カラテ地獄変

カラテ地獄変

戦後の混乱期に、強盗殺人で死んだ女性の腹から生まれた牙直人が主人公。悲惨な少年時代を過ごし、狂犬のように生きる直人が、やがて空手と出会い、心身ともに成長する姿を描く。単行本によって異称があり、『新・ボディガード牙』、『カラテ地獄変・牙』とも呼ばれる。関連作品として、直人がプロボディガードとして活躍する『ボディーガード牙』(『続・カラテ地獄変』の異称あり)、直人の師匠・大東徹源の若き日の活躍を描く『新カラテ地獄変』がある。原作・梶原一騎、作画・中城健。

正式名称
カラテ地獄変
ふりがな
からてじごくへん
作画
原作
ジャンル
バトル
 
空手
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概要・あらすじ

戦後の混乱期。一軒の家に強盗団が押し入った。一家の主は殺され、妊婦である妻は絞殺されながらも、赤ん坊を産み落とす。赤ん坊は親戚に引き取られることになったが、無責任な親戚によって、途中で公衆便所に捨て去られてしまう。こうして、赤ん坊は孤児となり、孤児院で山本直人として育てられた。孤児院は、児童への官給食料のピンハネなどを目的とした施設で、直人は不当に扱われ虐待される。

しかし、生来の荒い気性でスッポンのような「かみつき」を武器に反抗を繰り返し、いつしか「牙」とあだ名されるようになる。直人が13歳のとき、深夜に保母の乳房を食いちぎって脱走するも捕まり、教護院(感化院)に入れられる。教護院で、沖縄少林拳の使い手である女子部の美少女、火之原奈美と出会った直人は、やがて空手家としての道を歩むことになる。

登場人物・キャラクター

牙 直人 (きば なおと)

戦後の混乱期、強盗殺人で殺された妊婦の腹から生まれる。悲惨な少年期の体験から、狂犬のような性格となる。ケンカではスッポンのようなかみつき攻撃を得意としたため、「牙」とあだ名され、いつしか牙直人と呼ばれるようになった。その後教護院で、沖縄少林拳の使い手である火之原美奈と出会い、空手を習得。 少年刑務所を出所後、暴力団の用心棒を務めていたときに、ゴッドハンドと呼ばれるケンカ空手の超人、大東徹源と運命の出会いを果たし、弟子となる。以後、大東徹源に命じられるままに、ニューヨーク、南米などを転々とし、大東カラテ普及に貢献。自分を鉄砲玉のように酷使する師匠・大東徹源に対しては、愛憎入り交じった複雜な気持ちを持ち続けていた。

火之原 奈美 (ひのはら なみ)

沖縄生まれの14歳。直人が収容された教護院の女子部に入所してきた美少女で直人の初恋の相手。沖縄少林拳の使い手で、瞬く間に女子部のボスになる。男子部のボスである牙直人との対決に勝利し、直人に請われ空手を教えることになる。

金城 寅之介 (かなぐすく とらのすけ)

沖縄少林拳の猛者。火之原奈美の婚約者で、奈美の父の道場の門下生。脱走した奈美を犯そうとした教護院の教官の目をえぐる。

金城 卓馬 (かなぐすく たくま)

沖縄少林拳の達人で、「拳鬼」の異名を持つ。大柄で隻腕。寅之介の兄。火之原奈美の父が、奈美の婚約者に寅之介を選んだことを不服に思う。教護院から奈美を脱走させて連れ回し、自分の女にしようと目論む。暴力団の用心棒を稼業とする。

大東 徹源 (だいとう てつげん)

牙直人の師匠。ケンカ空手と言われる大東カラテ総帥。10円硬貨を親指と人差指で折り曲げ、素手で牛を倒す超人。金城卓馬を裏切り、暴力団から追われる身となった牙直人とたまたま出会い、これを救う。直人に請われて弟子に取る。アメリカで数々の異種格闘技戦を行い「神の手」と呼ばれた。 その実績から「世界空手道連盟総本部・徹心会」を設立する。実在の空手家、大山倍達をモデルとしている。

清閑寺 雄策 (せいかんじ ゆうさく)

剣の達人。山高帽とマントが特徴。ゲイで、オカマ言葉で話す。牙直人の殴りこみにやられた他流派に雇われ、大東カラテを襲う。

芦田 (あしだ)

大東徹源の内弟子を経て、大東カラテ・徹心会の師範代となる。牙直人の兄弟子に当たる。カラテの腕は大したものだが、大東徹源や直人と違って常識人。

ガレント

リング上で人を殺した元プロレスラー。元ヘビー級ボクサーでもある。スキンヘッド、アイパッチが特徴の巨漢。「2屯ガレント」「二十人力のガレント」の異名を持つ怪物。ニューヨークで大東カラテの宣伝のため、暴れまわっていた牙直人を、ギャングに雇われて襲う。

イザベラ

ハーレムで生まれ育った不良。ムチの達人として恐れられる金髪の美女。マフィアに雇われて牙直人と敵対するが、直人と怪物ガレントの死闘を見て、直人に惚れる。

ロッコ・パオロ (ろっこぱおろ)

暗黒街のケンカ・プロフェッショナルの帝王。世界一強いストリート・ファイターを自負している。マフィアに雇われて牙直人を襲った際、直人と互角に渡り合う。のちに直人とイザベラを捕獲。イザベラを人質に、直人に地下格闘技であるケンカ・ギャンブル(賭けファイト)を強要する。

ブラッドショー

アメリカで成功したユダヤ系財閥。マフィアに誘拐された娘のルチアナの救出を牙直人に依頼する。その報酬は、大東カラテ宣伝のためのTV映画製作だったが、直人を裏切り、捨て駒として利用する。しかし、後に大東徹源と直人に詰め寄られ、約束通り、直人主演のTV映画「ザ・カラテ」を制作することになる。

リンダ・キャロン (りんだきゃろん)

マリリン・モンローの再来と言われるハリウッドの大スター。TV番組のスターである牙直人を蔑む。十字軍に襲われたところを直人に救われ、体を奪われてからは、直人に惚れて恋人になる。

集団・組織

十字軍 (くるせだーず)

『カラテ地獄変』に登場する組織。アメリカのヒッピーグループで、ハリウッド・スター相手にゆすり、たかりを行う。リンダ・キャロンに利用された恨みから、リンダ邸に潜入してリンチを加えようとする。

その他キーワード

虎翔 (こしょう)

『カラテ地獄変』の用語。大東カラテの必殺技。天高くジャンプし、相手の頭に落下して頭突きを食らわす。人体の四代急所のうちの一つである脳天を狙う、必死必殺の技である。アメリカのプロ空手重量級制覇のために、大東徹源が牙直人に授けた。

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