あらすじ
マグロの救済とひとでの再生(第1巻)
暖かいある日、プー太郎と松村くんとリュー坊は、海の上に浮かんでいる畳の上で、ポーカーに興じていた。ワンペアしか作れなかった松村くんに対して、プー太郎は「ロイヤルストレートゴールデンフラッシュスペシャルデザート付き」という謎の役を作り上げ、すっかりご満悦。しかし、そんな彼らを遮るかのように、マグロを背負った女性の看護師が海の向こうから現われて、泳ぎながら畳の方に向かって来た。「急患です」と言いつつプー太郎達の前にマグロを放り出すと、看護師はそのまま泳ぎ去ってしまう。この突然の状況にあっけにとられていたプー太郎達だが、そんな時、置き去りにされたマグロが腹痛を訴えてくる。医者でもないプー太郎達は途方に暮れた結果、とりあえず魚屋のごとく、包丁で腹部を捌く事を決めるのだった。プー太郎はマグロの腹部から階段を発見。その階段は、マグロの体内と推測されながらも、明らかにマグロの体積以上の広さがある謎の洞窟らしき場所に続いていた。正体不明のその通路に何の疑問も抱かないまま階段を進み続けるプー太郎達。その奥にはヒトデがおり、一心不乱につるはしを振ってマグロのお腹を掘っていた。これこそがマグロの腹痛の原因だと推測したプー太郎は、ヒトデに掘削の中止を求めるが、ヒトデは海を漂っていた際に宝の地図を発見し、このマグロの体内に宝が隠されているはずだと主張する。宝と聞いて目の色を変えたプー太郎は、ヒトデからツルハシを奪い取り、マグロの体内を掘り始める。すると、中から小さな銀色の玉がいくつも発見された。真珠が見つかったと喜ぶヒトデだが、実際はパチンコ玉で、ヒトデが見つけた宝の地図は、実際はパチンコ屋のチラシだった。さらに、プー太郎が掘った勢いでパチンコ玉が彼らに向けて飛んで来て、折り悪くリュー坊の顔に命中。周囲を巻き込む大爆発を起こしてしまう。目を覚ましたプー太郎は、いつもの畳の上にいる事に気づく。そして周りを見渡すと、いつも通りの松村くんと、爆発の影響で顔を失ったリュー坊、さらに、顔以外が骨になってしまったマグロと、爆発に巻き込まれてバラバラになりながらも、再生を果たしたヒトデがいた。一同は先ほどの出来事に誰一人として言及せず、春の陽気に身を任せるのだった。
クマのいる放課後(第2巻)
ある放課後。学生ののぼるとその弟のみのるは、靴を履くために下駄箱を訪れる。すると、突如として下駄箱の陰から巨大なクマが現れた。二人は、その突然の出来事に強いショックを受ける。中でものぼるは恐怖のあまり、靴の紐を縦結びにしてしまうのだった。何とかクマをやり過ごしたのぼるはみのると別れてグラウンドや校舎を巡るが、行く先々でクマと遭遇する。しかし、グラウンドで遭遇すれば生徒会長であるたづ子の目の前でセミを凝視し、泣き虫で有名な女子学生のちえりがクマを見たと主張しても、のぼるは彼女が泣き虫である事を主張するばかり。さらにクマ対策として大きめのセメダインを用意したおぎわら先生を見ては、手が蚊に刺された事を気にする始末。結局のところ、のぼるがクマを恐れたのは最初の一度きりだった。
登場人物・キャラクター
プー太郎 (ぷーたろう)
ある時は学生、ある時は医者など様々な立場を取るクマ。どちらかというと猫に近い容姿をしている。年配の役をする際には口ひげを生やしている。
松村くん (まつむらくん)
プー太郎と仲の良い人間。頭が悪くいつも失敗ばかりしている。おかっぱ頭にほうれい線が強く出ており、老け顔。
リュー坊 (りゅーぼう)
顔が大きく、いつも呆けたように立っていることが多くしゃべらない。また、下半身には何も着けておらず、股間を常に露出させている。プー太郎や他の人から馬鹿にされているが、突拍子もない行動を取ることもある。
じいさんロボ
プー太郎が作った老人のロボット。かなり高齢の為、肩たたきなどのメンテナンスが必要だったり夜は早く寝かせたりと手がかかる。その上、腰が曲がっているため真っ直ぐに空を飛べない、ボケが進んでいるなどと弱点が多い。
ウッシーくん
プー太郎の友達の牛。顔面に傷跡があり、強面だがお姉さんからひどい扱いを受けることが多く損な役割。
お姉さん (おねえさん)
プー太郎やうっしーくんらにあるテーマに沿った内容の遊びを提唱する女性。いつも笑みを絶やさない。ウッシーくんへの当たりが強い。プー太郎のことをプータくんと呼ぶ。
ウェイター
蝶ネクタイと逆三角形のメガネに、広い額と一本飛び出た髪の毛が特徴的な男性。言葉遣いは丁寧だが、日によって接客方法を変えたり、客の注文に嫌な補足をつけたりする。
泣き虫おやじ (なきむしおやじ)
名前の通り何かと泣いてばかりいる中年の男性。鳴き声も「ひーん」と特徴的。また、電車の座席の温度を確かめたりなどと、行動自体おかしいことも多い。
車掌 (しゃしょう)
横笛を吹きながら切符を拝見するなど、奇行が目立つ電車の車掌。乳児の子供がいる。車掌以外にもうどん屋で働いていたり、強盗をしていたりする。
おでん屋の親父 (おでんやのおやじ)
プー太郎が偶に通うおでん屋台のおじさん。ギャグの為には体を張るが、60代後半という年齢のためにプー太郎から心配されることもある。
ミューくん
煙草を吸う、人の家に勝手に上り込む、所構わず糞をするなど行動に問題が多いトラ猫。人の言葉を話すが、ひねくれている。
鳥 (とり)
困った人を見かけると手を差し伸べずにはいられない性格をした親切な鳥。しかし、おしゃべりな上に役に立たないことが多いので周囲からは鬱陶しく思われている。
双子の兄弟 (ふたごのきょうだい)
顔から奇妙な髪型、海水パンツ一丁の服装まで同じの恰好をした双子の男性。お互いを「双子の兄」、「双子の弟」と呼び合っている。二人とも感覚は一般人とずれているが、兄に比べて弟はややしっかりしている。
ロジャー
壺の中に棲む蛇に似た生物。壺をこすると出てきてプー太郎の命令に「アイアイサー」と返事をして従うが、体が短い上に壺をこすり続けなれければいけないためあまり役に立つことがない。悪の科学者・敷島博士により弱点を解消したメカロジャーなるものが開発されたが、結局使いどころはない。
カラオケザル
持ち運び式のカラオケ機材を持ち、マイクは常備しているサル。常に歌いたがっているが空気が読めないため、中々歌わせてもらえない。流れのギタリスト・フォークくんとつるむことが多いが、二人でカラオケに行ってもフォークくんが歌うばかりで、自分は歌えていない。
野うさぎ (のうさぎ)
いつも幸せなことを求めており、ちょっとしたことでも幸せになれるうさぎ。あまりにも下らないことをするので周囲から呆れられることが多い。