グレートヤンキーみちるくん

グレートヤンキーみちるくん

不良だらけの高校に転校して来た女の子のようなかわいい男子の大河みちるが、持ち前のかわいさを武器に次々と猛者達を束ねていくというヤンキーギャグ漫画。秋田書店「チャンピオンクロス」2016年4月から2017年2月にかけて掲載された。

正式名称
グレートヤンキーみちるくん
ふりがな
ぐれーとやんきーみちるくん
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
関連商品
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あらすじ

第1巻

不良の楽園と呼ばれる男子校、私立京北高校の1年A組に、教師や生徒を半殺しの病院送りにしたという大河みちるが転校して来た。ざわめきたつ不良達だったが、教室に現れた転校生みちるは、お菓子作りが趣味でかわいいものが大好きという、女の子のようにかわいらしい男の子だった。1年A組を締める安原隆太は、みちるを校舎の屋上へ呼び出す。実は隆太もかわいいものが大好きで、みちるとカワイイ系の話で盛り上がれる友達になってほしかったのだ。二人を心配してクラスメイトが屋上へ駆けつけると、すっかり友達になったみちると隆太はティーパーティーを楽しんでいた。みちるはそのままみんなをお茶会に誘い、さっそく1-Aに溶け込むのだった。(第1話「襲来タイガーみちるくん」)

休日、隆太はみちると遊びに行く約束をしており、待ち合わせ場所でみちるの到着を待っていた。猫カフェに行ったり、ショッピングを楽しむ予定だが、学校では硬派で通しているみちるは、その姿を仲間に見られるわけにはいかなかった。しかし、猫カフェにはクラスメイトが先客としており、合流する事になる。そのあとも行く先々で1-Aのクラスメイト達と出逢って人数が増え、不良集団でオシャレなお店をまわる事になる。最後はなぜかみちるの要望で女性下着売り場へと向かう。実はみちるには姉がおり、オシャレのセンスがいいみちるが、姉に頼まれてブラとショーツを買いに来たのだった。(第2話「来訪ショッピンみちるくん」)

1年D組を仕切る「ウルフ」事大上敬司が、1年A組にカチ込みをかける。大上は1年生の不良トップを決める歓迎会、通称「1年歓迎会(バトルロイヤル)」で隆太に負けており、因縁の相手でもあった。大上が1-Aのドアを蹴破って教室に乱入すると、そこではみちるが手作りのケーキを振る舞い、クラスメイトの誕生パーティを開いていた。大上は隆太にケンカのタイマン勝負を申し出るが、みちるの提案で王様ゲームをする事になる。二人はすっかりみちるのペースに乗せられ、熱いハグをかわしたり、1杯のジュースを2本のストローで二人で飲んだりさせられるのだった。(第3話「激突パーティーみちるくん」)

みちると隆太は、街で八代高校の1年を仕切る「ハマの獅子」事浜氏士と鉢合わせる。浜氏は隆太が「京北のドラゴン」だと知り、二人は睨み合いから一触即発の状態となる。しかし、みちるが喧嘩じゃなくて「褒め合いっこ合戦」で勝負を決めようという無茶な提案をする。お互い一歩も引くところを見せたくない二人は、お互いを褒め合って、より相手を適確に褒めたほうが勝ち、という勝負をするハメになる。(第4話「相対ライバルみちるくん 前編」、第5話「相対ライバルみちるくん 後編」)

京北高校では体育祭が開始。参加者はみちる以外が全員ヤンキーで、競技は荒っぽく進み、負傷者が続出する。しかし、みちるがスーパーかわいいマネージャーとして活躍し、キャラクターもののばんそうこうや、巻くとハート型になる包帯で負傷者達を次々とかわいらしく治療していく。おかげで負傷者はゾンビのように競技に復帰し、体育祭は地獄絵図と化していた。1年生を締めようと考えていた3年生の実力者、鮫島修司も、みちるのかわいさにすっかり籠絡し、いっしょに競技を楽しむ始末。校庭には体育祭を楽しむみちるの笑顔が響き渡る。(第6話「体育フェスティバみちるくん 前編」、第7話「体育フェスティバみちるくん 後編」)

八代市近郊を走り場としている、超危険なバイカー集団「八岐大蛇(やまたのおろち)」。そのバイクを京北高校の1年B組の生徒が盗んだという。戦争を避けるため、隆太が代表として盗まれたバイクを返して話をつけにいく事になる。友達のピンチに駆けつけてこそ友達と、みちるも付き添うが、夜8時の待ち合わせ場所に現れたみちるはパジャマ姿ですっかり「おねむモード」になっていた。眠気に襲われたみちるは、返却予定のバイクに倒れ込み、倒れたバイクはロードローラーに轢かれてバラバラになってしまう。隆太は殺されるのを覚悟で「八岐大蛇」のメンバーがいるバーへ向かう。バイクを盗まれた大穴昆は、隆太を殴り倒す。しかしそこへみちるが、壊れたバイクの妖精の振りをして登場。大穴昆はそれを信じ、バイクを弁償する事でいちおう解決をみた。(第8話「爆音ライダーみちるくん 前編」、第9話「爆音ライダーみちるくん 後編」)

八代市の名だたる不良達に挑発的な呼び出しの手紙が届く。指定された町はずれの工場に集まる隆太、大上、浜氏のほか、「八岐大蛇」のメンバーである大穴と錦城。彼らの前に現れたのはみちるだった。それはみちるが用意した隆太の誕生日を祝うサプライズパーティーだったのだ。不良達はみちるのペースに乗せられ、椅子取りゲームやハンカチ落とし、フルーツバスケットといったゲームに参加させられる。(第10話「集合バースデーみちるくん」)

第2巻

八代市トップの不良校である京北高校と八代高校の幹部連中と、有名走り屋集団である「八岐大蛇」の数名を交えた超党派ともいえる組織が作られたという噂が、不良達のあいだで飛び交っていた。そのグループを従えて街を楽しそうに歩いているのは、小学生の女の子のような見た目の大河みちる。彼らは、それぞれがおすすめの飲食店を紹介して街を回るグルメツアー「第1回みちる会」に参加させられていたのだった。(第11話「新興グループみちるくん」)

京北高校では卒業式のあと、卒業生五人と在校生五人による勝ち抜き戦を行い、次のボスを決めるのがならわしだった。各校の実力者を入れた超党組織みちる会を立ち上げたみちるの名前は、3年幹部会のあいだでも噂になっており、みちるも在校生代表の五人の一人に選ばれていた。同じく在校生代表になった隆太や大上、3年生だったが留年して在校生代表の一員になった鮫島は、みちるを勝ち抜き戦の大将にすえ、自分達で卒業生を倒す事でみちるが闘わなくてすむようにしようと考えていた。しかし卒業生代表には、去年の跡目争いで異例の五人抜きを達成した犀原道明がおり、在校生代表の四人はあっけなく倒される。犀原対みちるの最終戦となるが、犀原とキャッチボールをしようと現れたみちるの姿に、犀原は亡き弟の面影を重ね、二人でなかよくキャッチボールをし、在校生の勝利という形で終結する。(第12話「最強グラディエートみちるくん 前編」、第13話「最強グラディエートみちるくん 後編」)

入学シーズンを迎え、京北高校では1年生のトップを決めるために、腕自慢達が一人になるまで戦い合うバトルロイヤル、通称「歓迎会」の準備が2年生達によって進められていた。しかし、新1年生達を楽しく歓迎したいみちるは、校内を花で飾り、在校生による舞台劇の披露を企画し、本物の歓迎会の準備を進めていた。入学式当日を迎え、体育館に集まった腕自慢の新1年生達は、先輩の不良達が演じる「白雪姫」の劇を見せられるのだった。(第14話「歓迎ニューカマーみちるくん 前編」、第15話「歓迎ニューカマーみちるくん 後編」)

京北高校の3年生幹部会では、新1年生達をも傘下に引き入れたみちるの存在を危険視する声が高まっていた。一方、みちるは、今月のみちる会の行先の件で仲間ともめていた。みちるは舞浜にある鼠国に行くつもりだったが、隆太は鼠国ではなく鼠海行きを希望したため両者は激突。手押し相撲や指当てゲーム、激辛ロシアンルーレットタコ焼きによる勝負が展開される。しかし、土日連チャンで両方行けばいいと解決した。(第16話「決別ファイターみちるくん 前編」、第17話「決別ファイターみちるくん 後編」)

新入生歓迎会を経て1年生をも傘下に取り入れたとして、3年生幹部はみちるをさらに危険視する。そんな事は知らず、当のみちるはみんなとハロウィンパーティーを提案、仲間の不良達にも仮装を命じる。ハロウィン当日、魔女に仮装したみちるは、思い思いの仮想をして来た不良仲間達と共に、お菓子を求めて民家を訪問してまわる。一行は、みちるを敵対視する京北高校3年連合幹部の猪山貴秀の家へも訪問。仮装した不良を連れてやって来たみちるを見た猪山は、家にカチ込みに来たと勝手に勘違いし、恐怖で失禁したすえ倒れてしまう。(第18話「仮装ハロウィンみちるくん」)

知らず知らずのうちに超不良高校の京北高校を、2年でほぼ収めつつあるみちるを、都下に名を響かせる不良が冠する最大の称号「東京四天王」扱いする者が多くなってきた。しかし、吉祥寺の超武闘派高校「六紋学園」の倉田兵吾は、みちるが四天王扱いされている事に異を唱え、軍団を連れて八代へやって来る。倉田と会ったみちるは、自分一人で吉祥寺へ出向くと話をつける。みちるの身を案じて隆太達は吉祥寺に乗り込むが、みちるはすっかり倉田と意気投合し、ティーパーティーを楽しんでいるのだった。(第19話「四天プリンスみちるくん 前編」、最終話「四天プリンスみちるくん 後編」)

登場人物・キャラクター

大河 みちる (たいが みちる)

京北高校1年A組に転校して来た男の子。小学生の女の子のようなかわいらしい見た目をしている。趣味はお菓子作りと映画鑑賞、オシャレとかわいいものが大好き。オシャレのために制服の規則がゆるい学校を探した結果、規則がゆるいというより、教師がすでにあきらめている超不良校の京北高校を選んだ。不良だらけの高校だが、いつも明るく学園生活を楽しんでおり、誰とでもなかよくなる。 喧嘩はしないが、不良を恐れる事もなく、知らず知らずのうちに不良達を友達にしてしまう魅力を持つ。近づくと赤ちゃんのような強烈なミルク臭を発する。一人称は「僕」。

安原 隆太 (やすはら りゅうた)

京北高校1年A組に在籍する男子高校生。京北高校の1年トップを決める新入生バトルロイヤルを勝ち抜き、1年の頭領を務める。不良達からは「京北の竜」「ドラゴン」と呼ばれる。硬派で通しているが、実はかわいいものが大好きで、大河みちると二人きりの時だけはカワイイ系トークを楽しむ。

大上 敬司 (おおかみ けいじ)

京北高校1年D組に在籍する男子高校生。校内の不良達からは「ウルフ」と呼ばれる。新入生バトルロイヤルで安原隆太に敗れ、そのリベンジとして1-Aにカチ込みをかけるが、大河みちるの可愛らしさに翻弄され、いつのまにかみちる会の一員となる。

浜氏 士 (はまうじ つかさ)

八代高校の1年を仕切る不良男子学生。横浜からやって来て、不良達からは「ハマの獅子」と呼ばれる。スカジャンとオールディーズが好きな16歳。オシャレとドーナッツが好きな共通点から大河みちると意気投合。安原隆太と喧嘩するために京北にやって来るが、みちるのペースに乗せられてしまう。

鮫島 修司 (さめじま しゅうじ)

京北高校3年B組に在籍する男子高校生。「鮫島派」というグループを率いる京北の実力者の一人。遠くの血の匂いを感じ取れるほど敏感な鼻を持ち、いったん切れると竜巻のように手がつけられない事から、「シャークネード」のあだ名を持つ。体育祭で下級生をシメようとするが、大河みちるに籠絡される。

錦城 秀雄 (きんじょう ひでお)

八代市近郊を走り場としている、超危険なバイカー集団「八岐大蛇(やまたのおろち)」の八人いるメンバーのうちの一人。「八岐大蛇」の四番を名乗る、金髪リーゼントでサングラスをかけた男性。仲間である大穴昆のバイクを盗まれた事から、大河みちると知り合い、のちにみちる会のメンバーとなる。

大穴 昆 (おおあな こん)

バイカー集団「八岐大蛇(やまたのおろち)」の八人いるメンバーのうちの一人。「八岐大蛇」の六番を名乗る、大柄で寡黙な男性。黒い長髪で目が隠れている。愛車を京北高校の不良に盗まれたが、バイクの妖精に扮して現れた大河みちるを信じるピュアな心を持つ。

犀原 道明 (さいはら みちあき)

京北高校最強の3年生の男子。毎年、卒業生代表と在校生代表の五人同士で勝ち抜き戦を行う京北高校の伝統行事に置いて、昨年五人抜きを達成したほど喧嘩が強い。卒業生代表となった際は、在校生代表として戦った安原隆太、大上敬司、鮫島修司らを軽々と倒した。しかし、最後の一人として現れた大河みちるに亡き弟の姿を重ね、敗れる。

湖南 犯人 (こなん はんと)

京北高校の2年生の男子。大河みちるを危険視する「京北対大河連合派」の一人。大河連合派の情報収集をおもな役割とし、みちる達の会話をよく盗み聞きして、3年生に伝える。某少年探偵漫画の犯人のように黒いシルエットのように描かれる。

猪山 貴秀 (いのやま たかひで)

京北高校の3年生の男子。3年連合の幹部。1、2年生の不良達を束ね、人気の高い大河みちるの存在を危険視している「京北対大河連合派」の一人。猪のような顔をしている。ハロウィンのイベントで、お菓子をねだるために自宅を訪ねて来たみちる一派を、カチ込みに来たと勘違いして屈した。

倉田 兵吾 (くらた ひょうご)

吉祥寺にある超武闘派高校「六紋学園」に在籍する不良男子学生。不良仲間からは「吉祥寺のパンサー」と呼ばれる。大河みちるが東京四天王扱いされている事に異を唱え、軍団を連れて八代へやって来たが、のちにみちると意気投合し、ティーパーティーをする仲になる。

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