概要・あらすじ
食べるのが好きなサラリーマン・大原満太郎はある日、自分が失敗したカツ丼大食いチャレンジをやすやすと成功させる謎の男と出会う。ハンター錠二と名乗るその男は、大食い組織・TFF所属のプロフードファイターであった。錠二の導きで大食いの世界に興味を持った満太郎だったが、初めて出場する大食い大会において、TFFを敵視する大食い組織・OKFFの卑劣な罠にはまり、口内を負傷して惨敗を喫する。
会社を辞め、単身大食い修業の旅に出ることにした満太郎は、OKFFが開催する大規模大食い大会・喰いワングランプリの存在を知り、これに挑んでいく。
登場人物・キャラクター
大原 満太郎 (おおはら まんたろう)
食べることが趣味の、ニチブン商事総務課に勤める平凡なサラリーマンだったが、偶然出会ったプロのフードファイター・ハンター錠二にその素質を見込まれ、大食いの道に興味を抱く。初めて参加する大食い大会において、錠二たちを敵視する大食い組織・OKFFの罠にハマって惨敗したのをきっかけに会社を辞め、以後は一匹狼のフードファイターとして修業のために全国を行脚する。 食べ物を美味しく食べることを重視しており、邪道喰いを許さない。
獅子戸 錠二
後ろで束ねた金髪にウエスタンルック、サングラスがトレードマークのプロフードファイターで、かつての職業はトラック運転手。大食い組織・TFFの押しも押されもせぬNo.1であり、とんこつラーメンの替え玉20玉完食、チャーハンを15秒で完食など数々の記録を持っている。大原満太郎の素質を見抜き大食いの道に引き込んだ張本人であり、満太郎にとっては師であると同時に超えるべき目標のような存在。 必殺技は二丁喰い。
空念 (くうねん)
『喰いしん坊!』の登場人物で、修行僧をしている太った男性。他の俗世の欲は断ち切っているが、並外れた食欲だけは断つことができておらず、ある日檀家用の精進料理20人分を食べてしまうという事件を起こす。そのため、損害額の10万円を托鉢で集めるという修行を命じられた。大食いの賞金を10万円に充てようと考えていたところで大原満太郎に出会い、彼の押しかけ弟子となる。
鳥飼 飛男
大食い組織・TFFではハンター錠二、熊田軍兵衛に次ぐ実力№3であるフードファイターで、普段の職業はデザイナー。麺料理に関しては錠二に一度だけ勝利を収めたことがあるほどの実力を持ち、「麺喰いの鳥飼」の異名を取るが、パンはやや苦手。かつて引きこもりだったが、ネットでたまたま錠二の大食い動画を見たことから大食いの世界に興味を持ち、引きこもりを脱したという過去がある。
丹下 孝之介 (たんげ こうのすけ)
『喰いしん坊!』の登場人物である老年男性。ホテル・デパートなど多くの企業を傘下に持つ大商社「帝王」グループの創業者であり、元産業連合会長。戦中・戦後の飢餓時代に青春を過ごしたことから食への執着は強く、特に大食いを神事に由来するものとしてことさらに好んでいる。実業家を引退後、大食いのスポーツ化を目指し、大食い組織・TFFを設立。
遠山 響子
関西の大手私鉄・浪速鉄道グループの会長であり、かつ大食い組織・OKFF創設者であった、遠山金次郎の未亡人。現在は浪速鉄道グループおよびOKFFのトップである中年女性。丹下孝之介に誘われてフードファイトリーグの創設に奔走したことが夫を早死にさせたと思って丹下を恨んでおり、丹下の大食い組織であるTFFを潰すためOKFFを使ってさまざまな画策を行う。
犬丸 研
大食い組織・TFF所属のトレーナーで、眼鏡をかけた小太りの男性。自身は大食いに参加はしないが、大原満太郎に大食いトレーニングのメニューを作ったり、ハンター錠二の体調を整える手伝いをしたりするなど、精力的に働く。
熊田 軍兵衛 (くまだ ぐんべえ)
大食い組織・TFFの№2であるフードファイターで、ハンバーガーなどパン系の大食いが得意。当初は剛という名だったが、TFFのライバルであるOKFFの罠にはまって敗れてから軍兵衛と改名し武者修業の旅に出る。OKFF主催の大食い大会である喰いワングランプリには、OKFFの妨害を避けるために正体を隠し、覆面フードファイター・ミスターマスクマンとして参戦。
横川 安男
大食い組織・OKFFに所属するフードファイターで、本業は吉本商事のサラリーマン。得意とする邪道喰いは、ドンブリに肉まんの中身を入れ、氷水を注ぎ込んで流し込むという「ドンブリ喰い」。大原満太郎が初めて大食い対決を行った相手であり、その後も因縁の相手として満太郎の前に立ちはだかる。
富津 政 (とみづ まさ)
大食い組織・OKFFに所属し、No.1の実力と目されているフードファイター。元は堺市の零細鉄工所に勤めていた工員だったが、倒産をきっかけにスカウトされフードファイターとなった。タコを食べまくる修業によって顎が鍛えられており、ハンバーガーを重ねて押し潰したものを食い進むという邪道喰いである「万力喰い」が得意技。 OKFF内では常にトップの成績だったため、リードを奪われると脆いという精神的弱点がある。
田中 五郎
仙台出身のフードファイター。大原満太郎が参加する大食いの大会にしばしば現れては、「ずんだ餅30個、牛タン定食10人前、鮭イクラ弁当10個」という自身の記録を毎回高々と謳いあげ参戦するが、実力が大幅に不足しているので特に結果は残さず去っていく。
集団・組織
丹下フードファイター (たんげふーどふぁいたー)
『喰いしん坊!』に登場する大食いの団体。「フードファイターズ」とも。設立者は丹下孝之介で、主な所属選手はハンター錠二など。「大食いのプロスポーツ化」を謳っており、OKFFの邪道喰いには強い拒否感を示している。
大阪食い倒れフードファイター
『喰いしん坊!』に登場する大食いの団体。「フードファイターズ」とも。その名の通り大阪を本拠地にしている。主な所属選手は富津政、横川安男など。関西の大手私鉄である浪速鉄道グループの総帥・遠山金次郎によって設立されたが、その死後は未亡人である遠山響子によって仕切られている。響子の時代になってから、勝つためには手段を選ばない方針となっており、所属選手は邪道喰いも辞さない。
イベント・出来事
喰いワングランプリ
『喰いしん坊!』に登場する大食い大会。主催はOKFF。大阪各所の協賛店のうち5軒で大食いチャレンジを成功させることで出場権が得られるようになっている。優勝賞金1000万円、賞金総額5000万円。
その他キーワード
二丁喰い
『喰いしん坊!』に登場する必殺技。ハンター錠二が考案し、大原満太郎らも後に使用する。熱いラーメンなどを食べるときに主に使用される技。両手に箸を持ち、右手の箸で食べているうちに左手の箸で麺を持ち上げ冷ましておき、左手の箸で食べているうちに右手の箸で麺を持ち上げ冷ましておく、という一連の動作を繰り返すことで、高速で麺を食べることが可能になる。 余計なつゆを切ることで胃に水が溜まることを防ぐため、そうめんのような冷たい麺を食べる時にも応用が効く。
邪道喰い
『喰いしん坊!』に登場する技。大食い組織・OKFFのメンバーが使用する必殺技の総称。早く食べられる代わりに見た目や味を大きく損なうため、大原満太郎やハンター錠二たちからは批判されている。主な技に、ドンブリに肉まんの中身を入れ、氷水を注ぎ込んで流し込むという横川安男の「ドンブリ喰い」、ハンバーガーを重ねて押し潰し、まとめて口に入れるという富津政の「万力喰い」などがある。