概要・あらすじ
女性の顔を生きながらにして剥ぐ「顔泥棒」。持ち主の枕元に化け物が現れる「使い魔の壺」。美しき「青蛇夫人」に魅入られ、失踪した醜男。帝都を騒がす怪奇事件に対し、警察はなんの手も打てずにいた。窮した江戸川警部がいやいやながらも頼るのは、黒ずくめの少年探偵夢幻魔実也だった。魔実也は無邪気な笑顔に皮肉たっぷりの軽口、そして小型拳銃や精神感応の力を駆使し、帝都の猟奇事件や旅先の怪奇を解決していく。
登場人物・キャラクター
夢幻魔 実也 (むげんま みや)
長髪の美少年。背広や山高帽など、衣装は黒。裕福な家柄のため、探偵業は道楽で行っている。精神感応の能力を持つ超能力者でもある。
アルカード
夢幻魔実也の探偵事務所で執事をしている、禿頭の老人。温和な好々爺で、魔実也の身の回りの世話から、犯人の確保などの探偵業の手伝いをしている。
江戸川警部 (えどがわけいぶ)
夢幻魔実也の元に事件を持ちこむ警視庁の警部。魔実也が警視総監の恩人であるため、嫌々ながら相談しにくる。少々ヒステリックな面があるものの常識人で、ツッコミ役を務める。
老博士 (らおはかせ)
ロケットを偽装した遊鬼塔を使って子供たちの誘拐を企んだ中国人。長い口髭に丸メガネが特徴。後の『夢幻紳士 冒険活劇篇』ではレギュラーとして登場。
顔の無い女 (かおのないおんな)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『顔泥棒』に登場する人物。夢幻魔実也が再推理によって逮捕された顔泥棒事件の真犯人。のっぺらぼうで、剥ぎ取った犠牲者の顔の皮を自分の身体に張り付けていた。
杏仁 (あんにん)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『使い魔の壺』に登場する人物。夢幻魔実也に、壺から現れる化け物から父親を助けてくれるように頼んだ依頼人。一代で財を築いた父親と、屋敷で2人暮らしをしている。服装は中国風。
ヤマモト
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『使い魔の壺』に登場する人物。杏仁の父親の元に使い魔の壺を持ち込んだ古物商。眼鏡に出っ歯、ちょび髭といういでたち。幻覚剤を使い、使い魔の壺を買った金持ちに化け物の幻覚を見せ、安く引き取るという手法で金を稼いでいた。
青蛇夫人 (あおへびふじん)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『青蛇夫人』に登場する人物。社交場に月に一度だけ現れる美女。蛙にそっくりな青年を見初め、しつこく後を追まわし、ついには食べてしまう。夢幻魔実也にナメクジの汁を飲まされ、苦しさのあまり川へ飛び込む。正体は巨大な青蛇だった。
富岡 桜子 (とみおか さくらこ)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『夢幻少女』に登場する人物。夢幻魔実也の夢の中で助けを求めてきた少女。15歳の時に水難事故に遭い、眠り続ける病気になった。現実世界ではすでに老婆で、目覚めぬままに死去した。
ジイさん
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『案山子亭』に登場する人物。本名不詳。案山子亭を営む陰気な主人。クトゥルー系の黒魔術を身に着けている。黒魔術で案山子を操り、宿泊客を殺害。持ち込んでいた財産を奪って生計を立てていた。
一ノ谷博士 (いちのたにはかせ)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『亜里子の館』に登場する人物。軍の命令で死なない兵士を研究していた博士。10年前に妻に離縁され、残った亜里子が家を出ていかないように、不老不死に改造した。巨大化した亜里子に踏みつぶされ死亡。
一ノ谷 亜里子 (いちのたに ありす)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『亜里子の館』に登場する人物。父一ノ谷博士の手で、細胞が不老不死になった。10年が経ち、細胞が入れ替わらずに巨人になってしまう。嵐の夜、屋敷を破壊して外に出た亜里子は海へと向かい、行方知れずになった。
場所
夢幻邸 (むげんてい)
『夢幻紳士 マンガ少年版』に登場する場所。夢幻魔実也が住む屋敷。屋敷の庭には東屋や小さな川もあり、かなりの大きさの屋敷であることをうかがわせる。『夢幻紳士 マンガ少年版』内では、魔実也とアルカード以外の住人は登場していない。
案山子亭 (かかしてい)
『夢幻紳士 マンガ少年版』収録の『案山子亭』に登場する建物。旅の途中の夢幻魔実也が立ち寄った宿。宿の側には畑も無いのに、何故か12の案山子が立てられている。海まで300キロの位置にある。