アダマスの魔女たち

アダマスの魔女たち

射精とともに500万円相当の価値を持つ「ローズダイヤモンド」を生み出す特殊体質になった男子高校生・佐藤雪也の苦難を描くラブコメディ。ローズダイヤモンドを狙う魔女と呼ばれる女性や、好意を抱く女性たちからの淫らな誘惑にひたすら耐える雪也の姿がコミカルに描かれている。「月刊ヤングマガジン」2018年第8号から掲載の作品。

正式名称
アダマスの魔女たち
ふりがな
あだますのまじょたち
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊11巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

希少なダイヤを生みだす体になった雪也

どこにでもいるごくふつうな男子高校生の佐藤雪也は、自慰をしたあとに、射精とともに赤い輝きを放つ小さな石が排出されていることに気づく。結石かと思った雪也だったが、興味本位で質屋に持ち込むと、500万円相当の価値を持つ「ローズダイヤモンド」の原石との鑑定を受ける。雪也は射精をするたびに大金持ちになると大喜びし、何度もローズダイヤモンドを排出したところ、突然気を失って病院に運び込まれてしまう。その後、医師の東雲頼子から「アダマスシンドローム」という特殊な体質になっていることを知らされ、ローズダイヤモンドを排出するごとに一年寿命が縮まると告げられる。そして雪也は、ローズダイヤモンドを狙う看護師集団や、同じ高校に通う三芳未來、ドSの遠藤レイナなど、魔女と呼ばれる女性から貞操を狙われるようになる。

さらに体質が変わっていく雪也

佐藤雪也は自身の命を守ろうと、禁欲生活を続けていた。そんな中、性欲を抑えるためにクラスのロッカーに置かれていた少女漫画を読んでいると、持ち主の大貫柊織が声をかけてくる。柊織から読み終わったら本を返却しに、自らが所属しているなぎなた部の部室に来てほしいと言われたため、雪也は部屋に向かう。すると柊織は、雪也が好きだったとあられもない姿で誘惑してくる。何とかその場を逃げ切った雪也だったが、今度は生活指導の甘楽静から誘惑を受ける。魔女ではなさそうな二人から連続して襲われそうになり、雪也は違和感を覚える。さらに、雪也は学校中のほとんどの女子生徒から誘惑を受けるようになり、猫森彩奈の力も借りて逃げ回ることになる。そんな中、甘楽は雪也と彩奈を言葉巧みに生活指導室へと誘い込み、彼が禁欲生活を続けることで、特殊なフェロモンを出す体質に変わったのだと告げる。そして甘楽は自分は魔女だと暴露し、彩奈を縛り上げ、彼女の目の前で雪也を犯して楽しむのだった。

拉致された雪也と、接待要員になった彩奈と未來

甘楽静の部下でありながらも、ひそかに佐藤雪也に対して恋心を抱く三芳未來は、甘楽がこれまでよりもさらに強引な手段を用いて、「ローズダイヤモンド」を搾取する計画を立てていることを知る。未來はそのことを雪也に警告するが、未來が以前自分を襲ってきた魔女であることから、すべてを信じることはできないと拒絶されてしまう。そんな中、雪也は魔女の赤城ミユキ赤城雫によって拉致され、淫らな挑発を受ける。一方、未來は雪也から手を引くように甘楽に訴えると、校長を接待すれば取り引きに応じると交換条件を出される。そして同じく猫森彩奈も、甘楽から校長を接待すれば雪也から手を引くと持ち掛けられており、二人は行動を共にすることになる。こうして彩奈と未來は力を合わせて、体操服姿で校長を接待することになる。

気持ちを確かめ合う雪也と彩奈

魔女甘楽静の部下である赤城ミユキ赤城雫に襲われた佐藤雪也は、せめて初体験は好きな人としたいという思いから、自慰行為をして「ローズダイヤモンド」を排出し、難を逃れることに成功する。しかし、一度に複数のローズダイヤモンドを排出した雪也は力尽き、東雲頼子が勤務している病院に運び込まれる。そこで東雲から今の雪也の体内にはローズダイヤモンドがないため、このタイミングでならば自由に射精しても構わないと告げられる。「アダマスシンドローム」を巡る一連の騒動であらためてお互いを意識するようになった雪也と猫森彩奈は、病院のベッドでお互いの愛を確かめ合うことにする。しかし、その病室にマフィアの一員とも噂されている、彩奈の父親が突然やって来る。

雪也に執着するストーカー・稀々香

夏が訪れ、佐藤雪也は昨年と同じくプールで、監視員の短期アルバイトをすることになる。昨年とは異なり、自由に自慰行為ができない雪也は、水着の女性たちがはしゃいでいるだけの姿に興奮してしまうため、仕事に集中できないでいた。そんな中、雪也は熱中症で倒れ、先輩の大泉稀々香に助けられる。救護室に雪也を運んだ稀々香は、自身を雪也の姉だと語り、自分の体液を飲ませる行為を繰り返す。そのまま稀々香は自分の部屋に雪也を監禁し、自分の弟だと洗脳する。そして稀々香は雪也に対して、自分は魔女だと告げる。稀々香はこれまでも「アダマスシンドローム」の体質者に対してストーカー行為を繰り返し、相手をすべて知ったうえで家族だと洗脳して、「ローズダイヤモンド」を搾り取る手段を用いていたのだ。監禁され、自由を奪われた雪也だったが、魔女のネットワークを持つ三芳未來は、稀々香の企みを知って救出に現れる。しかし、雪也と未來は稀々香の罠にはまり、まるでサウナのような暑さの小部屋に閉じ込められてしまう。

江蘭の研究

夏休みの宿題を片付けるため、猫森彩奈藤岡江蘭佐藤雪也の家に集まっていた。最初は三人で静かに勉強をしていたが、江蘭は彩奈が勉強に集中しているスキを利用して、雪也に希少な「ローズダイヤモンド」を射精とともに排出する「アダマスシンドローム」の体質者なのかと質問をする。江蘭は独自に雪也がアダマスシンドロームの体質者であるという噂を耳にし、人体の神秘を知りたいという好奇心から、彩奈を利用して彼に接近してきたのだった。

雪也と決別する彩奈

夏休みの中、佐藤雪也猫森彩奈と初めてのデートをするため、海に遊びに来ていた。彩奈の刺激的な水着姿に興奮して制御不能のパニックに陥りつつも、雪也は彩奈と楽しい時間を過ごす。しかし、彩奈はデートの最中に差出人不明のメッセージを受け取り、そこに添付されていた動画を開いてしまう。そこには以前、雪也が大泉稀々香によって拉致監禁された際の一部始終が録画されており、三芳未來とまるで性行為をしているかのような生々しい様子が映されていた。裏切られていたことにショックを受けた彩奈は、雪也に絶交すると告げる。

新たなアダマスシンドロームの体質者

佐藤雪也猫森彩奈と絶縁したままの状態で、新学期を迎える。始業式では以前の校長は追い出されており、代わりに甘楽静が校長になることが発表される。甘楽は効率的に「ローズダイヤモンド」を回収するため、学校に複数の魔女と「アダマスシンドローム」の体質者を編入させていた。雪也は同じアダマスシンドローム体質者の吉井智樹という貴重な仲間を得たものの、魔女たちからこれまで以上に淫らな誘惑を受ける日々が続く。そんな中、学校内ではアダマスシンドローム体質者の一人である白水三太夫が、ローズダイヤモンドを使って女子生徒たちを弄んでいるという噂が流れる。そして雪也は藤岡江蘭から、白水は彩奈を狙っているという情報が提供される。そして時を同じくして、彩奈のスマートフォンから雪也あてに、助けてほしいとメッセージが入る。

修学旅行と魔女フェス

佐藤雪也が通う高校では、全校生徒が参加する二泊三日の修学旅行が催されることになる。行き先は南の島のリゾート地で、生徒たちは大喜びするものの、雪也は何かトラブルが起こるに違いないと不安を抱いていた。そしてその不安は的中し、雪也は到着してからすぐに自分を襲ってきた二人組の女性から、この修学旅行は魔女たちの序列を決めるレース、通称「魔女フェス」を兼ねていると聞かされる。「魔女フェス」では「アダマスシンドローム」の体質者を島に閉じ込め、一定の期間内で「ローズダイヤモンド」をより多く排出させた者が大金を手にするという、人権を無視したルールになっていた。さらにローズダイヤモンドを一粒も手に入れない魔女は、島に残って過酷な労働をしなくてはならず、雪也は三芳未來のことが気になっていた。これまで何度も自らを助けてくれた未來のために、ローズダイヤモンドを排出することを考える雪也だったが、猫森彩奈はどうしても賛成できないでいた。

雪也、彩奈、未來の同居生活と白水の最期

修学旅行から帰宅した佐藤雪也は、東雲頼子から白水三太夫が昏睡状態にあると聞かされる。「アダマスシンドローム」の体質者の中でもさらに特殊体質を持つ白水は、「ローズダイヤモンド」を排出しても体へのダメージを受けることは少なかったものの、連続して射精したことにより、生命力が失われつつあった。雪也はあらためて自らの欲望のみで行動する恐ろしさを目の当たりにし、自身の命を大切にすることを誓う。病院からの帰り道、雪也は大雨の中でたたずむ三芳未來と出会う。未來は留守中の台風で家を失って途方に暮れており、雪也は思わず両親が不在の自宅でいっしょに住まないかと誘ってしまう。そこに偶然現れた猫森彩奈も雪也の家に住むと宣言し、雪也、彩奈、未來の三人暮らしがスタートする。一方、余命いくばくもない白水は、魔女の目が届かない祖父の実家で穏やかに過ごしていた。そんな白水の前に、幼なじみの夏実がお見舞いにやって来る。

大学進学に向けて、受験勉強をスタートさせる雪也

佐藤雪也猫森彩奈三芳未來の三人は同居生活を楽しんでいたものの、次第に女性二人が「アダマスシンドローム」のフェロモンにあてられてしまい、性欲がコントロールできなくなっていく。このままでは三人ともダメになると感じた雪也は、同居生活を解消し、それぞれ今やるべきことと向き合うべきだと提案する。こうして雪也は大学進学を目指し、難関塾の入塾テストを受けることになる。藤岡江蘭のアドバイスも受けて合格するが、実は無意識ではあるものの天原那由多の解答をカンニングしており、雪也は那由多から呼び出しを受ける。

登場人物・キャラクター

佐藤 雪也 (さとう ゆきなり)

とある高校に通う2年生の男子。「ローズダイヤモンド」を射精とともに排出する「アダマスシンドローム」という特殊体質の持ち主で、診断を受ける前まではごくふつうの生活を送っており、年相応の性欲もある。一時は自らが排出するローズダイヤモンドで大金持ちになろうと画策していたものの、医師の東雲頼子から排出するごとに一年寿命が縮まると知らされ、以降は禁欲生活を送っている。その一方で、ローズダイヤモンドを狙う魔女たちから淫らな誘惑を仕掛けられるようになり、佐藤雪也自身の命とその場の快楽のどちらを優先すべきか苦悩することも多い。夢は好きな人と結婚して、幸せな家庭を持つこと。アダマスシンドロームの体質者になったことで、幼なじみの猫森彩奈と絆が深まり、異性として意識するようになっていく。

猫森 彩奈 (ねこもり あやな)

佐藤雪也と同じ高校に通う2年生の女子。雪也とは幼なじみで、いっしょのクラスに在籍している。幼い頃に何度も雪也から助けられたことがあり、ひそかに好意を抱いている。雪也が「ローズダイヤモンド」を得るために何度も射精をして気を失い、病院に運ばれた際に迎えに行ったことで、彼が「アダマスシンドローム」の体質者であると知ってしまう。その後、ローズダイヤモンドを狙って雪也に襲いかかる魔女から、彼を守っている。胸が大きいために性的な目で見られることに嫌気が差し、逆に露出すれば無視されるだろうと考え、シャツの前ボタンを大きく開けるなど、独自のセクシーな着こなしをしている。そのためつねに胸を露出しており、さらに小麦色の肌をしていることから、一部の生徒からはビッチな黒ギャルだと勝手に認識されているが、猫森彩奈自身はまったく気にしていない。また、軽そうな見た目に反して国内外を問わず文学作品を好み、動画配信サイトで「褐色系文学少女JKチューバー」としても活動している。

大貫 柊織 (おおぬき ひおり)

佐藤雪也と同じ高校に通う2年生の女子。雪也といっしょのクラスに在籍している。大貫柊織が自宅から持ってきた少女漫画を見つけた雪也が、興味本位で読み始めたことで親しくなる。本来は魔女ではないものの、「アダマスシンドローム」の体質者が放つフェロモンが非常に効きやすい体質で、雪也や吉井智樹がそばにやって来るとつい淫らな誘惑をしてしまう。智樹に対しては少なからず異性として意識しており、彼が魔女から誘惑されている姿を見ると嫉妬して、思わず取り乱してしまうこともある。学校ではなぎなた部に所属しており、主将を務めている。凛とした日本美人で、クールな堂々とした振る舞いから、女子生徒たちのあいだで絶大な人気を誇っている。

吉井 智樹 (よしい ともき)

佐藤雪也と同じ高校に通う2年生の男子。学年の途中から白水三太夫と同じタイミングで編入し、雪也といっしょのクラスに在籍する。雪也と同じ「アダマスシンドローム」の体質者でもあり、すぐに彼と親しくなる。童顔で非常にかわいらしい容姿をしており、事あるごとに同性である雪也の胸を高鳴らせている。そのかわいらしさゆえに、編入前の男子高校では全校男子のアイドル的な存在で、日常的に告白を受けていたため、男らしくなりたい気持ちが人一倍強い。「ローズダイヤモンド」を目当てに淫らな誘惑を仕掛けてきた魔女も、吉井智樹のかわいらしさに魅了されてしまい、そのまま交際を望む者も多い。大貫柊織のことを異性として意識している。

白水 三太夫 (しろみず さんだゆう)

佐藤雪也と同じ高校に通う2年生の男子。学年の途中から吉井智樹と同じタイミングで編入し、雪也と智樹とは別のクラスに在籍している。雪也と同じ「アダマスシンドローム」の体質者。アダマスシンドロームの中でもさらに特殊な体質で、一度射精をして「ローズダイヤモンド」を排出しても、寿命が縮まりにくくなっている。そのため、白水三太夫自身の体質を利用してさまざまな女性と肉体関係を持っている。太った体型のうえに清潔感に欠ける風貌から、これまで女性に相手にされたことがなく、アダマスシンドロームの体質者になったことを喜んでいる。相手が魅力的な女性であれば、魔女であってもためらわずに性的な関係を持とうとする。智樹からは「シロちゃん」と呼ばれている。

藤岡 江蘭 (ふじおか えらん)

佐藤雪也と同じ高校に通う2年生の女子。1年の時は雪也、猫森彩奈といっしょのクラスだったが、今は別のクラスに在籍している。クラスが別れてからも彩奈と親しくしており、その縁で雪也ともかかわりを持つようになる。科学部に所属している優等生で、雪也が射精をする際に「ローズダイヤモンド」を排出するという噂を聞きつけ、人体の神秘を研究したい気持ちから、彩奈の目を盗んで誘惑を繰り返している。魔女ではなく、あくまで藤岡江蘭自身の知的好奇心を満たすために行っている。華奢で小柄な美少女で、何を考えているのかわからないミステリアスな雰囲気を漂わせている。

三芳 未來 (みよし みく)

佐藤雪也と同じ高校に通っている1年生の女子。吹奏楽部に所属しており、フルートを担当している。校庭で演奏をしている際、雪也が偶然通りかかったことで言葉を交わすようになる。以前から雪也に思いを寄せていたと告白をして接近したものの、実は魔女であり、彼が排出する「ローズダイヤモンド」を狙っている。自らが魔女であると暴露するとともに、以前から慕っていたということもすべてウソだと告げている。しかし、実は小学生の頃に雪也に助けられたことがあり、その時から現在に至るまで片思いをしていた。雪也と恋人同士になりたい思いを抱く一方で、三芳未來自身が魔女であることから、告白できずにいる。清楚でかわいらしい容姿をしており、男子生徒からの人気を集めていた。本来はおとなしくまじめな性格で、貧乏な実家を助けるため、仕方なく魔女として活動している。魔女になる際に甘楽静から性に対する知識と技術を習っており、彼女の言いなりになっている一方で、雪也を助けたい気持ちも強い。まだ学生ながらもフルートの演奏技術はプロの域に達しており、将来を有望視されている。

栃乃 ちとせ (とちの ちとせ)

佐藤雪也と同じ高校に通っている1年生の女子。吉井智樹に「ローズダイヤモンド」を排出させるため、言葉巧みに接近している。小柄で幼い見た目をしているが、魔女としての実力は一級品。その優れた手腕で、赤城ミユキからは「スケベモンスター」と評されている。智樹と接しているうちにローズダイヤモンドだけでなく、彼から一人の女性として選ばれたい願望が高まり、大貫柊織とライバル関係になっていく。

嵐山 光 (あらしやま ひかり)

佐藤雪也と同じ高校に通っている3年生の女子。生徒でありながら体育の講師を任されており、バレエの指導者として雪也と顔見知りになる。清楚な容姿の持ち主ながら、性格はドSで、男性の表情が苦痛で歪んでいるのを見ると興奮してしまうという性癖がある。その特殊な性癖を満たすために魔女になり、雪也を嵐山光自身の下僕にしようと企んでいる。「嵐山コンツェルン」という大富豪の一人娘で、裕福な家庭に育ったお嬢様であることから、「ローズダイヤモンド」そのものには興味がない。花園夢花とチームを組んで行動している。

花園 夢花 (はなぞの ゆめか)

佐藤雪也と同じ高校に通っている3年生の女子。嵐山光からのバレエ指導を受けた佐藤雪也が、ケガを負って保健室に行った際に出会う。そこで「ローズダイヤモンド」を狙って、雪也に淫らな誘惑を仕掛ける。見た目は派手なヤンキーギャルの魔女だが、実は恋愛経験のない初心であることから、雪也を射精に導けずに苦労している。男性を興奮させる術を知らないことから、襲っているはずの男性側からアドバイスを受けることも多い。また、体の感度が非常によく、少し胸を触られただけで声が出てしまう弱点を持つ。好みのタイプはかわいい系の男子で、最初は吉井智樹を狙っていたものの、雪也の責めを受けてから気になる存在になっている。光とチームを組んで行動している。

甘楽 静 (かんら しずか)

佐藤雪也が通う高校に勤務している女性。担当科目は国語で、生活指導も行っている。のちに校長を辞職に追い込み、自らが校長になって学校を乗っ取った。雪也が大貫柊織といっしょに、なぎなた部の女子部室から出てきたことを咎めたことで、雪也とかかわりを持つようになる。雪也をターゲットにしている魔女であり、「ローズダイヤモンド」を狙うというよりも、甘楽静自身の特殊な性欲を満たすために「アダマスシンドローム」の体質者を淫らに誘惑している。また、赤城ミユキや赤城雫、三芳未來という一部の魔女を自らの部下としてあやつっている。夢を叶える資金を得るために魔女にならざるを得ない未來に関しては、アダマスシンドロームの体質者を翻弄するための、性に関する知識と技術も教え込んでいる。そういった魔女としての裏の顔を持つものの、ふだんは教師としてまじめに勤務しており、制服を着崩している猫森彩奈とは犬猿の仲になっている。

校長 (こうちょう)

佐藤雪也が通う高校の校長を務める中年の男性。のちに甘楽静の裏切りに遭い、辞職に追い込まれる。ふだんは生真面目な教育者に見えるが、女子生徒たちをいつも性的な目で見ている。甘楽から性的な接待を受けており、彼女が学校内で怪しい行動を取っていても、見て見ぬふりをしている。そのため、雪也と猫森彩奈が甘楽に監禁された際も、防犯カメラの映像を捏造して彼女の味方となった。甘楽自身から性的な接待を受けているほかにも、彼女の手引きによって魔女やほかの女子生徒からの性的なサービスを受けている。

赤城 ミユキ (あかぎ みゆき)

佐藤雪也を狙う魔女で、赤城雫の姉。甘楽静から命令を受け、雪也の通う高校に体育の教育実習生として潜入する。雪也に対して学校内で胸を露出したり、電車の中で痴漢行為をしたりと淫らな誘惑を繰り返す。自他共に認める痴女であり、赤城ミユキ自身の体を大衆の前でさらすことにまったく抵抗がない。「アダマスシンドローム」の体質者を誘惑する際には、作戦を立てて実際にその場を仕切ることも多い。

赤城 雫 (あかぎ しずく)

佐藤雪也を狙う魔女で、赤城ミユキの妹。甘楽静から命令を受け、雪也の通う高校に体育の教育実習生として潜入する。雪也に対して学校内で胸を露出したり、電車の中で痴漢行為をしたりと淫らな誘惑をする。自他共に認める痴女であり、赤城雫自身の体を大衆の前でさらすことに抵抗がない。「アダマスシンドローム」の体質者を誘惑する際には、ミユキの指示に従うことが多い。柔道二段の実力者で、一般的な男性ならば力でねじ伏せることができる。

遠藤 レイナ (えんどう れいな)

佐藤雪也を狙う魔女の一人。雪也がファーストフード店で食事をしていた際に声をかけ、知り合いになる。女王様的な振る舞いをするいわゆるドSで、雪也を罵倒して興奮させ、「ローズダイヤモンド」を排出させようとする。しかし、ドSがゆえに攻められることに慣れておらず、雪也の反撃に遭ってしまう。その後、あくまでローズダイヤモンドが目的だと自身を納得させつつも、雪也のことを一人の異性として意識して執着するようになる。

東雲 頼子 (しののめ よりこ)

佐藤雪也を「アダマスシンドローム」の体質者だと診断した女性医師。まだ雪也がアダマスシンドロームであることを知らず、射精のたびに希少な「ローズダイヤモンド」を生み出せると浮かれ、何度も排出して行き倒れていたところを保護したことで知り合う。大きく胸元を開けたシャツやタイトなミニスカートを着用しており、医師とは思えない風貌をしているが、アダマスシンドロームに関する知識については本物。しぐさも非常にセクシーであり、むやみやたらに射精できない雪也に対して、無意識に挑発的な言動を取って興奮させてしまうことが多い。雪也と猫森彩奈に対して、アダマスシンドロームに関する知識や、彼の周囲にいる魔女の情報を提供している。

箱崎 (はこざき)

「アダマスシンドローム」の体質者の男性。射精のたびに希少な「ローズダイヤモンド」が排出されることを利用し、大勢の自分好みの女性を集めてハーレムをつくって暮らしている。「完全制御射精能力(パーフェクト・ファイアリング・コントロール・スキル)」という自身の射精を意のままにコントロールする能力の持ち主でもある。成人してからアダマスシンドロームの体質者であることが発覚したため、性欲旺盛な高校生のうちに発覚した佐藤雪也をうらやましく思っている。東雲頼子とかかわりがあり、彼女の研究対象者になっている。

大泉 稀々香 (おおいずみ ののか)

佐藤雪也と同じプールで、夏季限定の短期アルバイトをしている若い女性。雪也とは2年連続で同僚となり、親しくしている。表向きは優しいお姉さんキャラクターを演じているが、雪也を自らの生き別れの弟だと思い込み、ストーカーをしている裏の顔を持つ。また、希少な「ローズダイヤモンド」を狙う魔女でもある。ターゲットにした相手を徹底的にストーキングして、相手のすべてを知ったうえで拉致監禁して家族だと洗脳し、ローズダイヤモンドを搾り取る方法を得意とする。大人な雰囲気を漂わせた美人で、プールを訪れる子供からは「ののお姉ちゃん」と呼ばれて慕われている。

夏実 (なつみ)

白水三太夫の祖父が住む田舎で暮らす少女で、白水の幼なじみ。白水が「ローズダイヤモンド」を排出し過ぎたことで生命力を失い、いくばくもない余命を穏やかに過ごすため、田舎にやって来たことで再会する。その正体はローズダイヤモンドを狙う魔女であり、甘楽静から命令を受けて白水に接近する。しかし、白水を大切な幼なじみと思っているため、彼からローズダイヤモンドを排出させることを躊躇している。魔女になった理由は、アイドルになる夢を叶える資金を得るため。幼い頃は眼鏡をかけており、ふくよかな体型のあか抜けない容姿だったが、今はスタイル抜群の美女に成長している。白水からは「なっちゃん」と呼ばれている。

長谷川 和美 (はせがわ かずみ)

佐藤雪也の自宅のとなりに住んでいる既婚者の女性。雪也と目が合うと胸を露出したり、目の前でアダルトグッズを使用したりと、淫らな誘惑を繰り返している。一連の行動は雪也が放つ「アダマスシンドローム」のフェロモンを受けてのことで、魔女ではない。アダマスシンドロームの存在も知らないため、長谷川和美自身が夫を裏切って雪也を誘惑してしまうことを悩んでいる。若い頃は水泳選手として活躍しており、国際大会で銅メダルを獲得した過去を持つ。

天原 那由多 (あまはら なゆた)

佐藤雪也と同じ塾に通っている高校2年生の女子。入塾テストで雪也と初めて顔を合わせ、その際に彼が無意識ながらも自らの解答をカンニングしていることに気づく。その後、正式に入塾した雪也に対して足の指を舐めさせるなど、屈辱的な行為をさせて楽しむようになる。しかしそれ以外は友好的で、雪也に全国模試の予想問題を貸すなど友達として接する。眼鏡をかけており、さらに長い前髪で右目を隠していることから、表情がわかりづらい。さらに喜怒哀楽を見せないクールな性格の持ち主。

その他キーワード

ローズダイヤモンド

世界でも非常に珍しいダイヤモンドで、赤い光を放っている。指の先ほどの原石であっても、500万円相当の価値を持つ。経緯は不明だが、「アダマスシンドローム」の体質者である佐藤雪也が、一回射精をするごとに複数個が排出されている。そのため、アダマスシンドロームと診断された体質者を狙っている、魔女も存在している。

アダマスシンドローム

男性が「ローズダイヤモンド」を射精とともに排出する、特殊体質になってしまう症状のこと。ごく最近になって認識され始めた症例であり、医学界でも正式に認定されていない。明らかになっているのは、何らかの変異によって男性の体内で炭素が凝縮され、射精と同時にローズダイヤモンドを排出するというもので、ほとんどが原因不明。ローズダイヤモンドが体内から排出される際には臓器に相当のダメージを受けることから、一回排出されるごとに一年寿命が縮まるといわれている。そのため、命を守るためにできるだけ射精を避けることになるが、一定の期間が経過すると体質者から独自のフェロモンが分泌され、周囲にいる一部の女性を欲情させてしまう厄介な体質に変わってしまう。現段階では治療する術もないが、これまで「アダマスシンドローム」の体質者であると認められてきた男性たちのデータによると、数年で自然治癒する。佐藤雪也は医師の東雲頼子により、アダマスシンドロームと診断を受けている。

魔女 (まじょ)

「アダマスシンドローム」の体質者をターゲットにしている女性のこと。体質者が射精のたびに排出する、500万円相当の価値を持っている「ローズダイヤモンド」を狙っている。ローズダイヤモンドを狙う事情はさまざまで、ただ大金が欲しいという者もいれば、嵐山光のように己の特殊性癖を満たす者、三芳未來や夏実のように自分の夢を追う資金が欲しいという者もいる。独自のネットワークを持っており、魔女同士で情報を共有したり、時にはチームを組んで一人の男性を襲ったりと協力し合うことも多い。

書誌情報

アダマスの魔女たち 11巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2019-03-06発行、 978-4065148419)

第2巻

(2019-09-06発行、 978-4065169896)

第3巻

(2020-03-06発行、 978-4065188422)

第4巻

(2020-08-05発行、 978-4065204566)

第5巻

(2021-01-06発行、 978-4065220092)

第6巻

(2021-06-17発行、 978-4065236772)

第7巻

(2021-11-18発行、 978-4065258774)

第8巻

(2022-04-20発行、 978-4065274613)

第9巻

(2022-10-20発行、 978-4065294741)

第10巻

(2023-03-20発行、 978-4065310793)

第11巻

(2023-09-20発行、 978-4065330333)

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