オーディションプロジェクトが本作の始まり
本作の始まりは「MANGAオーディション~樹林伸プロデュース~」で、天樹征丸(樹林伸)の原作を一緒に作り上げていく漫画家を発掘するオーディションプロジェクトだった。審査期間は約5か月で、イラスト審査からネーム審査、原稿審査までの3回の審査を経て、応募総数115人の中から雨宮理真が選ばれた。最終審査で提出された雨宮の原稿について、樹林は頭一つ抜けていたと話し、「主人公二人の登場シーンの重量感、バランスがよい」「作品のキモである”バディもの”をよく理解している」「ミステリー作品の面白さを左右する、犯人の描き方がダントツで素晴らしかった」などと評価した。
天才的頭脳を持つ刑事×殺人犯が「視える」高校生
鋭い洞察力と徹底した論理的思考を持つ天才刑事と、「視る」だけで殺人者を判別できる特殊な力を持った高校生。そんな正反対の凹凸バディの取り合わせが本作の魅力。どんな難解な事件でも、四鬼にはすぐに犯人がわかってしまう。しかし、犯人には完全なアリバイがあり、それを崩さないと逮捕することはできない。このアリバイのトリックを解明していくのが、天才、天草。豊富な知識、鋭い洞察力と推理力を駆使し、ロジカルに犯人を追い詰めていく。そんな一風変わった謎解きの手順が本作の見どころのひとつとなっている。
四鬼家に隠された黒い秘密
はじめは天草に協力することをよく思っていなかった四鬼。しかし、「女流棋士殺人事件」で見せた、天草の優しい一面を見て、彼にちゃんと協力することにする。そして、天草にひとつのお願いをする。それは「四鬼の母の死の謎」だった。四鬼の実家は、四鬼神流古武術の道場であり10年前に父が亡くなっている。そして5年前、母は何者かに日本刀で殺害された。四鬼神流古武術は本来は忍術の流れであり、古来「暗殺」を生業としていた可能性が高い。四鬼家にはヤバい秘密があり、四鬼の母は秘密を抱えたまま殺されたという。危険な香りがする事件だったが、好奇心を搔き立てられた天草は四鬼の頼みを引き受けた。こうして二人は、四鬼家に隠された大きな謎の解明に乗り出していく。
登場人物・キャラクター
四鬼 夕也 (しき ゆうや)
湊学院に通う17歳の高校生。黒髪長身の美少年で、四鬼神流古武術の惣領(そうりょう)。父を10年前に亡くし、5年前の殺人事件で母も失っている。人を殺した人間にまとわりつくどす黒い影が見えたり、死者の声が聞こえたりする。その特殊能力を見込んだ、警視庁の若手天才刑事の天草那月に協力を求められ、二人で殺人事件を解決していく。5年前の母の事件に疑問を持っており、天草の力を借りて真相を暴こうとする。
天草 那月 (あまくさ なつき)
警視庁捜査一課のホープで、20歳の美男子。金髪と緑がかった眼が特徴で、17歳でMIT大学院を首席で卒業。在学中に起業した企業を売却し、30億円の資産を持つ天才である。鋭い洞察力、推理力と論理的思考で事件を解決に導く。申し分のないスペックの持ち主だがお調子者で、おっちょこちょいな一面を持つ。四鬼夕也の協力を得るため、彼に接触し、100万円の家賃で四鬼家の一部屋を借り受ける。
クレジット
- 原作
書誌情報
ギフテッド 8巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2022-04-21発行、 978-4065275528)
第2巻
(2022-07-13発行、 978-4065285527)
第3巻
(2022-11-11発行、 978-4065298497)
第4巻
(2023-03-13発行、 978-4065311851)
第5巻
(2023-07-13発行、 978-4065324523)
第6巻
(2023-11-13発行、 978-4065338698)
第7巻
(2024-03-13発行、 978-4065349779)
第8巻
(2024-08-09発行、 978-4065366219)