黒執事

黒執事

13歳にして名門貴族、ファントムハイヴ伯爵家の当主を務め、天才実業家としての顔も持つシエル・ファントムハイヴと、その執事であるセバスチャン・ミカエリスが、舞い込んでくるさまざまな事件に挑み、解決していく長編サスペンス作品。「Gファンタジー」に2006年から連載の作品。

正式名称
黒執事
作者
ジャンル
オカルト
 
推理・ミステリー
 
サスペンス
レーベル
Gファンタジーコミックス(エニックス)
巻数
既刊26巻
関連商品
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世界観

19世紀のイギリスが舞台。事件によって家族を失ったシエル・ファントムハイヴと、その執事を務める悪魔セバスチャン・ミカエリスが、女王であるヴィクトリアの命により、イギリスを脅かす要素を排除するために活躍する姿が描かれている。また、シエルの家族を奪った存在への復讐や、契約によって彼の手足となり、その超人的な力を発揮するセバスチャンの活躍も大きな見どころ。コミカルな要素も多く、時に凄惨とすらされるシリアスな描写とのギャップも、魅力の1つとされている。

作品誕生のいきさつ

枢やなは、連載していた『Rustblaster』の終了後、次回作の構想に行き詰っていた時に、担当編集者から、以前考えていた、執事を主題にしたものにしてはどうかと持ち掛けられる。「凄い執事を描きたい」という構想は以前からあったものの、執事は「あくまで脇役」と考えていた。しかし、この時に「悪魔で執事」という発想を得て、それをもとに本作『黒執事』が誕生した。

あらすじ

ファントムハイヴ伯爵家の日々

名門貴族、ファントムハイヴ伯爵家の当主であるシエル・ファントムハイヴの朝は、完全無欠の執事であるセバスチャン・ミカエリスが入れる一杯の紅茶からはじまる。そんな優雅な貴族生活の裏側で、ファントムハイヴ伯爵家が営むのは「女王の番犬」と恐れられる裏稼業。シエルとセバスチャン、そして伯爵家の関係者たちは、過去の因縁や事件に翻弄されつつ、さまざまな出来事に巻き込まれていく。

切り裂きジャック編

ロンドン市街で、連続殺人事件が発生した。被害者はいずれも娼婦で、全身を刃物で切り裂かれるという無残な姿で発見され、世間では連続殺人鬼「切り裂きジャック」の仕業として恐れられていた。ヴィクトリア女王の依頼により、この事件を調査することになったシエル・ファントムハイヴセバスチャン・ミカエリスは、真犯人の恐るべき実態を目の当たりにする。

カリー編

セバスチャン・ミカエリスシエル・ファントムハイヴは、ヴィクトリア女王の依頼により、ロンドン市街で、住民が公衆の面前で逆さ吊りにされるという事件の調査を行い、被害者がインドから帰国した貴族や軍人たちであるという事実を知る。そんなある日、シエルたちはインドから来英したソーマ・アスマン・カダールと、その従者であるアルシャド・サティエンドラ・イヤーと出会い、彼らが乳母であるミーナを探していることを知る。適当にあしらおうとしていたシエルだが、やがて彼らと逆さ吊り事件の間に意外な接点が見つかり、真相を暴くために、ともに行動することとなる。

サーカス編

クリスマスを過ぎたある日のこと、シエル・ファントムハイヴセバスチャン・ミカエリスヴィクトリア女王の依頼を受け、子供たちが行方不明になっているという事件の捜査を開始する。子供たちは、ノアの箱舟サーカスという移動型のサーカス団が立ち寄った街で、忽然と姿を消すとされており、シエルとセバスチャンは実際にノアの箱舟サーカスに入団し、手掛かりを追うことを決める。しかし、サーカスで待ち受けていたのは、ジョーカーをはじめとした一癖も二癖もある団員たちと、かつて2人と相対したことのある死神ウィリアム・T・スピアーズだった。

幽鬼城殺人事件編

シエル・ファントムハイヴは、ヴィクトリア女王の依頼により、来賓をファントムハイヴ邸に招待することになる。招待客の中には、眼科医を営む傍らで小説家を志しているというアーサーの姿もあった。軽いトラブルこそ発生するものの、つつがなく晩餐は終わるかに見えた。しかし、深夜に差し掛かった頃に、招待客の1人であるゲオルグ・フォン・ジーメンスが遺体となって発見され、唯一アリバイがないとされるシエル・ファントムハイヴが疑われてしまい、一室に監禁される事態に陥る。さらに、シエルの命を受けて犯人の手がかりを追うセバスチャン・ミカエリスもまた、真犯人の凶刃にかかってしまう。

豪華客船編

ロンドンの街では、カルンスタイン病院が死者を蘇えらせた、という話でもちきりだった。からの情報により、裏社会の干渉があると睨んだシエル・ファントムハイヴは、セバスチャン・ミカエリスに、病院に関する情報収集を命じる。その結果、院長であるリアン・ストーカーが、暁学会という秘密結社を組織しており、非合法な人体実験に手を染めていることが判明する。暁学会の尻尾を摑むため、彼らが会合を開くという豪華客船「カンパニア号」に乗り込むセバスチャンたち。彼らを待ち受けていたのは、暁学会秘蔵の歪んだ肉人形がもたらす、陰惨極まる殺戮劇であった。さらにはロナルド・ノックス死神の介入まで起こり、事態は混迷を極めていく。

寄宿学校編

ヴィクトリア女王からシエル・ファントムハイヴへ、新たな依頼が届けられた。英国貴族が通う名門校「ウェストン校」に通っているという、女王の親族であるデリック・アーデンを含めた幾人かの生徒から突如連絡が途絶えたため、その手がかりを摑んでほしいというものだった。シエルは生徒としてウェストン校に潜入し、デリックの行方を探ろうとするが、その行方は一向にわからなかった。学校は、絶対君主となる校長がすべてを取り仕切っているとされており、一般生徒では顔を合わせることすら叶わないという。シエルは寮監として潜入したセバスチャン・ミカエリスとともに、校長と会うことが許されているというP4への接触を図るのだった。

単行本の装丁

本作『黒執事』のカバー表紙には、登場人物の全身像が記載されている。1巻から5巻までは、主人公であるセバスチャン・ミカエリスが表紙を飾っているが、それ以降は主に、その巻において活躍を見せたキャラクターや、初登場となる重要キャラクターなども取り上げられている。さらに、カバーを外した表紙には、全身像の構図をそのまま用いて、「黒ホスト」や「黒エスパー」など、本作のパロディとなる画像が掲載されている。また、裏表紙には、そのパロディの詳細が書き記されている。

コラボレーション

コミュニティサイト

mixiモバイルの表示変更機能である「mixiコレクション」において、本作『黒執事』のキャラクターを取り上げたバージョンが、2008年より搭載された。また、本作のキャラクターをもとにしたアバターが、「アットゲームズ」で2010年から、「Yahooモバゲー」で2014年から、それぞれ配布された。

食品

本作『黒執事』の作中で、セバスチャン・ミカエリスが手がけたとされる「カリーパン」をもとにしたコラボ商品『黒執事カリーパン』が、コンビニエンスストア「スリーエフ」で、2010年より販売された。株式会社コラボ総研が企画を、株式会社カレー総合研究所と伊藤製パンが監修を、それぞれ務めている。

飲食店

本作『黒執事』に関連したサービスやメニューの提供などが、複数の飲食店で行われている。「執事喫茶スロウテイル」では、シエル・ファントムハイヴが着用しているシルクハットをイメージしたデザートが、2014年より販売された。また、「アニメイトカフェ」の名古屋店、神戸三宮店では期間限定で、本作をイメージしたメニューおよび関連グッズが販売されている。さらに、本作のコラボレーションカフェとなる「黒執事 Funtom Cafe」および「黒執事 Funtom Cafe Osaka」が、2016年に開催されている。

切符、カード類

2014年に「西武鉄道」で、本作『黒執事』の記念乗車券が数量限定で販売された。また、同年より、「三井住友カード」から、本作の絵柄が用いられている特別製のカードが、こちらも数量限定で提供された。

カラオケボックス

2014年よりカラオケボックス「カラオケの鉄人」で、本作『黒執事』の世界観が反映された部屋や、メニューなどが提供された。また、カラオケボックス「まねきねこ」では、2017年より本作のキャラクターをもとにしたドリンクが提供されている。

ソーシャルゲーム

2017年2月18日より、iOs/Android対応のゲーム『夢王国と眠れる100人の王子様』のゲーム内において、本作『黒執事』に登場するキャラクターが入手できるイベントが開催された。また、同ゲーム内において劇場版アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』のスタッフやキャストのサインが記された色紙を、抽選でプレゼントするキャンペーンが行われた。2017年の6月1日より、iOs/Android対応のゲーム『グランマルシェの迷宮』で、本作のキャラクターが使用可能になるイベントが行われた。

広告

2016年末から2017年にかけて、東京メトロの新宿駅において劇場版アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』と、テレビアニメ『青の祓魔師 京都不浄王篇』の合同広告イベントが開催された。それぞれの登場人物が、コラボ相手となる作品の衣装をまとっているイラストを鑑賞できるほか、ボイスを聞くこともできるようになっている。

フィギュア、ぬいぐるみ

2015年に、枢やなが最も尊敬するクリエーターとされる人形作家、石長櫻子の製作したシエル・ファントムハイヴのフィギュアがANIPLEX+より販売された。また、テディベアメーカーであるシュタイフからは、シエルの衣装をまとったテディベアが、2017年にリリースされている。

遊園地

2017年の8月に、富士急ハイランドにおいて、劇場版アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』とのコラボレーションイベント『富士急ハイランド×Book of the Atlantic ~その執事、絶叫~』が期間限定で開催された。期間中は園内にて『黒執事』関連の複数のアトラクションが稼働し、ファンを楽しませた。

メディアミックス

テレビアニメ

本作『黒執事』を原作としたテレビアニメが、3度にわたって放送されている。1作目は原作と同名のタイトルで、2008年10月から2009年3月まで放送された。原作の切り裂きジャック編とカリー編を含めつつも、後半はアニメ独自のオリジナルストーリーが展開されている。2作目は『黒執事Ⅱ』のタイトルで、2010年に放送された。こちらは1作目の設定を継承した完全オリジナルストーリーとなっている。3作目は『黒執事 Book of Circus』のタイトルで、2014年に放送された。1、2作目とは異なり、サーカス編を忠実に再現した展開となっており、前作とのつながりも一部なかったことにされている。キャストは、セバスチャン・ミカエリスを小野大輔が、シエル・ファントムハイヴを坂本真綾が、それぞれ演じている。

オリジナルビデオアニメ

本作『黒執事』のエピソードの1つである、幽鬼城連続殺人事件編を原作としたOVA『黒執事 Book of Murder』(上下巻)が、リリースされている。上下巻の構成となっており、2014年の劇場先行上映の後、2015年1月から2月にかけて発売された。設定は『黒執事 Book of Circus』を継承しており、初登場となるアーサー役を浅沼晋太郎が演じている。

劇場版アニメ

2017年1月21日に、本作『黒執事』のワンエピソードである、豪華客船編を描いた劇場版アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』のロードショーが行われた。スタッフやキャストは、3期以降のテレビアニメ版と同様で、初登場となるリアン・ストーカー役を石川界人が演じている。

実写映画

2014年1月18日に、実写映画『黒執事』のロードショーが行われた。原作とは世界観が大幅に異なっており、2020年のアジアを舞台としているほか、登場人物も、主人公であるセバスチャン・ミカエリスを除いて一新されている。監督は大谷健太郎とさとうけいいちの両名が務めており、セバスチャン役を水嶋ヒロが演じた。

webラジオ

本作『黒執事』のアニメ版の放映と同時期に、出演声優がパーソナリティやゲストを務めるwebラジオが配信された。第1期の放送と並行して、『黒執事 ファントムミッドナイトレディオ』のタイトルで、webサイト「アニメイトTV」内で配信。第2期である『黒執事Ⅱ』とともに、『黒執事II Webラジオ ファントムパーティーナイト~真夜中の仮面舞踏会~』のタイトルで、こちらもアニメイトTVで配信されている。さらに、第3期『黒執事 Book of Circus』の放送中は、アニメ版公式サイト内で『黒執事 WEB Radio of Circus』、放送終了後に、OVA『黒執事 Book of Murder』に関連した、『黒執事 WEB Radio of Murder』が配信されている。

ドラマCD

本作『黒執事』のドラマCDが、2007年に「フロンティア・ワークス」から発売されている。セバスチャン・ミカエリスシエル・ファントムハイヴおよびその使用人たちの日常を描いたオリジナルストーリーとなっており、キャストもアニメとは異なっている。セバスチャンを森川智之が、シエルを沢城みゆきが、それぞれ演じている。

ミュージカル

本作『黒執事』を原作としたミュージカルが、2009年、2010年、2014年、2016年、2017年~2018年、計5シリーズが上演。通称は「生執事」で、原作者である枢やな自身が命名している。キャストは回ごとに変更されることがあり、主演となるセバスチャン・ミカエリス役は、第3弾の初演までを松下優也が、第3弾の再演以降は古川雄大が、それぞれ演じている。

ゲーム

2009年3月19日に、ニンテンドーDS用のゲームソフト『黒執事 Phantom & Ghost』がスクウェア・エニックスより発売された。ジャンルはアドベンチャーゲームで、プレイヤーは、セバスチャン・ミカエリスシエル・ファントムハイヴ、それぞれの視点からゲームを進めることができる。また、枢やな書き下ろしの交換用DSジャケットなど、複数のグッズが付属された限定版も同時に発売されている。

キャラクターブック

『黒執事 キャラクターガイド - その執事、集合 -』が、2009年2月27日に発売された。これには、本作『黒執事』の序盤に登場するキャラクターの詳細および人間関係などが描かれており、さらに、それぞれのキャラクターに対する枢やなの総評や裏設定なども記されている。

評価・受賞歴

本作『黒執事』は、2010年に、ジャパン・エキスポ・アワードの最優秀少年漫画部門を受賞した。さらに、続く2011年には、ドイツにおけるイベント、Animagicで、Best International Manga賞を受賞している。

作家情報

枢やなは、主に少年誌で活躍する女性漫画家。埼玉県出身。2004年に『月刊Gファンタジー』誌上で、デビュー作である読み切り作品『9th』を発表し、続く2005年には同誌に、短期連載作品となる『Rust Blaster』を連載した。代表作は本作『黒執事』で、10年以上にわたるロングラン作品となっている。

登場人物・キャラクター

シエル・ファントムハイヴ

広大な領地を治める名門貴族、ファントムハイヴ伯爵家の若き当主の男性。物語初期の年齢は12歳。また、玩具・製菓メーカー、ファントム社の社長を務め、数年で英国最大の企業に成長させた天才実業家でもある。その裏では、ファントムハイヴ伯爵家が英国女王のヴィクトリアから代々依頼されている、表沙汰にできないさまざまな事件解決のため暗躍している。それがゆえに、ファントムハイヴ伯爵家は「女王の番犬」、「悪の貴族」などと呼ばれ、恐れられている。復讐のために自らの魂をセバスチャンとの契約に捧げた際、右目に契約印である逆ペンタクルができたため、普段は眼帯を着用している。年齢の割に大人びており、平時はワガママかつ傲慢、冷静沈着で人使いが非常に荒いが、かなりな甘党だったり、押しに弱い、社交ダンスが苦手、といった一面もある。芯が非常に強く、「逆境に屈せず誇り高く生きる姿勢」は、セバスチャンに一目置かれている。ちなみに契約終了後に、シエルの魂はセバスチャンのものになる約束をしている。

セバスチャン・ミカエリス

名門貴族、ファントムハイヴ伯爵家の執事を務める男性。品位はもちろん容姿や教養といった執事としての素養は完璧。柔らかい物腰が特徴だが、時に辛辣、時に毒を吐くことがあり、そのスタンスは主人であるシエル・ファントムハイヴに対しても同様。人間業ではこなせない無理難題もこなすが、それは自身の正体が悪魔であるため。当主のシエルとは「シエルが復讐を果たすまで、彼の手足となり、殺さずに守り抜く」「一切噓をつかない」という契約を結んでおり、その証として、彼の左手の甲には、契約印である逆ペンタクルが描かれている。ちなみに猫科が好きで、肉球を押すことが好みというかわいらしい一面もある。また、彼の作るスウィーツは超一流で、当主のシエルから一番高く評価されている。決め台詞は「ファントムハイヴ伯爵家の執事たる者 この程度のことが出来なくてどうします?」や「悪魔で執事ですから」など。実在の人物であるセバスチャン・ミカエリスがモデルと思われる。

タナカ

先代のヴィンセント・ファントムハイヴ伯爵より仕えている、古株の家令(ハウススチュワード)。セバスチャン・ミカエリスより上の身分にあたる男性。いつもお茶をすすっており、デフォルメされたノホホンとした姿で描かれていることが多いが、シエルに飛びかかろうとした、とある伯爵を、瞬時に取り押さえるほどの柔術の使い手。そういった危険な場面で見せる凄みは、秘められた実力を十二分に感じさせる。また、剣の腕も巧みで、銃弾を切り裂くといった芸当すら見せている。

フィニアン

ファントムハイヴ伯爵家の庭師(ガードナー)。元気で人懐っこい金髪碧眼の16歳の少年。顔に似合わず、シエル・ファントムハイヴの持つステッキや太い木を、素手で折ることができるほどの怪力を誇る。セバスチャン・ミカエリスに雇われる前に、人体実験の検体だった過去があり、その時に首元に刻印された「S-012」のコードナンバーを、麦わら帽子で隠している。

バルドロイ

ファントムハイヴ伯爵家の料理人(シェフ)を務めているアメリカ人の青年。作った料理の8割が炭で残りの2割は有害物質、とセバスチャン・ミカエリスに言わせるほど料理の腕が悪い。使用人仲間のフィニアンやメイリンと行動することが多く、3人のリーダー格的存在で、豪快な性格をしている。セバスチャンに雇われる前に兵士をしていたため、兵器の扱いに長けているが、何故か重火器で食肉を焼こうとしたりする。

メイリン

ファントムハイヴ伯爵家の家女中(ハウスメイド)を務める中国人の女性。なまり口調でしゃべる。極度の遠視で、シエル・ファントムハイヴから贈られたメガネをかけているドジッ娘。元腕利きのスナイパーで、メガネをはずすと、スコープを使わなくてもターゲットの超遠距離狙撃ができる。その腕をセバスチャン・ミカエリスに見込まれてスカウトされた。セバスチャンに好意を寄せているようだが、まったく相手にされていない。

スネーク

ファントムハイヴ伯爵家の従者(フットマン)を務める男性。皮膚のところどころが蛇のウロコ状で、蛇と話すことができる。かつては、見せ物小屋で見世物にされていたのを救ってくれたノアの方舟サーカス団に恩義を感じて、一軍団員として活動していた。同サーカス団がファントムハイヴ邸を襲撃した事件の後に、行方不明になった団員を捜すという名目で、ファントムハイヴ伯爵家に雇われた。

エリザベス・ミッドフォード

ファントムハイヴ伯爵家当主、シエル・ファントムハイヴのいとこであり、許嫁(いいなずけ)。親しい人たちからは「リジー」と呼ばれている。明るく天真爛漫な性格で、大好きなシエルを笑顔にするため日々奮闘している。その外見とは裏腹に、多数の敵を前にしても臆することなく、圧倒できるほどの剣術の才能を持っている。当初は剣術のことをシエルには隠していたが、豪華客船編で自身の身に危険が迫った際に、「死んだら何もかも終わりだ」とシエルに諭され、初めてシエルの前で戦う。かわいいものに目がない。

グレル・サトクリフ

バーネット男爵家の執事を務める青年。地味な雰囲気を持つが、その正体は死神派遣協会の回収課に所属する死神の1人。その本性を現すと、派手好きなオネエキャラへと変貌し、チェーンソー型の死神の鎌を武器として振るう。セバスチャン・ミカエリスを「セバスちゃん」と呼んでベタ惚れしているが、本命は同じく死神のウィリアム・T・スピアーズらしい。決め台詞は「これでも執事DEATH★」。

ウィリアム・T・スピアーズ

死神の青年。死神派遣協会の管理課に所属している。メガネに七三分け、冷静沈着で几帳面と、真面目を絵に描いたような性格。同期ゆえか、グレル・サトクリフの不始末の尻拭いをさせられることが多く、頭を悩ませている。悪魔のことを「見境なく魂を食い散らかし、死神の仕事を増やす害獣」と忌み嫌っており、嫌悪感を剥(む)き出しにする。伸縮式高枝伐りバサミ型の死神の鎌を武器として扱う。

葬儀屋 (アンダーテイカー)

顔と首、左手小指の傷が特徴の男性。黒装束を身にまとった長い銀髪をしている。葬儀屋という表の顔の裏側では、秘密裏の死体処理や、それらの死体の情報屋としての顔を持つ。棺に入れる前の遺体の検死が趣味で、情報料を現金ではなく極上の笑いで要求するなど、セバスチャン・ミカエリスも認めるほどの変人。実は半世紀前に[◇死神派遣協会]を脱退している元[死神]で、何らかの目的を果たすために暗躍している。ヴィンセント・ファントムハイヴとは旧知の間柄で、その縁からシエル・ファントムハイヴに対しても情報を提供している。

ソーマ・アスマン・カダール

ベンガル藩王国の26番目の王子。インド帰りの貴族たちが逆さ吊りにされた事件の捜査をしていたシエル・ファントムハイヴと出会い、ともに行動をするようになる。素直ではあるが精神が幼いため、セバスチャン・ミカエリスやシエルからはいい印象を持たれていなかった。しかし、セバスチャンとアルシャド・サティエンドラ・イヤー(アグニ)のカリー対決を経て、アグニの想いに触れ、徐々に成長していく。優れた知識と体力を持ち、王族であるため財力も申し分ないなど、精神的な脆さを除けば極めて有能。シエルに対して強い友情を抱いており、彼のためなら率先して動こうとする。

アグニ

ソーマ・アスマン・カダールの執事を務めている青年。かつては司祭(バラモン)の息子だったが、欲に溺れた父親を軽蔑している。父親に対する反発から、世間を騒がすように暴れ回り、ついには捕縛されて処刑されることになる。しかしその場に居合わせたソーマに救われ、「アグニ」という新たな名前を頂いて、彼のために生涯を尽くす決意を固めた。セバスチャン・ミカエリスとは執事としての腕を互いに認め合っており、セバスチャン自身からも友人と認識されている稀有な人物。

(ラウ)

細目が特徴の華僑の男性。中国の貿易会社崑崙(コンロン)のイギリス支店長兼上海マフィア青幇(チンパン)幹部を務める。シエル・ファントムハイヴに英国内で阿片窟を開く許可を得る代わりに、東洋人街の管理を請け負っている。知ったかぶりで飄々とした性格で、とぼけたような発言が目立つが、開眼した時には冷酷な本性を垣間見せる。

オセロ (オセロ)

死神の青年。死神派遣協会の科捜課に所属している。セバスチャン・ミカエリスおよびシエル・ファントムハイヴが、ブラバット・スカイの隠れ家に潜入した先で出会った。主に多くの死者が出た場所の現場検証などを担っている。ブラバットが用意したとされる採血のための機械に対し、不自然に文明が進み過ぎているという見解を示しており、グレル・サトクリフとともに機械を持ち帰ろうとしていた。 また、シエルに対しては、どこかで会ったような気がすると語っている。

クラウス (クラウス)

ヴィンセント・ファントムハイヴの、裏社会における協力者の男性。ヴィンセントの死後も、彼の息子であるシエル・ファントムハイヴと連絡を取り合い、時折情報を提供している。また、ディーデリヒ・ヴァイツゼッカーや葬儀屋とも親しい。旅行が趣味で、さまざまな国に立ち寄っては近況を調べるとともに、プライベートタイムを堪能している。

ババ様 (ババサマ)

狼の谷に住んでいる女性。人狼の伝説に詳しい。ジークリンデ・サリヴァンを「緑の魔女」と呼び、魔女の呪いを解くための魔法を完成させるよう求めているとされる。その正体はドイツ軍に所属する科学者で、実際の目的は、軍事目的で開発された毒ガスの生成で、魔女の呪いもサリヴァンの頭脳を利用するための方便に過ぎなかった。

レイチェル・ファントムハイヴ (レイチェルファントムハイヴ)

シエル・ファントムハイヴの母親で、アンジェリーナ・ダレスの姉。病弱だが活発な性格の女性で、妹からは敬意と羨望を寄せられていた。父親の紹介で知り合ったヴィンセント・ファントムハイヴと結婚し、ファントムハイヴ伯爵家の夫人となる。さらに子供にも恵まれて、幸せな生活を送っていたが、3年前に何者かの襲撃に遭い、夫とともに殺害されてしまう。

ヴィクトリア (ヴィクトリア)

イギリスのトップに立つ、壮年の女性。非常に優れた先見性を持っており、未来を見据えた采配で、イギリスを世界有数の強国へと押し上げている。民衆を思いやる姿勢を見せることが多く、絶大な支持を受けているが、イギリスを脅かす要素を、非情な手段を使ってでも早急に排除しようとする一面を持つ。ファントムハイヴ伯爵家とは懇意の間柄で、表ざたにできない事件などを依頼することも多い。 プライベートではややハイテンションな面が見受けられ、死別した夫を想い、人前で号泣することもある。実在の人物である、イギリス女王、ヴィクトリアがモデルであると思われる。

ピーター (ピーター)

ノアの箱舟サーカスに所属している少年。ウェンディとともに空中ブランコを担当している。小柄な体格をしているがジャンボより年上で、兄さんと呼ばれている。身のこなしが軽く、ワイヤーを使った攻撃を得意としており、ファントムハイヴ邸を襲撃した際には、屋根を伝って屋敷に潜入しようとするが、メイリンによって頭部を撃ち抜かれ、死亡した。

チャールズ・フィップス (チャールズフィップス)

イギリスの女王、ヴィクトリアの秘書武官および執事を務めている青年。チャールズ・グレイとコンビを組んで活動しており、2人合わせてWチャールズと呼ばれている。相棒のグレイに比べて冷静な性格をしており、雰囲気も大人びている。手先が器用で、縫物が得意という特技を持つ。なお、かつてグレイとともにウェストン校に通っており、寮対抗クリケット大会の後夜祭ではOBとして在校生の前に顔を出していた。

ハーマン・グリーンヒル (ハーマングリーンヒル)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。翡翠の獅子寮の監督生を務めており、P4の1人に数えられている。さっぱりとした性格のスポーツマンで、開校以来最も優秀なクリケット選手として知られている。反面、性格は単純で、人を疑うことなどを苦手としており、女性に弱い。寮弟であるエドワード・ミッドフォードに対しては絶大な信頼を置いており、自分を磨くための努力を怠らない彼を、努力の天才と評価している。

チャールズ・グレイ (チャールズグレイ)

イギリスの女王、ヴィクトリアの秘書武官および執事を務めている青年。チャールズ・フィップスとコンビを組んで活動しており、2人合わせてWチャールズと呼ばれている。フィップスと比べると外見、内面ともに幼く、シエル・ファントムハイヴの陰口を叩いたり、公然と皮肉を口にしたりする。ただし、女王に対する忠誠心は高く、エリザベス・ミッドフォードにこそ及ばないものの、剣の腕もかなりのものである。

グレーテ・ヒルバート (グレーテヒルバート)

狼の谷に住んでいる女性。ヒルデ・ディックハウトらとともにジークリンデ・サリヴァンの屋敷の手伝いをしていた。その正体はドイツ軍に所属するヒルデの部下で、サリヴァンを連れて逃げようとするシエル・ファントムハイヴを追うが、囮となったタナカおよびメイリンに追い詰められ、一時は撤退する。その後、ディーデリヒ・ヴァイツゼッカーの手引きで地下鉄道に乗り込もうとしたシエルたちの前に再び姿を現し、サリヴァンを殺害しようとする。 それに反発したヴォルフラム・ゲルツァーの手により射殺された。

アンネ・ドレヴァンツ (アンネドレヴァンツ)

狼の谷に住んでいる女性。ヒルデ・ディックハウトらとともにジークリンデ・サリヴァンの屋敷の手伝いをしていたが、スネークの使う蛇によって、人狼のふりをしていたことが発覚する。その正体はドイツ軍に所属するヒルデの部下で、彼女とともに戦車に乗り込み、シエル・ファントムハイヴとその使用人たちの抹殺を図る。

ウェンディ (ウェンディ)

ノアの箱舟サーカスに所属している少女。ピーターとともに空中ブランコを担当している。身のこなしが軽く、ワイヤーを使った攻撃を得意としており、ファントムハイヴ邸を襲撃した際には、ピーターとの連携でフィニアンを仕留めようと奇襲をかけるが、メイリンの狙撃を受けて命を落とした。

ビースト (ビースト)

ノアの箱舟サーカスに所属している少女。猛獣使いを担当している。事故によって足を失っており、先生が用意した義足を付けている。直情的な性格で、事件捜査のために入団したセバスチャン・ミカエリスに敵愾心を抱いている。かつてはストリートチルドレンで、ジョーカーたちとともに生活していた。ジョーカーに対して好意を抱いている様子を見せており、ファントムハイヴ邸を襲撃した際には、ダガーとともに正面から突入するが、バルドロイの策によって返り討ちに遭う。

ヴィンセント・ファントムハイヴ (ヴィンセントファントムハイヴ)

シエル・ファントムハイヴの父親で、ファントムハイヴ伯爵家の前当主。かつて寄宿学校であるウェストン校で紺碧の梟寮の監督生を務めていた。ディーデリヒ・ヴァイツゼッカーは当時の同級生に、アレクシス・レオン・ミッドフォードは後輩にあたる。シエル同様、ヴィクトリア女王の依頼で裏社会の異変を解決する役割を担っており、普段は穏やかな物腰ながら、時には冷徹な言動を取ることもあった。 しかし、その性格と能力から多くの仲間を作り上げており、クラウスやピット、葬儀屋など、多くの裏社会の人間たちと通じていた。3年前に何者かの襲撃に遭い、妻のレイチェル・ファントムハイヴとともに殺害されてしまう。

ザーシャ (ザーシャ)

中性的な容貌を持つ死神。ルドガーとともに狼の谷に現れた。死神派遣協会からドイツに派遣されたとのことで、常にドイツで活動しているわけではない。好奇心が非常に旺盛で、歴史の変わり目や、国同士のパワーバランスの変化などに強い興味を示す。そのため、死神という役割を天職とまで言い切っている。また、ザーシャが死神であると一目で見抜いたシエル・ファントムハイヴに対しても、並ならぬ関心を抱いていた。

チェスロック (チェスロック)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。紫黒の狼寮に所属しており、監督生のグレゴリー・バイオレットと寮弟の契約を結んでいる。貴族らしからぬパンクファッションと、その外見に見合った粗野な性格が特徴。セバスチャン・ミカエリスからは、「その髪型とメイクで寄宿学校に通うことは、凡人には思いつかない発想だ」と皮肉られている。 その一方で、優れた音楽の才能も持っている。他の寮の生徒を殊更に敵視していたが、のちに紫黒の狼寮の監督生となり、同じく翡翠の獅子寮の監督生ともなったエドワード・ミッドフォードとそれなりに仲良くなっていた。セバスチャンの誘いに応じて、P5のメンバーの1人に抜擢される。

アイリーン・ディアス (アイリーンディアス)

オペラ歌手の女性で、グリムズビー・キーンの恋人。グリムズビーとともに、誰もが見惚れる美貌を誇るとされているが、実年齢はグリムズビーより12歳も年上で、その美貌は日ごろからの努力の賜物である。事件解決後のある日、馬車の事故によって出演予定の劇場に間に合わなくなる、という事態が発生するが、セバスチャン・ミカエリスに救われる。 見返りに、ファントム社の広告塔となり、新商品である香水の売り上げ増加に貢献した。

エドワード・ミッドフォード (エドワードミッドフォード)

エリザベス・ミッドフォード(リジー)の兄。ミッドフォード公爵家の次期当主に見込まれている少年。ウェストン校に通っており、翡翠の獅子寮の監督生であるハーマン・グリーンヒルの寮弟でもある。強い正義感の持ち主だが、シスコンという一面を持っており、リジーが絡むと多少性格が変わってしまう。シエル・ファントムハイヴに対しても、表向きは彼女の婚約者であることを認めない発言をすることが多い。 しかし実際は彼を認めており、ハーマンにはシエルを男として尊敬していると語っている。シエルもまたエドワードには一目置いており、スフィア・ミュージックホールの事件では、事件解決のために結成されたアイドルユニットであるP5のリーダーを直々に任されている。

ヒルデ・ディックハウト (ヒルデディックハウト)

狼の谷に住んでいる女性。ヴォルフラム・ゲルツァーの知り合いで、彼の頼みでジークリンデ・サリヴァンの身の回りの世話や、食材調達などを引き受けている。その正体はドイツ軍に所属する少佐で、ヴォルフラムの上司に当たる人物。ババ様らとともに毒ガスの完成を急いでいたが、セバスチャン・ミカエリスやシエル・ファントムハイヴの手により毒ガスを奪われため、彼らを追うべく大隊を派遣する。

ジョアン・ハーコート (ジョアンハーコート)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。深紅の狐寮に所属している。かつてモーリス・コールによって陥れられおり、孤立無援の日々を過ごしていた。教師として潜入したセバスチャン・ミカエリスに励ましの言葉を受けて徐々に立ち直っていき、次第に彼に信頼を寄せるようになっていく。モーリスの悪行が明るみに出たため、彼の後釜としてエドガー・レドモンドと寮弟の契約を交わした。 のちに深紅の狐寮の監督生となり、セバスチャンの誘いに応じて、P5のメンバーの1人に抜擢される。

アバーライン (アバーライン)

ロンドンの警察組織「スコットランド・ヤード」に所属している男性。ランドルの部下。セバスチャン・ミカエリスからは、何故か「アンダーライン」と呼ばれている。ランドルと異なり、分別のある性格をしているが、ファントムハイヴ伯爵家の非情とも言えるやり口には賛同できずにいる。ただし、これはアバーラインたち警察が不甲斐ないためであると認識しており、シエル・ファントムハイヴに対しては、彼の手を汚させないように全力を尽くすことを約束している。 シエルも彼の心意気を認めており、「早く出世したまえ」とはっぱをかけている。

ロナルド・ノックス (ロナルドノックス)

死神の青年。死神派遣協会の回収課に所属している。カンパニア号に、グレル・サトクリフとともに乗り込んだ。グレルほどではないにせよ、軽薄な雰囲気を漂わせており、船内でも人間の女性をナンパするなどしていた。カンパニア号に乗っていた理由は、暁学会が運び込んだ歪んだ肉人形による殺戮劇によって、大量の死者が出ることを察していたため。 電動芝刈り機型の死神の鎌を武器として使用する。

校長 (コウチョウ)

寄宿学校「ウェストン校」の校長を務めているという男性。セバスチャン・ミカエリスの力をもってしても捕まえることができないなど、並外れた身体能力を誇る。ウェストン校のすべてを取り仕切る絶対君主として君臨しているとされており、生徒たちは校長の指示に逆らうことはおろか、疑問を持とうとすらしない。多忙であるため、一般生徒は会うことすら叶わないとされており、監督生とその寮弟だけが目通りする権利を得られる。

フランシス・ミッドフォード (フランシスミッドフォード)

ミッドフォード公爵夫人で、ヴィンセント・ファントムハイヴの妹。優れた剣の腕の持ち主で、王宮騎士だったアレクシス・レオン・ミッドフォードをフェンシングで降した際に一目惚れされて結婚した。軽薄な振る舞いを強く嫌っており、気が抜けている人に対しては、誰であっても容赦がない。そのため、夫やシエル・ファントムハイヴを含めた多くの人間は、フランシス・ミッドフォードに頭が上がらない。 中でもセバスチャン・ミカエリスに対しては、「いやら執事」と呼び、殊更に厳しく接している。しかし、厳しい態度は思いやる気持ちの表れであり、シエルに対しても、娘であるエリザベス・ミッドフォードの許嫁として常に気にかけている。

ヴォルフラム・ゲルツァー (ヴォルフラムゲルツァー)

ジークリンデ・サリヴァンの執事を務めている青年。彼女を「お嬢」と呼んで敬っている。執事としての能力は疑わしく、彼の仕事に対してセバスチャン・ミカエリスは、「余計なことはしていないが、最高に効率が悪い」と、手厳しい評価を下している。その正体は軍に所属する工作員で、有事の際にはサリヴァンを始末し、証拠を隠滅するという任務を与えられていた。 凄まじい身体能力と戦闘技能を誇っており、バルドロイを相手にしてなお、有利に立ち回っている。しかし、長くサリヴァンとともに生活したため情が移ってしまっており、彼女を守るために軍に反抗する決意を固めた。狼の谷の事件解決後は、シエル・ファントムハイヴの招きに応じて、サリヴァンとともにイギリスに移住した。

パトリック・フェルペス (パトリックフェルペス)

ブルー・スター・ライン社の貿易課取締役員を務めている青年。穏やかな性格だが気が弱く、劉の素性を聞くや否や震えあがっていた。ゲオルグ・フォン・ジーメンスが殺害された時、唯一アリバイがなかったとされるシエル・ファントムハイヴがアーサーの部屋に監禁されることになったため、代わりにシエルの私室を寝室として宛われるが、翌朝毒殺された状態で発見される。 これによってパトリック・フェルペスは、ゲオルグ、セバスチャン・ミカエリスに続く、第3の犠牲者となった。

ジークリンデ・サリヴァン (ジークリンデサリヴァン)

狼の谷の領主を務めているとされる11歳の少女。執事のヴォルフラム・ゲルツァーから「お嬢」と呼ばれている。纏足と呼ばれる風習による整形を受けており、自由に歩くことができなくなっているため、移動する際にはヴォルフラムに運んでもらっている。狼の谷を脅かしている「魔女の呪い」を浄化できるただ1人の人間とされており、森の外に出たことがない。 そのため、外の世界に強い憧れを抱いており、調査のためにドイツに来ていたセバスチャン・ミカエリスおよびシエル・ファントムハイヴを屋敷に招き、話を聞こうと躍起になっていた。周囲にヴォルフラム以外の男性がいないため貞操観念が極めて薄く、無意識のうちに蠱惑的な物言いをしてシエルを引かせたこともある。 狼の谷の事件が解決した後はシエルの友達になり、ヴォルフラムとともにイギリスに移住した。さらに、ヴィクトリア女王の後ろ盾を得て、さまざまな発明をしては、自らやシエルのために役立てている。

ジャンボ (ジャンボ)

ノアの箱舟サーカスに所属している少年。火吹き芸を担当している。禿頭の巨漢で、体格に見合った力を持っているが、実年齢はピーターやウェンディよりも下である。ファントムハイヴ邸を襲撃した際には、その怪力を活かしてフィニアンに襲い掛かったが、より強力な力を持つ彼の攻撃で致命傷を負い、仲間たちに撤退を促しつつ死亡した。

モーリス・コール (モーリスコール)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。エドガー・レドモンドの寮弟。掃除や料理、レポートのまとめなど、何でもそつなくこなす人材として、レドモンドはもちろん、他のP4のメンバーにも一目置かれていた。しかしそれらの実績は、後輩の手柄を横取りすることで得たものであった。さらには虚偽の連絡を入れるなど、他の生徒に対するP4の心象を悪化させる姑息な手段も用いており、ジョアン・ハーコートも被害に遭っていた。 シエル・ファントムハイヴをも陥れようとしたが、逆に彼の策にはまって悪行が明るみに出て、レドモンドから寮弟関係を解消された。

シリウス (シリウス)

お星様の筆頭と思しき少年。人前には決して姿を現さず、ブラバット・スカイを通じて指令を与えているとされる。その正体は本物の「シエル・ファントムハイヴ」で、現在シエル・ファントムハイヴを名乗っている少年の、死亡したはずの双子の兄。威圧的な雰囲気を持ち、弟に対しては優しい言葉をかけているが、その気配によって委縮させている。 セバスチャン・ミカエリスに対し、何らかの恨みを抱いている様子を見せる。

エドガー・レドモンド (エドガーレドモンド)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。深紅の狐寮の監督生を務めており、P4の1人に数えられている。アレイスト・チェンバー(ドルイット子爵)の甥っ子でもあり、彼を慕っている様子を見せる。華やかな外見と気さくな性格が特徴で、憧れを抱く生徒は非常に多い。一方、女性に対しては意地悪な面を見せることもあり、そのことをドルイット子爵にたしなめられたこともある。 モーリス・コールを寮弟にしていたが、彼の悪行を知るとその関係を解消し、新たにジョアン・ハーコートと寮弟の契約を結んだ。

マクミラン (マクミラン)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。紺碧の梟寮に所属しており、デリック・アーデンの所在調査のため入学して来たシエル・ファントムハイヴと同じ部屋で生活することとなる。シエルに対して親身に接するが、P4やその寮弟を見るや否や騒ぎ出すというミーハーな面があり、シエルがクレイトンの寮弟になった際も、一際騒ぎ立てていた。 寮対抗クリケット大会においては、ファントムハイヴ邸の使用人たちや、ミッドフォード公爵家の人たちとともに、シエルを応援していた。

ミーナ (ミーナ)

ベンガル藩王国で、ソーマ・アスマン・カダールの侍女を務めていた女性。ソーマをして侍女の中で最も美しい、と言わしめるほどの美貌を誇っている。ソーマにとっては、アルシャド・サディエンドラ・イヤーと並ぶ、数少ない理解者と認識されていた。しかしある時、イギリスから来たハロルド・ウェスト=ジェブに連れていかれてしまい、ソーマたちの前から姿を消してしまう。

リアン・ストーカー (リアンストーカー)

カルンスタイン病院の院長を務めている青年。暁学会の会長でもある。健康第一をモットーとしており、不死鳥のポーズを取る際には、誰よりもやる気を見せていた。完全救済と称して遺体を蘇生させる実験をしており、そのための素材としてカンパニア号に多数の遺体を運び込む。そのすべてが歪んだ肉人形として覚醒し、カンパニア号をパニックに陥れる。 これによって事件の黒幕である疑いが強まり、シエル・ファントムハイヴや死神たちに追われることとなる。

マーガレット・コナー (マーガレットコナー)

カンパニア号が出航する数週間前に、事故で命を落としたとされる少女。蘇生のための実験として、遺体がカンパニア号に運び込まれていた。リアン・ストーカーが電気ショックを与えると動き出すが、蘇生には失敗。歪んだ肉人形となって学会員たちに襲い掛かった。その場に居合わせたセバスチャン・ミカエリスによって肉体を破壊される。

アレクシス・レオン・ミッドフォード (アレクシスレオンミッドフォード)

ミッドフォード公爵家の当主で、王立騎士団長を務めている男性。エリザベス・ミッドフォード(リジー)の父親でもある。かつてウェストン校に通っており、翡翠の獅子寮の監督生であるディーデリヒ・ヴァイツゼッカーの寮弟で、ヴィンセント・ファントムハイヴともその時に面識を持っている。おおらかな性格で、時折妻であるフランシス・ミッドフォードにたしなめられている。 また、リジーの婚約者であるシエル・ファントムハイヴに対しては、未来の息子として溺愛しており、これに関してもフランシスに注意を受けることが多い。

アンジェリーナ・ダレス (アンジェリーナダレス)

レイチェル・ファントムハイヴの妹で、シエル・ファントムハイヴの伯母。バーネット男爵という夫がいたが、事故で死別。現在は、バーネット男爵家の当主を務める傍ら医者として病院に勤務しており、「マダム・レッド」のあだ名で知られている。姉を尊敬しており、彼女の夫であるヴィンセント・ファントムハイヴにも憧れを抱いていた。 そのため、彼女たちの子であるシエルを、我が子のように可愛がっている。一方、執事のグレル・サトクリフに対しては、彼自身が失敗することも多いため、辛辣な発言をすることが多い。

カール・ウッドリー (カールウッドリー)

イギリスでダイヤモンド研磨会社の社長を務めている男性。公の場では謙遜する様子を見せており、ゲオルグ・フォン・ジーメンスやチャールズ・グレイ、シエル・ファントムハイヴらに対して、恭(うやうや)しく接していた。しかし、殺人事件が発生してからは態度を一変させ、ことあるごとに他者に疑いを向けるうえに、シエルを「女王の狗」と罵るなど、傍若無人な振る舞いを見せる。

ブラバット・スカイ (ブラバットスカイ)

スフィア・ミュージックホールで占いを務める青年。若年層からの人気を集めている。お星様の忠実なる信奉者で、中でもシリウスを「蒼き星」と呼び、最大限の敬意を払っている。彼らのためにスフィア・ミュージックホールに訪れた客から秘密裏に血を抜き取っており、これによって死者すら出している。しかし、イギリスの有力者の協力を取り付けているため、捜査の手から守られている。 セバスチャン・ミカエリスを一目見るなり悪魔であると見抜くなど、底知れぬ不気味さを持つ。

ピット (ピット)

フリーの記者を務めている青年。裏社会の事情に明るく、ヴィンセント・ファントムハイヴが存命だった頃は、彼やタナカの依頼によって、取材や情報収集に動いていた。現在もシエル・ファントムハイヴの依頼によって動くことがあり、スフィア・ミュージックホールの事件では、スフィアの悪行を暴くためにセバスチャン・ミカエリスとともに行動し、ホールが警察の摘発を受けるきっかけを作り上げた。

ルドガー (ルドガー)

死神の青年。ザーシャとともに狼の谷に現れた。死神派遣協会からドイツに派遣されたとのことで、常にドイツで活動しているわけではない。小型のチェーンソーのような形状の死神の鎌を所有している。職務に忠実で、相棒のザーシャの奔放な行動に振り回されながらも、狼の谷における役割を完遂した。ファントムハイヴ伯爵家を、「死神が見えやすい家系かもしれない」と推測している。

クレイトン (クレイトン)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。紺碧の梟寮に所属しており、監督生のロレンス・ブルーアーと寮弟の契約を結んでいる。極度の近視で、眼鏡がないとろくに物を見ることができない。寮の生徒たちには厳しく、点呼に遅れた生徒に雑用を命じたりすることもあるが、身を呈して他者の危機を救おうとする気質を備えている。 前年度の寮対抗クリケット大会においては、観客をかばってボールにぶつかり、校長から気に入られたという逸話がある。のちに紺碧の梟寮の監督生となり、セバスチャン・ミカエリスの誘いに応じて、P5のメンバーの1人に抜擢される。

ドール (ドール)

ノアの箱舟サーカスに所属している少女。綱渡りを担当している。舞台の上では、衣装や化粧のおかげで人形のような美しさを見せるが、すっぴんの時はどこにでもいるような普通の女の子。調査のために入団して来たシエル・ファントムハイヴを気に入って懐いていたが、仲間が次々と命を落としたことを知ると、俄然殺意を向けるようになる。

アレイスト・チェンバー (アレイストチェンバー)

「ドルイット子爵」の呼称で知られる貴族の男性。美しいものを愛するナルシストで、空気の読めない言動を繰り返す困った性格の持ち主。切り裂きジャックの事件では、女装したシエル・ファントムハイヴを拉致し、オークションの場に売り払おうとしたところ、セバスチャン・ミカエリスに抑えられて逮捕される。しかし、保釈金を支払って釈放され、それ以降もセバスチャンたちの前に現れては、小癪な行動で周囲をかき回している。 笑いを求める葬儀屋からは道化として大層気に入られており、「これほどの人間を失うのは世界の損失」とまで言わしめている。

ロレンス・ブルーアー (ロレンスブルーアー)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。紺碧の梟寮の監督生を務めており、P4の1人に数えられている。紺碧の梟寮の生徒の例に違わず、P4の中でも頭脳派として名を馳せている。反面、運動は苦手で、寮対抗クリケット大会ではソーマ・アスマン・カダールに完封されるといった場面も見られた。実家には姉が3人、妹が4人おり、唯一の男児として肩身の狭い思いをしていたと語っている。 クレイトンと寮弟の契約を結んでいる。

ダガー (ダガー)

ノアの箱舟サーカスに所属している少年。ナイフ投げを担当している。ジョーカーやビーストよりやや年下で、彼らを兄姉のように慕っている。ビーストに対してはふざけ半分に好意を寄せているような言動を取っており、ファントムハイヴ邸を襲撃した際もともに突入し、投げナイフで援護を担当した。しかし、使用人たちの猛攻に追いつめられ、命を落とす。

ポーラ (ポーラ)

ミッドフォード公爵家に仕える侍女。エリザベス・ミッドフォード(リジー)の世話係を務めている女性。リジーに対しては常に誠意をもって尽くしており、リジーからも全幅の信頼を寄せられている。ウェストン校の寮対抗クリケット大会では、リジーの傍らに立ち、ともにシエル・ファントムハイヴを応援していた。

先生 (センセイ)

ノアの箱舟サーカスに所属している医者の男性。団員の健康チェックや義手、義足のメンテナンスなどを一手に引き受けている。団員たちの突飛な行動に突っ込みを入れるなど、常識人である素振りを見せるが、セバスチャン・ミカエリスとシエル・ファントムハイヴの調査により、誘拐した子供たちを殺害し、その遺体から義肢を作り出すというおぞましい本性が明らかになる。

デリック・アーデン (デリックアーデン)

ヴィクトリア女王の親族であるクレメンス公の息子。寄宿学校「ウェストン校」に通っていたが、1年ほど前から、友人ともども、突如連絡が取れなくなる。P4のメンバーたちからは、「変わった人だった」という評価を受けている一方で、さまざまな特技を持っていたともいわれている。

ジェレミー・ラスボーン (ジェレミーラスボーン)

ロンドンの教会で牧師を務めているとされる青年。シエル・ファントムハイヴとは知り合いで、相談役として人気があり、地元ではちょっとした有名人。ファントムハイヴ邸で殺人が起きた次の夜、屋敷の付近にいたところをフィニアンとメイリンに捕らえられ、縛られた状態で連れてこられた。連続殺人事件の犯人と疑われたが、完全なアリバイがあったため解放され、アーサーらとともに事件に関する検証を行った。

アズーロ・ヴェネル (アズーロヴェネル)

マフィアの首領を務めるイタリア人の男性。麻薬を売りさばいて私腹を肥やしており、ロンドンにも活動の場を広げようとしていた。ヴィクトリア女王の方針によって麻薬の蔓延を阻止しようとする者を邪魔に思っており、その筆頭といえるファントムハイヴ伯爵家の当主、シエル・ファントムハイヴを拉致し、殺害しようとする。 しかし、彼の逆ペンタクルを介して召喚されたセバスチャン・ミカエリスに襲撃され、返り討ちに遭った。

グリムズビー・キーン (グリムズビーキーン)

舞台演出家の青年で、アイリーン・ディアスの恋人。過去の栄光などに縛られがちな、現在の文芸業界に憤りを覚えており、アーサーやシエル・ファントムハイヴの考えを支持している様子を見せる。一方で嫉妬深い面があり、酔った勢いでアイリーンに迫ったゲオルグ・フォン・ジーメンスに、本気で食って掛かったこともあった。 事件が解決した後に、アイリーンと破局してしまう。

アーサー (アーサー)

眼科医を営む傍らで、小説家として活動している青年。小説家としての腕は高く、アーサーの書いた小説は、読書家のシエル・ファントムハイヴが幾度も読み返すほどのクオリティを誇る。幽鬼城殺人事件編はアーサーの回想という形で物語が展開されており、招待客の1人としてファントムハイヴ邸に招かれたところ、連続殺人事件と遭遇。 推理小説家としての実績があり、3つの殺人においていずれもアリバイがあるため、事件の捜査役の1人として頼られることになる。実在人物であるアーサー・コナン・ドイルがモデルであると思われる。

ジョーカー (ジョーカー)

ノアの箱舟サーカスを取り仕切る青年。京都弁のような訛りでしゃべる。その名の通りジョーカー(道化師)として舞台に立っている。ビーストやドール、スネークなど、多くの団員から慕われており、ジョーカー自身も彼らを守るためならいかなる努力や手段も厭わない。かつてはストリートチルドレンとして、明日をも知れない生活を強いられていたが、ケルヴィンに拾われたことにより安定した生活を送ることができるようになった。 そのため、ケルヴィンには深い恩義を感じており、彼が歪んでしまった今でも尽くしている。事故によって右手を失い、先生が用意した義手を付けている。

ニナ・ホプキンス (ニナホプキンス)

仕立屋を営んでいる女性。ファントムハイヴ伯爵家やミッドフォード公爵家などの得意先である。前衛的なスタイルをよしとしており、逆に古い伝統に縛られている者を快く思っていない。そのため、格式を重んじるセバスチャン・ミカエリスには常に辛辣。「ミスター石頭」と呼んでおり、よく棘のある言葉をぶつけている。女性と15歳未満の少年の衣装を作ることに情熱を向けており、シエル・ファントムハイヴやエリザベス・ミッドフォードなどを見ると、我を忘れてしまう。

ゲオルグ・フォン・ジーメンス (ゲオルグフォンジーメンス)

銀行役員を務めているドイツ人の男性。招待客の1人として、ファントムハイヴ邸に招かれた。普段は真面目で礼儀正しいとされているが、酒が入ると途端に、暴言を吐いたりセクハラをしたりと、迷惑な人間に変貌する。酔いつぶれて眠ったところを、セバスチャン・ミカエリスとシエル・ファントムハイヴによって宛われた客室に運ばれるが、その数刻後、遺体となって発見される。

ハロルド・ウェスト=ジェブ

貿易会社である「ハロルド・ウェスト」を営んでいる青年。かつてインドに滞在していたことがあり、そこで見初めたミーナを強引にイギリスに連れ帰ったとされる。虚栄心が強く、視野が狭いといった小物で、シエル・ファントムハイヴからは見下されている。アルシャド・サディエンドラ・イヤーと何らかの取引を交わしており、彼を利用して王室御用達を獲得しようと目論んでいる。

ジョン・ブラウン (ジョンブラウン)

イギリスの女王、ヴィクトリアの側近を務めている青年。常にゴーグルを着けており、その表情を伺い知ることはできない。謎の多い人物で、女王からのメッセージをシエル・ファントムハイヴに伝えるために、ドイツに突如姿を現したこともある。また、ヴィンセント・ファントムハイヴをよく知っているようで、ドイツにおける依頼を完遂したシエルに、「お父さんに似てきたね」と告げたこともあった。 実在の人物であるジョン・ブラウンがモデルであると思われる。

ディーデリヒ・ヴァイツゼッカー (ディーデリヒヴァイツゼッカー)

ドイツの貴族であるヴァイツゼッカー男爵家の当主。ヴィンセント・ファントムハイヴの旧友。昔はスマートな体型だったが、現在は太っている。しかし身体能力には微塵の衰えもなく、ヴォルフラム・ゲルツァーと互角以上に渡りあうほどの戦闘能力を誇る。かつてウェストン校で翡翠の獅子寮の監督生を務めていたが、寮対抗クリケット大会で敗れたことによって、監督生でありながらヴィンセントの寮弟となった。 卒業後もその縁は続き、彼を通じてクラウスや葬儀屋などの裏社会の住人たちと交流を持つようになる。ヴィンセントが殺害されてからはドイツに帰り、英国に足を運ぶこともほぼなくなっていた。ヴィンセントの息子であるシエル・ファントムハイヴと連絡を取っており、彼らがドイツで軍に襲われた時は、救助して自らの屋敷にかくまった。 厳格な性格で、飄々としたヴィンセントに苦労させられることも多かった様子。

藍猫 (ランマオ)

劉の血のつながっていない妹。物静かな性格の少女で、常に劉の傍らに控えている。煽情的な服装をしており、イギリス人にとって最も性的と思われやすい脚を露出しているため、ロンドンにおいては多くの男性の目を引くことが多い。また、武術の達人でもあり、常に劉の側にいるのは、彼を警護するためでもある。戦闘においては、鉄製の棍棒を自在に使いこなす。

ヨハン・アガレス (ヨハンアガレス)

寄宿学校「ウェストン校」の副校長を務めている男性。新入生に対しては校長の代わりに、挨拶と学校説明を行っている。普段は真面目だが、ことあるごとにずっこけては、頭から出血するというドジな面を見せる。

ケルヴィン (ケルヴィン)

ノアの箱舟サーカスの座長を務めている老年の男性。かつては孤児院を経営している貴族で、路頭に迷っていたジョーカーたちを手厚く保護し、サーカス団となった彼らから強く慕われていた。しかし、ヴィンセント・ファントムハイヴとその仲間たちに出会ったことにより、カリスマ性に魅せられるとともに、自らの卑小さに絶望して精神を病んでしまう。

グレゴリー・バイオレット (グレゴリーバイオレット)

寄宿学校「ウェストン校」の男子生徒。紫黒の狼寮の監督生を務めており、P4の1人に数えられている。よく言えば神秘的、悪く言えば不気味な容貌を持っており、気難しい性格ながら仲間想いの一面を持つ。優れた絵画の才能を持っているが、モデルそのものを描き上げることは一切なく、まったく関係のない絵を完成させるのが常となっている。 珍しい血液型で、それ故にブラバット・スカイに利用されることとなる。

ランドル (ランドル)

ロンドンの警察組織「スコットランド・ヤード」に所属している、警視総監の男性。頭の固い性格の持ち主で、俗に染まった若者などを見下す傾向にある。特に、女王の番犬として怪事件を追うシエル・ファントムハイヴとは犬猿の仲で、顔を合わせるたびに皮肉を言われている。

集団・組織

ファントムハイヴ伯爵家 (ファントムハイヴハクシャクケ)

シエル・ファントムハイヴが当主を務めている伯爵家。その実態は代々裏社会のトップに君臨し、ヴィクトリア女王の依頼によって秘密裏に事態を処理する一族。「悪の貴族」を自称しており、いわゆる「悪を為して巨悪を討つ」というスタンスのもとで行動している。さまざまな国の裏社会に通じており、国際的な問題に対しても秘密裏に介入する力を持っている。

P4 (プリーフェクトフォー)

寄宿学校「ウェストン校」における、4人の監督生の総称。生徒たちの憧れの的で、休憩時間は白鳥宮と呼ばれるスペースで、寮弟とともにひと時を過ごすことが多い。現在のメンバーは、エドガー・レドモンド、ハーマン・グリーンヒル、ロレンス・ブルーアー、グレゴリー・バイオレットの4人。デリック・アーデンの名前を聞くと怯えたような表情を見せるなど、何かを隠しているようなそぶりを見せている。

紺碧の梟寮 (サファイアオウルリョウ)

寄宿学校「ウェストン校」における寮の1つ。そこに暮らす生徒たちの総称でもある。勉学に長けた生徒たちが主に所属しており、シエル・ファントムハイヴが潜入した際も、この寮に所属している。寮対抗の寮対抗クリケット大会においては優勝とは無縁とされているが、かつてヴィンセント・ファントムハイヴが監督生を務めていた際に優勝を勝ち取っており、「碧の奇跡」と呼ばれて語り草になっている。

ブルー・スター・ライン社 (ブルースターラインシャ)

イギリスの大手造船・海運企業。船の建造や、航海するための人員確保などを行っており、多くの貴族にその名前を知られている。しかし、貿易課取締役員を務めていたパトリック・フェルペスが何者かに殺害され、さらにはブルー・スター・ライン社が手掛けた豪華客船「カンパニア号」が事故で沈没するなど、さまざまな災難に見舞われている。

お星様 (オホシサマ)

ブラバット・スカイが信奉している謎の存在。シリウスと呼ばれる少年を筆頭に、4人で構成されているという。何らかの理由で輸血を必要としており、ブラバットはそのために、スフィア・ミュージックホールの客から血液を奪い取っていた。中でもシリウスは輸血可能な血液が希少らしく、その血液を持つものは優先的に狙われていた。

P5 (ファントムファイブ)

シエル・ファントムハイヴが結成したアイドルユニット。その目的は、スフィア・ミュージックホールの悪行を暴くとともに、心酔する人々の目を覚まさせること。ファントム・ミュージックホールで活動しており、メンバーは、かつてP4の寮弟だったウェストン校の生徒たちに、ソーマ・アスマン・カダールを加えた5人で構成されている。 S4と比較してパフォーマンスに優れており、結成するや否や多くのファンを獲得し、スフィア・ミュージックホールを脅かす要因となっている。

暁学会 (アウローラガッカイ)

医師のみで構成された学会。リアン・ストーカーが会長を務めており、「医学による人類の完全救済」をモットーとしている。不死鳥という、会員にのみ伝わる合言葉があり、それを互いに披露しあうことで、同志であることを確認するという決まりがある。学会を開いたカンパニア号では、歪んだ肉人形の襲撃とそれに伴う船の沈没により、リアンを含めた多数の会員が死亡している。

翡翠の獅子寮 (グリーンライオンリョウ)

寄宿学校「ウェストン校」における寮の1つ。そこに暮らす生徒たちの総称でもある。武道やスポーツに長けた生徒たちが集っており、監督生のハーマン・グリーンヒルをはじめ、正々堂々とした振る舞いを重んじる者が多い。その性質上、寮対抗の寮対抗クリケット大会においては最も優勝率が高い。

死神派遣協会 (シニガミハケンキョウカイ)

死神たちが所属しているとされる協会。その全貌は明かされていないが、労働形式は公務員のそれに近い。死を迎えた人の魂を審査し、回収する「回収課」、現場検証などを行う「科捜課」、死神たちの行動スケジュールなどを調整する「管理課」など、さまざまな課が存在する。

紫黒の狼寮 (ヴァイオレットウルフリョウ)

寄宿学校「ウェストン校」における寮の1つ。そこに暮らす生徒たちの総称でもある。一芸に秀でた生徒たちが所属しており、監督生のグレゴリー・バイオレットは絵画を、その寮弟であるチェスロックは音楽を得意としている。他の寮に対する敵対心が強く、寮の中に入ることを強く拒絶している。なお、デリック・アーデンは現在、ここに所属しているとされるが、シエル・ファントムハイヴとセバスチャン・ミカエリスが調べたところ、その痕跡が一切発見されなかった。

深紅の狐寮 (スカーレットフォックスリョウ)

寄宿学校「ウェストン校」における寮の1つ。そこに暮らす生徒たちの総称でもある。深紅の狐寮は、主に爵位の高い貴族たちが集まる場所で、監督生のエドガー・レドモンドをはじめ、優雅な振る舞いを見せる者が多い。また、のちにシエル・ファントムハイヴの頼みを頼みを受けたソーマ・アスマン・カダールが入学し、この寮に所属している。

S4 (スターライトフォー)

スフィア・ミュージックホールで人気を集めている4人のアーティスト。メンバーはかつてのP4で、ウェストン校で見せていた厳格な様子はなく、フレンドリーな様子で歌や踊りを披露し、観客たちを日夜楽しませている。メンバーたちは皆、人々を笑顔にすることを心底望んでいたが、実際はお星様およびブラバット・スカイの道具でしかなかった。 なお、グレゴリー・バイオレットだけは、ブラバットの悪行に気づいていたが、他の3人のメンバーやかつての寮弟たちに害が及ばぬよう、それを黙っていた。

ファントム社 (ファントムシャ)

イギリスの大手製菓・玩具メーカー。シエル・ファントムハイヴがCEOを務めている。資産家や成金貴族からの強力な援助と強気な事業展開、および他に類を見ない斬新な商品アイデアで急成長を遂げ、設立してからわずか3年弱でトップメーカーにまで上り詰めた。販売製品もぬいぐるみからスイーツ、携帯ゲーム機など多種多様で、幅広い客層に受けている。 また、香水の販売にはオペラ歌手のアイリーン・ディアスを宣伝塔として起用したり、大衆向けの音楽劇場であるファントム・ミュージックホールを設立するなど、幅広い分野に進出している。

ノアの箱舟サーカス (ノアノハコブネサーカス)

イギリス全土で活動している、移動型のサーカス団。ケルヴィン男爵によって拾われた孤児たちによって構成されている。さまざまな土地で公演を行い、人気を集めているが、立ち寄った場所で子供が神隠しに遭うなど、不審な噂が流れている。裏の仕事を知られた際には、住処や関係者ごと抹消することを決めており、のちにファントムハイヴ邸やその使用人たちにも襲撃を仕掛けている。

場所

ウェストン校 (ウェストンコウ)

テムズ川のほとりに学び舎を構える、イギリス屈指の名門寄宿学校。生徒たちは厳しい戒律に縛られた男子のみの寮生活と、独自のカリキュラムによる高度な教育により真の英国紳士に育つとされている。貴族たちはその輝かしいステータスを得るため、超高額な学費であるにも関わらず、こぞって子息たちをこの学校に入学させたがっている。

狼の谷 (ヴォルフスシュルト)

ドイツ南部の森の中に存在する村。ジークリンデ・サリヴァンが領主を務めている。女性しか住んでいないとされており、魔女の呪いと呼ばれる病が蔓延しているといわれている。その実態はドイツ軍が管理している実験施設。毒ガスの製造を目的としており、魔女の呪いはサリヴァンの頭脳を利用するための方便に過ぎなかった。

スフィア・ミュージックホール (スフィアミュージックホール)

ロンドンに位置する巨大な音楽施設。入場料は一切かからず、料理の無償提供やブラバット・スカイによる占いなどが行われている。夜にはスフィア・ミュージックホール独特の讃美歌に加えて、S4と呼ばれる音楽ユニットによるコンサートが開かれており、若者たちを中心に人気を集めている。しかしその実態は、コンサート中に睡眠薬で眠らせた隙に、観客の血液を秘密裏に集めるというおぞましいものであり、中には無理な採血がたたって失血死したというケースもある。 さらに、数多くの有力者の後ろ盾があるため、警察も容易には手を出せない状態が続いている。

カルンスタイン病院 (カルンスタインビョウイン)

イギリスの大病院で、リアン・ストーカーが院長を務めている。死者が蘇生するという噂があり、さらに劉の情報によると、裏社会御用達の港で大量の奴隷を買い付けているなど、非合法な人体実験が行われている可能性が示唆されている。

白鳥宮 (スワンガゼボ)

ウェストン校に存在する施設の1つ。主にP4とその寮弟たちの会合の場として利用されている。稀に優秀な生徒が直々に呼び出されることがあり、このことは一般生徒たちにとって最高の名誉であるとされる。シエル・ファントムハイヴはセバスチャン・ミカエリスの協力を得て、この場に招かれることに成功するが、モーリス・コールの策略によって大遅刻してしまい、メンバーたちの不興を買ってしまう。

ファントム・ミュージックホール (ファントムミュージックホール)

シエル・ファントムハイヴによって設立されたミュージックホール。目的は、スフィア・ミュージックホールの牙城を切り崩し、その悪行を明るみに出すため。ファントム社の新事業でもあり、S4に対抗してP5と呼ばれる音楽ユニットを結成し、スフィア・ミュージックホールから客を呼び込もうとしている。ジークリンデ・サリヴァンが開発した光の杖や声の箱などの道具を用い、スフィア・ミュージックホールにはないさまざまなパフォーマンスを実現している。

ファントムハイヴ邸 (ファントムハイヴテイ)

イギリスの郊外に構えられているファントムハイヴ伯爵家の本邸。「マナーハウス」とも呼ばれている。広い敷地と豪華な屋敷が特徴で、セバスチャン・ミカエリス以下、少数の使用人によって管理されているが、実際はほぼセバスチャン1人によって維持されている。また、「タウンハウス」と呼ばれる別邸が存在し、そちらはソーマ・アスマン・カダールとアルシャド・サディエンドラ・イヤーによって管理されている。

カンパニア号 (カンパニアゴウ)

世界一豪華と名高い客船。ブルー・スター・ライン社によって建造された。3週間の処女航海が計画されており、ミッドフォード公爵家が家族旅行としてこれを利用している。さらにこの航海が、暁学会の会合に利用されることがわかったため、シエル・ファントムハイヴやセバスチャン・ミカエリスも、これに乗り込むこととなった。 しかし、内部には秘密裏に大量の歪んだ肉人形が運び込まれており、これらが一斉に暴れ出したため、未曽有の惨劇の舞台となってしまう。

イベント・出来事

寮対抗クリケット大会 (リョウタイコウクリケットタイカイ)

ウェストン校で毎年6月4日に開催されている、クリケットの大会。4つの寮から代表を選出し、トーナメント形式で競い合う。クリケットは1つの試合にかかる時間が非常に長いため、2試合を1日で終えるための特別ルールが制定されている。この大会に優勝した寮は、後夜祭で優勝パレードを披露し、ヴィクトリア女王の姿を直々に拝むことができる。 また、この大会で活躍し、校長に気に入られた生徒1名が、特別ゲストとして真夜中のお茶会に参加する権利を得られる。

真夜中のお茶会 (マヨナカノオチャカイ)

寮対抗クリケット大会の後に行われる、校長との面会イベント。校長以外に参加資格を持つのは、副校長であるヨハン・アガレスと、生徒側ではP4とその寮弟、そして、クリケット大会において校長の目に留まる活躍をした生徒1名に限定されている。シエル・ファントムハイヴはこの会合に参加したため、校長の正体と行方不明になっていたデリック・アーデンの所在を知ることに成功している。

その他キーワード

悪魔 (アクマ)

人間とは異なる世界に住んでいるとされる異形の存在。人間をはるかに上回る身体能力と耐久力を持つ。人間の住む世界に干渉することは滅多にないが、人間から呼び出されると、何らかの行動を起こす悪魔が稀に存在する。セバスチャン・ミカエリスもそういった悪魔の1人で、シエル・ファントムハイヴとの契約により、現世にとどまり続けている。 獣のように暴れ回ることに興味はないが、契約者がそれを望んだ場合、そう演じることがあるという。

燕の翼 (シュバルベフリューゲル)

ジークリンデ・サリヴァンによって開発された舞台道具の1つ。ワイヤーを伝って宙に浮くことができる。ファントム・ミュージックホールの開演前にあらかじめP5が身に着け、まるで本当に空を飛んでいるようなパフォーマンスを見せつけて、観客たちの度肝を抜いた。

光の杖 (リヒトストック)

ジークリンデ・サリヴァンによって開発された小道具の1つ。いわゆるサイリュームで、普段はただの色付きの棒だが、暗がりの中で発光する特性を持つ。ファントム・ミュージックホールで無料配布されており、P5のコンサートにおいて観客が振ることで場を盛り上げた。

寮弟 (ファッグ)

ウェストン校に存在する制度の1つ。通常は、先輩と後輩の間に結ばれる関係で、「寮弟の時間」に、寮弟となった後輩が先輩の世話をすることになる。また、逆に先輩が、寮弟である後輩に勉強などを教えたりすることもある。なお、同年代同士で寮弟の契約をすることも不可能ではなく、ヴィンセント・ファントムハイヴは、寮対抗クリケット大会における罰ゲームとはいえ、同学年のディーデリヒ・ヴァイツゼッカーを寮弟に迎えている。

紅薔薇竜巻 (クリムゾントルネード)

寮対抗クリケット大会において、エドガー・レドモンドが披露した打法。身体を半回転させて遠心力を生み出し、その力を利用して相手のボールを打ち返すというもの。この技の強みは、威力の強い球も弱い球も、安定して遠くまで飛ばせるところにあり、紺碧の梟寮を大いに苦戦させる一因となった。

歪んだ肉人形 (ビザールドール)

死者蘇生の技術により生み出されたとされる存在。暁学会のリアン・ストーカーが秘密裏に研究していたもの。いわゆる「動く死体」というべきものだが、その行動理念は目の前に存在する生物を食らうことのみという、危険な存在。力が非常に強く、数で攻められた場合、悪魔であるセバスチャン・ミカエリスですら苦戦を強いられる。 なお、リアンは利用されていたに過ぎず、歪んだ肉人形を作り上げた黒幕は別に存在する。

王室御用達 (ロイヤルワラント)

王族が気に入った店や製品の生産者に対して、王室から与えられる称号。その称号を看板に掲げることで、大きく売り上げを伸ばすことができるという。王室御用達に認められるためには、王室に対して3年間の無償奉仕を行うことと、品評会で製品の品質を王族に認められるという、2つの条件を満たす必要がある。

猛虎龍砲万華炸裂拳 (モウコリュウホウマンゲサクレツケン)

セバスチャン・ミカエリスが使用する拳法。右手を大きく開き、突進してきた相手の力を利用しつつ、弾き飛ばすという大技。シエル・ファントムハイヴが戯れに呼び寄せた拳法家との戦いで使用し、決着の一撃としている。

死神 (シニガミ)

人の死を観測するという存在。セバスチャン・ミカエリスは「人と神の間に存在する者」と表現している。その大半は死神派遣協会と呼ばれる組織に所属しており、死を迎えた人間の魂を審査し、回収するという役割を課せられている。「リスト」と呼ばれる、近いうちに死を迎える人間が書かれたノートを持ち歩いている。実際に死を迎えた遺体を見て、「走馬燈」と呼ばれるフィルムの終りを確認すると任務は完了する。 なお、リストに書かれていない人間を殺害することは規則違反で、それを行うと重いペナルティが課せられることとなる。自殺をした人間が死神に変化するとされる。

Y

罰則の単位。ウェストン校の生徒が校則に触れる行動をとった場合などに課せられる。1Yにつき、ラテン語の詩を100回筆記させられる。罰則の重さは取った行動によって変化し、夜中に象に乗ったところで暴走させてしまい、深紅の狐寮の建物の一部を破壊したソーマ・アスマン・カダールには、5Yが課せられた。

抜けない聖剣 (ザソードインザストーン)

寮対抗クリケット大会において、紺碧の梟寮のメンバーたちが使用した打法。ボールをどこに打ってもよい、というクリケットの性質を利用した技で、地面にバットを置いて、相手のボールを受け流し、守備の少ない場所へと転がすというもの。翡翠の獅子寮が投げるボールのパワーを活かした、紺碧の梟寮らしい打法といえる。

サリン (サリン)

新種の毒ガス。ジークリンデ・サリヴァンが、ドイツ軍に騙される形で製造法を確立してしまった。「Sulivan(サリヴァン)Letzt Waffe(最終兵器)Ideal(完璧な)Nebel(霧)」の頭文字を取って「サリン」と名付けられた。サンプルを基に軍事利用が企てられるが、すべてのサンプルをセバスチャン・ミカエリスが奪取し、製造法を知るサリヴァンもシエル・ファントムハイヴに連れ出される。 さらに、サリヴァンと共に脱出したヴォルフラム・ゲルツァーを除いて軍の研究員も全滅したため、その存在は闇へと葬られた。

蜘蛛の脚 (アラクネバトッサ)

巨大な鉄製の歩行器具。ジークリンデ・サリヴァンによって開発された。その名の通り蜘蛛の脚部を模している。太ももに装着し、6つの脚をそれぞれ独自に動かすことができるため、どのような悪路も簡単に踏破することができる。現在は、自由に歩くことのできないサリヴァンにとっての必需品となっている。

死神の鎌 (デスサイズ)

死神の武器、あるいは仕事道具の鎌。死神派遣協会から支給される。見た目はただの小さな草刈り鎌で、これに不満を持つ死神が非常に多いため、許可された範囲の中で独自にカスタマイズすることを許されている。カスタマイズ先は農耕具に限定されており、グレル・サトクリフやルドガーはチェーンソー型の、ロナルド・ノックスは草刈り機型の死神の鎌を使用している。 また、科捜課に所属しているオセロは、仕事上死神の鎌を使用する機会がほぼないため、支給された当時のまま所持している。

不死鳥 (フェニックス)

暁学会の身分証明となる合言葉。「完全なる胸の炎は何者にも消せやしない。我ら、不死鳥!!」 と叫び、両腕を広げて片足立ちを行うことで、暁学会の会員と認められる。この挨拶を知らない人間は、学会に立ち入ろうとしても門前払いを食らってしまう。

断崖のタクティクス (ダンガイノタクティクス)

寮対抗クリケット大会において、シエル・ファントムハイヴが繰り出した戦術。打者にぶつかりそうな危険球をあえて投げて、相手の注意を内角高めに寄せ、その隙を外角低めの球で打ち取るというもの。かつてイギリスが実際に使用した戦法がモデルになっているが、現在は反則行為に指定されている。

戦車 (パンツァー)

ドイツ軍が秘密裏に開発していた車両型の兵器。ディーデリヒ・ヴァイツゼッカーからは「最新式の陸上装甲艦」と呼ばれている。銃などによる攻撃を一切受け付けず、主砲となる大砲は、掠(かす)めただけでも致命傷を受けかねないとされる。さらに、側面には複数の機銃が搭載されており、あらゆる角度から攻撃を行うことが可能となっている。

加速する紫煙 (パープルバーンアウト)

寮対抗クリケット大会において、チェスロックが繰り出した投法。順回転をかけたドライブボールで、バウンドした際に凄まじい推力を発揮し、低弾道のまま加速して打者の不意を突く。指先でボールに順回転をかけるのは至難の業とされており、あらゆる楽器を一瞬で弾きこなせるチェスロックだからこそ実現可能な技とされる。翡翠の獅子寮の主力メンバーをことごとく討ち取るが、ハーマン・グリーンヒルには通用しなかった。 また、試合中にこのボールを注目していたエドワード・ミッドフォードは、次の紺碧の梟寮との試合で、見事に加速する紫煙を模倣して見せている。

声の箱 (シュティンメカステン)

ジークリンデ・サリヴァンによって開発された小道具の1つ。いわゆるマイクとスピーカー。筒状の器具に声を吹き込むと、備え付けてある箱から声を増幅し、出力することができる。ファントム・ミュージックホールの後方に設置して、後ろの席にいる観客にも声が聞こえるように配慮された。

走馬灯劇場 (ソウマトウゲキジョウ)

死神の鎌で傷つけた人間から、その人生の顛末をフィルム状にして抜き取って閲覧する能力。この能力で取り出されたフィルムは「走馬燈」と呼ばれており、死んだ人間の魂を審査するにあたっての基準となる。悪魔であるセバスチャン・ミカエリスに対しても効果があり、セバスチャンを気に入っているグレル・サトクリフは、実際に彼の、およそ過去1年程度の走馬燈を見ることに成功する。 しかし、あまりに平凡だったために拍子抜けしていた。

監督生 (プリーフェクト)

ウェストン校の寮の1つを取り仕切る寮長の生徒。自前の制服を着たり、校長と面識を得ることを許されるなど、さまざまな特権を有している。生徒たちの憧れの的となっており、監督生になることはもちろん、その寮弟になることすらも、この上ない名誉であるとされる。なお、ウェストン校には寮が4つ存在するため、監督生も4人存在し、その4人をまとめてP4と呼称されている。

アニメ

黒執事 Book of Circus

女王の番犬としてイギリス裏社会の厄介事を解決するファントムハイヴ家の少年当主、シエル・ファントムハイヴとその執事、セバスチャン・ミカエリス。ある日、ヴィクトリア女王から、彼らが訪れた街々で子供らが失踪... 関連ページ:黒執事 Book of Circus

黒執事Ⅱ

時は19世紀末のイギリス。裏社会で起こった厄介事を手段を問わず解決するファントムハイヴ家。その現当主であるシエル・ファントムハイヴは、悪魔と契約を交わし、驚異的な力を持つに至る。 そしてもう一人、悪魔... 関連ページ:黒執事Ⅱ

黒執事

時は19世紀末のイギリス、名門ファントムハイヴ家はわずか12歳ながら優秀な頭脳を持つ当主のシエル・ファントムハイヴと、何事も完璧に遂行する執事セバスチャン・ミカエリスらの手腕で繁栄していた。 そんなフ... 関連ページ:黒執事

書誌情報

黒執事 既刊26巻 エニックス〈Gファンタジーコミックス〉 連載中

第1巻

(2007年3月発行、 978-4757519633)

第2巻

(2007年8月発行、 978-4757520639)

第3巻

(2008年1月発行、 978-4757521926)

第4巻

(2008年6月発行、 978-4757522916)

第5巻

(2008年10月発行、 978-4757523784)

第6巻

(2009年2月発行、 978-4757524859)

第7巻

(2009年7月発行、 978-4757526013)

第8巻

(2009年11月発行、 978-4757527362)

第9巻

(2010年6月発行、 978-4757528918)

第10巻

(2010年9月発行、 978-4757530126)

第11巻

(2011年2月発行、 978-4757531512)

第12巻

(2011年7月発行、 978-4757533073)

第13巻

(2011年12月発行、 978-4757534605)

第14巻

(2012年5月発行、 978-4757536111)

第15巻

(2012年10月発行、 978-4757537668)

第16巻

(2013年3月発行、 978-4757539280)

第17巻

(2013年8月発行、 978-4757540538)

第18巻

(2014年1月発行、 978-4757541993)

第19巻

(2014年6月発行、 978-4757543447)

第20巻

(2014年12月発行、 978-4757545236)

第21巻

(2015年5月27日発行、 978-4757546561)

第22巻

(2015年11月18日発行、 978-4757547896)

第23巻

(2016年5月27日発行、 978-4757549975)

第24巻

(2016年12月27日発行、 978-4757552074)

第25巻

(2017年5月27日発行、 978-4757553590)

第26巻

(2017年12月27日発行、 978-4757555709)

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