概要・あらすじ
リュウ、リュウ・ソーゲンはオークション・ハウスのエドモンド・オリバー社に所属するM・D(マネジメント・ディレクター)。一流の美術鑑定人として社長のサー・エドモンド・オリバー3世からの信頼も厚い。じつは彼には秘めた過去があった。幼い頃両親を惨殺され、フェルメールの『レースを編む女』を奪われていたのだ。
復讐のために美術界に入ったリュウは鑑定眼を磨き、拳法を会得。事件の背景を探るべく動き出す。しかしその過程で多くの敵も作っていく。地位に腐心するタッド・オリバー、彼を我が物にしようとする村尾由美、暴力団を率いる宰地伸一郎らは次々に討手を差し向け、リュウは彼らと戦い続ける。また一方で数々の美女と出会い、愛を育んでいく。
登場人物・キャラクター
リュウ・ソーゲン (りゅうそーげん)
イギリスのオークション・ハウス・エドモンド・オリバー社に所属するM・D(マネジメント・ディレクター)。名は柳宗厳(やなぎ むねひろ)だが人はリュウ・ソーゲンと呼ぶ。幼い頃両親を惨殺され、フェルメールの『レースを編む女』を奪われていた。復讐のために鑑定眼を磨き、拳法を会得して美術界に入った。
エドモンド・オリバー (えどもんどおりばー)
イギリスの貴族の家柄で、オークション・ハウスのエドモンド・オリバー社社長。M・D(マネジメント・ディレクター)のリュウ・ソーゲンを高く評価し、家族同様に慈しみ次期社長に据えようとしていた。病に倒れた後、リュウ・ソーゲン、娘のキャサリン・オリバーを連れて別荘に行きある絵を見せる。
タッド・オリバー (たっどおりばー)
オークション・ハウスのエドモンド・オリバー社社長・エドモンド・オリバーの長男。仕事の上では数々の失敗をしでかし、その度にリュウ・ソーゲンに救われてきた。優秀な彼に対して反感を抱き、また同時に自らの地位を脅かすと恐れている。村尾由美らと共謀して罠をめぐらせる。
キャサリン・オリバー (きゃさりんおりばー)
オークション・ハウスのエドモンド・オリバー社社長・エドモンド・オリバーの娘。M・D(マネジメント・ディレクター)のリュウ・ソーゲンを愛し、後に妻となる。
村尾 由美 (むらお ゆみ)
村尾財閥の一人娘。二度結婚に失敗している。表向きは清楚な姿だが、裏の世界では「スコーピオのユミ」と呼ばれている。父がゾルジ(ジョルジョーネ)の絵をオークションに出そうとした際、リュウ・ソーゲンと出会い、小学校時代に好きだった同級生と気づいた。以来、リュウ・ソーゲンを手に入れるため数々の罠を巡らせる。
ヘル・ダネット (へるだねっと)
元東ドイツ保安省の中佐。タッド・オリバーの依頼によって、エドモンド・オリバー社非常勤重役の座を条件にリュウ・ソーゲンの追い落としに動く。裏のM・D(マネジメント・ディレクター)ナンバーワンと自称する。
ゼリア・ガルーシュ (ぜりあがるーしゅ)
ガル画廊の女主人。物語開始時はリュウ・ソーゲンの唯一の味方で、彼の手助けをする。贋作家ハンス・ファン・メーヘレンの元恋人。リュウ・ソーゲンをハンス・ファン・メーヘレンの息子でやはり贋作家のアダムス・メーヘレンに紹介した。
メル・ライオン (めるらいおん)
逆立った金髪で筋肉質の女性。ヘル・ダネットの手下。空手8段、拳法6段、重量上げ世界チャンプ。贋作家ヨーガン・クーリエ(正体はリュウ・ソーゲン)の見張りとなる。8歳になる息子がいる。後にリュウ・ソーゲンを愛し、彼のボディーガードとなる。
アダムス・メーヘレン (あだむすめーへれん)
伝説的贋作家ハンス・ファン・メーヘレンの息子。自身も超一流の贋作家。数々の贋作を手がけ、若き日のリュウ・ソーゲンにその技術を教えこんだ。
ガウ・シュタイナー (がうしゅたいなー)
ユニオン・ノース・バンクの頭取。村尾由美の策略に乗り、タッド・オリバーをエドモンド・オリバー社の次期社長に据えようとする。
シアラ・ヨンギ (しあらよんぎ)
ショートヘアーの女性。初登場時26歳。元ルーマニア秘密警察員で、「チャウシェスクが現代に甦らせた吸血鬼」と呼ばれていた。幽閉されていたが、メル・ライオンによって彼女の存在を知ったリュウ・ソーゲンに買われ、ボディーガードとなる。