ガラスの城

ガラスの城

ロンドンに住む双子の姉妹イサドラとマリサ、母の事故死のあとイサドラは遺品の中からマリサが行方不明の伯爵家の娘であったことを示す証拠を発見する。妹と伯爵をあざむき、自分が令嬢になりすますことに成功したイサドラは、さらに野望を拡大させていき、それは大きな悲劇へと発展していくのだった。二代にわたって展開する、少女たちの愛憎を描いた大河サスペンスドラマ。第16回小学館児童漫画賞受賞(1970年度)。

正式名称
ガラスの城
作者
ジャンル
推理・ミステリー
 
サスペンス
レーベル
ホーム社漫画文庫(ホーム社)
巻数
全5巻
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概要・あらすじ

ロンドンに住む双子の姉妹イサドラマリサ、母の事故死のあとイサドラは遺品の中からマリサは行方不明のストラス・フォード伯爵家の娘だったことを示す証拠を発見する。妹に対し異常なまでに敵対心を燃やしてきたイサドラは、証拠に細工し芝居を打って伯爵令嬢になりすますことに成功する。そしてイサドラは社交界デビューし、上流階級の若者たちとのロマンスを楽しむ。

マリサは伯爵の好意から、ストラス・フォード城に住むこととなるが、イサドラの策謀で召使となりいじめを受ける。しかしその頃から、伯爵と執事のクロッキーは、イサドラの性格と行動に違和感を覚え、マリサの奥深い優しさ・上品さに好意を抱くようになっていた。

さらに死んだはずのマリサの母フランソワが記憶喪失状態で発見され、伯爵に迎えられストラス・フォード城で暮らすこととなり、イサドラを動揺させる。ストーリーはこの後何度も変転していき、マリサイサドラのそれぞれの娘が成長したとき、より大いなる秘密が明らかになるのだった。

登場人物・キャラクター

イサドラ・バーゲン

『ガラスの城』の主人公のうちの一人。ロンドンのイートン高校に通う女子学生として登場。初登場時16歳。母のミルズ・バーゲンのもとで、マリサと双子としてつつましく育てられた(イサドラが姉。父はいない)。とても美人だが、非常に勝ち気な性格。またマリサの持ち物を何でも欲しがり、異常な執着を見せる。母の事故死のあと、遺品からマリサが行方不明のストラス・フォード伯爵家の娘であったことを示す証拠を発見し、証拠に細工して自分が伯爵令嬢になりすます。 マリサがストラス・フォード城に住むことになると、策謀を用いて召使にしてしまい、いじめ抜く。社交界デビューして奔放に生きるが、嘘に嘘を重ねた挙句、次第に危ない世界に足を踏み入れてゆき、数奇な運命をたどる。

マリサ・バーゲン

『ガラスの城』の主人公のうちの一人。ロンドンのイートン高校に通う女子学生として登場。初登場時16歳。母のミルズ・バーゲンのもとで、イサドラと双子としてつつましく育てられた(マリサは妹。父はいない)。心が優しく、だれにでも深いいたわりの心を示す。実はストラス・フォード伯爵家の娘だが、イサドラの策略で召使いの娘ということになってしまう。 イサドラにいじめ抜かれた上、自分は伯爵令嬢ではないと信じ切る催眠術をかけられる。伯爵家から身を引くために看護婦としてアフリカで働き、そこで出会った医師クリフト・モンゴメリーと結婚する(この段階で催眠術は切れる)。その後、ふたたび様々な展開に巻き込まれた。

ミルズ・バーゲン

イサドラの母で、マリサの育ての親。ミルズは、マリサの母フランソワ・ストラス・フォードの召使だったが、故あって生まれたばかりのマリサをあずかり、自分が生んだばかりのイサドラと双子として育てる(フランソワはそのすぐあと、飛行機事故に遭遇してしまう)。その後は菓子屋に勤め、つましい暮らしをしていた。 ミルズはマリサが可愛くなり、真実をストラス・フォード伯爵家に告げないままにしてしまったが、イサドラとマリサが16歳のとき、交通事故で死ぬ。あとにフランソワから渡された、日記と証拠のペンダントが残された。

テームズ・ストラス・フォード7世

ストラス・フォード家15代当主。イギリスの伯爵。金髪で見事な口ひげを生やした、気品のある中年の紳士。マリサの実の父親だが、イサドラの策略でイサドラの方を自分の娘だと思い込む。最初はイサドラを可愛がり、全力で社交界デビューさせるが、イサドラへの違和感と、マリサに対しての親近感が次第に大きくなる。 違和感は何度もイサドラの奸計でうやむやにされるが、ある日ストラス・フォード卿は執事のクロッキーに真相を解明するように命じる。平行して、捜索していた失踪した妻のフランソワも見つかるが、半ば記憶喪失であった。そしてイサドラの陰謀はより強く彼らに及んでいく。

エステル・クロッキー

ストラス・フォード伯爵家の執事。先祖代々ストラス・フォード家に仕えている。禿頭だが、凛々しい顔つきの男。伯爵とともにイサドラの性格の悪さとマリサのにじみ出るような優しさに気づき、真相の解明に奔走する。イサドラの様々な計略からマリサとその娘を護り抜く。イサドラの件が落着したあとも、マリサとマリアを守護し続ける。

フランソワ・ストラス・フォード

マリサの実の母親で、テームズ・ストラス・フォードの妻。ストラス・フォード卿との結婚のあと、判明した遺伝性の血液病(血友病)を苦にして失踪する。失踪先でマリサを産むが、ストラス・フォード卿がインドで熱病にかかって危篤と聞くと、マリサを召使だったミルズに預けて飛行機で向かう。 だが、飛行機は事故に会い、フランソワの消息は断たれる。後に、イサドラたちが南仏のニースに避暑に行った際、マリサは「くちなしの香りのする女性」に出会って、親近感を覚える。マルガリータ・ガレットと名乗っていたその女性こそ、一命は取り留めたが事故で記憶喪失になってしまったフランソワであった。 マリサやストラス・フォード卿と会うことによって、彼女は少しづつ記憶を取り戻すが、それはイサドラにとって非常に都合が悪いことだった。

デューク・ゴダール

ロンドンのイートン高校に通う青年。はじめはマリサと付き合っていたが、マリサのものをなんでも奪おうとするイサドラに誘惑され、イサドラと付き合うようになる。しかし、イサドラは伯爵令嬢になったあと、デュークをボロ布のように捨て、絶望した彼は雪山で自らの命を絶とうとする。

マックス・バーリィ

アメリカの石油王の息子。コロンビア大学の3年生。マリサを好きになり、いろいろ世話をしたが、イサドラの策略で父親の信用を失い、さらにマリサの心にも大きな傷を与えてしまう。イサドラにとっては、リヒテンシュタイン公国皇太子ハルトマンへ向かうための踏み台のひとつ。

ハルトマン

リヒテンシュタイン公国の皇太子。社交界で会ったイサドラを気に入り、自国に呼んでもてなすほどだったが、イサドラが自ら招いたストラス・フォード家の混乱の間に、スウェーデンの第二王女と結婚してしまう。やがて、長男ロジェをもうける。

ケント・バーゲン

イサドラの実の父。殺人犯で刑務所に収監されていたが、脱獄してストラス・フォード城に乗り込む。イサドラの企みを知り、偽ってマリサを我が子として引き取り、イサドラに口止め料を要求する。しかし、イサドラの策略で、ケントは警察に追われ銃弾を受ける。

ハンス・シルベスター

フランソワの記憶をとり戻すための治療を行う医師(医学博士)。アメリカで研究をしていた。黒髪の中年紳士。あけすけな物言いをする人物で、会うやいなや、フランソワとイサドラの性格が違いすぎると指摘する。イサドラは、フランソワを追い出そうして、シルベスター博士をフランソワの浮気相手に仕立てあげようとする。

アブシンベル・ツタンカーメン

古代エジプトのファラオの流れをくむと言われる催眠術師。イサドラは、密かにツタンカーメンを訪れ、マリサに対してストラス・フォード家に忌避感を持つような催眠術をかけることを依頼する。ツタンカーメンはこれを了承し、秘薬を用いてマリサがストラス・フォード家にいたくなくなるような暗示をかける。 術はうまくいき、マリサは看護婦になり、志願してアフリカのビアフラ難民支援に旅立ってしまう。しかし、。ツタンカーメンは術の報酬として、イサドラが産んだ子供を要求する。さらに、その父親として「ウィリアム・ウイルソン男爵」という男を指定する。後に明らかになるツタンカーメンの正体と目的は、非常に恐ろしいものだった。

マリア・モンゴメリー

マリサと、アフリカのビアフラで難民支援を行う医師クリフト・モンゴメリーの間に生まれた娘。クリフトは、マリサが身ごもった直後に、アフリカの風土病にかかって死亡する。マリサはイギリスに戻ってマリアを産もうとするが、イサドラとツタンカーメンの激しい妨害に会い、母子ともに危険にさらされる。 しかし、二人はクロッキーの守護なども得て、作品における光明となるのだった。

ミューズ

イサドラとウイリアム・ウイルスン男爵の間に生まれた娘。イサドラの破綻により、ミューズはマリサに引き取られ、マリアと姉妹として育てられることになる。彼女は育つに従い、その恐ろしい性格を行動で示していく。

ガボォル・クール

リヒテンシュタイン公国のハルトマンの長男ロジェの家庭教師として、マリサとマリアとミューズの前に現れる。その正体に気づいたのは、クロッキーだけだったが、実はストラス・フォード伯爵がフランソワと結婚する前に存在した婚約者であった。ガボォルは、フランソワそっくりのマリサを見て復讐を画策し、ミューズを利用してマリサを苦しめようと考える。

書誌情報

ガラスの城 全5巻 ホーム社〈ホーム社漫画文庫〉 完結

第1巻

(2000年12月発行、 978-4834271812)

第2巻

(2000年12月発行、 978-4834271829)

第3巻

(2001年1月発行、 978-4834271850)

第4巻

(2001年1月発行、 978-4834271867)

第5巻

(2001年2月発行、 978-4834271935)

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