アレンとドラン

アレンとドラン

テレビドラマ化もされた『そこをなんとか』などで知られる麻生みことの連載作品。現代の東京にある大学やバー「バーズネスト」を舞台に、映画好きな女子大学生・林田と、イケメンながら無愛想なバーテンダー・江戸川の恋愛模様を描いたサブカル系ラブコメディ。講談社「Kiss」2015年10月号から2022年11月号まで連載。

正式名称
アレンとドラン
ふりがな
あれんとどらん
作者
ジャンル
その他ゲーム・趣味・実用
 
ラブコメ
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
既刊7巻
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サブカル系女子とイケメンバーテンダー

古今東西の映画を愛する林田は、大学のクラスメートから「サブカル系女子」と揶揄されながらも、東京での大学生活をマイペースで楽しんでいた。そんなある日、林田はソーシャルネットワークサービス「Twitter」で知り合った映画好きの男性・シンタローに言い寄られるが、隣室に住む江戸川に二度も助けられることになる。林田は、江戸川の無愛想ながらも核心を突いた発言に、今まで感じたことのない感覚を覚え、彼が働くバー「バーズネスト」に通うようになる。その結果、自分とは真逆の性格を持つ江戸川に惹かれ、次第に恋愛感情を抱くようになっていく。

実際の映画に関するディープな話題が展開される

主人公の林田は映画鑑賞を趣味としており、『ゴーストワールド』や『フィルス』といった実在の映画や、フランソワ・オゾンやヤン・シュヴァンクマイエルといった著名な映画監督について、登場人物たちが頻繁に語り合っている。これは、林田が映画のコミュニティに属し、映画について語ることを生きがいとしていることと深く関係している。また、他者の顔を有名な映画俳優に例えるなど、映画オタクならではのユニークな言動も多く見受けられる。

自己主張が苦手な二人の本当の気持ち

自己肯定感が低く、異性に対して免疫がない林田は、周囲に合わせるのは得意ながら、地味な容姿や映画オタクであることにコンプレックスを抱いており、肝心な場面では自分の気持ちをはっきりと表現できない。一方、江戸川は容姿端麗でコミュニケーション能力も高く、他者の気持ちを理解して共感するのが得意だが、自分の本音を周囲に見せることはない。また、異性から告白されるとあっさりと承諾するものの、自ら距離を縮めようとはしないため、恋人ができても短期間で別れるという悪循環を繰り返している。このように、一見対照的な二人だが、自己主張が苦手という共通点を持つ。心の底から誰かを好きになったことがなかった二人は、何度もすれ違いを繰り返しながらも、周囲を巻き込みながら互いに理解を深めていく。

登場人物・キャラクター

林田 (はやしだ)

都内の大学に通う3年生の女子。黒縁眼鏡をかけている。子供の頃から古今東西の映画を愛しており、特に数十年前に放送された洋画が大好き。ただし、映画に関して誰よりも詳しいわけではなく、映画好きのコミュニティに参加すると、ほかの人の知識に圧倒されることもある。自己肯定感が低く、地味な外見や映画オタクであることにコンプレックスを抱いている。また、「コミュニケーション能力が皆無」と自嘲することもあるが、実際には他者への気遣いができ、空気を読む力に優れている。言うべきことはしっかりと言う度胸も持っているが、自分の好きな話題以外には無頓着なところがあり、隣人の江戸川や大学のゼミの教授である平良から注意を受けることも少なくない。お酒を飲むと性格が大きく変わり、笑い上戸で素直になるため、その二面性を知る大学の仲間たちにかわいがられている。ちなみに本名は「林田(はやしだ)」だが、周囲からは本名をもじって「リンダ」と呼ばれている。

江戸川 (えどがわ)

林田と同じアパートでとなりに住む男性。林田より一つ年上の大学生で、彼女からは「エドガー」と呼ばれている。「バーズネスト」というバーで働いており、整った容姿と巧みな話術で女性客から人気を集めている。他者の抱える闇に敏感で、その影響から江戸川自身や身近な人々にトラブルが起こることを避ける傾向がある。子供の頃は昆虫が大好きだったが、そのために同年代の女子から奇異の目で見られた経験があり、現在は自己主張を控えている。映画について情熱的に語る林田に対しては複雑な感情を抱いているが、風変わりでスキの多い彼女を放っておけず、林田がトラブルに巻き込まれた際には、すぐに助けに駆けつけることが多い。

書誌情報

アレンとドラン 7巻 講談社〈KC KISS〉

第1巻

(2017-03-13発行、978-4063980158)

第6巻

(2021-12-13発行、978-4065264522)

第7巻

(2022-12-13発行、978-4065305584)

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