作品の概要
基本情報
ほしの瑞希の代表作。
要旨と舞台設定
現代の高校を舞台に、恋愛経験がない女子、青柳いろはと、恋愛上級者の男子、日下部春希の関係性を描いた物語。いろはは高校2年生まで恋愛経験が皆無だったが、同級生の春希と交際を始めることになる。
ストーリー展開
物語は、春希の高度な恋愛テクニックにいろはが翻弄されるところから始まる。春希は、ほんわかした見た目とは裏腹に、気づかないうちに手をつなぎ、自然な流れでキスをするなど恋愛経験豊富な一面を持つ。また、春希は自身を「愛が重い」男子と自認しており、いろはへの束縛や独占欲が徐々に表出していく。そして、春希の元カノの登場や、いろはに思いを寄せる男子との三角関係など、二人の関係にはさまざまな試練が訪れる。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、恋愛初心者の女子と恋愛上級者の男子という対照的な関係性を軸とした学園ラブコメディ。特に「束縛系男子」が重要なテーマとなっており、通常はネガティブに描かれがちな束縛的な愛情表現を、コミカルかつ青春の一側面として描写している点が特徴となっている。
作品固有の表現技法と特徴
作品内では、主人公の天然な反応と彼氏の予想外な行動とのギャップが多用され、コミカルな演出として機能している。特に、春希の「重い愛」といういわゆる地雷要素を、いろはの天然さと純粋さで受け止める展開が独特の味わいを生み出している。
世界観の構築と設定
世界設定は、特殊な要素を含まない現実的な日本の高校生活が基盤となっている。友人関係や部活動、勉強といった高校生の一般的な日常生活を背景に、青春期特有の感情の揺れや成長が描かれている。春希の家庭環境や過去の恋愛経験も、物語の重要な要素として機能している。
連載状況
集英社「マーガレット」2018年10号から2021年23号まで連載。
登場人物・キャラクター
青柳 いろは (あおやなぎ いろは)
とある高校に通う2年生の少女。年齢は16歳。桃色の髪を肩まで伸ばし、日によって結んだり、お団子にしたりしている。のんきな性格で、恋に対して漠然とあこがれを抱いており、いつか恋に落ちる日を心待ちにしている。高校2年生に進級したばかりの頃、担任の教師から勝手にクラス委員に任命されて困っていた際、クラスメートの日下部春希に助けられ、気になる存在となる。春希が元カノとトラブルになった現場に偶然居合わせ、彼に思わず言った一言がきっかけで急速に距離を縮め、告白して付き合うこととなる。恋愛上級者の春希に振り回されることが多いが、天然気味なために愛の重い部分はうまくスルーし、良好な関係を築いている。
日下部 春希 (くさかべ はるき)
青柳いろはが通う高校の2年生の少年。黒髪を短くそろえ、朗らかで優しそうな見た目をしている。物腰が穏やかなため、付き合いの浅い誰もが人畜無害と感じるが、実は束縛系男子で、恋愛に関しては非常に積極的。中学1年生の頃に初めて彼女ができて以降、3回別れているため、恋愛テクニックに関してはかなり上級者。いろはと付き合いを始めてからは、流れるように距離を縮めて彼女を翻弄している。元カノとの関係を疑われた際には、ためらわず自分のスマホを水に沈めるなど、その愛は一途を通り越して「重い」。好きな人のことをなんでも知りたいタイプのため、一歩間違えればストーカーといえるレベルで、周囲の人からはそのうちいろはを監禁するのではないかと不安視されている。しかしどこかのんびり屋で、天然気味のいろはとは相性がよく、愛の重い部分はスルーされ、よく彼女に説教されている。
書誌情報
みにあまる彼氏 全13巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2018-08-24発行、978-4088440842)
第2巻
(2018-11-01発行、978-4088441238)
第3巻
(2019-02-01発行、978-4088441696)
第4巻
(2019-06-01発行、978-4088442112)
第5巻
(2019-09-01発行、978-4088442440)
第6巻
(2019-12-01発行、978-4088442754)
第7巻
(2020-04-01発行、978-4088443256)
第8巻
(2020-07-01発行、978-4088443973)
第9巻
(2020-10-01発行、978-4088444093)
第10巻
(2021-02-01発行、978-4088444383)
第11巻
(2021-05-01発行、978-4088444451)
第12巻
(2021-08-01発行、978-4088445144)
第13巻
(2021-12-24発行、978-4088445687)







