オタク文化をテーマにしたハイテンションコメディ
黙っていれば美少年だが、口を開けば妄想の世界に入り込んでしまう超ド級のオタクの姉川高時は、コスプレ好きの不思議美少女の妻世継との出会いをきっかけにアニメ部に入部する。変わり者ぞろいのアニメ部での活動と交流が、ハイテンションなドタバタギャグとラブコメディを交えて描かれる。人気アニメや漫画をもとにしたパロディのほか、アニメやコスプレを中心としたオタク文化のネタが盛り込まれているのも特徴。また、ゴツボ×リュウジのサッカー漫画『ササメケ』のキャラクターも本作に登場する。
舞台は変わった校風の名門校
本作の主な舞台となる私立高校「安土学園」は、質実剛健をモットーに文武両道を目指している名門校。部活動も盛んで旧校舎には、非公認のサークルが集結した裏名物「魔窟」が存在する。そんな魔窟の中でもっとも異質な「アニメ部」は、名前どおりアニメ制作を主な活動としている。しかし部員はまともに活動をせずにコスプレに興じたりお気に入りのコレクションを愛でたりと、さまざまな問題を抱えていた。そんな中、1年生の姉川高時が幼なじみの伊庭猪子と共に入部したことで、アニメ部に大きな転機が訪れる。
アニメ部に集まる個性的なオタクたち
姉川高時が入部したアニメ部は朝妻世継のほかにも、アニメ制作にまったく興味がないが運動神経抜群の部長、慈恩寺普門、体型がまるで違う双子の荒張姉妹、萌えアニメを嫌う硬派オタク気取りの栗栖新左衛門、なりゆきで入部したが生真面目な苦労人のヤンキー、伊庭猪子といった個性的なオタク部員がそろっている。以前から生徒会執行部に目を付けられていたアニメ部の面々は、生徒会長との対立などさまざまな問題を抱えながらもアニメ制作を開始し、やがて全日本高校生アニメ選手権大会への出場を目指すようになる。
登場人物・キャラクター
姉川 高時 (あねがわ たかとき)
安土学園に通う高校1年生の男子。見た目は中性的な美少年だが、中身は妄想や空想にふけりがちな、アニメや漫画の世界にあこがれる、残念なオタク少年。「アニメみたいなコイしたい」と公言しており、特に美少女や萌えキャラには目がなく、少女漫画風の出会いを求めて食パンをかじりながら登校している。不良に絡まれていた朝妻世継を助け、彼女に一目惚(ぼ)れしたことでアニメ部に入部したが、あまり部活動には貢献できていない。父親が会社役員のため、それなりに裕福な生活を送っている。重度の引きこもりオタクの姉川高月という兄がいる。
朝妻 世継 (あさづま よつぎ)
安土学園に通う高校2年生の女子。アニメ部に所属している。アニメ部ではマスコット的存在で、学校には理事長からも認められているコスプレで登校している。黒髪ショートヘアで、華奢(きゃしゃ)で小柄な体型をしている。アニメのようなことがしたいと公言し、ケガをしていなのに包帯を巻いたり、海苔(のり)型の眉毛を顔に貼ったりと不思議系オタク少女。特に人気アニメに登場する美少女キャラクターのコスプレにこだわりを持つ。ある日、学校で不良に絡まれていたところを姉川高時に助けられ、彼がアニメ部に入るきっかけとなった。
書誌情報
アニコイ 全8巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2009-08-26発行、 978-4047152908)
第8巻
(2012-07-25発行、 978-4041203255)