概要・あらすじ
代々続く古い神社の娘・九重律は、妖怪を封印する退治屋でもあった。しかし、心優しい故に封印は失敗ばかり。そんなある日、誤って先代が封印した強力な妖狐・白夜の封印を解いてしまう。白夜に食べられそうになった律だが、「死にたくなければ俺を楽しませろ」と言われ、キスされた上に妖力を提供してしまう。以来、気まぐれに律を助けたり、やさしくしたりする白夜。
そんな白夜に律はだんだん惹かれていく。そして新学期。律が登校すると、人間に化けた白夜がまんまとクラスに紛れ込んでいた。「お前が相手してくれるなら他の奴には手を出さない」。そんなことを言って、学校でも律に迫る白夜。同級生を守るため、律はその申し出を受け入れる。しかし、その後、学校では妖力を食べられて倒れる生徒が続出する。
思わず白夜を疑う律だったが、それは桜の妖怪のしわざであった。果敢に桜の妖怪に立ち向かいながら、律は「自分以外の誰かと白夜がキスをすること」を嫌がっていたことを自覚する。律は力及ばず、桜の妖怪に追いつめられるが、駆け付けた白夜に助けられる。その返礼としてキスを要求する白夜。こうして白夜は、律の生活にどんどんと入り込んでいくのであった。
登場人物・キャラクター
九重 律 (ここのえ りつ)
代々続く古い神社・十五夜神社の娘。高校2年生。家族全員が妖力を持つ一族で、彼女も妖怪の退治屋として働いている。だが、生来の優しさが邪魔をして封印は失敗続き。その挙句、誤って先祖が封印した最凶の妖狐・白夜の封印を解いてしまう。以来、律は白夜につきまとわれ、口づけによって妖力を吸い取られるようになる。当初は好きでもない相手とのキスに戸惑いを見せていた律であったが、気まぐれに優しい面を見せる白夜に次第に惹かれていく。
白夜 (びゃくや)
九重律の先祖に封印されていた狐の妖怪。強力な霊力を持つ雄狐。律が誤って封印を解いて以来、彼女のそばにつきまとっている。気まぐれな性質で、何かと律をからかって楽しんでいるが、いざとなったら身を呈してでも律を守ろうとする。一方で、律に恩を売るたび、キスを通じての霊力提供を要求する。普段は律の家に居候し、当たり前のように稲荷寿司の食事をとっている。 ついには人間に化けて、律の学校の生徒として登校までするようになった。学校では律の親戚を名乗っているが、化けた姿は超イケメン男子のため、クラスの女子には絶大な人気がある。
お兄ちゃん (おにいちゃん)
九重律の兄。十五夜神社の神官・九重家の長男。大学生であり、大学の寮で一人暮らしをしている。両親と妹同様、妖力の持ち主で、妖怪の退治屋も営んでいる。しかし、最凶の妖狐・白夜を封印する程の力は持っていない。白夜を側に置いている律のことを常に心配している。
ごんちゃん
かつて九重律に助けられた狐の子の妖怪。子狐の姿をしているが、尻尾が2つに分かれている。律に懐いて一緒に暮らしている。白夜が律をからかっていると、間にはいって律をかばおうとする、けなげな妖狐。
律の両親 (りつのりょうしん)
九重律の両親。十五夜神社の神官で、妖怪退治の超エキスパート。封印の依頼がひっきりなしで、忙しく日本中を飛び回っている。
金藤 沙月 (かなふじ さつき)
九重律のクラスメートの女子。明るくて元気な気づかい屋さん。律は妖怪退治屋であることを彼女には明かしていない。中間テストが終了した際、男女ペアの肝試しを提案した。
朱夏 (しゅか)
肝試しの際、九重律のクラスに紛れ込んでいた猫又。雌猫で、猫耳をはやし、尾は2つに分かれており、首には大きな鈴をぶら下げている。白夜に色目を使って、律をヤキモキさせた。
桜の妖怪 (さくらのようかい)
九重律の学校に出現した妖怪。新学期早々、生徒たちが倒れる事件が続発した。律はこれを白夜の仕業ではないかと疑ったが、実は桜の妖怪の仕業であった。