概要・あらすじ
ドラゴン、イエティ、ガネーシャ、宇宙人。そんな世界中の異形を極秘にかき集め隔離した、アメリカ51番目の州・エリア51。そこで探偵業を営む、人間の女性・真鯉徳子(マッコイ)のもとには、日夜さまざまな依頼が舞い込んでくる。助手である河童のキシローとともに、こうした依頼を解決していくマッコイだが、彼女がエリア51へやってきたのには大きな理由があった。
登場人物・キャラクター
真鯉 徳子 (まごい とくこ)
エリア51のリトル・トーキョーで探偵事務所を営む人間の女性。命知らずな性格で、異形の者たちとも互角に渡り合う。かつては刑事をしていたが、51案件と呼ばれる不可解な事件の捜査に関わったために恋人を殺害される。同時に自身も体を上下真っ二つに切断された挙句、身ごもっていた子供を体内から奪われるという悲劇に遭った。 体内に草薙の剣が埋め込まれており、その力で両断された体を繋ぎ止め、生き長らえている。自分から恋人と子供を奪った犯人の情報を求めてエリア51へと入った。恋人の遺品で、付喪神となった拳銃・コルトM1911、通称パイクを愛用。
キシロー
マッコイの助手を務める河童の男性。日本で捕獲され、エリア51に送られてきた。頼る者もいないエリア51で辛い生活を強いられていたところをマッコイに救われ、助手となる。
王子 (おうじ)
7人の小人とともに800年もの間、白雪姫を守り、戦いを続けてきた男性。仕込み杖の剣を操る。白雪姫が自ら命を絶ったことで役目を失ったため、マッコイに誘われてその助手を務めることになった。
天照大神 (あまてらすおおみかみ)
太陽の女神にして日本神話の最高神。マッコイからは「姉さん」と呼ばれる。セクシーな女神だが、引きこもりがちで、TVゲームが趣味。
ケイロン
ケンタウロス族の男性。粗暴で好色なケンタウロス一族のなかにあって、アキレスを育てヘラクラスを導き、アスクレーピオスに医術を授けた大賢人。エリア51で医者として四足診療所を開業している。マッコイの主治医。
キリマル
河童の青年。妹がいる。キシローとは子供の頃からの親友。河童一族の宝である草薙の剣をマッコイから取り戻すため、一族の指令を受けてエリア51へと送り込まれた。友達想いで任務に忠実な性格。キシローを殺したフリをしてマッコイをおびき出し、罠にかけて草薙の剣を取り戻そうとする。
最初の蛇 (さいしょのへび)
神々が恐れる邪悪な蛇。他人の心のスキを突き、意のままに支配する呪言という力を持つ。神側からすべての蛇神たちを造反させた張本人で、過去に何十柱もの神々を殺してきた。神々すらもこの蛇がどこから現れたのか分からないなど、その存在には謎が多い。過去に神々によって捕らえられ、人間の囚人の体に閉じ込めて、エリア51の刑務所に監禁されていた。 マッコイがこの囚人を脱獄させてしまったことで、再び自由を手にすることとなる。マッコイの体内にある草薙の剣を手に入れようと画策。
ゼウス
ギリシア神話の元主神。雷霆と呼ばれる宝具を使い、電気を操る力を持つ。弟のハデスによって殺害されたと思われていたが、実は生き延びており、現在は顔を変えてエリア51で電気屋を営んでいる。
オーディン
北欧神話の主神である男性。ワイン好き。神々と巨人たちの最終戦争であるラグナロクで、伝承通りに滅びることこそ自分たちの存在意義であると考えている。草薙の剣を最初の蛇に奪われると、計画が破綻する恐れがあることから、神々との協議を破り、密かにマッコイを殺して、その体内にある草薙の剣を奪取しようとする。
場所
エリア51
『エリア51』の舞台となる街。アメリカ51番目の州とも呼ばれる。地図に載っていない秘密の島につくられた街で、吸血鬼やドラゴン、宇宙人といった、世界中の異形の者が集められ隔離されており、米軍によって厳重に警備されている。街の住人は基本的には異形の者。だが、マッコイのような表にいられなくなったワケありの人間も少なからず生活している。
その他キーワード
パイク
『エリア51』に登場する拳銃。コルトM1911。45口径で装弾数は7発。人間が使用した器物が99年経て化けた妖怪の付喪神で、意思を持ち会話ができる。死亡したマッコイの恋人の形見で、恋人だった男性と同じ人格を持つ。パイクから放たれる弾丸は、神や精霊といった通常の武器が効かない存在を撃ち抜く力を持つほか、放たれた弾丸の軌道コントロールも自在。 なお、付喪神のパイクとして覚醒できる時間は限られており、力を使い果たすとしばらく休眠状態に入る。
草薙の剣 (くさなぎのつるぎ)
『エリア51』に登場する剣。マッコイの体内に埋まっている聖剣で、物と物をつなぐ力を持つ。過去の事件でマッコイは胴体を切断されたが、この剣を体内に埋め込むことで、胴体をつなぎ、命を保っている。もともとは河童一族によって守られていたが、どういう経緯かマッコイの体内に埋め込まれることになった。なお、これまで神々に挑んだ八岐大蛇、ヒドラ、ナーガ、アジ・ダハーカといった蛇たちは、すべてこの剣の力によって合体したことで誕生したもの。 神々にとって最大の敵である最初の蛇もこの剣の入手を狙っている。
十神会議 (じゅっしんかいぎ)
『エリア51』に登場する用語。日本、ギリシア、エジプト、ケルト、メソポタミア、北欧、スラヴ、インド、アステカ、中国の各神話の主神たちが集まって行われる会議。エリア51にあるゴッズオブアースと呼ばれる中立地帯で行われており、ここへは武器の持ちこみは禁止で、さらに神々の力を抑える強力な結界が張られている。 もともとは過去に何十柱もの神々を殺してきた、謎の存在最初の蛇への対応策を協議することを目的として開催された。