怪しいおまわりさん

本作は、とある交番に勤務する警察官たちの仕事と日常を描いたおまわりさんコメディ。ポーカーフェイスで黒いマスクを着けた芦川祥吾をはじめ、個性豊かな四人の若い警察官が主人公を務める。彼らは街の平和を守る一方で、私たちと同じように悩みや喜びを抱えている。そんな彼らの日常が、シュールなギャグを交えつつ、ゆったりとした雰囲気で綴られている。四人は年齢が近い同僚同士でありながら性格はまったく異なり、それぞれの個性がぶつかり合う会話劇や繊細な心理描写も、本作の大きな見どころとなっている。

武蔵野署公園東交番に勤務する祥吾は、同僚の井崎、新人の鈴岡、そして上司の斗賀と共に、街の日常を守っている。彼らが日々直面するのは大事件ではなく、夫婦喧嘩や未成年の補導、お年寄りの愚痴といった、事件とは呼べないような小さな出来事ばかり。そんな街の人々に振り回され、時には心を動かされながらも、祥吾たちは交番の裏で本音を漏らしつつ、目の前にある些細なトラブルや人間模様に真摯に向き合っている。

物語は当初、街のパトロールを中心に展開されるが、次第に交番での待機時間や休憩中の何気ない警察官同士のやり取りにも焦点が当てられるようになる。それに伴い、当初はただの同僚に見えた祥吾たち四人の、意外なつながりや関係性も徐々に明らかになっていく。彼らの仕事は決して派手ではないものの、市民に寄り添うその姿勢は、私たちに温かい親近感と安心感をもたらしてくれる。