わくわくろっこモーション

16歳の女子高校生が寂れた商店街の会長となり、店を出す人々たちとともに商店街の活性化を図る。会長の女子高校生が変わったおじさんたちに翻弄されつつも、どこかのんびりした空気を醸し出すシュールコメディ。「電撃大王GENESIS」Vol.1より連載が開始。「電撃大王GENESIS」の休刊後は、「コミック電撃だいおうじ」2013年Vol.1から2016年Vol.39にかけて連載された。

正式名称
わくわくろっこモーション
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
電撃コミックス EX(アスキー・メディアワークス)
関連商品
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あらすじ

第1巻

東灘ろっこは女子高校生ながらひしゃく商店街の会長に任命され、近所にできた亀山ストアの影響で寂れつつある商店街を活性化させる役目を担った。手始めに「ひしゃく商店街」の店主たちに話を聞きに行ったろっこは、謎の生物を釣り上げては売っている魚屋、「らっしゃい」という掛け声に命を懸けている八百屋、回りくどい詩的な喫茶店、どこかで聞いたような名前のコンビニなど、いずれも個性が強過ぎる店ばかりであることを知る。そんな中、ろっこと同じクラスに亀山すずかという転校生がやって来る。実はすずかは「亀山ストア」の支店長であり、「ひしゃく商店街」を潰すという目的を持っていた。だが、そんなこととはつゆ知らず、ろっこと商店街のメンバーはマイペースに商店街の活性化を考えるのだった。

第2巻

最新家電や最新技術を一切知らない電器店の店主や、東灘ろっこの通う高校の生徒会長にして、「らっしゃい」の掛け声を別の形で広めようと画策している八百屋の娘など、さらに個性の強いメンバーが揃い、ろっこの商店街活性化計画は少しずつ進んでいく。そんな中、ろっこのクラスメイトの亀山すずかは、うっかり自分が亀山ストアの支店長であること、そしてひしゃく商店街を潰そうと画策していることを、ろっこにすべて話してしまう。開き直ったすずかはろっこに対決を求め、「ひしゃく商店街」対「亀山ストア」の、生き残りを賭けたバトルが勃発する。

第3巻

勢い勇んで対決を申し込んだはいいものの、亀山すずかはノープランで、どんな対決をするのかすらも決めていなかった。そこでひしゃく商店街とすずかで会議を開き、対決の内容を決めることになった。数日間の熟慮の結果、黒部ケイコ発案のクイズ対決を行うことが決定。この対決で負けた方は、全品半額セールを行うという罰ゲームも定められた。結果、ひしゃく商店街が勝利を収めたものの、商店街に新たな客が来ることもなく、対決は無駄骨に終わる。その後も東灘ろっこたちは地域の活性化を目指し、新たに名物を作ったり、テレビの取材を受けたりするが、結果は伴わない。こうして「ひしゃく商店街」と亀山ストアとの確執もうやむやになりかけた頃、「ひしゃく商店街」を潰して、その跡地に新たな企業のショッピングモールを建てる、という計画が持ち上がる。それを知ったろっこは商店街の住人に意見を聞くが、「いい点も悪い点もある」と、どうにも皆の姿勢ははっきりとしない。こうして、「ひしゃく商店街」の存続は結局ろっこに委ねられるのだった。

登場人物・キャラクター

東灘 ろっこ

ひしゃく商店街に住む16歳の女子高校生。黒髪のセミロングヘアで、ひしゃく型のヘアピンを付けている。誕生日に父親から商店街の会長に任命されてしまい、当初は嫌がっていたものの、自分の育った商店街がなくなってしまうのは嫌だと、会長職を受けることを決意。それからは商店街の見回りや、活性化を目指した企画立ち上げなどを積極的に行っている。 しかし、商店街の個性的すぎるメンバーのせいでうまく結果に結びつかず、うやむやになってしまうことが多い。当初、周囲からは「ちゃん」付けで呼ばれていたが、会長になってからは、商店街の関係者から「さん」付けで呼ばれるようになった。商店街に対する愛情はあるものの、冷静で客観的な視点も持ち併せており、亀山すずかから商店街の案内を頼まれた際には、「見てもしょうがない」と言い放った。 妹想いな性格で、妹、東灘ななこの言葉に左右されることも多い。商店街のイメージキャラクターとしてゆるキャラを描いた結果、「下手すぎるゆるキャラ」だと、逆に噂が広まってしまうほどに絵が下手。

父親

東灘ろっこの父親。ひげ面で作業着を身に着け、帽子を被った中年男性。かつて22歳の頃に商店街会長として就任したが、商店街の活性化のために、その職を娘のろっこに託した。会長時代は特に目立った仕事をしておらず、仲間たちと遊んでばかりいたが、その分、仲間内では和気あいあいとした関係を築いている。若い頃には太田や黒部とともにバンドを組んでいたこともあるが、上手いわけではない。 貴重なものを粗末に扱ったり、意味のない発言をしたりと、適当な面が多々見られ、そのたびにろっこに叱られている。

東灘 ななこ

東灘ろっこの妹。小学生で、髪を右側で結んでいる。のんびりした性格ながら、時に厳しい意見をはっきりと口にするため、周囲にショックを与えることがある。豊川ランと友達で、やることがない時には、2人で畳の目の数を数えたりしている。流行りものに敏感で、アニメやゲームなどで遊ぶのが好き。ろっこたちがひしゃく商店街の活性化に悩んでいる時には、「ひしゃくという名前からしてダサい」と一蹴した。

千曲 しなの

東灘ろっこと同じ高校に通う女子。ろっこの友人。髪型をポニーテールにしている。商店街のおかしなおじさんたちを見ても、「かっこいい!」「すごい!」と絶賛する不思議な感性を持つ女性で、時折ろっこを困惑させる。新しい店を紹介する役回りを担っており、ろっことさまざまな店に行くことが多い。小矢部の喫茶店「喫茶のびのび」を訪れた際は、独特のレビューを披露して、伝説のレビュワー、ぞうさんに負けるとも劣らない詩的な才能を見せつけた。 洋楽を聞くのが趣味で、同じ趣味を持つ亀山すずかと語り合うこともある。ドラムを叩けると自称しているが、特に上手いわけではない。

亀山 すずか

東灘ろっこの通う高校に転校して来た女子。ろっことクラスメイトになった。長い髪と釣り目が特徴。ひしゃく商店街が寂れるきっかけとなった大型スーパー「亀山ストア」の社長の娘で、支店長を務めている。その正体を隠してろっこに近づき、「ひしゃく商店街」を潰すため偵察を行う。幼い頃から海外で経営学を学んでおり、成績が優秀すぎるために思い込みの激しい傾向がある。 ちなみにお嬢様気質だが、金銭感覚は庶民的。転校当初は、ろっこにライバル意識を持っていたが、次第に友人として親しくなっていき、正体がばれた後も、普通に友人として付き合っている。千曲しなのとは洋楽好きということで話が合い、のちにバンドを組んでピアノを担当するが、特に上手いわけではない。

黒部

ひしゃく商店街の中にある八百屋「八百黒」の店主を務める男性。体格がよく、声も大きい。会話中にも何かと「らっしゃい」を盛り込むほど、この掛け声に情熱を燃やしている。しかし、周囲からの反応は悪く、「あの声を聞くくらいなら、多少高くてもスーパーで野菜を買う」とまで言われている。アンケートを取った際、「らっしゃい」が散々な結果となり、東灘ろっこにもやめるよう勧められた。 しかし、親子三代続く「らっしゃい」を途絶えさせることはしないと断言した。「らっしゃいオリンピック」に出場するのが夢。

黒部 ケイコ

黒部の娘。東灘ろっことは同じ高校に通う先輩でもある。黒髪のロングヘアで眼鏡をかけており、頭にはヘアバンドを付けている。ちなみにこのヘアバンドは父親の黒部から誕生日にもらったもので、裏側に「らっしゃい」と書かれている。学校では生徒会長を務めており、同じ「会長」という職に就く者として、ろっこと親睦を深めたいと考えている。 父親が「らっしゃい」と言うのを恥ずかしいとは思っているが、「らっしゃい」自体は気に入っており、ろっこたちに悪く言われた時には声を荒げて怒った。なお、父親の「らっしゃい」を、やかましく押しつけがましい「旧世代」のものと見なし、自分はスマートな「新世代」の「らっしゃい」を家庭に広めようと考えている。ろっこと知り合ってからは商店街の会議などにも出席し、企画発案などをするようになる。

太田

ひしゃく商店街の中にある魚屋「魚政」の店主を務める男性。短髪にねじり鉢巻きで、エプロンを身に着けている。幻の魚を釣ることが趣味らしく、東灘ろっこが挨拶に訪れた際には、師匠の力を借りてアイツを釣り上げた。絵が上手で、商店街のイメージキャラクターを作ることになった時には、マグロに手足が生えたキャラクターを考案したが却下された。 ろっこの父親とは仲が良く、よく一緒に行動をともにしている。

アイツ

魚屋の太田が釣り上げた謎の生き物。「アイツ」や「こいつ」と呼ばれているが、正式な名前は不明。見た目はクラゲのようだが、頭にアンテナのようなものが生えている。太田によれば魚であるというが、釣る時にはキノコを餌にする。年に数匹しか釣れない幻の魚といわれているが、太田は釣り堀で釣った。三ツ星レストランでも入荷が難しい高級食材として取り扱われ、食用部分は頭のアンテナ部分だけだが、それに1万円の値段がつく。 ちなみにアンテナ部分は切った後もまた生えてくるが、飼育する際には、餌として高級マツタケしか食べない。そのため、飼育費がかさみ、あまり儲かるものではない。

師匠

太田が釣り堀で出会った男性。丈の短い着物を着ており、白髪頭で老けた見た目をしているが、実年齢は不詳。日本で唯一「アイツ」を釣り上げることができる人物とされている。普段は寡黙に過ごしているが、酒が入ると饒舌になる。太田と出会った後は飲み友達になった。

小矢部

喫茶店「喫茶のびのび」でマスターを務める男性。茶色の長髪で眼鏡をかけている。物事を詩的に表現する癖があり、店のメニューも、例えば「カフェオレ」が「極上のコーヒーとミルクの奇跡の出会い」というように、分かりにくい名前になっている。会話をする時にも、例え話のような詩的な表現をするため、東灘ろっこからはうっとうしがられている。 「喫茶のびのび」では、提供するコーヒーを詩的にレビューするテイスターに、小矢部がポイントを付けるという催しが行われており、レビューに自信のあるテイスターが集まっている。

ぞうさん

喫茶店「喫茶のびのび」で、テイスターズランキング1位に君臨する人物。名前と噂は広まっているが、その正体は不明。そのレビューは伝説とまでいわれており、ぞうさんのレビューブログをきっかけに、それまで低迷していたテイスター界を再び盛り上げることになった。

山中

ひしゃく商店街の中にある登山用品店の店主を務める男性。短髪で、薄くひげを生やしている。年齢は35歳で、商店街メンバーの中では比較的若い。自身も山登りを趣味としており、10年に一度しか登頂する人がいないといわれる「難徒可山」に登った時に、仙人と出会った。そこで不老不死のデータ(実際は長生きの秘訣が書かれたテキストデータ)が入ったSDカードをもらい、のちにSNS上でも友達になる。

仙人

「難徒可山」の頂上に住む仙人。人より長い頭をした老人。自称317歳で、普段は霞を食べていると噂されている。ノートパソコンを所持しており、神通力でネットに繋げたりネット通販で物を買ったりしている。外見に反して若者のような口調で、言うことが全体的に軽い。「難徒可山」に登って来た山中と出会い、久々に人と関わったので、不老不死のデータ(実際は長生きの秘訣が書かれたテキストデータ)が入ったSDカードを渡した。 のちにSNS上でも友達になる。

多聞

ひしゃく商店街にあるコンビニ「タブン・イレブン」の店主の男性。黒髪で、丸い目をしており、眼尻にしわがある。以前は酒店を営んでいたが、流行りに乗じてコンビニに改装した。店内には私物が置いてあり、品ぞろえもおにぎりは鮭だけ、お弁当は唐揚げ弁当だけと、自分の趣味嗜好を全面に押し出した偏ったものとなっている。

豊川

ひしゃく商店街にある電器店「トヨカワ電器」の店主を務める中年男性。横分けの髪形で、丸い眼鏡をかけている。電器店の店主にも関わらず最新機器の事情を知らず、パソコンはいまだにダイヤルアップでネットに接続し、マウスはボールタイプ。ちなみにスマホやタッチパネルはそもそも知らない。その理由は、パソコンのソリティアが面白くて、十数年そればかりやっていたためと語っている。 豊川ランは実の娘だが、ランのほうが最新機器に明るい。

豊川 ラン

豊川の娘。東灘ななこと友達で、同じ小学校に通っている。セミロングの黒髪で、カチューシャを付けている。常にノートパソコンを持っており、統計を取ったりデータを収集して披露したりしている。父親よりもしっかりした性格で、流行などに精通している。

タナハシ

ひしゃく商店街にあるゲームセンターの店主を務める男性。口ひげを生やし、帽子を被って眼鏡をかけている。店内には有名ゲームの偽物ばかりが並んでいることもあり、通って来るのもコアなファンのみ。タナハシ自身は、地面から出てくるモグラを踏み潰すゲームを得意としており、自分で「タナハシ名人」と名乗っている。実家が資産家のため採算度外視で、商品の入荷や店の改装はもっぱら趣味として楽しんでいる。 のちに、ゲームセンター内にバッティングセンターやボウリングなどのスポーツコーナーを併設する。

鈴木

亀山ストアのエージェントの若い男性。スーツを着て髪型は七三分け、四角い眼鏡をかけている。常にインカムを付けており、堅苦しい話し方をする。ちなみに、鈴木自身は自分の職を「エージェント」と言っているが、亀山すずかからは「雑用係」と言われている。主にデパートの警備やすずかの補佐を行っており、管理室でモニターのチェックをしていることが多い。

場所

ひしゃく商店街

東灘ろっこが会長を務める商店街。近くに大型スーパー亀山ストアができたため、現在は利用客が激減している。ろっこの父親が持っていた資料によると、江戸時代に交通の要となっていた道に大きな井戸があり、旅人たちが水を求めて集まり、商売が始まったのがきっかけで作られたという。のちに商店街の名前をつけることになり、人が集まるもととなった井戸にちなんだ名前にすることが決定。 最初は水を汲むための「桶」から「オケ商店街」となったが、語呂が悪いため、そのオケから水を分ける道具としてなぜか「湯のみ」になり、最終的に「ひしゃく」と移り変わった。なお、なぜ「湯のみ」が登場し、しかもそこから「ひしゃく」になったのかは不明。

亀山ストア

チェーン展開している大型スーパー。取り扱っている商品は食品から衣料品や家電と幅広く、カフェも入っている。建物の見た目がデパートっぽいことから、「亀山デパート」と呼ばれることもある。「ひしゃく商店街」近くにも新しく支店ができた。亀山すずかがここの支店長を任されており、他社よりも安く商品を提供するために、さまざまな試行錯誤を続けている。 この亀山ストアの影響で「ひしゃく商店街」は寂れつつあるが、商店街の店主たちは「亀山ストア」を便利な店と認識し、頻繁に利用している。

その他キーワード

らっしゃい

八百屋の黒部が発する掛け声。店へ客を呼び込むための「いらっしゃい」が短縮されて「らっしゃい」になったもの。黒部によれば、「古代ローマで初めて八百屋を開いたカリトゥス=ラーシャイへの敬意が込められている」という。もちろん真偽は不明。「らっしゃいオリンピック」も開催されており、日本代表である杉山さんの「らっしゃい」は、見る者すべてをほれぼれされるほど。 当初は「らっしゃい」に懐疑的だった東灘ろっこも、「らっしゃいオリンピック」のビデオを見ただけで魅了された。黒部ケイコは父親の「らっしゃい」を旧世代と評しており、新世代の「らっしゃい」である「だまらっしゃい」を多用している。

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