概要・あらすじ
19世紀、オーストラリアの大地で明るく育ったジョージィは、母親に実の子ではなく流刑囚の子だと告げられる。自分の出生の秘密を知るために、また愛するロエルと再会するためにロンドンへ渡る。二人の兄、アベルとアーサーもジョージィを追ってロンドンに渡るが、アーサーはダンゲリング公爵にとらわれ麻薬中毒にされてしまう。
登場人物・キャラクター
ジョージィ
2人の兄とともにオーストラリアの広い草原の中でのびのびと育った。明るくおてんばな性格。髪は流れるような金髪で、瞳は翡翠の緑色。兄たちがジョージィをめぐって争い、喧嘩になったため、母親がジョージィに実の子ではなく流刑者の子だと告げて追い出そうとする。居場所をなくしたジョージィは、小さい頃から身につけていた腕輪を手がかりに、自分の出生を調べるためにイギリスに渡る。 男装をした際はジョーと名乗った。
アベル・バトマン (あべるばとまん)
ジョージィの兄。年子の弟にアーサーがいる。船乗りになるが、後に造船設計技師の助手になり船を設計するようになる。小さい頃からジョージィに想いを寄せていたため、ジョージィを探しにロンドンに渡る。
アーサー・バトマン (あーさーばとまん)
ジョージィの兄。1つ年上の兄アベルがいる。ジョージィを追ってロンドンに渡った際、港でダンゲリング公爵やアーウィンの乗った馬車にはねられ、マリアに介抱される。ケインと名乗り、ダンゲリング公爵の養子となるが、麻薬密売の事を立ち聞きしてしまい、麻薬中毒にされてしまう。
ロエル・J・グレイ
ジョージィの初恋相手。シドニー総督マニング・グレイ大佐の孫息子。プラチナ・ブロンドの髪にブルーの瞳。病弱で肌は色白く、華奢。婚約者のエリーズがいるが、妹のような感情しか持てない。エリーズとの婚約を破棄できず、ジョージィと駆け落ちする。
エリーズ
ジョージィの恋敵で、ロエルの婚約者。ダンゲリング公爵の姪で意地悪な性格。ロエルとは幼馴染で親同士の利益のため婚約したが、ロエルには愛情を抱いている。ジョージィがロンドンに来た事でロエルとの結婚を急ぐが、ロエルとジョージィに駆け落ちされてしまう。
ダンゲリング公爵 (だんげりんぐこうしゃく)
麻薬密売を財源にして富と権力、そして大英帝国をも手に入れようともくろむ。姪にロエルの婚約者ルイーズ、ケインの婚約者マリアがいる。かつて自分の財源の出どころを探ろうとしたジョージィの父ジェラルド伯に、女王暗殺計画の濡れ衣をきせて追放した。ケインを養子にする。
マリア
ダンゲリング公爵の姪。ケインの婚約者で、アーウィンという少年好きの兄がいる。自殺をはかり、地下牢に入れられたケインを、救いたい一心でジョージィに協力する。
フリッツ・ジェラルド (ふりっつじぇらるど)
ジョージィの実の父親。かつては若い貴族のリーダーで、対立するダンゲリング公爵の財源を突き止めようとして女王暗殺計画の濡れ衣をきせられてしまう。流刑になり、自分を追ってオーストラリアに渡った妻ソフィアは亡くなり、娘ジョージィは行方不明になってしまう。
母さん (かあさん)
ジョージィの育ての親で、シドニーの街はずれの農場で子供たちとともに暮らしていた。アベルとアーサーの母親で、夫を早くに病気で亡くした。ジョージィに対して厳しく、優しく抱きしめた事もない。息子たちが成長するにつれ、ジョージィをめぐって争いが起きないか案じていた。 ついに兄弟が争い、喧嘩が起きると、ジョージィに実の娘ではなく流刑者の子だと告げて追い出そうとする。
その他キーワード
腕輪 (うでわ)
ジョージィがいつも身につけている腕輪。流刑になった夫を追ってオーストラリアに渡ったものの、後に命を落としたジョージィの実の母ソフィアの形見。家紋が刻んである。ジョージィが自分の出生を調べる唯一の手がかり。