気になってる人が男じゃなかった

気になってる人が男じゃなかった

作者・新井すみこの単行本デビュー作。現代の日本の高校やCDショップなどが主な舞台。陽キャなギャル・大沢あやの「推し」は、CDショップで働く黒ずくめの「おにーさん」。しかし「おにーさん」の正体は、隣の席の地味な女子、クラスメートの古賀みつきだった。とんでもない誤解から始まる、女子高生の「愛情」をめぐる物語。物語の重要な要素である往年のロックが注目され、単行本発売時には「Apple Music」「Spotify」「YouTube Music」で、二人が普段聴いている曲をまとめた公式プレイリストが公開された。作者・新井すみこのSNSにて、2022年4月10日より投稿されており、2023年4月19日にKADOKAWAより単行本1巻が発売された。niconico✕ダ・ヴィンチ「次にくるマンガ大賞2023」Webマンガ部門で1位、宝島社「このマンガがすごい!2024」オンナ編で2位に選出された。

正式名称
気になってる人が男じゃなかった
ふりがな
きになってるひとがおとこじゃなかった
作者
ジャンル
百合
 
青春
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自分のリズムを貫いた陰キャ×一人で音楽を楽しんでいた陽キャ

音楽をやっていた叔父の影響で、幼少時から洋楽ロックに親しむ古賀みつきは、小学生の頃には「自分のリズム」に出合っていた。スカートを嫌い、自分が好きなものを貫くみつきは、周囲の女子たちから孤立し、高校生の時には空気のような存在になっていた陰キャ。一方、大沢あやは、クラスでもカースト上位の陽キャだが、意外にも大の洋楽ロック好き。しかし周囲に理解者がいないため、音楽は一人で聴くもので、「自分だけのリズムは、自分だけの領域」だと考えていた。ある日あやは、みつきがバイトするCDショップを訪れた。そこで、一見対照的な2人の「リズム」がピッタリと合わさったのだ。本作は、音楽を通じて繫がった女子高生たちの友情、愛情を描いた青春ストーリーである。

誤解から始まる女子高生2人の愛情

女子高生のあやには気になる人がいた。それはときどき行くCDショップ店員の黒ずくめのおにーさんだった。スタイルがよくてミステリアスで音楽の趣味もいい。そんな「推し」のおにーさんの話をするあやの隣りの席で、地味なメガネ女子・みつきが、心臓をバクバクさせていた。じつはおにーさんの正体はみつきだったのだ。CDショップのバイト時はコンタクトを使用し、髪をまとめて黒マスクをしているため、男性だと思われ「推し」になってしまったらしい。みつきは「早く誤解を解かないと」と思いつつ、ショップであやに会うと、ついカッコをつけて口説くような言動をしてしまう。やがてあやは、みつきに電話番号を渡し、誤解が生じたまま2人の交流が始まるのだった。

気まずさ、ケンカを乗り越え深まる仲

連絡先を交換したおにーさん(みつき)とあやは、互いにプレイリストを送り合い、親交を深めていく。しかしある日、みつきが教室に忘れたスマホから漏れる音楽が、自分が送ったプレイリストの曲であることにあやが気がつく。そして、おにーさんの正体にショックを受けたあやは、みつきを避けるようになり、気まずさや怒り・悲しみなどさまざまな感情から、2人の距離は遠のいてしまう。何とか仲直りしたいと思ったみつきは、文化祭のライブでおにーさんの格好をして飛び入り参加し、あやのためだけに「Radiohead」を演奏する。そしてあやのもとに駆け寄り、あらためておにーさんと同一人物であることを告げて謝り、友達になってほしいと真正面から申し込んだ。こうしてもう一度友達になった2人は、ケンカや行き違いを乗り越えて仲を深めていく。

登場人物・キャラクター

大沢 あや (おおさわ あや)

陽キャでキラキラしている女子高生。古賀みつきのクラスメート。ふわふわのロングヘアや大きめのイヤリングが特徴。コミュ力が高いために友達が多い。男子にも人気があるが、同世代の男子には興味がない。見た目に反して音楽の趣味は渋く、ニルヴァーナやボン・ジョヴィ、ブラック・サバスなどを好む。ある日、好みのリズムに引かれて入ったCDショップで、アルバイトの「おにーさん」に遭遇。黒ずくめで大人びた雰囲気に惹(ひ)かれる。

古賀 みつき (こが みつき)

どちらかというと陰キャで地味な女子高生。大沢あやのクラスメート。メガネとセミロングの黒髪、右目下のほくろが特徴。小さい頃から往年の洋楽が好きで、周囲とはリズムが違うと感じて生きてきた。叔父が経営するCDショップでバイトをしているときは、メガネを外してコンタクトをつけている。また、髪をまとめて黒マスクをしているために中性的な外見になる。あやが、バイトをしているときの自分に恋心を抱いていることを知って困惑する。

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