エンジェルリップ

過去のトラウマによりモデルの仕事をやめてしまった女子高生、藤谷みきな。そんな彼女が不思議な口紅「エンジェルリップ」を手にしたことで、再びモデルの道を志すファンタジックワーキングストーリー。「ちゃお」1996年2月号から1999年7月号にかけて連載された作品。

正式名称
エンジェルリップ
ふりがな
えんじぇるりっぷ
作者
ジャンル
モデル
関連商品
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世界観

モデルの仕事が題材。不思議な口紅「エンジェルリップ」を手にした女子高生の藤谷みきなが、カメラ恐怖症を克服してモデルとして活躍する姿を描く。並行して、モデル仲間である周防広夢との恋、ライバルの森丘リサコとの友情、広夢の母親とみきなの家庭との知られざる関係など、周囲の人々との濃密な人間ドラマも描かれる。

あらすじ

藤谷みきなは、長身でスタイル抜群の女子高生だが、カメラを向けられることが大の苦手だった。かつてはジュニアモデルとして活動していたものの、撮影中に起きた事件によりカメラ恐怖症になってしまったのである。そんなある日、みきなのもとに「エンジェルリップ」という謎の口紅が贈られてくる。「エンジェルリップ」を塗ると、不思議な力によってカメラの前でも別人のように落ち着き、堂々と振る舞うことができると知ったみきなは、もう一度モデルの道を志すことを決める。

関連作品

関連作品に、あらいきよこの『恋するピンク』がある。本作『エンジェルリップ』と同一の世界観で描かれており、高見沢亮に憧れる少女の桜井郁花が主人公。亮を芸能人と知らずに恋した郁花が「同じ戦隊ヒーローが好き」という共通点から亮と親しくなっていく姿が描かれる。

評価・受賞歴

本作『エンジェルリップ』は、第44回小学館漫画賞を受賞している。

登場人物・キャラクター

藤谷 みきな (ふじたに みきな)

モデル事務所「リトルエンジェル」の所属モデルで、私立星華学園高校に通う1年生の女子。前髪を目の上で切りそろえ、胸のあたりまで伸ばしたロングヘアをツインテールにしている。可愛らしい顔立ちに加え、170センチの長身の持ち主で、5歳まではモデルとして活動していた。しかし撮影中に起きたトラブルによりカメラ恐怖症になってしまい、以来普通の学生として暮らしていた。 しかし、ある日自宅に贈られてきた「エンジェルリップ」を手にしたのがきっかけで、モデル業に復帰。「エンジェルリップ」のもたらす不思議な力を借りてカメラ恐怖症を克服し、活動することになる。

周防 広夢 (すおう ひろむ)

日本最大の芸能事務所「ヴィーナスコーポレーション」所属モデルで、K大附属高校2年生の男子。森丘高臣、高見沢亮とともに日本の人気男性モデル「御三家」と呼ばれる人気モデル。前髪を真ん中で分け、襟足まで伸ばしたストレートヘアをしている。父親がフランス人で、母親が日本人のハーフ。そのため金髪碧眼の非常に美しい容姿をしている。 一見クールでミステリアスだが、実際は心優しく親切な性格。藤谷みきなに対しても、初めて出会った日からその高い素質を見抜き、先輩モデルとして親身に接する。子供の頃撮影中に起きた事故で母親の周防千春を亡くしており、以来所属事務所社長の鈴掛真帆に育てられた。そのため、真帆には逆らえずにいる。

森丘 リサコ (もりおか りさこ)

藤谷みきなのライバルで、森丘高臣の妹。日本最大の芸能事務所「ヴィーナスコーポレーション」所属モデルで、S女子学園に通う1年生。前髪を目の上で切り、顔のラインに沿って切ったショートカットヘアをしている。左目尻にほくろがある。プライドが高く高飛車な性格だが実力は本物で、新進気鋭の女性モデルとして活躍している。 みきなとは幼い頃からの知り合いだが、一度活動をやめたみきなのことを見下しているところがある。しかし、本心ではみきなの実力を認めており、活動再開したみきなが自分に追いつき、再びお互いに高め合える関係になりたいと思っている。

高見沢 亮 (たかみざわ りょう)

日本最大の芸能事務所「ヴィーナスコーポレーション」所属モデルで、W大附属高校2年生の男子。周防広夢、森丘高臣とあわせて人気男性モデル「御三家」の1人でもある。短髪で、前髪を上げて額を全開にしている。明るくのんびりとした性格で、藤谷みきなとも自然体で付き合える爽やかな人物。もともとはモデルを志しておらず、公園でスポーツしていたところをスカウトされてモデルになった。 バスケットボールが好きで特技だが、モデルの仕事が忙しくなり、高校のバスケットボール部は退部してしまった。

森丘 高臣 (もりおか たかおみ)

森丘リサコの兄。日本最大の芸能事務所「ヴィーナスコーポレーション」所属モデルで、N大附属高校3年生の男子。周防広夢、高見沢亮とあわせて人気男性モデル「御三家」の1人でもある。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどの長さの長髪をしている。明るく親しみやすいが、女性が大好きなやや軟派な性格。 藤谷みきなのことはみきながモデル復帰してすぐに気に入り、何かと気にかけている。

愛原 由季 (あいはら ゆき)

藤谷みきなの友人で、同じ私立星華学園高校に通う1年生の女子。前髪を目の上で切り、顎の高さで内巻きにした茶髪ボブヘアをヘアバンドでまとめている。甲高く可愛らしい「アニメ声」の持ち主で、漫画好きで夢見がちな性格。森丘高臣のファンで、みきなを通じて知り合った高臣のことを「タッくん」と呼び慕っている。みきなとは非常に仲が良いが、モデルに復帰して以来多忙で、どんどん有名になっていくみきなに距離を感じ淋しく思っている。 自身は声優に憧れており、そこを鈴掛真帆につけこまれてしまう。

国実 マリ (くにざね まり)

藤谷みきなの友人で、モデル事務所「リトルエンジェル」の所属モデルの17歳の少女。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどの長さのセミロングヘアをしている。心優しく努力家で、みきなにとっては実の姉のような存在。ある日CMモデルの仕事を勝ち取り、憧れのモデルである周防広夢と共演できることを非常に楽しみにしていた。 しかし不条理な理由でCMを降ろされてしまい、ショックのあまり「リトルエンジェル」から「ヴィーナスコーポレーション」に移籍してしまう。ファッションコーディネートが好きで、スタイリングの才能がある。

(はな)

藤谷みきなの友人で、素性不明、推定年齢85歳の女性。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどの長さのウェーブヘアをしている。容姿は年齢通りの、背中が曲がったしわしわのお婆さんだが、年齢を感じさせない明るく親しみやすい性格。みきなとは10年前、みきながカメラ恐怖症になり泣いていた時に華が声をかけて知り合い、それ以来年齢差を気にしない親しい間柄になった。 自宅でインコを飼っており、ブウをみきなに譲ったのも華。出会った頃からずっとみきなを明るく励まし続けているが、正体は日本最大の芸能事務所「ヴィーナスコーポレーション」の社長である鈴掛真帆ではないかという疑いがある。ファッションブランド「PINK HOUSE」のファンだが、いつも「PINK HOUSE」の服とは思えない奇抜な格好をしている。

鈴掛 真帆 (すずかけ まほ)

日本最大の芸能事務所「ヴィーナスコーポレーション」の社長を務める60代の女性。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、ロングヘアを後頭部で1つにまとめている。常にサングラスをかけているのが特徴。高圧的で意地悪な性格で、自社の所属タレントにも容赦がない。かつては自身もモデルとして活動していたが、ある事情により活動を停止。 その経緯から藤谷みきなの祖父に強い恨みを抱いている。モデル復帰したみきなが「エンジェルリップ」を所持していることにも気づいており、頻繁にみきなの前に現れては妨害工作を仕掛けてくる。

福山 (ふくやま)

カメラマンの26歳の男性。前髪を真ん中で分け、肩につくほどの長さのストレートヘアを後ろで1つに結んでいる。常にサングラスをかけていることから表情が読み取れず近寄りがたい印象を与えるが、実際は穏やかで、藤谷みきなたちモデルの兄的存在。みきなとは、男性ファッション雑誌「メンズcancam」の女性モデルオーディションで知り合った。

ブウ

藤谷みきなが飼っているインコ。元は華の家で生まれた鳥で、幸福を呼ぶ青い鳥。しかし極端に太っており、なぜか人間の言葉を話すことができる。おしゃべりでお節介な性格だが、みきなのことを非常に大切に想っている。みきなが子供の頃、華の飼っている鳥のルルをみきなが欲しがったが、ルルは譲れないと考えた華が「次に小鳥が生まれたら、みきなにプレゼントする」と約束をしたことでみきなに与えられた。

北浦 カスミ (きたうら かすみ)

秋津プロダクションに所属するタレントの少女。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、肩につかない長さの外巻きボブヘアをヘアバンドでまとめている。以前はモデルとしても活躍しており、「メープル・パープル」のジャパンコレクションのモデルオーディションに参加する。プライドが高く意地悪な性格で、同じオーディションを受けることになった藤谷みきなのことも、みきなが納豆のCMに出ていたことから「納豆小町」と呼び見下している。

ブルーニ

イタリアのファッションブランド「メープル・パープル」のデザイナーを務める中年の男性。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、癖のある髪を撫でつけ髪にしている。「メープル・パープル」のジャパンコレクションを実施するにあたり、これまでの経歴を問わず、高い将来性のある「ダイヤモンドの原石」のようなモデルを探したいと思っている。 本来「メープル・パープル」は、自分の娘に着てほしい洋服をデザインしたいという思いで制作していたが、多忙なあまりその気持ちを忘れてしまっている。

周防 千春 (すおう ちはる)

周防広夢の母親で故人。生前はモデルとして活動しており、藤谷みきなの所属するモデル事務所「リトルエンジェル」に所属していたこともある。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをしている。良家のお嬢様で、モデル時代はその優しく上品な雰囲気を活かした活動をしていた。しかしフランスのパリで活動していた際にシングルマザーとなり、「上品なお嬢様」というイメージを損なう行動をしてしまったことと、事務所社長であるみきなの祖父の怒りを買ったことで退所してしまう。 その後過労が原因で業務中に、広夢の目の前で倒れ、怪我で亡くなった。

フィリップ・シモン (ふぃりっぷしもん)

周防広夢の父親で、周防千春の元恋人。一流ファッションブランド「CHARME(シャルム)」の初代デザイナーで、元会長でもある60歳の男性。前髪を真ん中で分けて撫でつけ髪にし、眼鏡をかけている。フランス人だが、日本語を話すことができ、藤谷みきなとはみきながフランスのパリを訪れた際に知り合った。重い病気を患っており、余命いくばくもない。 鈴掛真帆とはかつて特別な関係にあった。

ステラ・リーブル (すてらりーぶる)

ファッションブランド「メープル・パープル」のメインモデルを務める少女。前髪を上げて額を全開にし、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをポニーテールにしている。藤谷みきなとは同じ「メープル・パープル」のモデルを務めるもの同士としてフランスのパリで知り合う。しかしみきなのことを見下しており、冷たい態度を取る。 周防広夢とは親しく、想いを寄せている。

篠山田 (しのやまだ)

有名カメラマンの中年の男性。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどの長さの長髪を撫でつけ髪にしている。口髭と顎鬚を生やしている。カメラマンとして非常に高い腕を持ち、人気芸能人ばかり撮っているほどの売れっ子。しかし性格は非常に厳しく、気が乗らないと撮影をしようとしないことがある。藤谷みきなとは、みきなが「コスモ電機」のイメージモデルに選ばれたことで知り合うが、みきなのことも取るに足らない存在だと思っていた。 しかしみきなと仕事をしたことで、評価を変え始める。

小川 晴佳 (おがわ はるか)

アイドルとして活動する少女。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどの長さのウェーブヘアをツインテールにしている。アイドルとして非常に人気が高く、大河ドラマにもレギュラー出演していることから、藤谷みきなと比較した場合、よりネームバリューがあるといえる存在。鈴掛真帆の策略により、本来みきなが務めるはずだった「コスモ電機」の仕事を結果的に奪おうとする。

藤谷みきなの父親 (ふじたにみきなのちちおや)

藤谷みきなの父親。妻とともにモデル事務所「リトルエンジェル」を経営している。前髪を上げて額を全開にし、撫でつけ髪にしている。口髭を生やしている。事務所は苦しい状況にあるが、みきなには無理に復帰してほしいとは思っておらず、みきなの意思に任せたいと思っていた。普段は穏やかだが、仕事には厳しい。

藤谷みきなの母親 (ふじたにみきなのははおや)

藤谷みきなの母親。夫とともにモデル事務所「リトルエンジェル」を経営しており、人気アイドルユニット「キャラメルトリオ」の元メンバーでもある。前髪を真ん中で分け、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをしている。所属モデルのマネジメントも行っており、みきなも幼い頃は母親に同行される形で仕事していた。みきながモデルに復帰したことを非常に喜んでいるが、喜びのあまり勝手に仕事を入れてしまったりと、やや強引なところがある。

モニカ

森丘リサコの友人で、同じアメリカンスクールに通っていた女子。前髪を目の上で切り、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをしている。頬にそばかすがある。リサコとは親しいが、ややリサコに頼りがちで、リサコのことを万能な「マルチ少女」と思っているところがある。

集団・組織

リトルエンジェル

藤谷みきなの実家であり、彼女が所属するモデル事務所。かつては国実マリも所属していた。業界トップのモデル事務所として知られていたが、現在は経営状況が芳しくない。今はみきなの両親が経営しているが、以前はみきなの祖父が社長を務めており、当時は周防千春が所属していた。

ヴィーナスコーポレーション

鈴掛真帆が社長を務める、日本最大の芸能事務所。周防広夢、高見沢亮、森丘高臣、森丘リサコといった有名モデルも多数所属している。モデル部門以外にはタレント部門、俳優部門、アーティスト養成部門など、多数の部門が存在している。

その他キーワード

エンジェルリップ

ある日、藤谷みきな宛に送られてきた、謎の口紅。筒の先にハートのチャーム、筒の上部に天使の羽が付いている。塗ると綺麗になれる幻のリップと言われており、実際にみきなも「エンジェルリップ」を塗った瞬間からカメラを怖がらず堂々と撮影ができるようになった。リップの色は塗るたびに変化し、問題なく使用できる赤や紫のこともあれば、「堂々とした魅力的な姿になれる」という効力が発揮されない濁った色になることもある。 そのため、みきなにとってはモデル活動していくうえでの大きな武器となるが、持ち主以外の人間に存在を知られると効力が失せてしまうと言われている。

メープル・パープル (めーぷるぱーぷる)

藤谷みきなのお気に入りのファッションブランド。イタリアのブランドだが日本でも人気があり、メインモデルにステラ・リーブルを起用している。デザイナーはブルーニが務めており、社長ほどではないが、モデルを決定するうえで強い影響力を持っている。日本でもコレクションを行うことが決定しており、みきなはオーディションに参加することになる。

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