オタサーの姫を目指す日常コメディ
本作は、オタクばかりの環境に身を置く女性が、周囲の男性たちから姫のようにちやほやされる「オタサーの姫」をテーマにしている。物語はオタサーの姫を目指す大山武子と、オタク男子のタクを中心に展開されるほのぼのとした日常コメディ。1話完結のショートコメディ形式で描かれており、漫画やアニメ、ゲームを題材にしたオタクネタや豆知識が豊富に盛り込まれている。武子は少しずつオタク文化を学びながら奮闘し、試行錯誤を重ねつつ、タクをはじめとするオタクたちとの交流を深めていく。また、意外な友人を多く持つタクや、サークル活動を通じて広がる武子の交友関係、個性的なキャラクターたちとのコミカルな掛け合いも見どころとなっている。
ヒロインは天然巨乳女子大生
武子は大学入学前からオタサーの姫にあこがれる、少し天然で無知な巨乳の女子大生。入学早々にオタクサークルに参加したものの、メンバーは太ったオタクのタクだけで、サークル活動がきちんと行われているかどうかも怪しい。2年生になっても新入部員が増えることはなかったが、武子は居心地の良さからサークルにとどまり、タクをオタサーの姫になるための練習台として扱いながら、何かと絡んでいる。一方、武子に絡まれながらも冷静にオタク趣味を楽しむタクは、ゼミ仲間やほかのサークルメンバーとも交流を持ちながら、美人からイケメンまで幅広い交友関係を築いている。タクは武子のことを気合の入った美人コスプレイヤーだとカンちがいしており、彼女がオタサーの姫を目指していることにも気づいておらず、彼女の勤勉さにいつも感心している。
オタクサークルでの個性的な人々との交流
武子とタクは、二人だけのオタクサークルで穏やかな楽しい日々を過ごしていたが、タクの妹を名乗る謎めいた少女・掛原なゆをはじめ、個性的な人物たちが次第に二人の日常に絡んでくるようになる。サークル活動の大半は、オタク文化に疎い武子がテレビゲームに挑戦したり、ほかのサークルメンバーと交流したりと、ゆるい内容が中心となる。武子は、これらの活動を通してタクを思いどおりに籠絡しようともくろむが、いつも空回りしてうまくいかない。そんな中、武子のもとに、お色気描写を含む作品の制作が決まったアニメサークルと漫画サークルから、ポーズモデルの依頼が舞い込む。
登場人物・キャラクター
大山 武子 (おおやま たけこ)
とある大学に通う、かわいいものが大好きな女子。赤いロングヘアをツインテールにしている。かなりの巨乳のため、服装を変えても大学内でつねに目立っている。以前からオタサーの姫を目指しており、大学入学後、すぐにオタクサークルに入った。しかし、漫画やアニメにはあまり興味がなく、オタクサークルの活動内容すらしっかり把握していない。料理が得意で、栄養バランスの悪い食事ばかり取っているオタクのために弁当を作ることもある。
タク
大山武子と同じ大学に通う男子。武子と共にオタクサークルに所属している。太った体型で丸い眼鏡をかけ、頭にバンダナを巻き、長髪を一つに束ねた典型的なオタク男子で、オタ芸を得意としている。武子からは「オタクさん」と呼ばれている。ゼミにも参加しており、ゼミ仲間をはじめとする多くの友人がいる。アパートの一室で一人暮らしをしているが、オタクらしい見た目とは裏腹に、室内は物が少なく整理整頓され、ストイックな一面を見せることもある。ゴスロリ少女の掛原なゆとは兄妹関係にあるが、なんらかの理由で名字が異なる。
書誌情報
ふたりぼっちのオタサーの姫 5巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2021-01-19発行、 978-4088917979)
第2巻
(2021-05-19発行、 978-4088918976)
第3巻
(2021-11-19発行、 978-4088921068)
第4巻
(2022-05-18発行、 978-4088922966)
第5巻
(2022-10-19発行、 978-4088924731)