概要・あらすじ
旅芸人の手の目は、今日もとある料亭に呼ばれていたが、なぜか竹藪から抜け出すことができずさまよっていた。その竹藪の中で、彼女は虎に喰われた哀れな亡霊の男性と出会う。そして亡霊が消えるや否や、男性を喰った虎が現れ、手の目に襲い掛かる。からくも虎を撃退した手の目は、その傍らに虎の描かれた屏風が転がっていることに気づくのだった。
登場人物・キャラクター
手の目 (てのめ)
お酒の席で芸を披露する芸人として、各地を放浪する女の子。手の平には目の入れ墨が施されており、未来予知や怪異現象を操ることができる力を持っている。斜に構えた態度で、人に心を許すことはない。弟子としてやってきた小兎に対しても、当初は心を許さなかったが、次第に心を開いていく。
小兎 (しゃおつー)
手の目に弟子入りを志願する女の子。手の目の力を目にしたことで、彼女に惚れ込んだ。かなりのお調子者で、手の目が預かった品を勝手に開けてしまうなど、少し間が抜けている。手の目とは対照的に人懐っこく、荒れた時代の中でも彼女にしっかりと寄り添う。手の目と生活することで、怪異との付き合い方を学び、芸人として独り立ちをする。
見鬼 聡 (みき さとし)
手の目を助けた少年。川に流されていたところに、偶然居合わせてた。彼には人が怪物のように見えてしまっていたため、手の目に「邪の目封じ」という術を施される。これにより、手のひらを人にかざせば普通の姿に見え、手のひらを握るとその人の本質が見える力を得た。能力の使い過ぎで憔悴し、再び手の目を頼ることになる。
月星 麗香 (つきぼし れいか)
月星家の長女。手の目が幼少の頃に出会った。大きな屋敷で育ったこともあり、世間知らずで貧乏話や苦労話に弱い。幼少時に手の目に自分の恋愛運を占わせた際、「将来、いい人と出会うが、怪物を連れて帰ってくる」という結果が出てしまう。