アリスさんちの囲炉裏端

アリスさんちの囲炉裏端

キナミブンタ(木並文太)の代表作。舞台は現代日本の山間にある小さな集落。男子高校生の森山晴海が、年上の幼なじみ・水瀬アリスが地元に帰ってきたことをきっかけに、囲炉裏端での温かな生活や食事を楽しみながら、アリスとの関係を深めていく姿を描いた日常系ラブストーリー。集英社「ウルトラジャンプ」2020年11月号から2023年4月号まで連載。2025年1月に実写ドラマ『アリスさんちの囲炉裏端』がBS-TBSで放送。森山晴海を佐藤瑠雅、水瀬アリスを馬場ふみかが演じている。

正式名称
アリスさんちの囲炉裏端
ふりがな
ありすさんちのいろりばた
作者
ジャンル
恋愛
 
日常
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社) / ヤングジャンプコミックス・ウルトラ(集英社)
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超スローライフな田舎暮らし

本作の最大の魅力は、囲炉裏端の心地よさを巧みに表現した情景描写にある。古民家の畳の香りや、差し込む日差しの温もり、自在鉤(じざいかぎ)に吊るされた鉄鍋から立ち上る味噌の香りなど、あたかもその場にいるかのような臨場感を味わえる。さらに、囲炉裏の特性を生かした多彩な料理の数々が、読者の食欲を刺激する。物語の舞台は、現代の喧騒から隔絶された静かな集落。近くに喫茶店一つない不便さはあるものの、素朴でありながら温かい生活が魅力的に描かれる。

年の差幼なじみのもどかしい恋心

森山晴海と水瀬アリスは、年齢差のある幼なじみという関係にあり、物語は彼らを中心に展開される。アリスの年齢は明確には示されていないが、晴海が幼稚園に通っていた頃には、すでにアリスは大人のような姿をしていた。そのため、二人が互いに好意を抱き始めてからも、関係の進展は遅い。さらに、晴海がアリスに告白して交際を申し込んだあとも、もどかしい恋愛模様が続く。しかし、そうしたもどかしさの中で二人が愛情をぎこちなく表現し合う、プラトニックな関係が本作の魅力の一つとなっている。

10年分の空白とプラトニックな恋模様

晴海とアリスは年齢差があるため、周囲からは恋愛関係に発展するとは考えられていない。特に、事情を知らない人々からは、晴海がアリスの弟だと誤解されることが多く、彼はそのたびにショックを受けている。また、アリスの10年間にわたる知られざる生活を思い巡らすうちに、自分が果たして彼女にふさわしい存在なのかと悩むようになる。二人はこうした悩みと向き合いながら、徐々に関係を深めていく。

登場人物・キャラクター

森山 晴海 (もりやま はるみ)

水瀬アリスの幼なじみの男子高校生。年齢は16歳。黒色の短髪がウニのように跳ねている。10年ぶりに地元に戻ってきたアリスの家に、よくお裾分けを持っていくうちに、彼女に恋心を抱くようになる。一方で、空手道場の後輩である秋山ほのかに好意を寄せられていることにはまったく気づいていない。山岳ガイドや山岳救助隊の隊長を務める祖父に鍛えられたため、見た目以上にたくましい。アリスに告白するが、彼女が提示した、高校卒業までに好きな相手ができた場合はアリスのことを忘れるという条件を受け入れ、交際の約束を取りつけた。

水瀬 アリス (みなせ ありす)

森山晴海の幼なじみで社会人の女性。明るい茶髪をショートボブにしており、左目の下には泣きぼくろがある。幼少期に東京に引っ越したが、祖母の死をきっかけに10年ぶりに地元へ戻り、囲炉裏のある古民家で一人暮らしをしている。晴海に対しては幼い頃のイメージを持ち続けていたが、日常的に助けられることが多くなり、彼を異性として意識するようになる。ネズミが苦手で、寄せつけないためにペットを飼うことを晴海に提案されるが、先に旅立たれることの寂しさを考え、悩んでいた。のちに半野良猫のエンガワをかわいがるようになる。すでに父親が他界しており、義母との関係が悪かったため、中学卒業後は一人で生きてきた。現在は秋桜社という出版社のライターとして生計を立てている。晴海から告白されるが、高校卒業までに好きな相手ができた場合は自分を忘れるという条件を提示して、交際の約束を交わした。

書誌情報

アリスさんちの囲炉裏端 4巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第3巻

(2022-09-16発行、978-4088924427)

第4巻

(2023-05-19発行、978-4088926988)

アリスさんちの囲炉裏端 2巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス・ウルトラ〉

第1巻

(2021-06-01発行、978-4088920207)

第2巻

(2022-03-01発行、978-4088922553)

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