イヴの眠り

特異な遺伝子を持つ有末静の娘・アリサ・クロサキが、自らの出自を知り闘いに巻き込まれていくサスペンスロマン。『YASHA-夜叉-』の続編。

概要・あらすじ

ハワイ島に住むアリサ・クロサキは、周囲からも一目置かれる美少女。しかし彼女は時折不思議な力を見せるときがあり、それを畏れ忌み嫌う者もいた。父、ケン・クロサキはそんな彼女を溺愛していたが、実はアリサ・クロサキは、母のルー・メイ・クロサキと一夜を共にした有末静との間に出来た子であった。ある日、中国経済界の首領シン・スウ・リンの息子であるがクロサキ家を訪れる。

彼はケン・クロサキ達に迫りくる危機を告げ、敵の写真を見せる。そこに写っていた死鬼と呼ばれる殺人鬼は若き日の有末静そのものだった。既にハワイに入っていた死鬼アリサ・クロサキに近付く。自分の出生の秘密を知ってしまったアリサ・クロサキは、有末静に会うため日本に渡るのだった。

登場人物・キャラクター

アリサ・クロサキ

長い黒髪で、周囲の男性が息を呑むほどの美少女。初登場時は18歳。ハワイ島で育ち、地元では「マウナ・ティファナ(ティファナ山)龍(ドラゴン)の娘」と呼ばれている。ハワイアン・ネームはカフアイラナ・マリエ(「水のような静けさ」を意味する)。容姿端麗で落ち着いた性格、その上、男達と対等に渡り合う腕っ節を備えている。 父、ケン・クロサキ、母、ルー・メイ・クロサキ(旧名ルー・メイ・クァン)の元で育った。実の父は有末静だが、そのことは知らないでいた。有末静の能力を受け継ぎ、他人の動きを一度見ただけで完璧に模倣することができ、またテレパシーのように意識や感覚を共有することができる。月の女神(ヒナ)の祭りの夜、死鬼と出会ったことをきっかけに、実の父が有末静であることを知り、日本へ渡ることを決意する。 シン・スウ・リンや彼の息子である烈達と共に死鬼と闘うことになるが、残忍な殺人を繰り返す死鬼に敵意を燃やしながらも惹かれてしまう。

(りえ)

短髪の髪を逆立てた小柄な男子。初登場時は16歳。中国経済界を取り仕切る若き帝王、シン・スウ・リンの一人息子で、母は日本人。父のシン・スウ・リンからは、時々、日本語読みで「レツ」と呼ばれている。幼い時から後継者として帝王学の英才教育を受けてきた。父、シン・スウ・リンの使者としてハワイ島のアリサ・クロサキの元へ訪れ、彼女に一目惚れする。 共に日本に渡り、死鬼達と闘うことになるが、懸命にアリサ・クロサキを守ろうとする。また、彼女の死鬼に対する複雑な感情も理解している。アリサ・クロサキの実の父・有末静とは既に面識があり、憧れの対象となっている。幼い頃からの教育によって自分の振る舞いを弁え、また的確で素早い判断力を持っている。 その天性の資質はアリサ・クロサキの母ルー・メイ・クロサキや、その弟シェン・クァンからも認められている。

ケン・クロサキ

アリサの育ての父。元アメリカ陸軍グリーンベレー出身で、その後、ネオ・ジェネシス社の保安要員を経て、有末静の私的な傭兵となった。その後に引退し、ルー・メイ・クァンと結婚。ハワイ島にあった父のコーヒー農園を買い戻し、妻となったルー・メイ・クロサキ、娘のアリサ・クロサキ、息子のシンジ・クロサキと共に暮らしている。 アリサ・クロサキが有末静の娘であることを知っているが、自分の娘として溺愛している。静かに暮らすことを望んでいたが、死鬼達との闘いに巻き込まれることになる。『YASHA-夜叉-』にも登場する。

ルー・メイ・クロサキ

長い黒髪の女性。ケン・クロサキの妻でアリサ・クロサキの母。旧名、ルー・メイ・クァン。元は各国を渡り歩く腕利きの賞金稼ぎ。カンボジアでケン・クロサキと出会う。その後、有末静に私的傭兵として雇われたケン・クロサキに、戦闘員の一人として呼ばれ再会する。有末静と一夜を共にしたことでアリサ・クロサキを宿すが、それを知りながら自分を愛するケン・クロサキと結婚した。

シンジ・クロサキ

黒髪で身体の大きな少年。初登場時は16歳。ケン・クロサキとルー・メイ・クロサキの実子。体力はあるが、直情的で単純な性格は若い頃の叔父、シェン・クァンそっくり。姉のアリサ・クロサキに対してはややシスコン気味で、姉を訪ねてきた烈に対して初めは敵意を剥き出しにしていた。しかし共に日本で一緒に行動するうちに、同い年の烈を徐々に信頼していく。

シン・スウ・リン

全世界の華僑を束ねた「龍の道」(ドラゴンロード)に君臨する総帥であり、中国財界の若きリーダー。周囲からは畏怖を込めて「風の龍(フォンロン)」と呼ばれる。ケン・クロサキとはかつて有末静を巡って知り合っていたが、距離をおいてきた。しかし危険を察知し、急遽メッセンジャーとして息子の烈を彼の家へと送った。 しかし事態が予想以上に早く進行していることが発覚し、自ら動き出す。アメリカ資本に頼らないアジア独自のドラゴンバレー構想を打ち出しているが、これに反発する勢力も多く、闇の組織の最重要ターゲットとなっている。アリサ・クロサキを守り死鬼と戦うことを決意した烈の気持ちを理解し、自分の右腕である曹小英に後を託し、自らは闇の組織である赤蠍壊滅へ動き出す。 『BANANA FISH』、『YASHA-夜叉-』にも登場する。

曹 小英 (つぁお・しゃおいえん)

丸眼鏡に髭を生やした男性。中国財界のリーダー・シン・スウ・リンの秘書兼ボディーガードで、彼から絶大な信頼を寄せられている。曹家四兄弟の長兄。シン・スウ・リンの息子烈のサポート役として一緒にハワイ島に赴き、ケン・クロサキの家を訪ねる。その後も烈の護衛と、死鬼と闇の組織・赤蠍の討伐の全権を担う。 中国拳法の達人で、アリサ・クロサキに請われて彼女に虎狼拳の手ほどきをする。

死鬼 (すーぐい)

有末静のクローン。しかしその性質は人間らしさが無く、冷酷無比な殺人鬼である。有末静を襲撃し、再起不能の重傷を負わせるその後、闇の組織・赤蠍と手を組みアリサを手に入れようと行動する。若い頃の有末静そのままの姿をしているため、有末静を良く知る人物ほど攻撃を躊躇ってしまう。

有末 静 (ありすえ せい)

表向きには世界最大規模の製薬会社、雨宮ケミカルグループの社長・雨宮凛とされている。突如現れた自らのクローン・死鬼に襲撃され、重傷を負わされて寝たきりになってしまう。永江十市らの治療を受けながら右手の指一本しか動かない状態となり、滅菌状態で隔離され、脳の信号をコンピュータで音声変換した端末を介して会話する。 実の娘・アリサ・クロサキの身を案じ、独自に解決に動こうとしていた。『YASHA-夜叉-』の主人公でもある。

永江 十市 (ながえ といち)

有末静の幼馴染であり、親友。18年前に亡くなった兄・永江茂市の意志を継いで医師となり、若くして心臓バイパス手術の第一人者となった。死鬼に襲撃された有末静の主治医を引き受ける。妻・永江苑との間に息子が3人おり、さらに彼女のお腹には子どもが宿っている。『YASHA-夜叉-』から引き続き登場している。

ジャック・メイヨー

かつてグリーンベレーでケン・クロサキの部下であり、彼と共に有末静ボディーガードをしていた。ケン・クロサキが去った後も、雨宮凛として振る舞う有末静の秘書兼ボディーガードとなっている。シェン・クァンとともに沖縄に訪れたアリサ・クロサキ達を出迎える。『YASHA-夜叉-』から引き続き登場している。

シェン・クァン

ルー・メイ・クロサキの弟。傭兵訓練学校の教官をしていたが、また姉のルー・メイ・クロサキから秘密裏にアリサ・クロサキのサポートを頼まれ、ジャック・メイヨーと共に彼女達を沖縄で出迎える。『YASHA-夜叉-』から引き続き登場している。

クラリス・シュライバー

金髪の女性。有末静がネオ・ジェネシス社で研究員をしていた頃の上司。その後、故アルフレッド・ライアン博士の研究を盗んで得た論文を学会で発表したことから、有末静に告発され学会を追われた。復讐のため死鬼の代理母となる。死鬼とは肉体関係を結んでいる。

今井 達也 (いまい たつや)

かつて洛北大学の生体科学研究所に勤務し、有末静とは同僚だったが彼に対しては複雑な感情を持っている。有末静によって沖縄医科大学の遺伝子工学科教授として赴任したが、週2回の講義以外は、山原(やんばる)の研究室に身を隠すようにひっそりと暮らしている。有末静から、遺伝子解析したウィルスの構造設計図を託され、それを知った死鬼に狙われる。

書誌情報

イヴの眠り 全5巻 小学館〈フラワーコミックス〉 完結

第1巻

(2004年2月発行、 978-4091380333)

第2巻

(2004年8月発行、 978-4091380340)

第3巻

(2005年1月発行、 978-4091380357)

第4巻

(2005年8月発行、 978-4091380364)

第5巻

(2006年1月発行、 978-4091380371)

イヴの眠り 全3巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(2009年2月発行、 978-4091911841)

第2巻

(2009年2月発行、 978-4091911858)

第3巻

(2009年3月発行、 978-4091911865)

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