Azalea

Azalea

正義の味方を自称する幽霊卿は、悪人だけを殺害する死のゲームを繰り返していた。そのゲームに立ち向かい、その背後に隠れた真の闇にせまっていく凄腕の女刑事、氷堂楓の姿を描いた、異能サスペンスアクション。「月刊ヒーローズ」2019年9月号から掲載の作品。

正式名称
Azalea
ふりがな
あざれあ
原作者
鳳乃 一真
作者
ジャンル
警察官・刑事・検察官
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あらすじ

第1巻

犯罪都市「ラプンツェル」で凄腕の女刑事として名を馳せる氷堂楓は、強盗に襲撃された銀行へと赴く。危険を顧みずに単身で銀行内へと突入した楓は、同僚のサポートも得て、みごとに銀行強盗の制圧に成功する。楓が数々の難事件を解決し、プライベートでは最愛の夫のアーサーと仲睦まじい新婚生活を送っていた最中に、巷では犯罪者ばかりを狙った連続殺人事件が発生していた。それは、殺害した相手に謎の刻印を刻む手口から「刻印殺人」と呼ばれた。まったく手がかりを残さない姿なき犯罪者の幽霊卿がかかわる犯罪に対し、警察上層部は及び腰な姿勢を見せるが、楓はそんな周囲の動きなどどこ吹く風で、その難事件へと挑むのだった。(EPISODE01_1。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

氷堂 楓 (ひょうどう かえで)

巨大都市「ラプンツェル」の治安を守る警察第五署刑事一課に所属する凄腕の女刑事。赤髪のショートボブで、スレンダーな体型の美女。度胸があり、思い切りのいい性格で、苦境であっても涼しい顔と堂々とした立ち振る舞いを崩さない。銃器の扱いや体術にも長(た)けており、判断力も優れている。犯人が立てこもる危険な現場に単身で踏み込み、あっさりと全員を制圧するなど、戦闘力も非常に高い。また、常人をはるかに超えた集中力を持ち、犯行現場で意識を集中することで、犯行の経緯を正確に推測できる異能の持ち主。彼女がここ 1年で逮捕した犯罪者は700件近くに達し、署内でもズバ抜けた捜査能力を誇っている。その実力の高さから、同僚からは「氷眼の女将軍」と呼ばれ、畏敬の念を抱かれている。反面、たびたび命令を無視して捜査をすることから、警察上層部の受けは極めて悪い。プライベートでは1か月前に結婚した夫のアーサーと仲睦まじく暮らしており、アーサーの前ではいつもの凛々(りり)しさが消え、一転して乙女のような態度になる。職務に没頭する仕事人間だったが、結婚後は定時で帰宅するようになった。ここ最近、ラプンツェルを騒がせている正義の殺人者、幽霊卿の事件を担当することになり、手がかりを残さない幽霊卿と、捜査を通じて知恵比べをすることになる。

アーサー

氷堂楓の夫。元バックパッカーのカメラマンの男性。長身で金髪の好青年で、明るくてきさくな性格をしている。楓とはバーで知り合って意気投合し、1か月という短期間の付き合いでスピード結婚した。昼間は街のあちこちで写真を撮影し、帰宅後は楓の夕食を作って待っている。楓とは深く愛し合っており、危険な任務に就いている楓のことを心配している。能天気に見えるが、時おり近い将来に起こる出来事を予見したかのような発言をすることがあり、楓を大いに戸惑わせている。その正体はディアナの眷属(けんぞく)で、何者かによって特殊な能力を授けられた異能力者の一人。とある任務を受け、楓といっしょに暮している。任務を超えて楓のことは大切に思っており、幽霊卿との戦いを終え、意識を失った楓を現場から救出した。

幽霊卿 (ゆうれいきょう)

正義の味方を自称し、犯罪都市「ラプンツェル」の各地で悪人を殺害し続けている謎の殺人者。性別は不明。つねにフードをかぶって顔を隠している。殺害した人間の額に刻印を施し、自らの犯行をアピールしている。極めて残虐な性格で、情報を聞き出すために犠牲者を拷問したり、単にもてあそぶために犠牲者を切り刻んで殺害することもある。大胆な犯行を繰り返しているにもかかわらず、刻印以外の証拠をいっさい現場に残さない。警察も手を焼き、さらに警察上層部が、悪人を殺害しているあいだは幽霊卿に手を出さないという方針を決めたため、捜査は遅々として進まなかった。その正体は、何者かにより強大な力を与えられた異能力者の一人で、本名は「レイモンド・マグドリア」。約30秒間時間を止められるという能力を持つ。勝者がラプンツェルのすべてを掌握するという、権力者のゲームの手駒となって、各地で殺人を繰り返していた。もともとは気弱な性格で、周りから軽んじられる卑小な人物だったが、「わが王」と呼ぶ謎の人物から強大な力を与えられ、「幽霊卿」を名乗るようになった。自らを正義の味方だと確信しており、悪党を残酷に痛めつける暴力に酔っている。楓との戦いに敗れ、アーサーによって始末された。

キーナ

犯罪都市「ラプンツェル」の警察に勤務している検視官の女性。グラマラスでセクシーな美女。大の男好きで、プライベートではヒマさえあれば男漁りをしている問題児。経験豊富な既婚者と付き合うのを好み、日々アバンチュールを楽しんでおり、友人の氷堂楓からは呆れられている。しかし検視官としての能力は高く、的確に検体の分析をして楓の捜査の手助けをしていた。

ビリー

犯罪都市「ラプンツェル」の警察第五署刑事一課に所属する刑事の男性。強面(こわもて)の巨漢で、いつもサングラスをかけている。寡黙かつ実直な性格の持つ主。優れた銃の腕を持ち、現場へ単独で踏み込む氷堂楓を、スナイパーとして後方支援している。楓の能力を高く買っており、楓が自分のような平凡な人間とは異なることを、職務を遂行する中で日々実感している。楓からの信頼も厚く、ビリー自身も楓のことを信頼している。

ノートン

犯罪都市「ラプンツェル」の警察第五署刑事一課に所属する新人刑事の男性。生真面目な性格をしている。自由奔放な氷堂楓にいつも手を焼かされており、いつもビリーに愚痴をこぼしている苦労人。一方で、楓の能力の高さは認めている。

ディアナ

正体不明の女性。美しい金髪の美女で、奔放な性格をした自由主義者。勝者が「ラプンツェル」のすべてを掌握できるという、権力者のゲームに参加している。ほかの参加者からは、ディアナがゲームに参加したこと自体をいぶかしまれている。異能力者のアーサーを眷属としており、とある目的で彼を氷堂楓のもとに送り込んだ。

ジル

犯罪都市「ラプンツェル」の警察の留置所内で仕事をしている若い女性。凄腕のハッカーだったが警察に逮捕され、司法取引に応じて警察のために働く身となった。インターネット関連の知識と技術に精通しており、氷堂楓はたびたび彼女のもとを訪れ、さまざまなアドバイスを乞うていた。楓のことを気に入り、彼女に頭を撫(な)でられるのが大好き。頭脳労働をしているため、甘いものに目がない。

ランディ

犯罪都市「ラプンツェル」を根城にする犯罪組織「プラマルタ」を取り仕切る大ボスの男性。正義の味方を自称する幽霊卿に目をつけられ、多くの部下を惨殺されたうえに、最後には別組織との取引現場に現れた幽霊卿によって殺害される。

場所

ラプンツェル

数百万を超える人口を抱える巨大都市。各地で犯罪が多発し、大きな犯罪組織が跋扈(ばっこ)する世界でも有数の犯罪都市でもある。そのため、警察組織は優秀な人材を確保し、犯罪の取締りに力を入れている。

クレジット

原作

鳳乃 一真

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