悪の巣窟・陸山高校とナンバーズ
本作の舞台となる陸山高校は、東京にある男子校。掛け算、割り算と小学3年生までの漢字が読み書きできれば入れると噂され、中学時代の番長やチームの頭だった奴らが、毎日ケンカに明け暮れる悪の巣窟である。そんな陸山高校には、「ナンバーズ」と呼ばれる最強の10人が存在する。ナンバーズは、陸山高校の象徴でリスペクトの対象となっており、ナンバーズこそが陸山の校則である。ナンバーズに入るためには、死を覚悟してナンバーズに挑み、勝たなければならない。また、序列下位が上位に挑む際も同様で、勝てば序列の上に行くことができる。
ケンカは弱いが頭脳で頂点を目指す
陸山のNo.1は、高校2年生の隣野ツトム。40年の歴史がある陸山高校の中でも史上最強といわれる怪物である。ヤクザにさえ恐れられるツトムは誰ともつるまないが、クラスメートの矢沢アキラだけは別だった。かゆいところに手が届くようなサポートを行うアキラはツトムに気に入られ、No.2の地位を手に入れたのだ。No.2を維持するためのアキラの努力はすさまじいものである。ツトムのクセや行動パターン、好き嫌いなどあらゆることを1年間調べ上げ「ツトムノート」を完成させた他、ツトムのために毎日弁当を作り、何を聞かれても答えられるよう、新聞を隅々までチェック。さらに、最新の少年マンガ誌すべてを読み、ストーリーを語って聞かせる。今はヤンキーサラリーマン時代であり、成り上がるためにはケンカだけではなく、頭を使うというのがアキラのモットーである。そんなアキラの野望は、ツトムを利用してNo.2を維持しながら、ゆくゆくはNo.1の座に就くこと。本作は、そんなアキラの涙ぐましい努力となかなか実行されない野望をコミカルに描いたヤンキー漫画である。
ライバルヤンキー校との戦い
元No.2の留年生で現在はNo.10の藤春涼次(ジェシー)や、ケンカ30戦無敗で1年生ながらNo.9の地位にある降野真澄(ブッチ)との序列を巡る戦いを経て、アキラは二人と絆を強める。そんな陸山のナンバーズにケンカを売ってきたのが、もう一つのヤンキー校・希林高校だった。希林は、陸山より少し弱く、少し頭が良い高校といわれている。希林には陸山のナンバーズに対抗してつくられ、Aを頂点にZまで総勢26名のメンバーが存在する「アルファベッツ」という軍団がある。ジャンケンで勝ち残った「アルファベッツジャンケン選抜」と呼ばれる3名、工藤、鮫島、古川は、ナンバーズに代わっててっぺんを取るために陸山を訪れ、アキラ、ジェシー、ブッチに宣戦布告する。
登場人物・キャラクター
矢沢 アキラ (やざわ あきら)
陸山高校2年生の男子。陸山最強の10人「ナンバーズ」のNo.2。すば抜けて機転が利くため、中小企業を経営する叔父から300万円でスカウトされたこともある。中学時代は番長だったが、陸山のケンカレベルについていけず、No.1の隣野ツトムに気に入られることでNo.2の地位を手に入れる。ツトムのために涙ぐましい努力をし、どんな無理難題にも耐えて献身的にサポートしながら、いつかNo.1の座に就くという野望を抱いている。ケンカは弱いが、No.2という立場上引けないときは男気を見せ、敵に立ち向かう。
隣野 ツトム (となりの つとむ)
陸山高校2年生の男子。矢沢アキラのクラスメートで金髪のツンツンヘアーと巨体が特徴。陸山最強の10人「ナンバーズ」のNo.1。1年生の時、入学式当日に当時のNo.1で後に大関になる男を倒した。それ以来、超規格外の強さで周囲を圧倒し、ヤクザにも恐れられる霊長類最強と噂される男となった。「100人の暴走族を一人で壊滅させた」「警官を裸にして拳銃を奪った」など、伝説のエピソードは枚挙にいとまがない。







