概要・あらすじ
鴨葱千加子はケンネル所沢というペットショップで、毎日たくさんの動物たちに囲まれて生活している。チカ(鴨葱千加子)は県立西所沢高校に通う女子高生で、飼い犬のリンチンチンという名のちょっとおバカなシェパード犬にとても好かれている。リンチンチンからの一方的にも見えるアタックを、チカ(鴨葱 千加子)は徐々に受け入れ、二人はさまざまな苦難を乗り越えて人生を共にしていく。
登場人物・キャラクター
鴨葱 千加子 (かもねぎ ちかこ)
県立西所沢高校に通う2年生の少女。実家のペットショップ・ケンネル所沢でペットの世話に明け暮れ、男性との交際もままならない薄幸な美少女。男性に好意を持たれてもいつも交際には至らないが、飼い犬のリンチンチンからは非常に熱い好意を寄せられている。
リンチンチン
鴨葱千加子が飼っている、ちょっとおバカなシェパード犬。飼い主のチカ(鴨葱千加子)に対して真剣に恋をしている。人間の言葉を理解できる。チカとともに訪れた旅先の禅寺で悟りを開き、予知能力などの奇蹟を起こす能力を手に入れる。
ツルカメ
鴨葱千加子と同じ県立西所沢高校に通う女子高生で、鴨葱千加子の友達。鴨葱千加子とリンチンチンの仲良さげな様子を面白がり、冷やかすためにチカをしばしばからかっている。
山下 (やました)
鴨葱千加子に好意を持っている男子高校生。黒髪のショートカット。社宅住まいのため、犬や猫を飼った経験はない。
鴨葱 富士子 (かもねぎ ふじこ)
鴨葱千加子の母親。自分の娘であるチカよりも、飼っているペットたちのことを優先することが多い。
鴨葱 昌良 (かもねぎ まさよし)
鴨葱千加子の父親。会社勤めをしていたが転勤を命じられた際に辞職し、ケンネル所沢の手伝いを始めた。影がうすい。
シゲル
鴨葱千加子の母親鴨葱富士子の兄の息子。自分の父親のもとで獣医の2代目としてインターンで働いている。獣医だが、しばしば鴨葱千加子の風邪や怪我の治療も行っている。
橋本 (はしもと)
鴨葱千加子に好意を持っている男子高校生。県立西所沢高校の文芸部部長で、犬を飼っている。前髪をたらした髪型で、キザな言葉づかいで話す。
谷口ヒロ子 (たにぐちひろこ)
鴨葱千加子の通う県立西所沢高校の唯一のスケバン女子高生。不良の男子生徒を従えて自らも戦う喧嘩好きの少女だが、亀を大切に育てているという優しい一面を持つ。修学旅行を通じてチカと友達となる。高校卒業後にチカと再会した際は動物のトリマーになっていた。
横山 格言 (よこやま かくげん)
鴨葱千加子の通う県立西所沢高校の数学教師。メガネをかけている。生徒思いの中年教師だが、勉強合宿で自分がチカに惚れられているという勘違いをする。チカを巡ってリンチンチンと張り合うこととなる。
禅寺の住職 (ぜんでらのじゅうしょく)
鴨葱千加子とツルカメとリンチンチンが旅行先で出会った住職。リンチンチンが持つ深い悩みを見抜き、リンチンチンが悟りを開くきっかけを作った。しかし、旅人に対し一晩禅寺に泊まる宿泊料を要求したり、自分が行くあてもないときには真っ先に他人の家に居候するなど、金にがめつい性格をしている。
阿部 (あべ)
久米川駅で働く駅員。久米川駅の独身男性連合の名誉会長を務める男性。ある出来事によって、鴨葱千加子とかかわりを持つこととなる。
集団・組織
県立西所沢高校 (けんりつにしところざわこうこう)
鴨葱千加子が通っている男女共学の高校。チカ(鴨葱千加子)はツルカメや谷口ヒロ子などの友人たちと共に高校時代を過ごした。家出したチカを追って学校に侵入したリンチンチンが、餌を与える生徒たちの手によって学校の中でしばらくの間飼われていたことがある。
場所
ケンネル所沢 (けんねるところざわ)
鴨葱千加子の実家のペットショップ。チカ(鴨葱千加子)の母親である鴨葱富士子は、飼っている動物たちのノミ取りやトイレの片づけなどの日常的な雑用をチカに任せており、チカは毎日のようにこき使われている。