あらすじ
第1巻
これまで、特にやりたい事も好きな事もなく、夢中になるという感覚がわからなかった真田幸は、アニメ「王立少女パンナコッタ」を観て、アニメーターを目指すようになる。そこで幸は、新人動画マンの面接を受けるため、東京都杉並区阿佐ヶ谷にある、日本で5本の指に入るともいわれるアニメーション制作会社・N2 FACTORY STUDIOを訪れる。しかし幸の画力は、アニメーターとしては絶望的に不足していたため、面接官からは酷評され、専門学校へ行く事を勧められる。それでも、劇場版アニメを制作する第7スタジオの九条だけは、幸が描いた絵に可能性を見出し、彼女に対しアニメに命をかける覚悟はあるかと声を掛ける。その質問に、自分が好きで選んだ仕事で死ねるなら本望だと答えた幸はN2 FACTORY STUDIOへの入社が決まり、アニメーターとしての最初の一歩を踏み出す。(1話「お前じゃ無理だ」)
幸は、N2 FACTORY STUDIOの入社初日から、第2スタジオに配属された伊達まりあや名等と共に、動画検査担当の富士結衣子の研修を受ける事となった。動画の基本となる、原画の線をなぞって清書する「原トレ」すら知らない幸の姿に、大学などでアニメ制作に触れてきたまりあや名等は驚く。そんな中、絵の特徴に応じて使う鉛筆を変えるなど、線にこだわる幸の姿を見た富士は彼女を認め、線の引き方と、数をこなし努力する事の大切さを説く。(2話「「げんとれ」ってなんですか?」)
幸は、同期のまりあと名等が自分より先に、原画と原画のあいだに絵を描き足し動画が滑らかに動くようにする「中割り」のステップに進んだ事で、焦りを感じていた。まともな線が引けず、1枚の原トレを仕上げるのに時間がかかる幸の姿を見た富士は、アニメーターの過酷な労働環境を踏まえたうえで、アニメを嫌いになる前に辞めたほうがいいと助言する。しかし幸は富士に、自分の好きな「王立少女パンナコッタ」を作った監督・芹澤に対し、一人前のアニメーターになって感謝を伝えるまでは辞められないと宣言する。その翌日、幸のデスク上には、アドバイスの書かれた紫色の付箋が貼られていた。(3話「落ちこぼれ」)
デスクに貼られていた紫色の付箋のアドバイスにより、幸は長い線を引く際の富士の腕の動きに注目し、線の引き方のコツをつかむ。それでも、まだ満足に原トレをこなせない幸は、同期の名等に、レベルの低い人間と同じところで働いていると、自分の価値まで下がると言われてしまう。これにより幸は落ち込むが、そんな彼女のデスクには、「頑張れ」と書かれた紫色の付箋が貼られていた。(4話「紫のメモの人」)
幸は、入社12日目にしてようやく「中割り」のステップに進み、楽しんで作業に打ち込んでいた。富士は幸に、その気持ちはアニメーターにとって命の次に大切なものだと伝えるものの、その作業の遅さについては、厳しく指摘するのだった。改めて自分のスキルの低さに落胆していた幸は、九条から声を掛けられ、制作中の作品の動画を撮影し、実際に動いている映像を確認する「ラッシュチェック」の作業に参加する事となった。そして映像を見て感銘を受ける幸に対し、九条は、「アニメは愛でできている」と語るのだった。(5話「強い気持ち・強い愛」)
第2巻
魂のこもった作品は必ず視聴者の心に届くという九条の言葉を受け、真田幸は、アニメに込める自らの愛の強さを口にする。そんな幸に対し九条は、画力がなければ、第7スタジオでは役に立たないどころか、原画マンにキャリアアップするための「原画試験」にすらたどり着けないと発破をかける。その一方で九条は、富士結衣子を呼び出し、幸を早く原画マンとして7スタに迎え入れたい旨を密かに伝えるのだった。その頃、幸は同期の伊達まりあが、研修ではなく現場に入る「動画」の作業にステップアップした姿を見て、焦りを感じていた。(6話「月500枚」)
入社して30日が経過し、すでに放送中の作品のエンディングに名前が載ったまりあをはじめ、名等やほかの同期達が本番動画入りしている事を耳にした幸は、焦りを募らせる。加えて五十嵐が、幸の同期が一人辞めた事に対し、向いていないなら辞めるのが正解だと口にした事で、幸はさらに不安に駆られてしまう。なぜ自分が7スタに採用されたのかと一人悩む幸だったが、そんな彼女に対し九条は、悩む時間があるなら、その分技術を磨くようにと助言するのだった。(7話「バス・ロマン」)
研修期間が明け、本来であれば7スタでの勤務が始まる幸に対し、九条は「原画試験」に受からなければ、7スタに席を用意しないと宣言する。そして幸は再び第2スタジオへ戻り、富士の指導のもと、動画の技術を磨いていく事となった。そんな幸のもとに制作進行の北川が、アニメ制作に使用するタイムシートやレイアウト、原画や動画などの紙素材を入れるカット袋を、急ぎで対応してほしいと持って来る。そのカット袋は、7スタが制作中の「劇場版カリソメ」のものだった。ほかの作品の動画で手が空いていなかった富士に代わり、幸がその作業を担当する事となる。(8話「いりぐち」)
業界内でもトップクラスのクオリティを誇るN2 FACTORY STUDIOの劇場版の動画は、本来であれば新人が担当する事などできない案件だった。だが、監督・九条の許可が下りていたため、幸が担当する事が決まった。締め切りまで20時間というスケジュールの中、富士から締め切りが守れない人間は邪魔でしかないと告げられた幸は、なんとか時間内に既定の作業を完了させる。しかし幸の描いた動画は、九条直々のチェックにより、全部描き直しを意味する「全修」が入る事となった。そしてその全修は、結局富士の作業となってしまう。(9話「デッドライン」)
幸が「全修」を指示された動画を、富士はたった2時間で仕上げた。幸は、できあがった富士の動画をカット袋に入れて7スタに持っていき作業伝票を受け取るが、迷惑をかけた罪悪感に苛まれる。落ち込む幸に九条は、全修になった理由と、上達のためクロッキー帳を10日間で1冊埋めるようアドバイスする。徹夜明け、会社に戻った幸は、回覧板を回しにいった九条のデスクで紫色の付箋を見つけ、これまでのアドバイスが九条からのものだった事を知る。しかし2スタに戻ったところで、幸は、1年以内に原画試験を受けられなかったらクビにするという九条の言葉を耳にするのだった。(10話「半径5メートルの恋」)
第3巻
九条の言葉にショックを受ける真田幸に対し、富士結衣子は、2日後に締め切りが迫った作品の動画を命じる。少しでも早く動画が描けるようにと、幸は同期の伊達まりあと名等の動画を検証する。一方その頃、まりあは、周りからの評価も得ながら着実に成長していた。すでに明るい未来が開かれているようにも見えるまりあだったが、自宅に帰ると、部屋にこもり自分の殻に閉じこもった母親の背中を見て、暗い顔を見せるのだった。(11話「秘めた想い」)
まりあがアニメーターを志し、ひたすら動画を描き続ける理由は、漫画家ながら漫画を描けなくなった母親に喜んでもらえるアニメを作るため、キャリアアップを目指していたからだった。そんな彼女の姿を見た師匠で原画マンの浅石は、まりあがたくさんの動画を描けるのは、努力の証拠であると評価する。そんな中、幸のもとに、制作進行の北川から、「劇場版カリソメ」の依頼が舞い込む。それを見たまりあは、幸より自分のほうが描けるから第7スタジオに入れてほしいと、九条に直談判に向かう。(12話「彼女の想いで」)
まりあは、クオリティの高い作品が作りたいと、7スタの九条に自身の絵を見せるが、普通だと突き返される。そしてまりあは、第2スタジオの富士からも動画の新人が監督に直談判なんてもってのほかだと叱責され、さらに師匠の浅石からは、自分の都合だけで監督が決めた事に口出しするのはダメだと厳しく指摘される事となる。一方で九条に、幸より先に原画マンになれれば7スタ配属も検討すると告げられたまりあは、動画をたくさんふってもらうよう富士に願い出るのだった。(13話「0.5秒の永遠」)
富士は自宅で、参加したアニメの放送を視聴しながら、自身の動画検査という仕事に思いをめぐらせていた。幸は、自身の絵の課題を見出したり、初めてキャラの動画を振ってもらえたり、少しだけ作業時間が短縮できたりと成長を見せ始め、富士からも少し認めてもらえるようになる。そんな認めてもらえて喜ぶ幸の姿に富士は、自身が原画マンを目指していた過去と九条の言葉を思い出すのだった。(14話「動画検査・Aパート」)
幸は、描ける動画の枚数は増えたものの、社長直々にキャラクターデザインを命じられたまりあの躍進に焦りを感じていた。そのため、幸は夏休みも休みなしで働くつもりだったが、富士に必ず休みを取るよう命じられ、実家へ帰省する。夏休み明けに出社した幸は、来年入る予定だった7スタの新人が、幸のあこがれる芹澤のいるスタジオカオスに受かったにもかかわらず、内定を辞退した事を知らされる。この事実に副監督の貫地谷は、九条の胸中が穏やかでないかもしれないと漏らす。その後、たまたま九条と会った幸は、九条のアニメ制作への思いを聞く。その話の途中、九条のもとに、7スタが解散するかもしれないという電話が入る。(15話「ユキムラの夏休み」)
第4巻
「劇場版カリソメ」の大きな出資元である「映企」から、知名度の低い九条が監督のままなら出資をしないとの連絡が入る。第7スタジオの危機的状況に何か自分にできる事はないかと頭を悩ませる真田幸に九条は、1日でも早くうまくなるよう伝える。その頃会議室では、社長と映画プロデューサーの園田、制作進行の北川が、今後の「劇場版カリソメ」の資金繰りについて話し合っていた。制作費を複数の企業が出し合う「製作委員会方式」だと、出資企業の意見を無視できないため、社長は映企を切り自社出資を増やす事を提案する。知名度のない九条の作品では、お金を集めるのに苦戦するかもしれないと話しているところ、突然N2 FACTORY STUDIOに芹澤が姿を現す。(16話「悲しいけどこれ現実なのよね」)
芹澤は、原画のリテイクを制作に指示していた九条のもとへ向かい、リテイクは時間の無駄だと言う。その頃会議室では、再び「劇場版カリソメ」の資金繰りについて話し合いが進められていた。制作進行の北川は、自社の出資増額分に、原作や監督のファンに支援を募るクラウドファンディングを活用してはどうかと提案する。その頃幸は、北川から受け取った稼げる動画に心躍らせていた。コンビニに行くため外に出ようとしたその時、あこがれの存在である芹澤と偶然出会う。芹澤もまた、7スタに置かれていた幸の動画を見て、彼女に原画マンとしてのポテンシャルを感じていた。そして九条に、自分の作品の原画マンとして幸を採用したいと伝えるのだった。(17話「芹澤監督」)
1か月500枚のノルマを一度も達成していない幸は、原画試験を受ける受験資格にすら到達できていない現状に焦り、その日行われていたN2のクリスマスパーティーへの参加を見送っていた。また伊達まりあも、大勢が楽しそうに集まる場所が苦手という理由でパーティーには参加せず、動画を描いていた。しかし彼女の師匠である浅石は、上の立場を目指すならコミュニケーションが必要であると説く。さらに、横のつながりから仕事が舞い込む事もあると伝えたうえで、実力を活かしチャンスを逃さないでほしいと、まりあに言うのだった。そんなまりあに社長から、キャラクターデザインコンペの最終候補に残ったという連絡が入る。(18話「クリスマス・イブ」)
大みそかに7スタに忍びこんだ幸は、N2劇場班の作画クオリティに感動していた。大みそかも仕事をしていた九条と年越しそばを食べる事になった幸は、正直気乗りしない成人式の写真撮影のために帰省すると、九条に話す。九条はそんな幸に、若い今しかできない事をやる事の大切さと、経験値が財産になる事を伝えるのだった。幸の帰宅後、なぜか7スタには芹澤がいた。芹澤は、九条の厳しさについていく幸の姿を見て改めて、彼女を自分の作品作りに参加させたい事を、九条に告げるのだった。(19話「財産の増やし方」)
幸は原画試験受験ノルマである、動画枚数3か月連続500枚を達成し、原画試験までこぎつけていた。原画試験を自分の机で受ける幸やまりあを気遣い、第2スタジオの富士結衣子、江玉、浅石は会社の近くで時間を潰していた。そこで江玉は、まったくの未経験だった幸を1年で原画試験を受けられるまでに育て上げた富士を評価する。社に戻った富士は、入社試験の時と同じ手ごたえにぐったりとうなだれていた幸に、運ではなく実力で原画試験を受けられるまでになったと声を掛ける。そして運命の原画試験の結果発表が行われるのだった。(20話「積み上げてきたもの」)
原画試験の合格者は、幸の同期のまりあだけだった。まりあは合格をもらったその足で7スタに向かった。一方幸は、強がりを見せるものの、落ちた現実にショックを受け、自分の描いた原画を破って捨てていた。その様子を見た九条が涙を流す幸のもとにやって来て、悔しさがあるなら大丈夫だと声を掛ける。しかし幸は、努力が報われなかった事を受け止められず、翌日初めて会社をズル休みするのだった。ズル休み中、近所の神社に来ていた幸は偶然、あこがれの芹澤に出会う。そしてその芹澤から、自分のところで原画を描かないかと誘われるのだった。(21話「笑顔の行方」)
登場人物・キャラクター
真田 幸 (さなだ みゆき)
昔観たアニメ「王立少女パンナコッタ」に衝撃を受け、そのスタッフといっしょに作品を作りたいという一心でアニメーターになる事を決めた女性。年齢は19歳。独学のため、画力は低い。しかし日本で5本指に入り、動画なら日本一ともいわれるN2 FACTORY STUDIOの一次試験に合格する。一次試験に通った理由は、「王立少女パンナコッタ」の作画監督を務めた事もある五十嵐が、柔道二段という経歴を見て、根性があるのではないかと思ったからだった。 二次試験の実技では、面接を担当したアニメーター達から酷評を受けるが、第7スタジオで監督を務める九条に才能を見出され、採用が決まった。最初は動画の基礎もままならなかったが、3か月連続で動画を500枚仕上げ、入社1年目にして原画試験を受けるまでに成長する。 なお、両親共に公務員であり、アニメーターという仕事に対する理解は得られていない。
伊達 まりあ (だて まりあ)
N2 FACTORY STUDIOの第2スタジオの動画マンとして採用された女性アニメーター。真田幸の同期でもある。有名な漫画家であった母親が、自身の作品のアニメ化に満足していない様子を見て、彼女に喜んでもらえる作品を作る事を目標にアニメーターを志すようになった。新人でありながらも、師匠の浅石をはじめ、社内の人間から実力を認められている。 幼い頃からたくさんの絵を描いてきた事に加え、アニメーターとしての努力も怠らなかった結果、幸同様に入社1年目で原画試験を受け、見事に合格する。
富士 結衣子 (ふじ ゆいこ)
N2 FACTORY STUDIOの第2スタジオに所属する動画マン兼動画検査担当の女性。第7スタジオに所属する九条からは、「フジ子ちゃん」の愛称で呼ばれている。原画に誠実な動画を描く、業界でもトップクラスのスキルを持つアニメーターとして信頼を置かれている。真田幸の研修を担当し、研修期間終了後も師匠としてかかわる。 7スタの副監督貫地谷によると、過去に20人くらいの研修を担当し、二人しか残らなかったという厳しい指導の実績がある。ちなみにその残った二人は現在、優秀な原画マンとしてアニメ業界で活躍しているという。育成型の乙女ゲームが好き。
九条 (くじょう)
N2 FACTORY STUDIOの第7スタジオに所属する、現在制作中の「劇場版カリソメ」の監督を務める男性。真田幸が心酔するアニメ「王立少女パンナコッタ」の副監督も務めていた。寝る間も惜しんで作品づくりに情熱を注いでいる。社内の人材育成にも力を入れ、作品作りに貢献してくれたスタッフには、やりがいと金銭面での幸せを与えたいという考えを持っている。 N2の入社実技試験では、画力がないと言われていた幸の「絵を立体で捉え描く力」に可能性を感じ、採用する。同期の芹澤からは、「キューちゃん」と呼ばれている。
社長 (しゃちょう)
N2 FACTORY STUDIOの社長を務めている男性。真田幸にユキムラというあだ名を付けた張本人でもある。N2には、社長にあだ名を付けられた人間は、必ず辞めるというジンクスがある。世界に通用するオリジナルアニメ作品を作りたいという夢を持っている。
五十嵐 (いがらし)
N2 FACTORY STUDIOの第7スタジオに所属する、若干アル中気味の神アニメーターの男性。真田幸が心酔するアニメ「王立少女パンナコッタ」の神回といわれる12話の作画監督を務めた経歴を持つ。社長からは「いがら氏」と呼ばれている。
貫地谷 (かんじや)
N2 FACTORY STUDIOの第7スタジオに所属する、副監督を務める男性。江玉と夫婦関係にあり、娘が一人いる。九条からは「ガンジー」と呼ばれている。
名等 (なとう)
N2 FACTORY STUDIOの第2スタジオに所属する、真田幸と同期の男性動画マン。大学時代は、アニメサークルに所属していたため、自分の技術に自信を持っている。
浅石 (あさいし)
N2 FACTORY STUDIOの第2スタジオに所属する、原画マンの男性。伊達まりあの師匠でもあり、彼女の努力とスキルを認めている。まりあが勝手に第7スタジオに乗り込んだ時は、師匠としての厳しい一面を見せた。
北川 (きたがわ)
N2 FACTORY STUDIOで制作進行を務める男性。ピンチ続きのスケジュールをどうにかするのが制作進行の仕事だという考えを持ち、仕事に取り組んでいる。
江玉 (えだま)
N2 FACTORY STUDIOの第2スタジオに所属する、原画マンの女性。名等の師匠として、彼の仕事を見ている。すでに結婚しており、娘が一人いる。夫は、第7スタジオに所属する貫地谷である。もうすぐ30歳を迎えるが、名等からは中学生と間違われ、居酒屋では年齢を確かめられるほど、見た目が若い。 かっこいいアクションシーンを描く事に定評があり、その事からアクションの「玉ちゃん」と呼ばれる事がある。
園田 (そのだ)
「劇場版カリソメ」のプロデューサーを務める男性。アニメ「王立少女パンナコッタ」の2期が始まってすぐの時期に、監督だった芹澤から急遽プロデューサーとして指名された経歴を持つ。
国見 (くにみ)
N2 FACTORY STUDIOの第1スタジオに配属された、男性新人アニメーター。入社1か月を迎える前に、自分には向いていないからと書き置きを残してN2を辞めた。
芹澤 (せりざわ)
真田幸が心酔するアニメ「王立少女パンナコッタ」の監督を務めた、九条と同期の男性。幸のあこがれの人でもある。N2 FACTORY STUDIOの第7スタジオに所属していたが、現在は別の制作会社スタジオカオスで、別作品を制作している。有能な人材を育てようと動く九条とは対称的に、無能な人材に時間を割くのはもったいないという考えの持ち主でもある。 九条と同様、幸の描く力に可能性を感じている。
場所
N2 FACTORY STUDIO (えぬつーふぁくとりーすたじお)
真田幸ら登場人物達の大半が所属しているアニメーション制作会社。東京都杉並区阿佐ヶ谷にあり、日本で5本の指に入るといわれている。第1~第11のスタジオがある。
第7スタジオ (だいななすたじお)
N2 FACTORY STUDIOで劇場作品を制作する、フリーランスが中心の制作部隊。過去にアニメ「王立少女パンナコッタ」を制作したスタジオでもある。九条や貫地谷、五十嵐が所属している。真田幸も、本来は第7スタジオ所属のアニメーターだが、スキルが未熟なため、まだ正式には所属していない。
第2スタジオ (だいにすたじお)
N2 FACTORY STUDIOの第3~第9スタジオの原画と動画を担当する制作部隊。伊達まりあ、名等の二人が、第2スタジオの新人として配属された。また、主人公の真田幸も、原画試験に受かるまでは2スタの所属である。動画マン・動画検査の富士結衣子や、原画マンの浅石、江玉も2スタのアニメーターである。
その他キーワード
王立少女パンナコッタ (おうりつしょうじょぱんなこった)
真田幸が心酔する、テレビシリーズアニメ。N2 FACTORY STUDIOの第7スタジオが制作したアニメで、監督を芹澤が、副監督を九条が務めていた。
劇場版カリソメ (げきじょうばんかりそめ)
N2 FACTORY STUDIOの第7スタジオで制作している、原作付きの劇場版作品。監督は九条が務めている。原作ファンからは、映像化反対の声もあがっている。
原画試験 (げんがしけん)
N2 FACTORY STUDIOで原画マンになりたい人が受ける試験。動画3年目のアニメーターもしくは、3か月連続で500枚の動画を描いた者のみが受験できる。