キャット・ウォーカー

キャット・ウォーカー

かつては切れ者刑事として名を馳せた荻原朔太郎は、現在、ペット探偵社「キャット・ウォーク」を主宰する社長兼捜査員となっていた。さまざまな依頼を受けた朔太郎が、刑事時代に培った洞察力と推理力で動物たちを見つけ出す姿を描いたミステリー漫画。

正式名称
キャット・ウォーカー
ふりがな
きゃっと うぉーかー
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

高橋社長の一人娘である高橋アユの誘拐事件で厳重な警備体制が敷かれている中、荻原朔太郎は不審者と見なされ捕らえられてしまう。彼はペット探偵社「キャット・ウォーク」の社長兼捜査員として、迷い猫、星之助を捜して欲しいという依頼を受けて捜査中であった。容疑が晴れ、解放された朔太郎は地道な捜査の末に星之助を見つけることに成功。

だが、星之助が迷い込んだところには、なんと拉致監禁されたアユがいたのだった。

登場人物・キャラクター

荻原 朔太郎 (おぎわら さくたろう)

ペット探偵社「キャット・ウォーク」の社長兼捜査員を務める男性。黒髪で無精ひげを生やしており、いつもスーツを着用している。移動にはフォルクスワーゲンマイクロバスを使用している。元宇田川警察署所属の巡査部長で、敏腕刑事としてその名を知られていたが、不祥事を起こして退職。その後、「キャット・ウォーク」を立ち上げ、営業を開始した。 刑事時代にさまざまな人間を目にしてきたことが、ペット探偵としての仕事に活かされており、依頼主から持ち込まれた情報により、対象の動物がどこにいるかを瞬時に察知する能力を持つ。青汁が大好きで、ファミレスやバーでは必ず注文するほど。獣医の与謝晶とは男女の関係にあり、彼女が所有する与謝ペットクリニックの屋上にあるペントハウスを部屋として借りている。

高橋 アユ (たかはし あゆ)

黒髪ロングヘアの幼い少女。父親が社長を務める会社に恨みを持つ元社員の山本に誘拐され、拉致された。山本から暴行を受け、瀕死状態で彼が住む自宅のトイレに監禁されていた。迷い猫である星之助が山本宅のトイレに忍び込み、星之助を追っていたペット探偵の荻原朔太郎に助けられて無事保護された。

星之助 (ほしのすけ)

荻原朔太郎が依頼を受けて探すことになった迷い猫。3歳のオスの黒猫で、額に星印の傷があり、赤い首輪を付けている。朔太郎が用意した猫缶に一瞬釣られたが、捕まるまいと逃げたところで、たまたま忍び込んだ部屋のトイレに入り込んだ。そこで朔太郎が拉致監禁されていた高橋アユを発見することとなり、見事犯人逮捕に繋がる手柄を立てた。

亀田 (かめだ)

高橋アユの父親が経営する会社の元社員。黒髪で眼鏡をかけた冴えない中年男性。人事上での揉め事に際し、捨て台詞を吐いて退社しており、会社に恨みを持っている。アユが誘拐された時、500万円近い借金があり、さらに「大きい金が入る」と口にしていたので警察から真っ先に疑われた。実際はシロで、有り金のすべてで宝くじを購入しており、大金とはそれが当たったことを考えてのもの。 宝くじはすべて外れたので、一文無しになってしまった哀れな人物。

山本 (やまもと)

高橋アユの父親が経営する会社の元社員。黒髪で少しウェーブのかかった髪型をしている口髭の中年男性。アユを連れ去った真犯人で、彼女と2人きりの時は顔を見られまいと、プロレスラーのような覆面マスクを被っていた。

しんのすけ

荻原朔太郎が依頼を受けて探すことになった迷い犬。5歳のオスで、犬種はブルテリア。全体は白いが、左目にブチ模様がある。迷い犬になっていた際、サオリに拾われて、数日にわたり面倒を見てもらっていた。サオリからは「しんのすけ」と呼ばれているが、本名は「フリッツ・フォン・ルードヴィッヒ3世」。本当の飼い主からは「ルードヴィッヒちゃん」と呼ばれている。

サオリ

援交をやっているという噂の未成年の少女。外跳ねの黒髪で、セミロングくらいの長さの髪型で、とても明るい性格をしている。迷い犬であるしんのすけを拾い、行動をともにしていた。酒と暴力を振るう父親の標的にされている弟を救うため、援交で金を貯めて住むところを借りようとしていた。だがその矢先、地元のレディースに目を付けられ、金を奪われてしまう。 途方に暮れていたところで、しんのすけを保護してくれた礼だと、荻原朔太郎に大金を渡される。

しょー太郎 (しょーたろう)

サオリの援交相手の1人。黒髪で眼鏡をかけた冴えない中年男性。テクニックは今一つだが、羽振りが良いのでサオリに気に入られている。実は警察署の署長であり、未成年との援交が世間に広まれば立場が危うくなるのではないか、と荻原朔太郎に脅され、大金を支払うこととなる。

井上 アキ (いのうえ あき)

金髪ロングヘアの美女。「CLUB志帆」でホステスとして働いている。同僚のナミエの愛猫、レオナルドがいなくなったことを聞き、荻原朔太郎に依頼を持ちかけた。実は、ナミエをNo.1ホステスの座から引きずり下ろそうと企み、チンピラのサヤマを使ってレオナルドを誘拐させた張本人。ただ、根っからの悪人というわけではなく、さらったレオナルドは殺さずに、動物好きの妹に預けていた。

ナミエ

黒髪でロングヘアの美女。「CLUB志帆」でNo.1ホステスとして働いている。唯一の心の拠りどころである愛猫のレオナルドが行方不明になり、落ち込みっぱなしで、仕事も手につかない状態にある。レオナルドは井上アキの企みによって誘拐されており、のちに荻原朔太郎の手で救出され、無事手元に戻って来た。それからは平穏を取り戻す。

レオナルド

ナミエが飼っている猫。5歳のオスのアメリカンショートヘア。人見知りするが、非常におとなしい性格。サヤマに誘拐された後、井上アキの妹に預かられていたが、特に暴れる様子は見せなかった。

サヤマ

天神組に出入りしているチンピラの男性。ガリガリに痩せた体型をしている。よく4丁目のバーに出没する。井上アキに、レオナルドを誘拐してアキの妹に届けるよう依頼を受け、実行に移した。麻薬中毒でパニックを起こしやすく、何をするかわからない危険性を持っている。

与謝 晶 (よさ あきら)

与謝ペットクリニックの女性医師。ウェーブがかかったショートヘアの色っぽい美女。荻原朔太郎とは、自分が所有するクリニックの上のペントハウスを貸したり、男女の関係にあったりと、親密な仲である。クリニックの常連である菅原宅のペロが行方不明になり、菅原が落ち込んでいたため、ペロを探して欲しいと朔太郎に依頼した。

ペロ

菅原が飼っている雑種犬。15歳とかなり年老いているため少しボケている。3日前、菅原といつもの散歩コースを歩いていた際、コンビニ前の電柱にくくりつけられていたところ行方不明になった。それ以降、ずっと落ち込んでいる菅原を心配した与謝晶によって、荻原朔太郎に捜索依頼が出された。実はコンビニの配送車に紛れ込んでおり、トラックの運転手に次の店で摘み出された後、近くの河原にいるところを朔太郎に保護された。

菅原 (すがわら)

与謝ペットクリニックに通っている近所の老人。鼻の横に大きなほくろがある。妻に先立たれてから一軒家で一人暮らしをしており、愛犬のペロは彼にとって唯一の家族となっている。15年間生活をともにしてきたため、ペロが行方不明になった時には、悲しみに暮れてすっかりふさぎ込んでいた。

川端 洗次郎 (かわばた せんじろう)

ヤクザの鬼瓦組に所属する中年男性。長身で人相が悪く、自分の目的のためなら手段を選ばない危険人物。歌舞伎町の若いホストとともに姿をくらませた「アユミ」という女の居場所を突き止めるため、彼女と関わりがあると踏んで、荻原朔太郎のもとを訪れた。この時、朔太郎は不在だったが、代わりに与謝クリニックで預かっている猫を持ち帰り、引き換えに情報を提供するよう朔太郎を脅す。

甚五郎 (じんごろう)

榎本社長の飼っている5歳のオスの日本猿。野生の群れに戻りたがって脱走し、榎本社長から荻原朔太郎に捕獲依頼が持ち込まれた。とても賢いうえにすばしっこく、数々の迷い動物たちを捕獲してきた朔太郎にも大いに手を焼かせた強敵。実は甚五郎の首輪には、榎本社長の隠し財産の口座番号が記されており、捕獲依頼の主目的は首輪の方にあった。 そのため首輪と引き換えに甚五郎の身柄は朔太郎に保護され、その後、高尾根山モンキーセンターに預けられることとなった。エビフライが大好物。

榎本社長 (えのもとしゃちょう)

甚五郎の飼い主の男性。芸能プロダクションの社長を務めているが、現在は脱税疑惑が浮上している。自宅に愛人を囲って甚五郎を預けていたところ、甚五郎が脱走してしまったため、荻原朔太郎に捕獲依頼を持ち込んだ。ペットの甚五郎には首輪を付けており、そこには榎本社長自身の隠し財産の口座番号を記している。

重野 才太 (しげの さいた)

数学担当の塾講師をしている中年男性。小太りで眼鏡をかけている。講師としてはやり手で人気が高く、いくつかの塾を掛け持ちしている。受講生の頭の悪さと、自分の車に悪さをする猫に、日々ストレスを感じており、猫殺しのサイトを作って、「ザ・ジェノサイダー」として沢山の猫を虐殺してきた。その活動の中、ヤクザの鬼瓦組の組長の妻が可愛がっていたペルシャ猫を虐殺してしまい、荻原朔太郎に捕らえられる。 その後、鬼瓦組に身柄を回されて拷問されることとなる。

アキヒコ

亀太郎の飼い主の男性。小太りな体型で、髪型を七三分けにしている。3年前に購入し、家族同然に可愛がっていた亀太郎が誘拐された。警察に話しても相手にされなかったため、ペット探偵である荻原朔太郎に捜索を依頼した。10歳も離れた若い妻と結婚してともに暮らしていたが、価値観の違いや亀太郎の世話をまったくしてくれないことを理由に、半年前に離婚している。

亀太郎 (かめたろう)

アキヒコの飼っている亀。3年前に購入した、マダガスカルホシガメという希少種。アキヒコにとって大切な家族だったが誘拐されてしまい、荻原朔太郎のもとに捜索依頼が持ち込まれた。誘拐したのは、アキヒコの元妻が働いているキャバクラの常連客、国立社長。高値で売りさばくために貿易船に乗せられていたが、間一髪のところで朔太郎に救出された。

国立社長 (くにたちしゃちょう)

アキヒコの元妻が勤めるキャバクラの常連客の男性。貿易会社の社長を務めている。プライベートで船を所有しているほどの大金持ちで、家庭では家族を大切にする子煩悩な父親である。仕事でよく東南アジア方面へ行っているが、実は希少動物の密輸を行なっている。船には亀太郎以外にもオランウータンやインドガビアルなど、闇市場で高額取り引きされるような希少動物が沢山いた。 亀太郎や希少動物たちは、潜入捜査を行なった荻原朔太郎によって救出され、国立社長は匿名の通報により警察に逮捕されることとなった。

集団・組織

鬼瓦組 (おにがわらぐみ)

川端洗次郎が所属しているヤクザ組織。金にならない喧嘩はしない主義だが、鬼瓦組の会長の妻が猫可愛がりしていたペルシャ猫が、「ザ・ジェノサイダー」こと重野才太に虐殺され、妻が半狂乱となり、組を上げて犯人を探すほどに大きな事件へと発展した。のちに荻原朔太郎によって、犯人の重野が「鬼瓦組」に身柄を回され、死ぬまで拷問され続けることとなった。

場所

キャット・ウォーク (きゃっとうぉーく)

ペット専門の探偵社。かつては切れ者刑事と名を馳せていた荻原朔太郎が、不祥事を起こして刑事の仕事を退職した後に立ち上げた。朔太郎は社長兼捜査員として日夜活動している。

与謝ペットクリニック (よさぺっとくりにっく)

与謝晶が経営する動物専門のクリニック。毎日多くの動物が診察されている。スタッフは晶の他に、髪を二つくくりにした若い女性のみ。与謝ペットクリニックが1階に入っているビルの最上階では、荻原朔太郎がペントハウスを借りて生活している。

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