も~れつバンビ

も~れつバンビ

闘牛が盛んな南の島、煌之島を舞台に、気の弱い雄牛バンビと、その牛主である気の強い少女・宝田日和の成長を描くドラマチック南国闘牛コミック。「週刊ヤングマガジン」に2009年から2010年にかけて連載された。

正式名称
も~れつバンビ
ふりがな
もーれつばんび
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

南の島の繁殖農家で生まれ、ぬくぬくと育ってきたとある子牛は、ある日突然自分の角の存在意義と生き方に疑問を抱き、牧場から脱走しようする。祖父に連れられて農家を訪れていた宝田日和は、その子牛に目をつけ、闘牛用に購入。日和は子牛にバンビと名付け、ともに闘牛のチャンピオンを目指すことを誓う。気の弱いバンビに残された道は、過酷な闘牛で勝ち続けるか、負けて処分されるかの二つに一つだった。

登場人物・キャラクター

バンビ

南の島のとある肉用牛の繁殖農家で生まれた雄牛。立派なブランド牛となって売られていくと思い、ぬくぬくと育ってきたが、ある日突然自分の角の存在意義と生き方に疑問を抱き、牧場から脱走しようとしたところを宝田日和に目をつけられ、闘牛として宝田家に買われる。額にハートマークのある可愛らしい牛で、ディズニーアニメに登場する鹿のバンビに似ていることから日和に「バンビ」と名付けられた。 気の弱い牛だが、日和とともにたくましく成長していく。闘牛の大会に参加する時の名前は「猛烈バンビ」。

宝田 日和 (たからだ ひより)

煌之島で生まれ育ち、闘牛に熱い情熱を注ぐ少女。煌之島高校にスクーターで通う女子高生。異常なほどに負けず嫌いで気の強い性格だが、幼い頃はすぐに泣く、気の弱い女の子だった。8歳の頃に叶勝美たちからイジメられた、とある出来事をきっかけに性格が変わる。中学2年生の時に祖父の宝田正造に買ってもらった子牛に「バンビ」と名付け、バンビを闘牛のチャンピオンに育てることが夢。 テストの成績は赤点を取るほどひどいが、ミシンでメイド服を作るなど手先は器用で度胸も人一倍ある。

宝田 正造 (たからだ しょうぞう)

宝田日和の祖父。闘牛に情熱を注ぐ熱いおじいちゃん。恰幅が良く、坊主頭にサングラス、口髭、顎鬚にアロハシャツと、見た目はヤクザ。孫娘にバンビを買い与え、自分は宝龍カブラーの牛主として奮闘中。

宝田 敏子 (たからだ としこ)

宝田日和の母で、宝田正造の長女。学業をおろそかにして闘牛に入れ込む日和を叱り、心配している。正造が日和にバンビを買い与えた時も激怒した。日和が勢子(せこ。闘牛の時に牛の傍に立って牛を叱咤激励する人)をすることも危険だからと禁じている。

日和の父 (ひよりのちち)

宝田日和の父。宝田敏子と結婚して宝田家に婿入りし、日和と宝田大助をもうけるが、7~8年前に離婚。子供を残して煌之島を去り、いまは新潟闘牛に携わっている。

宝田 大助 (たからだ だいすけ)

宝田日和の弟。眼鏡をかけた秀才風の少年。勉強のできない姉と違い、学年で1位を取るほど学業優秀。闘牛にはさほど興味はなく、入れ込む姉に呆れつつ馬鹿にしている。現在は島外の学校に通っている。

宝龍カブラー (ほうりゅうかぶらー)

宝田正造が育てるベテランの闘牛。沖縄で5連勝した後、正造に買われて煌之島へやってきたが、体重を増やしすぎてヒザを故障し、それ以来まだ未勝利。バンビの兄貴分といえる頼れる存在。

叶 勝美 (かのう かつみ)

宝田日和の幼なじみの同級生で、煌之島高校に通う男子高校生。大きな牧場を経営する叶家のボンボン息子。染めたロンゲに鋭い目つき、十字架のネックレスと見た目はヤンキーで、子供の頃からガキ大将的な存在。父に買ってもらった天下信長で闘牛に参加している。

天下信長 (てんかのぶなが)

叶勝美が牛主の闘牛。放牧されたメス牛から生まれ、そのまま野ざらしで育った山牛。そこに種牛としていた元横綱牛にイジメられて闘いを仕込まれ、リーダー格になった実力の持ち主。集中力が持続しないのが弱点。

基 翔一 (もとい しょういち)

白美神の牛主。20代で起業して儲けたといわれる青年。眼鏡をかけた理論派。白美神の大会では、白牛の白美神に合わせて、自身も白いスーツで華麗に登場した。熱くはならないクールなタイプで、対戦中は音楽が好きな白美神にアレグロやフォルテッシモなどの音楽用語で指示を出す。

白美神 (はくびしん)

バンビの闘牛大会デビュー戦の対戦相手となる白い牛。牛主は基翔一。得意技は、相手の額や顔の側面に角を強烈に打ち込む「ハンマー割り」と、バチで三味線を奏でるように角で相手をリズミカルに叩く「三味線割り」。

大盛一号 (おおもりいちごう)

闘牛の横綱で、煌之島の全島一チャンピオン。チャンピオンの座を12回も防衛している王者。宝田日和も小学生の時、生まれて初めて祖父に連れていってもらった大会でまだ若牛だった大盛一号の闘う姿を見ている。

林 雄太 (はやし ゆうた)

喘息のため静養に煌之島へやってきた少年。宝田日和と同じ煌之島高校に通う。島で初めて闘牛に出会い、徐々に興味を抱いていく。「煌之島日記」というブログをやっており、写真を撮影しては更新するのが日課。

藤井 (ふじい)

煌之島高校の闘牛研究会に所属する女子高生。可愛いうえに優しくてスタイルも良く、マドンナ的な存在。宝田日和のことも闘牛研究会に誘っている。闘牛研究会としても牛太郎を闘牛大会に参加させており、牛太郎のデビュー戦では、藤井がチアガール姿で応援した。

牛太郎 (うしたろう)

煌之島高校の闘牛研究会が育てている闘牛。デビュー戦では、煌之島高校の吹奏楽部まで応援団として駆け付けたが、対戦相手の牛が戦意喪失し、不戦勝となった。角は短いボーヌー(真っすぐ横に伸びた形)。

ジロー

宝田日和の近所に住み、牛を飼っているおじさん。アフロにグラサンで、いつもタバコをふかしている。バンビが闘牛の大会にデビューする際に、勢子(せこ。闘牛の時に牛の傍に立って牛を叱咤激励する人)をしてくれた。妻子がおり、妻からは自分の息子と牛とどっちが大事なのかと責められている。

基 泳一 (もとい えいいち)

闘牛を育てる手腕に定評があり、名伯楽と呼ばれる牛主。基翔一の兄。獄長パンダを大会に出場させ、新チャンピオンにさせた。

獄長パンダ (ごくちょうぱんだ)

愛媛の宇和島から連れてこられた7歳で、体重1.2トンの巨大な闘牛。牛主は基泳一。長らく闘牛界の頂点に君臨していた大盛一号を下し、新チャンピオンとなる。

大盛 照夫 (おおもり てるお)

大盛一号を育てた牧場で暮らす少年。まだ中学3年生だが、ここ2~3年は大盛一号の面倒も見ていた。口数の少ない少年だが、地上最強の動物を連れて歩きたいという思いを持っている。現在は天と卍の2頭をデビュー戦に向けて調整中。

(てん)

大盛照夫が闘牛として育てている若牛。角が形良く天に向かっているところから「天」と名付けられた。卍の兄貴分。同じ牧場で育った大盛一号を尊敬しており、「大盛一号閣下」と呼んでいる。

(まんじ)

大盛照夫が闘牛として育てている若牛。珍しいヒーゲー角(左右の角の向きが不ぞろいに伸びたもの)のため「卍」と名付けられた。天とのセットで大盛家に買ってもらえた。コンプレックスだったヒーゲー角を活かして闘う。

(しげる)

沖縄に住む少年。ありさ花形のかつての名前である「やどかり」の名付け親。いじめられがちだった自分をやどかりに重ね、すすんで世話をしてともに育った。ある「おまじない」をすることで、ありさ花形を強くすることができる。

ありさ花形 (ありさはながた)

沖縄闘牛界を席巻した伝説の名牛「ありさ号」の血を引く牛。ありさ号と名もないメス牛との間に産まれた牛のため、エリートメスを母に持つ兄弟からイジメられて育った。しかし、やられたらやり返す根性が買われて「やどかり」の名でデビュー。4連勝して、ようやく父の名をもらい「ありさ花形」を名乗ることを許された。「やどかり」という名を付けて面倒を見てくれていた茂を信頼している。 大会でバンビと闘うことになる。

小杉 (こすぎ)

新潟闘牛で日和の父たちが手塩にかけて育てた牛。バンビとほぼ同い年だが、大きな体と立派な角を持つ。勝ちにこだわる殺し屋タイプの暴れ牛で、最後まで勝負をつけない新潟闘牛のスタイルと合わないため、日和の父がバンビとのトレードを申し出る。沖縄で行われる闘牛サミットでバンビと闘うことになる。

場所

煌之島 (きらのしま)

東シナ海に浮かぶ亜熱帯の島。面積約250平方キロメートル、周囲約84キロメートル、人口約2万7千人。美しい海と多様な動植物、広大に広がるサトウキビが見どころ。鹿児島県の徳之島がモデルと思われる。

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