クーロンズ・ボール・パレード

クーロンズ・ボール・パレード

作画担当の福井あしびにとって『アノナツ-1959-』に次ぐ野球をテーマにした作品。黒龍山高校の野球部を舞台に、小豆田玉緒と龍堂太央が仲間たちと共に、甲子園出場を目指す姿を描いた学園野球ドラマ。玉緒は中学生の頃から名門・白凰学院野球部にあこがれを抱いており、セレクションを受験する。しかし不合格となり、10年前に廃部となった黒龍山高校の野球部を立て直すため、それぞれの事情で野球から遠ざかっていた部員集めに奔走する。集英社「週刊少年ジャンプ」2021年11号から2021年31号まで連載。

正式名称
クーロンズ・ボール・パレード
ふりがな
くーろんず ぼーる ぱれーど
原作者
鎌田 幹康
作画
ジャンル
野球
 
学園
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全3巻完結
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頭脳派キャッチャーと天才ピッチャーの出会い

白凰学院野球部の試合を見て野球部にあこがれを抱いた小豆田玉緒は、その2年後に野球部に入部するためにセレクションを受ける。そして、セレクション中に知り合ったピッチャーの龍堂太央とバッテリーを組むことになる。玉緒は事前にセレクション参加者の特徴を分析していたため、抜群のインサイドワークを発揮して勝利を収めるものの、「頭脳で身体能力を補う選手は必要ない」という理由から不合格になってしまう。2年間の努力が無駄に終わり失意に暮れる玉緒だったが、セレクションに合格しながらも辞退した太央から、いっしょに野球をやろうと声をかけられる。そして二人は、セレクションを偵察していた黒龍山高校理事長の孫娘である黒滝かりんから、野球部の特待生としてスカウトされる。こうして玉緒と太央は黒龍山高校の野球部に入部し、甲子園を目指すべく部員集めを開始する。

宿命のライバル「白凰学院」

西東京大会に参加する白凰学院は、40回もの甲子園出場回数を誇り、「帝国」の異名を持つ強豪校。所属する選手はいずれも全国レベルの強者揃いで、特にエースピッチャーの白鳥四郎は、白凰学院理事長および白凰学院グループ総帥の息子。父親から野球の英才教育や帝王学を叩きこまれ、変化球の達人として呼ばれるほどの域に達している。白凰学院には50人もの分析班がおり、相手チームの研究や作戦立案を行っている。そのため、白凰学院が求める選手像は作戦を実行する屈強な兵士であり、頭脳で肉体を補う選手は必要としていない。なお、玉緒は白凰学院にあこがれてトレーニングを重ねていたが、現在は超えるべき壁としてとらえている。

黒龍山高校に集う異端の選手たち

黒龍山高校野球部は、かつて白凰学院と並ぶ実力を誇っていた古豪校。40年前の3年間、白凰学院に勝利して三連覇を果たして甲子園出場を決めた。その3年間の死闘は、今もなお高校野球ファンの語り草となっており、三連覇したナインは「九匹の龍(クーロンズ)」と呼ばれて畏怖されている。しかしその後、野球部は急速に衰退し、10年前に廃部の憂き目に遭う。黒龍山高校の理事長である祖父から、かつての野球部の栄光を聞いていたかりんは、40年前の強い野球部を復活させることを目指していた。彼女に特待生としてスカウトされた玉緒と太央は、ほかの高校が欲しがらないような、メインストリームからは外れた有望選手をスカウトして、白凰学院に勝てる異能チームをつくることを目標にしている。そして、「飛鷹一文字」の異名を持つ強打者の剣義鷹や、流麗な身のこなしを誇る遊撃手・椿凛乃丞をスカウトし、黒龍山高校野球部は白凰学院に匹敵するほどのチームに成長していく。

登場人物・キャラクター

小豆田 玉緒 (あずきだ たまお)

黒龍山高校野球部に所属する1年生の男子。大きい眼鏡をかけている。ポジションはキャッチャー。幼い頃からデータを解析することが大好きで、やがて卓越した洞察力と記憶力を身につける。引っ込み思案な性格で、体も小柄だが肝っ玉も小さい。座右の銘は「安全運転」。中学生の時から白凰学院野球部の強さとかっこよさに魅了され、野球部に入部するために3年計画で本格的にトレーニングを始める。そして白凰学院野球部のセレクションを受け、龍堂太央とバッテリーを組んで大活躍するものの、不合格となってしまう。捕手としては非力で肩も弱いが、インサイドワークを得意とする頭脳派で、相手チームの打者の癖を見抜いては、投手や内外野に的確な指示を出す。剣義鷹や椿凛乃丞といった、性格に問題があるものの全国レベルの実力を持つ選手を前もってリサーチしており、そのデータ取集能力は黒龍山高校野球部の部員集めにも大いに役立っている。

龍堂 太央 (りゅうどう たお)

黒龍山高校野球部に所属する1年生の男子。シルバーヘアを逆立てている。ポジションはピッチャー。明るい性格で、チームのムードメーカー的存在。変化球は投げることができないが、球速140キロを超える強いバックスピンのかかったストレートを武器にしている。田舎の養護施設の出身で、幼い頃は一人で壁投げばかりしていたが、ある時甲子園出場がかかった決勝戦を見たことがきっかけで、いつしか最高のチームメートと共に野球をしたいと考えるようになる。それからはがむしゃらに練習を重ねて剛腕を手に入れた。そして白凰学院野球部のセレクションを受け、小豆田玉緒とバッテリーを組んで大活躍して合格を果たす。だが、いっしょにプレーしたいと考えていた玉緒が不合格になったことで、野球部の入部を辞退。その後は玉緒と共に黒龍山高校野球部に入部し、部員集めに奔走して甲子園出場を目指す。

クレジット

原作

鎌田 幹康

書誌情報

クーロンズ・ボール・パレード 全3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2021-06-04発行、 978-4088826813)

第2巻

(2021-08-04発行、 978-4088827308)

第3巻

(2021-10-04発行、 978-4088827896)

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