突然離婚を突き付けられ、僻地に追いやられた元皇太子妃のヴェラの逆転劇を爽快に描く
人前に出るのは苦手だが、皇太子、カロルの仕事が順調に進められるよう、大量の裏方仕事を一手に引き受け、陰で努力を続けてきた皇太子妃のヴェラ。しかしその努力をカロルに認められることなく「もう君に興味がなくなった」とあっさり捨てられ、夏の精霊の加護を受けたエスタと再婚すると言われる。城から追い出され、両親からも絶縁され、一人曽祖父母の家で暮らすことになったヴェラ。しかし皇太子妃というプレッシャーから解放され、曽祖父の残した書物を心置きなく読める自由な生活は、ヴェラにとって楽しいものだった。
四季の精霊から加護を受けた人間が、周囲に影響を及ぼす世界
この物語の世界では、春夏秋冬の四季の精霊が存在する。精霊から加護を受けた人間は、その季節を象徴する力を持つ。春の精霊の加護を受けたヴェラの曽祖父。彼の周辺は春の陽気に包まれ、花が咲き、作物が良く育った。中には強力な力を持つ高位精霊も存在する。冬の高位精霊の加護を受けたアランは、周囲に大雪をもたらしてしまう。本人は凍えるような寒さを感じ、素手で触ったものを凍らせてしまう。その力は自分の意思で制御することはできない。高位精霊の加護の影響を打ち消すことができるのは、別の高位精霊の加護だけと言われている。
カロルの異母兄、アランとの出会い
城からの使者としてヴェラの様子を確認に来たアラン。アランはカロルの異母兄で、本来は第一王子だったが、冬の高位精霊の加護を受けたことで王位継承権を失っていた。アランは常に凍えるような寒さを感じており、素手で触れたものを意図せず凍らせてしまう。側近でさえ凍るのを恐れ彼に触れようとしなかったが、手袋をしているとはいえ躊躇なく自分に握手を求めるヴェラに驚かされる。アランはヴェラの家に通い、会話を重ねるうちに彼女に惹かれ始めていることに気づく。ヴェラの家だとアランは暖かさを感じることができ、彼女の家の庭では寒さで育つはずのない花が咲くという不思議な現象が起きていた。
登場人物・キャラクター
ヴェラ
次期国王となるカロルの妻で皇太子妃だった女性。突然カロルから離婚を言い渡される。大勢の人の前に出るのが苦手。そのため外国語や歴史、国策を勉強し、裏方仕事を引き受け、カロルや国の役に立とうとしていた。曽祖父が春の精霊の加護を受けている。城を追い出され、一人で暮らすことになっても、元夫を恨むことなどなく、いつも前向きで、人を思いやる心を持っている。精霊の加護を受けていないとされているが、雪の降る寒い町でなぜかヴェラの庭でだけ花が育つ。
アラン
カロルの異母兄。第一王子だったが、冬の高位精霊の加護を受けたことにより、人生が激変してしまう。精霊の加護の力が強すぎて、大雪が降り注ぎ、国に悪影響が出たため、王位継承権を失う。アランが素手で触ったものは生き物でも凍ってしまうため、いつも手袋をつけている。雪の被害を最小限にして、国の財源になる希少な雪解け水を得るために、国の端の小さな町を独立国家にして、アランが統治することに。護衛や町の人たちから、人を凍らせると怖がられて、遠巻きにされており、孤独や寂しさを感じている。
カロル
次期国王とされる皇太子。いつも明るく表情豊かで屈託なく笑う男性で、ヴェラと婚姻関係にあったものの、一方的に離婚を言い渡す。病に臥(ふ)せっている現王の代わりに国を立て直すことに必死で、夏の精霊の加護を受けたエスタとの結婚を決める。国のために積極的に表舞台に立とうとしないヴェラに不満を持っていた。異母兄のアランを慕っている。
クレジット
- 原作
-
和泉 杏花
書誌情報
もう興味がないと離婚された令嬢の意外と楽しい新生活 2巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2023-11-17発行、978-4098528998)
第2巻
(2024-05-17発行、978-4098533039)
もう興味がないと離婚された令嬢の意外と楽しい新生活 4巻 小学館〈マンガワンコミックス〉
第3巻
(2024-12-19発行、978-4098537631)
第4巻
(2025-05-19発行、978-4098541041)
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