り自殺を図る。しかし、ロープが切れたため生き延び、開き直って死ぬ瞬間までとことん生き抜くと決意。 山の奥深くで自給自足の生活を始めることになる。このサバイバル生活によって心身ともに鍛えられ、やがて見違えるほど精悍な男性になるが、サラリーマン時代から高血圧症と糖尿病を患っており、決して健康体ではない。

(おんな)

岡田憲三がサバイバル生活をしている山中で、自殺しようとしていた女性。死にきれず気を失っていたところを、通りがかった憲三に助けられ、彼と一緒に暮らすようになる。山に入る前に妊娠しており、憲三の力を借りて山中で太郎を出産。以後も憲三とともに3人で暮らしていたが、日々成長する太郎をいつまでも山の中に置いておくことはできず、憲三に促されて山を降りる決意をする。

太郎 (たろう)

岡田憲三と暮らす女が山中で産んだ男の子。憲三のことを「じいじい」と呼んで慕っている。大自然の中で元気いっぱいに育つが、幼稚園に入る歳になったため、他の子供のいる環境で暮らすべきだと、女や憲三が判断。女とともに慣れ親しんだ山を降りることになる。

岡田 富裕子 (おかだ ふゆこ)

岡田憲三の妻。憲三との間に岡田由美子、岡田正夫という2人の子供がいる。長年、憲三に連れ添ってきたが、夫が定年を迎えた際に、離婚届だけを残して子供たちと共に家出。岡田家の全財産を持って姿を消し、以後まったく夫に関心を持とうとはしなかった。

岡田 由美子 (おかだ ゆみこ)

岡田憲三の娘。OLをしている気の強そうな娘。母親の岡田富裕子、弟の岡田正夫と示し合わせて憲三の前から姿を消した。その後、憲三の安否を確かめるため携帯に何度か連絡を入れたが、それは生命保険をあてにしているからであり、憲三のことはまったく心配していない。

岡田 正夫 (おかだ まさお)

岡田憲三の息子。軽薄そうな大学生で、父親のことをダメ親父と見限っている。母親の岡田富裕子、姉の岡田由美子と示し合わせて、父親の前から姿を消した。その際、父親の携帯番号を着信拒否にしており、その後はまったく連絡を取ろうとしなかった。

産科医 (さんかい)

産科医をしている初老の男性。岡田憲三と暮らす女を診断した。物分かりのよい人物で、憲三の揺るぎのない目を見て、彼のことを信用。自身の手で子供を取り上げたいという憲三の願いを聞き入れ、自分が使っていた医学書を彼に贈る。

ゴン太、ボタン (ごんた、-)

2匹のウリボウ(イノシシの子供)。岡田憲三が仕留めた雌イノシシに寄り添っていた。憲三に育てられ、やがて2匹とも立派なイノシシになった。憲三や彼と一緒に暮らす女によく懐いており、彼らにとって家族同然の存在となっている。

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