女子高生信長ちゃん!!

女子高生信長ちゃん!!

ある日突然、普通の女子高生の体が、織田信長に乗っ取られるところから始まる4コマ学園コメディ。信長が女子高生になって学園に通うという設定はもちろん、周囲の人間がそれを冷静に受け止めるシュールさが笑いを誘う。作品投稿サイト「Eエブリスタ」で2010年8月から2012年6月まで連載された。なお、作品は未完のまま連載を終了したが、その後のエピソードは、作者・木村明広のオフィシャルサイトで不定期公開されている。

正式名称
女子高生信長ちゃん!!
ふりがな
じょしこうせいのぶながちゃん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

吉乃田法子は何の変哲もない女子高生であったが、ある日目が覚めると、織田信長になっていた。女子高生の肉体を得た信長は、戦国の世とはかけ離れた現代でも、周囲の人間を巻き込みながら、ただただ自分勝手に気ままに生きていく。

登場人物・キャラクター

吉乃田 法子 (よしのだ のりこ)

ある日突然、織田信長に精神を支配されてしまった女子高生。第1話で普通の女子高生だったことが語られた後は、何人かの登場人物の回想に登場するのみ。ほとんど出番がないので、彼女の意識がどうなったのかは謎のまま。柏原千草の回想によれば、頭は千草よりも良かったが、体力面では劣っていたという。信長に体を乗っ取られるまでは、穏やかな表情を浮かべ、学級委員長を務める才女だった。 信長になってからは、顔つきも若干凛々しくなっている。同年代の女性に比べると、かなり秀でたスタイルの持ち主。

織田 信長 (おだ のぶなが)

ある日突然、吉乃田法子の体に転生した戦国時代の織田信長その人。性格は自分勝手で自由奔放。現代でも、戦国時代の習わしや常識で行動しようとする。そのため、たびたび木下秀美や鏡野舞夢から制止されている。現代社会に関しては、平和であることや、目新しいものに溢れているため不満はなく、存分に満喫している。周囲の人物には、その立ち位置や見た目から類推して、生前関係のあった武将のあだ名を勝手に付け、徐々にコミュニティを広げている。 一方で、自分が法子の体に乗り移ってしまったために、法子がいなくなったことを案じている節もある。

木下 秀美 (きのした ひでみ)

吉乃田法子の親友の女子高生。名前と関係性から、織田信長に「猿」という、不名誉なあだ名を付けられてしまった。量が多くボサボサの金髪を、赤いリボンでツインテールにまとめた髪型が特徴。性格は明るく楽天的。法子が信長に変わった朝も、本人から「今の自分は織田信長だ」と言われ、「じゃあ、のりちゃんじゃなくて、のぶちゃんだね」と即座に受け入れてしまう順応性の高さを見せる。

鏡野 舞夢 (かがみの まいむ)

吉乃田法子の通う学校で、1年5組に所属する後輩の女子高生。いわゆる「歴女」で、織田信長を尊敬している。法子が織田信長になったことを聞きつけ、「付き合ってほしい」と告白。その経緯から二代目森蘭丸を襲名し、以降は何かにつけて行動を共にする。頭頂からアホ毛を生やし、後ろ髪をテープでぐるぐる巻きにした、特徴的な髪型をしている。

長池 満流 (ながいけ みちる)

吉乃田法子のクラスメイトの女子高生。ポニーテールで、見た目に違わず、溌剌としてノリの良い性格。イベントなどでは、同じ学校の教師で姉の長池香流を巻き込んで、友人らと旅行を計画したりする。ポニーテールの髪型を髷と間違われ、織田信長から「池田恒興」のあだ名を賜った。

此花 泉 (このはな いずみ)

吉乃田法子のクラスメイトの女子高生。ふんわりとウェーブがかったロングヘアに、丸いメガネをかけている。見た目そのままの秀才であり、学年でも上位の成績を誇る。茶道部に所属しており、大人しく礼儀正しい。織田信長の交友関係では、主に仲裁役や常識を教える役を務めるが、あまりその効果は芳しくない。茶を嗜むため、鏡野舞夢に「千利休」役がぴったりとされ、信長もそれに賛同。 あだ名として定着してしまった。

風祭 真美 (かざまつり まみ)

吉乃田法子と同じ学校で、1年5組にいる後輩の女子高生。鏡野舞夢の友人。新聞部に所属しており、法子が織田信長になったことを聞いて、取材を申し込んでくる。ボサボサの髪にサンバイザーを付けた独特の出で立ち。どんなときでも笑顔を絶やさず、糸のように細い目をしている。自分の情報収集能力に自信を持っており、「どんな情報も手に入れてみせる」と豪語。 それを聞いた信長から「滝川一益」の名前を授かり、行動を共にするよう申し付けられた。実家は仕出し弁当屋を営んでいる。

柏原 千草 (かしわばら ちぐさ)

吉乃田法子と同学年の女子高生。陸上部のエースで、全国大会の常連になるほどの運動神経の持ち主。法子とは中学時代の旧友であり、よく勉強を教えてもらっていた仲。法子が織田信長になって自分のことを忘れ、しかも得意とする運動面で自分より目立つため、体育祭で勝負を挑んでくる。ちなみにこのとき、自ら「伊達政宗」を名乗ったものの、活躍した時代が少し異なるため、信長はあまりピンと来なかった様子。 実家が貧乏で、イベントがあるたびに呼ばれては、食べ物の施しを受けている。

大鷹 (おおたか)

法子の父が買ってきた鷹。吉乃田法子が織田信長になったことを聞いてお土産にした。名前はなく、単純に「大鷹」とだけ呼ばれている。信長とは、互いにテレパシーで会話ができるほどに通じ合っており、どこへでもついていく。

長池 香流 (ながいけ かおる)

吉乃田法子の通う学校の数学教師の女性。長池満流の姉。年齢は20代後半。大きなリボンでポニーテールにまとめた髪型に、メガネをかけたきつい目元が特徴。部活動ではテニス部の顧問も務める。法子が織田信長になって最初の授業では、定規とチョークが直刀と手裏剣に間違われ、忍者であると断定されて被害を被る。その後は、法子がテニス部だった関係から勝負を挑まれ、散々な目に遭った。 なお、このときはサーブ権を信長に譲った経緯から、「上杉謙信」の二つ名をもじり「越後の雌虎」と呼ばれるようになる。以降も何かと因縁を吹っ掛けられるが、基本的に面倒見は良い。妹の満流の頼みもあり、イベントには引率として付き合ったりしている。まだ未婚で彼氏もいない。

法子の母 (のりこのはは)

吉乃田法子の母親。ハーフアップにした髪を、大きなハート型のバレッタで留めている。ある日突然、織田信長になったという娘に対し、「まぁ、どうしましょう」程度で済ませてしまう豪胆な性格の持ち主。しかし、その割には信長が「学校で教師と決闘し、一刀両断してきた」といったときには、慌てて学校に謝罪の連絡を入れようとしていた。 信長になった娘の無防備な姿を、法子の父に見せまいと、日々奮闘している。

法子の父 (のりこのちち)

吉乃田法子の父親。法子の母にも増して豪胆な性格の持ち主。法子の母親から「娘が織田信長になった」という話を聞いて、「ワクワクする」と言ったり、お土産として大鷹を買ってきたりする。本物の法子とはあまり親子仲が良くなかったようで、口を利くことも少なかった。ところが、娘が信長になってからは、学生時代に培った歴史の知識から話が弾み、今の状況を楽しんでいる。 また今の楽しさと、これまでのそっけない態度の反動からか、娘のあられもない姿をカメラに収めようとするなど、少々暴走気味。

近藤 (こんどう)

吉乃田法子らのクラスの担任の男性教師。担当科目は歴史で、茶道部の顧問も務める。恰幅のいい体型に禿頭で、もみあげと口ひげがつながった独特の髭を持つ。その容姿から、織田信長に武田信玄と間違えられ、それ以来、生徒らからも「信玄先生」と呼ばれるようになった。なお、信玄と言われないために、一度は髭を剃りはしたが、結局は諦めた様子。

化学教師 (かがくきょうし)

吉乃田法子らが通う学校で、化学を担当する男性教師。あちこちにハネたボサボサの髪に、ウェリントン型のメガネをかけている。織田信長に、黒色火薬の作り方を聞かれて大真面目に答えた。「たちまち鋼の肉体に早変わりさせる秘薬」や「飲んだ後、最初に見た人を必ず好きになる惚れ薬」などを作っており、平時から、かなりぶっとんだ性格を持つ。

西村 (にしむら)

吉乃田法子らが通う学校で、体育を担当する男性教師。角刈りの髪型に、がっしりした良い体格の持ち主。しかし、比較的大人しく心優しい人物。体育の授業で、なにかとはっちゃける織田信長や周囲の生徒を、厳しく注意するでもなく、どちらかというと控えめに心配をするぐらい。

倉科 (くらしな)

吉乃田法子らが通う学校で、古文を担当する女性教師。髪をふんわりとした三つ編みで1つにまとめている。書道部の顧問だが、織田信長になった法子の字が達筆すぎて、読めなかった。性格は大人しく控えめなお嬢様。実際に、競走馬を10頭以上持つほどの資産家の娘。

ウィリアム

吉乃田法子が通う学校で、英語を担当している黒人の男性教師。日本に5年ほど前から移住している。セリフはすべてカタカナで表現されるが、日本語は十分堪能。その容姿から、初対面の織田信長から「彌助」と間違われた。一方のウィリアム視点では、信長は、かつて日本で多くの人を殺めた侍で、極悪非道な行いから家臣に裏切られまくって死んだ、という程度の認識しかない。

ディアナ

ウィリアムの妻。金髪ロングヘアの外国人。自宅でハロウィンパーティーを催したとき、メイド服を着て仮装をするなど、ノリのいい一面を持つ。

ウィリアムの子供たち (うぃりあむのこどもたち)

ウィリアムの息子と娘。まだ幼いながらも、息子はウィリアムに、娘はディアナに、それぞれ瓜二つの容姿をしている。2人ともほとんど日本で暮らしている。特に娘は日本で生まれたこともあり、両親と違って日本語は完全にネイティブ。織田信長に影響されて、「いちぞくろーとーみなごろし」など、かなり物騒な言葉を覚えてしまう。

秀美の母 (ひでみのはは)

木下秀美の母親。秀美が風邪をひいたときに、看病に訪れた織田信長らを出迎えた。笑顔を絶やさない優しい母親。しかし、我が子を「猿」と呼び、病状を悪化させるような言動をする信長に対しては、「信長が成しえなかった天下統一を豊臣秀吉が成した」「今度は志半ばで倒れずに、末永い付き合いを」など、笑顔のままで皮肉を並べ立てる。

岸村 百枷 (きしむら ももか)

吉乃田法子の母方の従妹。正月休みに吉乃田家を訪れ、織田信長と出会う。法子によく懐いていたため、中身が別人であることを即座に見抜き、「怪人が化けている」「法子お姉ちゃんを返せ」と反発する。従妹という関係ではあるが、妹として、信長に「お市」と呼ばれる。

岸村 俐里加 (きしむら りりか)

吉乃田法子の母方の従妹。正月休みに吉乃田家に訪れ、織田信長と出会う。まだ単語を繰り返す程度にしかしゃべることのできない、小さな女の子。天真爛漫で無邪気な性格をしている。反目する織田信長と岸村百枷のやり取りも、遊びとしか思っておらず、ニコニコと後ろを付いて歩く。百枷同様、親戚ながら妹同然の立場であるため、信長から「お犬」と呼ばれた。

法子の祖父 (のりこのそふ)

吉乃田法子の母方の祖父。既にかなりの老齢で、腰を曲げて杖をつきながら歩いている。しかし、道場で武術指南をするほどの達人で、織田信長が隠し持った鉄パイプを見抜く。不意打ちに対しても、視線を向けずに避けるほどの腕前を誇る。

スポーツカーの男 (すぽーつかーのおとこ)

スポーツカーを運転していた男。道端で遊ぶ岸村俐里加の横を、スポーツカーで猛スピードで駆け抜け、泥水を跳ねかけたうえ、暴言を吐いていった。それを目撃し、激昂した織田信長に後をつけられ、停車中に車から引きずり出されて、電柱に張りつけられる。

場所

風祭亭 (かざまつりてい)

風祭真美の実家が営んでいる仕出し弁当屋。織田信長らの面々で花見をした際には、真美が弁当メニューを資料に盛り込み、それとなく注文を促したりしていた。なお、真美の両親は弁当屋だが、プライベートにまで料理をしたくないため、普段の食事は全部真美に押し付けている。

イベント・出来事

期末テスト7科目合計点ダービー (きまつてすとななかもくごうけいてんだーびー)

期末テストで行われる7科目の教科で、織田信長が合計何点取れるかを予想したもの。1口500円で参加することができる。本命は1~99点の2.1倍配当、大穴は700点満点で配当は315.8倍。テスト勉強に付き合った此花泉は高配当を狙い、650点分のテスト範囲しか教えないという徹底ぶりを見せた。

信長の誕生日 (のぶながのたんじょうび)

6月23日に、サプライズで祝われた織田信長の誕生日。近藤ら教師陣も巻き込んで、生前に信長が着ていたといわれる甲冑「南蛮胴具足」を再現し、お披露目された。

その他キーワード

長谷部 (はせべ)

織田信長になった吉乃田法子が、常に持ち歩いている鉄パイプのこと。現代に転生した信長は、帯刀が許されないことを知った。しかし、何も持たずに歩くのは不安だからと、そこら辺の工事現場から拝借したもの。なお、長谷部は一番のお気に入りの鉄パイプだが、ほかにも予備の鉄パイプを、教室内の掃除用具入れに隠したりしている。 名前のモデルは、信長が愛用したという日本刀「へし切長谷部」。

織田信長新聞 (おだのぶながしんぶん)

風祭真美が発行する学内新聞。織田信長のことに関する記事が掲載されている。第1号の内容は、織田軍の家臣一覧と、テニスで長池香流こと越後の雌虎を撃破した一件。期末テストの際には、信長の期末テスト7科目合計点ダービーが掲載され、生徒の大半が注目する新聞となる。

南蛮胴具足 (なんばんどうぐそく)

生前に織田信長が身に着けていたとされる甲冑。6月23日の信長の誕生日に合わせて、アルミ合金を使って手作りで再現したものがプレゼントされた。

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