概要・あらすじ
手先が器用でファッション好きなしっかり者の女子高校生・林実和子は、モデルをしている友人・三浦ちさとのマネージャー補佐を務めていた。そんな実和子は、ちさとの撮影現場で自分にも優しく声をかけてくれるカメラマンの八木に憧れている。そんな中、近所に住む年下の少年・三内菊男もまたモデルとしてデビューし、実和子は彼のプロデュースも手掛けつつ、業界の裏方としてその才能を伸ばしていく。
やがてちさとと菊男はモデルという枠を飛び越え、芸能人として活躍し始める。人気アイドルである企元一希に惹かれていくちさとと、幼い頃からずっと実和子に憧れていた菊男は、芸能界の荒波の中、それぞれに想いを募らせていくのだった。
登場人物・キャラクター
林 実和子 (はやし みわこ)
高校1年生の少女で、年齢は16歳。実和子の母が社長を務めるモデル事務所に所属し、事務所所属のモデルで、幼なじみでもある三浦ちさとのマネージャー補佐をしている。華やかな女性に囲まれていることもあり、自分の容姿にコンプレックスを抱いている。手先が器用で、アクセサリーやカバンなどを自分で手作りするという特技を持つ。 趣味はカメラで、カメラマンの八木に憧れている。
三浦 ちさと (みうら ちさと)
高校1年生の少女で、年齢は16歳。実和子の母のモデル事務所に所属し、モデル活動をしている。10歳の時に転校して来て以来、その美貌からクラスの女子たちに意地悪をされ続けてきたが、唯一、林実和子だけには心を許し、全面的な信頼をおいている。もともとは三内菊男のことが好きだったが、やがて企元一希と出会い、一希に想いを寄せるようになる。
三内 菊男 (そううち きくお)
林実和子の家の近所に住む中学生の少年で、年齢は14歳。実和子や三浦ちさととは小学生の頃からの友達。読者モデルとして雑誌に応募したことがきっかけとなり、本格的にモデル活動を開始する。実和子に想いを寄せており、相手にされていないことを理解しつつも追いかけ続けている。天然で少々思慮の足りないところも見せるが、天真爛漫な魅力を持つ。
企元 一希 (のりもと かずき)
芸能事務所「シャフトプロ」に所属する男性アイドル。「KIDS」のメンバーとして活動しており、若い女性たちに大人気。きれいな顔立ちをしているものの、女顔であることがコンプレックスで、そのことに触れられると怒りを露わにする。優しい性格だが、プロ意識が高く仕事には厳しい。
進藤 ミナコ (しんどう みなこ)
芸能事務所「シャフトプロ」の社長を務める中年女性。普段は掃除のおばちゃんになりきり、オーディションを受けに来た若い男の子たちから、素質のありそうな者を見定めている。三内菊男の才能を見抜いてデビューさせ、企元一希とグループを組ませるという戦略を仕掛ける。
八木 (やぎ)
カメラマンの男性。元モデルという経歴を持つ爽やかなイケメンで、裏方の林実和子にもモデルの三浦ちさとにも分け隔てなく平等に接する人格者。優しく器の大きな人物であり、実和子にとっては憧れの存在。八木も実和子の裏方としての才能を認めており、彼女の活躍を応援している。
坂本 亜紀 (さかもと あき)
プロのスタイリストをしている女性で、八木の妻。そのため本名は「八木亜紀」だが、旧姓で活動している。見た目や性格が実和子に似ているところがあり、ファッションが大好きで努力家という点も同じ。林実和子の裏方としての才能を認めており、彼女の活躍を応援している。
辻 (つじ)
タレント事務所に移籍した三浦ちさとのマネージャーを務める男性。強面でサングラスをかけており、無口で冷たい印象を与えるが、本当はちさとに対して強い責任を感じている。そのため、ちさとをサポートするために全力を尽くしている。
実和子の母 (みわこのはは)
林実和子の母親で、モデル事務所の社長を務める女性。実和子が10歳の時に友達として家に連れて来た三浦ちさとを、モデルとしてスカウトした。実和子が中学生の時に夫と離婚し、それ以来実和子と二人暮らしをしている。しっかり者の実和子のことを、強く信頼している。
児山 雄次 (こやま ゆうじ)
子役の頃から芸能界に身を置く、実力派の男性俳優。努力家で才能もあるが、与えられるのは地味な役が多い。ぽっと出の三内菊男を、運だけでいい役についたと考えていたが、やがて菊男が努力を重ねていることを知り、彼のことを認める。
柘梨 友子 (つなし ともこ)
企元一希の小学生の時のクラスメイトの女子。一希の履歴書を勝手に芸能事務所「シャフトプロ」に送って、一希が芸能人になるきっかけを作った。その後、父親の転勤で遠くに引っ越すことになり、想いが通じ合ったはずの一希とは離れ離れになってしまった。
押井 比紗子 (おしい ひさこ)
社内では仕事ができるしっかり者と評判のOL。年齢は25歳。かつていとこの美樹に、芸能事務所「シャフトプロ」主催の男性アイドルのコンサートに誘われ、興味がないながらも観に行ったところ三内菊男に一目惚れ。以来、菊男の大ファンとなった。三嶋から告白されて嬉しい気持ちはあるものの、今は菊男の応援に夢中で、三嶋にまで手が回らない状態にある。
三嶋 (みしま)
押井比紗子と同じ会社に勤める男性。仕事ができてしっかり者の比紗子に憧れている。思い切って比紗子に告白しデートに誘うも、タイミング悪く比紗子が三内菊男のテレビ収録を見に行く日と重なっており、その理由を隠したまま断られてしまう。
美樹 (みき)
押井比紗子のいとこの女子高校生。かつて比紗子を芸能事務所「シャフトプロ」主催の男性アイドルのコンサートに連れて行き、比紗子が三内菊男にハマるきっかけを作った。企元一希の大ファンで、現在は比紗子とはアイドルの追っかけ仲間として仲良くやっている。
哲也 (てつや)
芸能事務所「シャフトプロ」に所属しているアイドルで、「KIDS」のメンバーでもある少年。面倒見が良く優しい性格で、企元一希とは研修生時代からずっと一緒にやって来た仲間。だが、自分にはデビューの見込みがないと判断し、事務所を去ってしまう。
集団・組織
KIDS (きっず)
芸能事務所「シャフトプロ」が抱える男性アイドルのデビュー予備軍で、先輩グループのバックダンサーなども務める。多数の少年たちが所属しており、企元一希、哲也もメンバー。通常は研修生を経て、「KIDS」にメンバー入りすることになるが、のちにオーディション合格直後の三内菊男が抜擢され、すぐにメンバー入りすることとなる。
場所
シャフトプロ
進藤ミナコが社長を務める、男性アイドルを多数抱える芸能事務所で、「KIDS」など、独特のシステムを持つ。企元一希も所属タレントの1人で、のちに三内菊男もオーディションに合格し、所属タレントとなる。