サイダーのように言葉が湧き上がる

サイダーのように言葉が湧き上がる

劇場版アニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』のコミカライズ作品。コミュニケーションが苦手な少年、チェリーと、あるコンプレックスを持つ少女、スマイルが出会い、交流して互いの距離を縮めていく姿を描いた青春グラフィティ。「コミックアライブ」2020年1月号から掲載の作品。

正式名称
サイダーのように言葉が湧き上がる
ふりがな
さいだーのようにことばがわきあがる
原作者
フライングドッグ
作者
ジャンル
青春
レーベル
MFコミックス アライブシリーズ(KADOKAWA)
巻数
全3巻完結
関連商品
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あらすじ

気になる少女との出会い

夏休みに入り、アルバイト先のデイサービス「陽だまり」に向かっていたチェリーは、到着早々に施設からいなくなったフジヤマを連れ戻すことをスタッフからお願いされる。フジヤマを無事に見つけ出し、陽だまりがあるショッピングモールに戻って来たチェリーは、ビーバーのトラブルに巻き込まれてスマイルとぶつかり、お互いのスマートフォンを持ち帰ってしまう。自分のスマートフォンではないことに気づいた二人は、周囲の協力もあって無事にスマートフォンを交換する。チェリーと話しているうちに自分と似ていると感じたスマイルは、チェリーが好きな俳句に興味を示し、即興で一句作ってほしいとリクエストする。詠んだ俳句や声を褒められたチェリーは、スマイルのことが気になるようになり、徐々に好意を寄せていく。

みんなで協力してレコードを探す

レコードを探しているうちに熱中症で倒れたフジヤマに代わって、チェリースマイルはレコードを探すことにした。手がかりはフジヤマがいつも持っているレコードのジャケットのみだったが、二人はレコードのタイトルやジャケット裏の写真からインターネットで検索したり、その頃を知っている人に聞いて回ったりする。そんな中、スマイルの配信でジャケットを映してリスナーに聞いたところ有力な情報が得られ、チェリーとスマイルはその場所の近くでレコードの歌手の名前が判明する。歌手の名前は「藤山さくら」で、すでに亡くなっているフジヤマの奥さんだった。スマイルはフジヤマがさくらの声を聞くためにレコードを探していたと推測する。そしてチェリーとスマイルは、フジヤマの孫・タフボーイビーバージャパンといっしょにフジヤマのレコード店にあるすべてのレコードを確認するのだった。

スマイルとチェリー、相手のことを思って行動を起こす

チェリースマイルの気持ちがすれ違ったまま、チェリーの引っ越しの日を迎える。姉妹の励ましで少しだけ元気が出たスマイルは、デイサービス「陽だまり」でフジヤマが探していたレコードを発見する。チェリーにもレコードを聞かせたいと思ったスマイルは、だるま祭りで陽だまりのメンバーが披露する踊りでレコードを流し、それを配信することを思いつく。一方、引っ越し先へ車で移動中のチェリーは、スマイルの配信開始でフジヤマのレコードを聞き、さらにタフボーイビーバーの後押しもあって車から降り、だるま祭りの会場へ向かう。会場に着いたチェリーは大勢の人が注目する中、自分の気持ちをスマイルに伝えるのだった。

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劇場版アニメ

本作『サイダーのように言葉が湧き上がる』は、2021年7月に公開された劇場版アニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』を原作としている。監督・脚本・演出はイシグロキョウヘイ、キャラクターデザイン・総作画監督は愛敬由紀子が務めている。アニメーション制作はシグナル・エムディ×サブリメイションがそれぞれ担当した。キャストは、チェリーを市川染五郎、スマイルを杉咲花、ビーバーを潘めぐみ、ジャパンを花江夏樹、フジヤマを山寺宏一、タフボーイを梅原裕一郎が演じている。

登場人物・キャラクター

チェリー

人とコミュケーションを取るのが苦手な少年。本名は「佐倉結以」で、家族以外からは「チェリー」と呼ばれている。学校には仲のいい友達もいるが、小さい頃から人と話すことにまったく興味が持てず、人前で声を出そうとすると緊張してしまう。インターネット上で「俳句とは写真のように瞬間を切り取るもの」という一言から俳句に興味を持ち、それからは短文を投稿するSNS「キュリオシティ」に思いついた俳句を投稿したり、気になった単語を俳句用の辞書「歳時記」で調べたりしている。ぎっくり腰になった母親・まりあの代わりにパート先のデイサービス「陽だまり」でアルバイトとして働いており、家族思いで優しい性格をしている。大きい音や人から話しかけられるのが苦手なため、音楽を聞いていないのにつねにヘッドフォンを耳に当てている。アルバイト中のアクシデントをきっかけに、知り合った同年代のスマイルから俳句や声を褒められ、交流していく中でスマイルに思いを寄せるようになる。

スマイル

「スマイル」という名前で、動画配信をしている少女。かつては姉のジュリ、妹のマリと共に「オレンジサンシャイン」というユニットを組んで配信していたが、二人が別のことに興味を示して配信を止めたため、現在は一人で配信を続けている。小さい頃は父親譲りの大きな前歯をチャームポイントとして気に入っていた。しかし、父親の何気ない一言で人の目を気にするようになり、今はつねにマスクで口元を隠している。ショッピングモールで動画を配信している最中に、ビーバーのトラブルに巻き込まれてチェリーとぶつかり、互いに相手のスマートフォンを持ち帰ってしまう。返却時のやり取りでチェリーと知り合って友達となり、デイサービス「陽だまり」で働くことになる。いっしょにいる時間が増えたことでチェリーのことを意識するようになり、チェリーが投稿した俳句で自分がチェリーに恋していることに気づく。

ビーバー

チェリーの友達の少年。イタズラ好きで、ショッピングモール内でよく騒動を起こしている。日本語は話せるが書けないため、練習のためにいろいろな場所に落書きをしている。チェリーがSNS「キュリオシティ」に投稿した俳句もモールの至るところに書いている。モールの屋上に作った秘密基地にジャパンとよくたむろしている。

ジャパン

チェリーの友達の男性。ショッピングモールにある中古品取扱店「ハンドオフ」で働いており、モールの屋上に作った秘密基地にビーバーとよくたむろしている。アイドルオタクで、スマイルのことも昔から知っていた。

フジヤマ

デイサービス「陽だまり」に通う老齢な男性。耳が遠いため、しゃべる声が非常に大きい。忘れたくないくらい大事なのに思い出せない記憶につながる一枚のレコードを探しており、その手がかりとなるレコードのジャケットをいつも抱えている。

タフボーイ

チェリーの知人の男性。フジヤマの孫で、名前は「靖幸」。言葉は乱暴だが、デイサービス「陽だまり」までフジヤマの送り迎えをしたり、フジヤマが経営していたレコード店を廃業する時に店の整理を手伝うなど、家族思いな優しい性格の持ち主。陽だまりのスタッフとして働くあき子に好意を寄せている。

クレジット

原作

フライングドッグ

書誌情報

サイダーのように言葉が湧き上がる 全3巻 KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉

第1巻

(2020-04-23発行、 978-4040646527)

第2巻

(2021-07-21発行、 978-4040649603)

第3巻

(2021-07-21発行、 978-4046804723)

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