エマ

上流階級の青年ウィリアムと、身寄りのないメイドのエマが様々な困難を乗り越えて結ばれるまでを描く。19世紀イギリスの風俗、生活習慣、社会体制などが細かく描かれ時代物としての側面も持つ。『エマ』は全10巻だが、長編としてのストーリーは7巻まで。8巻以降はサブキャラクターを主人公とするスピンオフ短編の連作となる。エマとウィリアムの結婚式は10巻の最後に描かれた。

正式名称
エマ
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
ビーム コミックス(アスキー、KADOKAWA)
巻数
全11巻完結
関連商品
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あらすじ

第1巻

19世紀末のイギリス。豪商ジョーンズ家の御曹司であるウィリアム・ジョーンズは、幼い頃に家庭教師として世話になった恩師のケリー・ストウナーのもとを10年ぶりに訪れた。ウィリアムにとって、父親以上に厳しく怖い存在だった彼女の家を訪ねるのはいささか気乗りしないものだったが、そこで彼は、メイドのエマと運命的な出会いを果たす。彼女を一目見て恋に落ちたウィリアムは、手を変え品を変え、エマの気を引こうと奔走する。そんな中、ウィリアムの友人のハキム・アタワーリが、遠くインドから象に乗り、ウィリアムを訪ねてロンドンへとやって来た。自由奔放なハキムは、一週間ジョーンズ家に滞在する事を一方的に宣言し、勝手気ままな暮らしぶりに周囲を巻き込んでいく。一方のエマは、その落ち着いた様子と美しさに惹かれた数多の男性達から届く大量のラブレターに対し、断るための返事をしたためる事に時間を割いていた。同時に、ウィリアムからの好意を感じ、自分の中に新たに生まれた恋心に戸惑いながら、二人のあいだにある身分という高い壁の存在に苛まれていく。

第2巻

ウィリアム・ジョーンズから直々にデートの誘いを受け、エマは二人でクリスタル・パレスへと足を運ぶ。世界初の万国博覧会会場として建てられたクリスタル・パレスは、ガラスと鉄でできた近代建築で、世界中の美術品や熱帯植物、鳥や花など、ありとあらゆるものが集められ、地上の楽園として広く公開されていた。エマとウィリアムは、まるで世界中を旅する様にクリスタル・パレスを歩いて回るうちに、時間が過ぎるのも忘れ、閉館前の巡回をしていたスタッフに見つけられる事もないまま、閉館したクリスタル・パレスに閉じ込められてしまう。思いがけず、二人きりで夜を明かす事になったウィリアムとエマは、美しい満月の下、口づけを交わして互いの気持ちを再確認する。一方で、ケリー・ストウナーは、足を痛めた事がきっかけで、病床に臥すようになっていた。エマは、そんなケリーに、ウィリアムとの今後について不安を口にするが、ケリーは改めて、「あなたなら大丈夫」とエマの恋を後押しする。しかし、その後ケリーは急逝してしまう。もともと身寄りのないエマは、思い出があふれるロンドンを離れて自分が生まれた村へと戻る事を決意し、ウィリアムに別れを告げるためにジョーンズ家を訪れる。

第3巻

エマは、駅で知り合ったターシャと同じ電車に乗り合わせた事がきっかけで、ドロテア・メルダースの住む屋敷で、メイドとして働く事になった。同じメイドの仕事とはいえ、今まで一人で勤めて来たエマにとって、大きなお屋敷で多くの仲間といっしょに働く事はなにかと勝手が違い、戸惑う事も多かった。しかし、エマは持ち前の生真面目さで仕事をどんどん覚えていき、新しい環境の中でもその優秀さをいかんなく発揮していく。そんな中、ドロテアの娘であるイルゼ・メルダースが誕生日を迎え、お屋敷でパーティが開かれる事となった。使用人達にも慰労パーティが許されたため、ふだんのうっぷんを晴らすかのように、使用人達は一晩中羽目を外し続ける。しかしエマは、心から楽しむ事ができないでいた。エマの心の奥底には、挨拶もできないまま別れる事になったウィリアム・ジョーンズへの思いがくすぶり続けていたのである。それからしばらく経ったある日、エマはドロテアの外出に付き添う事になった。そしてそこで、メイドと二人で気ままな生活を送るオーレリア・ジョーンズという女性に出会う。

第4巻

ウィリアム・ジョーンズは、エマが姿を消してからというもの、仕事だけに目を向ける事で、自分を奮い立たせようとしていた。苦手としていた社交界にも、積極的にかかわり合うようにしたが、そんなウィリアムの様子は、誰の目から見ても無理をしているように見えた。そんな中、エレノア・キャンベルと観劇に行く事になったウィリアムは、二人きりの客席で愛の告白を受ける。彼女の気持ちに気づいていなかったウィリアムは驚き、言葉を選びつつも前向きな返事をする。後日、妹のエレノアからその一部始終を聞いたモニカ・ミルドレイクは、はっきりしない態度のウィリアムに怒りを覚え、感情の赴くままにジョーンズ家へと向かう。モニカはウィリアムを激しく責め立てるが、姉の異変に気づいたエレノアがすぐに合流した事で、モニカの思い違いが発覚。そこでウィリアムは改めてエレノアにプロポーズをする。一方エマは、ドロテア・メルダースの付き人として、数人の使用人達と共にロンドンを訪れる事になり、そこで偶然にもオーレリア・ジョーンズと再会する。オーレリアは、パーティに行く際の侍女として、エマを貸してほしいとドロテアに打診。こうしてエマは、ドレスアップしてオーレリアと共にパーティ会場を訪れる事となる。しかしそこは、ウィリアムとエレノアの婚約披露パーティだった。

第5巻

エマは思いがけずウィリアム・ジョーンズと再会し、互いの気持ちを確かめ合ったが、翌朝、現実に引き戻されて初めて、事の重大さに気づく。すべてを知ったオーレリア・ジョーンズも、二人の恋を成就させる事の難しさを説き、エマにはゆっくり時間をかけて考え解決していこうと諭しつつ、エマの思いに寄り添う。その後、ドロテア・メルダース、ヴィルヘルム・メルダース夫妻と共に、ロンドンをあとにしてハワースにある屋敷に戻ったエマは、人が変わったように笑顔が増えていた。そんなエマのもとには、ウィリアムから頻繁に手紙が届くようになり、二人は思いのたけを手紙に綴り送り合う事で、直接会えない寂しさをまぎらわせていく。そんなエマの変化にヴィークが違和感を覚え始めた矢先、ウィリアムがエマに会うため、ハワースの屋敷を訪れる。ウィリアムの姿を目にしたエマはいてもたってもいられず、彼のもとへと駆け寄って熱い抱擁を交わす。予想外の出来事に使用人達がどよめく中、ウィリアムから直接エマとの関係について話を聞いたメルダース夫妻は、この恋に関して周囲を説得する事は簡単ではないと語り出す。それでもヴィルヘルムは、階級重視の社会に対する不満をにじませ、妻と共にこの壁に立ち向かいたいと、協力を申し出るのだった。

第6巻

その日、ウィリアム・ジョーンズは、キャンベル子爵邸へとやって来た。ウィリアムの訪問を心待ちにしていたエレノア・キャンベルは心から歓迎するが、ウィリアムの目的は、エレノアとの婚約を解消する事であった。ウィリアムはエレノアの両親であるキャンベル夫妻に直接会い、謝罪したうえで婚約解消を申し出る。キャンベル夫妻は曖昧な返事でウィリアムを帰すが、後日、エレノアがジョーンズ家を訪れた際に、婚約解消話が正しく伝わっていない事が発覚。ウィリアムは、エレノアには改めて婚約解消の意向がある事を伝えるのだった。その事態にショックを受けたのはエレノアだけではなく、彼女と仲のよかったヴィヴィアン・ジョーンズは絶望し、エレノアを傷つけた事に怒り心頭のグレイス・ジョーンズは、ウィリアムを心底軽蔑する事となった。そしてウィリアムの思いは、父親のリチャード・ジョーンズにも理解されず、家族はバラバラになってしまう。同じ頃、ハワースのエマのもとに、ウィリアムを名乗る者から一通の電報が届けられる。

第7巻

キャンベル子爵の差し金による電報におびき出され、謎の男に誘拐されたエマは、見知らぬ港町でようやく解放された。命の危険から脱し、再び一人ぼっちになったエマは、幼い頃の境遇を思い起こし、新たな働き口を見つけて改めて強く生きていこうと決意する。そんな中、エマが行方不明になった事を知ったウィリアム・ジョーンズは、ハキム・アタワーリと共に、あらゆるコネクションを使ってエマを探し始める。手掛かりも乏しく捜索は困難を極めたが、そんな中、偶然にも港町でウィリアムとエマは再会。こうしてエマは無事にハワースの屋敷へと戻るのだった。その頃エマには、ウィリアムと互いの気持ちを確認し合った事で、決心した事があった。それはウィリアムといっしょになるために、彼にふさわしいレディとなるべく、ドロテア・メルダースに教えを乞う事だった。真剣なエマの表情に、彼女の願いを引き受ける事にしたドロテアは、エマを連れてオーレリア・ジョーンズのもとを訪れる。そしてエマは、女性として必要な教養や身のこなしを教わるべく、オーレリアと生活を共にする事になる。一方のウィリアムは、エマといっしょになるために、正式にエレノア・キャンベルとの婚約解消の許しを得ようと彼女のもとを訪れる。

第8巻

エレノア・キャンベルは、ウィリアム・ジョーンズとの婚約解消後、保養地に移り住み、静かに日々を暮らしていた。そんなある日、近くの海に海水浴に来ていたエレノアは迷子になってしまうが、そこでアーネスト・リーヴと出会う。彼は、エレノアが帰るための手助けをしたあと、忙しさを理由にすぐに姿をくらますが、その翌日、エレノアとアーネストは社交界のパーティで偶然に再会。強引な知り合いのおかげもあって、二人はゆっくり話をする機会を得る。しかし、エレノアの事情などなにも知らないアーネストが、学生時代の友人だとウィリアム・ジョーンズの話題を出した途端、エレノアは顔色を変えて逃げ出してしまう。翌日、海辺のカフェに出向いたアーネストは、近くの席に座っていた女性達の噂話を耳にする。それは、ウィリアムに婚約解消を迫られたエレノアの話であり、彼女達は近くに座るエレノアに、わざと聞こえるように嫌味たらしく話していたのだった。その事に気づいたアーネストは、話を遮るようにしてエレノアのもとへと向かう。そんなアーネストの誠実さを感じたエレノアは、自分自身の事を語り始める。(第1話~第2話「ブライトンの海」。ほか、4エピソード収録)

第9巻

ある日、ドロテア・メルダースとヴィルヘルム・メルダースは、イルゼ・メルダースとエーリヒ・メルダースを連れて、森に遊びに来た。そこには、エーリヒの大親友でもある、リスのテオもいっしょだった。森での散歩を楽しんだ一行は帰り支度を始めるが、テオがカゴの中から逃げ出し、飛び回る虫を追って森の中へと消えてしまう。帰りの馬車に乗ったエーリヒが、手に持ったカゴの中にテオがいない事に気づいたのは、自宅へと戻ってしまってからだった。ヴィルヘルムは、テオを森に置いてきてしまったと取り乱すエーリヒをなんとかなだめ、翌朝明るくなってから再び森へ探しに行こうと約束する。一方のテオはドングリを食べ、気のすむまで走り回り、木の上を飛び移ったりと、森の中で今まで知らなかった大自然を満喫していた。しかし夜になり、辺りが暗くなって初めて、ここが危険な場所である事を悟る。お屋敷の中しか知らないテオは、鳥に襲われそうになりながら、安全な場所を探して夜を明かす事となる。(第7話「エーリヒとテオ」。ほか、5エピソード収録)

第10巻

20世紀初頭。イギリスでは、新世紀の幕開けを迎えた。長きにわたったヴィクトリア女王の治政も終わり、生活のあらゆるものが、人の手から機械へと移り、急速に近代化が進んでいった。そんなある日、エマオーレリア・ジョーンズと共に、ロンドンのジョーンズ家へと向かっていた。リチャード・ジョーンズは未だエマに会う事をせず、ウィリアム・ジョーンズとエマの結婚を許してはいなかったが、ウィリアムは結婚に踏み切る事を決断。二人の結婚を祝福するため、インドからはハキム・アタワーリが飛行機で駆けつけ、ハワースからはドロテア・メルダースとヴィルヘルム・メルダースが子供達と共に訪れ、ターシャを筆頭にメルダース家の使用人達もジョーンズ家に勢揃いする。ウィリアムの弟妹の中でも、グレイス・ジョーンズアーサー・ジョーンズ、ヴィヴィアン・ジョーンズは、今日この日を迎えてもなお、メイドだったエマの事を受け入れきれずにいたが、それでも二人の結婚を認めようとする努力を見せる。どうにか自分を受け入れようとしているジョーンズ家の家族に感謝しつつ、エマはウィリアムと教会で結婚式を挙げるのだった。(第18話~第20話「新しい時代」。ほか、5エピソード収録)

登場人物・キャラクター

エマ

イギリスの寒村に孤児として育ち、幼児にのとき誘拐され、浮浪児となったために姓はない。15歳で路上生活をしているところをストウナー夫人に拾われ、メイドとして徹底した教育を受ける。ストウナー夫人の身の回りいっさいの世話をしてきたため、メイドとしての能力は極めて優れている。エマの近視に気付いたストウナー夫人が買ってくれた眼鏡が宝物。 この時代、この階級で眼鏡をかけた女性は非常に珍しい。控えめな性格だが、ウィリアムとの恋を貫く激しさも併せ持つ。

ウィリアム・ジョーンズ

『エマ』の主人公の恋人。豪商ジョーンズ家の跡取りで、名門パブリックスクールイートン校卒のエリート。恩師の家のメイド・エマと恋をし、家族の猛反対にあう。一度は諦め、子爵令嬢と婚約し上流階級の一員として生きようとするが、エマと再会して恋を貫く決心をする。アメリカに連れ去られたエマを探し当て、ためらうエマと、反対する周囲を説得し、ついに結婚にこぎつける。

ケリー・ストウナー

ウィリアムの元家庭教師でエマの主人。非常に厳格な女性で、ウィリアムは苦手としていた。浮浪児のエマを拾って教育する優しさも併せ持つ。二人の恋に理解を示すが、ほどなく病没。

ハキム・アタワーリ

インドのマハラジャの王子。幼時に商用で父とインドを訪ねたウィリアムと知り合う。ロンドンに象を連れて来たり、まだ珍しかった飛行機で乗り付けたりと、突飛な行動でウィリアムを困惑させるが、エマに好意を持ち、二人の恋の理解者でもある。

リチャード・ジョーンズ

ウィリアムの父で、ジョーンズ家の当主。社交界では財力はあるが爵位のない成り上がり者と蔑まれてきたため、ウィリアムに貴族との縁組みを勧める。もちろんメイドとの結婚など言語道断と思っている。

エレノア・キャンベル

ウィリアムの縁談相手で、キャンベル子爵令嬢。政略的な縁談ながら、純粋にウィリアムを慕っている。

ドロテア・メルダース

イングランド郊外に屋敷を持つドイツ人貿易商の夫人。汽車で乗り合わせたエマをメイドとして雇う。外国人らしく、イギリス上流社会のしきたりにとらわれない闊達な人柄。

オーレリア・ジョーンズ

ウィリアムの母。ロンドンの社交界になじめず、転地療養と称して田舎に引っ込む。近所に越して来たドロテアと親しくなり、エマと知り合う。普段はミセス・トロロープと呼ばれている。

キャンベル子爵

エレノアの父で、貴族意識に凝り固まった傲慢な人物。成り上がりのジョーンズ家から婚約破棄された怒りで、手下を使ってエマを攫い、アメリカに追いやる。

グレイス・ジョーンズ

ウィリアムの妹でジョーンズ家の長女。別居中の母に代わり、兄や多くの弟妹の心配をする優しい女性。エレノアの友人でもある。

ターシャ

メルダース家のメイド。汽車でエマと乗り合わせ、意気投合。メルダース家への就職を世話してくれる。慌て者のダメメイドだが、エマの親友を自認し、心から心配してくれる。

アル

ストウナー夫人の亡夫の親友で、ロンドンの下町に住む修理工。ストウナー夫人とエマの生活を見守って来た。ストウナー夫人の死後もさりげなく墓を守っている。

アーサー・ジョーンズ

ウィリアムの弟。名門パブリックスクールイートン校の優等生。クールで真面目な性格。兄の行動には常に批判的な態度をとる。

スティーブンス

ジョーンズ家の忠実な執事。父も祖父も代々執事としてジョーンズ家に仕えた。

ベア

「ルース&ベアー」という店を経営する男性。新聞の私信欄に、本名を隠してベアと名乗り、S・Bというあて宛名でお祝いの言葉を掲載した。それは、自分が昔執事として働いていたお屋敷の坊ちゃんである「ステファン・ボロアー」宛であり、彼が読んでくれるか、仮に読んでも気づくかどうかもわからない状態での掲載だった。しかし後日、同じ新聞の私信欄にステファン・ボロアーからのお礼の言葉が掲載された。

ソフィア・ブラッドフォード

エレノア・キャンベル、モニカ・ミルドレイクの姉であり、ブラッドフォード伯爵を夫に持つ伯爵夫人。妹を異常なほど溺愛しているモニカとは対照的で、妹達に対してはかなりドライな印象を持つ。

ジェシー

上流階級のお屋敷で、メイドを務める女性。慈善家として名を成す事を目的の一つとして、自宅を訪ねて来る恵まれない子供達に、人からよく見える場所を選んで施しを続ける主人に、思うところがある。彼女は、まだ生きていく事に苦労していた幼少期のエマに、仕事と食事を提供して彼女を飢えから救った。

ヴィヴィアン・ジョーンズ

ウィリアム・ジョーンズ、グレイス・ジョーンズの妹で、リチャード・ジョーンズとオーレリア・ジョーンズの娘。基本的に思った事は何でも口に出すタイプ。少しわがままな性格で、自分の思ったようにならないと機嫌が悪くなる。エレノア・キャンベルを実の姉以上に慕っているため、ウィリアムとエレノアの結婚を心待ちにしている。そして、将来二人のあいだに生まれるであろう子供が自分の妹になると勘違いし、誰よりも楽しみにしている。そのため、婚約が破談になった事で絶望する。エマが身分を超えてウィリアムといっしょになろうとしている事を受け入れられない。大人っぽいロマンスにあこがれており、ロマンス小説にはまっている。

マーサ

オーレリア・ジョーンズのもとでメイドを務める老婦人。オーレリアがジョーンズ家に嫁ぐ前から、オーレリアの実家でメイドを務めていたかなりの古株。オーレリアがロンドンのジョーンズ家を出て、今の住処で暮らすようになってから、再びオーレリアに仕えるようになった。

ポリー

ハワースにあるメルダース家で、メイドを務める女性。おしゃべりでミーハーな性格をしている。何でもかんでも知りたがり、すぐに首を突っ込もうとする。とある休日に、メイド仲間のアルマと買い物に行く事になり、ほかのメイド達から大量のおつかいを頼まれ、大変な思いをする。

エーリヒ・メルダース

ドロテア・メルダースとヴィルヘルム・メルダースの息子で、イルゼ・メルダースの兄。家ではいつもリスのテオをかわいがっている。おとなしくて引っ込み思案な性格で、トイレに行きたいという意思表示すら、恥ずかしくてなかなか言えない。ドイツ語しか話せないため、家の使用人達の中でも意思の疎通が図れる者は限られる。比較的年齢の近いヴィヴィアン・ジョーンズを慕っており、性別を超えて魚釣りをいっしょに楽しむ仲。

トーマス・ラムゼイ

アーサー・ジョーンズ、ヘンリー・ブレストンと同じ寄宿学校に、入学して来たばかりの新入生の男子。登校初日から、規定の帽子をかぶらずに登校したり、上級生のいう事を聞かないなど、規則違反が多く、悪目立ちしている。我慢する事を知らず、つねに反抗的な態度を取り続ける。何に対しても厳しく律しようとするアーサーを次第に毛嫌いし始めて、許容範囲の広いヘンリーにべったりとなる。

リオ

ターシャの弟の一人。現在は両親と弟妹と共に実家で暮らしている。実家の近所にあるマレットの店で店番や配達などを手伝い、働いて家計を助けている。現状は手伝いだが、マレット夫妻は将来的に自分達の代わりに店を継いでほしいと考えており、リオ自身も店を継ぎたいと考えている。

ヘンリー・ブレストン

アーサー・ジョーンズと同じ寄宿学校に在籍する男子生徒。アーサーと共に、監督生に任命された成績優秀者。上級生からの人望も厚く、下級生を引っ張っていく指導力も持ち合わせている。アーサーとは仲がいいが、ライバル関係にあり、つねに切磋琢磨する仲。スポーツは主にクリケットを得意としており、厳しいアーサーとは対極的で、なんだかんだと甘い顔をしがちなところがある。

ダグ

ケリー・ストウナーの夫。つねに前向きな明るく楽天的な性格で、物事の多くを深く考えないタイプ。ケリーが大好きで、特に彼女の気の強いところに惹かれて結婚に踏み切った。仕事熱心だが、あまりお金に余裕がない生活を送っており、妻に楽をさせられない事に引け目を感じている。万博の行われているクリスタル・パレスに、妻を連れて行ってあげたいと考え、その入場料金二人分を捻出しようと奔走する。その後1年ほどではやり病に倒れ、若くしてこの世を去った。

アメリア

ルイーズ・ミラーの家でメイドを務める背の高い女性。猫アレルギーを患っているため、猫が近くにいるとくしゃみが出る。ルイーズの初舞台を見に行った際、となりの客が彼女の歌に対して暴言を吐いたため、ケンカになって大騒ぎを起こした事がある。そのため、それ以来ルイーズの舞台を見に行く事はやめた。

アーネスト・リーヴ

ケンブリッジのキングス・カレッジに在籍中の男子大学生。正義感が強く真っ直ぐな性格の持ち主。夏休み中、海水浴に訪れた先でエレノア・キャンベルと出会った。その後、社交界のパーティで再会した際、知り合いであるジョーンズ家の話を話題にした事で、一旦はエレノアから敬遠されてしまう。後日、噂話からエレノアとウィリアム・ジョーンズの婚約解消について知る事となり、エレノアの心に寄り添う対応をみせた。それにより、エレノアとの心の距離が縮まり、彼女が前向きになるための一助となった。

ネッド

ターシャの末の弟。現在は実家で家族といっしょに暮らしており、主な仕事は家畜のニワトリの世話。さまざまな工夫を凝らしてニワトリを育てており、時には卵を売りに町に出る事もある。いつかお金を貯めて自分の店を持つ事を将来の夢としている。

ジョセフ

ターシャの兄。現在は両親と弟妹と共に実家で暮らしているが、近々結婚を予定している。漠然と結婚を考えていた時に知人から6歳年下の女性を紹介され、好みだった事もあり、結婚に踏み切る事にした。

アルマ

ハワースにあるメルダース家で、メイドを務める女性。とある休日に、メイド仲間のポリーと買い物に出かける事になり、ほかのメイド達から大量のおつかいを頼まれた彼女に付き合う事になる。基本的に買い物にはあまり興味がない。ドイツ出身で、メイド仲間のアデーレと仲がいい。

ハンス

ハワースにあるメルダース家で、フットマンを務めるドイツ人男性。感情を顔に出さないタイプのため、いつも仏頂面。しかし、なぜか子供には好かれやすい。高身長でソース顔のハンサムながら、決まった恋人はいない。最近突然仲間入りした、メイドのエマに対して、得体のしれないものを感じ、不信感を持っている。ドロテア・メルダース、ヴィルヘルム・メルダースのロンドン行きに同行して以降、エマに対する不信感はさらに増していく。

ヴァイオレット・グレイ

キャンベル子爵の愛人である高級娼婦。「椿姫」の主人公「ヴィオレッタ」に名前が似ている事から、道を踏み外した女性を意味する「トラヴィアータ」という名で彼女を呼んで揶揄する者もいる。キャンベル子爵以外の男性と関係を持っていた事が公になってからというもの、娼婦として生きづらくなるが、その後の彼女をかわいがった老紳士からの誘いを受け、後にフランスへと移住する事になる。

アデーレ

ハワースにあるメルダース家で、メイドを務める女性。メイド長として大勢いるメイド達を束ねる役割を担っており、新しく入って来たエマの教育担当も務めた。シャープな顔立ちの美人で、余計な事への介入を嫌うクールビューティー。恋愛や結婚よりも、今の生活が大切と考える。几帳面で生真面目なところがあり、何事にも完璧を求める性格。一方で、酒やたばこも嗜む意外性も持っている。

ジョージ

実力派の男性オペラ歌手。近々ルイーズ・ミラーと結婚する事が決まっているが、まだ誰にも打ち明けていない。大柄で明るく、気の優しい性格をしている。アレン・バージェスとは、幼い頃からいっしょに歌を学び、舞台で歌う事を目指して切磋琢磨した仲。

エドナ

レストランで料理長を務める女性。料理の前で人はみんな対等であるという考えを持っている。以前、勤めていた屋敷でコック長を務めていたダリモアが、突然店を訪れたため、得意料理を振る舞った。店の宣伝を新聞広告の掲載する事にはもともと反対だったが、実際に掲載された広告を見て、尊敬するダリモアが食べに来てくれた事に、緊張感を感じつつも喜んだ。

ルイーズ・ミラー

最近人気の女性オペラ歌手。歌は好きだが、歌手としてホールで歌う事は引退したいと考えている。猫好きで、もともとたくさんの猫を飼っていたが、忙しさとメイドがアレルギーを患った事が原因で、猫を飼えなくなり、我慢している。ジョージに思いを寄せており、近々結婚を予定しているが、まだ誰にも打ち明けていない。

アレン・バージェス

年上の女性に人気のある男性オペラ歌手。特に貴族の奥様方に人気があるが、本来はそういう人への対応があまり得意ではないが、出資者を粗末に扱うわけにはいかないと、努力して相手を務めるようにしている。以前からルイーズ・ミラーに思いを寄せており、今回の講演が終わったら、思いを打ち明けようと考えている。ジョージとは、幼い頃から歌手を目指して切磋琢磨した仲。

ナンシー

ターシャの妹。現在は実家で家族といっしょに暮らしており、台所で母親の手伝いをするのが主な仕事。特に洗い物を得意としている。口が達者で、子供ながらに美容に興味を持っているかなりのおませさん。自分が将来美人になるはずと予想し、女優になりたいと言ってみたり、タイピストに興味があったりとさまざまな事に興味を抱いているが、基本的にはあまり深く考えていない。ただし、メイドにだけは絶対なりたくないと思っている。

アニー

キャンベル家でメイドを務める女性。主にエレノア・キャンベルの身の回りの世話をする侍女として働いている。なにかと気まぐれなところがあるエレノアには、振り回される事も多く、日常的な気苦労は絶えない。しかし、のちにウィリアム・ジョーンズとの婚約解消で傷心したエレノアが、一人で保養地に行く事になった際には、自らがエレノアと共に行く事に名乗りをあげた。

アンディ

ターシャの弟の一人。現在は実家で家族といっしょに暮らしており、実家近くのレイノルズ家でページボーイとして働いている。金ボタンの付いた制服や、ピカピカの靴がお気に入り。馬車に乗って主人にお供する事もあり、将来的にはフットマンになりたいと考えている。

コリン・ジョーンズ

ウィリアム・ジョーンズ、グレイス・ジョーンズ、ヴィヴィアン・ジョーンズの弟で、リチャード・ジョーンズとオーレリア・ジョーンズの末の息子。口数が少なく、甘えん坊ですぐ泣いてしまうが、聞き分けはいい。絵を描く事が大好きで、描いた絵を見てもらおうと、忙しい兄や姉達について回るも、理不尽にも後回しにされ続ける事も少なくない。イルゼ・メルダースと年齢が近い事もあり、仲がいい。

ヴィーク

ハワースにあるメルダース家で、使用人達を統括している初老の女性。使用人を採用する際の面接や、必要経費の割り振りなど、仕事を円滑に進めるためのマネジメントを行い、メルダース家の管理全般を担っている。つねに厳しい目線で、物事を公平に見ているが、使用人達からは恐れられる存在。

オドネル

長い口ひげを蓄え、不気味な雰囲気を漂わせた人さらいの男性。キャンベル子爵からの密命を受け、ウィリアム・ジョーンズの名前を語ってエマを呼びだし、誘拐した。深夜に呼び出したエマを、動きを制止して誘拐したうえ、ウィリアム宛に二度と会わないという内容の手紙を書かせ、港町まで連れて行った。

ロバート・ハルフォード

ウィリアム・ジョーンズの友人の男性。ウィリアムがエレノア・キャンベルと婚約を解消した事により、キャンベル家がジョーンズ家と縁を切ると宣言したため、心配してウィリアムのもとを訪れた。実家はもともと軍人の家系である事を持ち出し、なにがあってもジョーンズ家との付き合いをやめる事はないと、ウィリアムを元気づけた。

イルゼ・メルダース

ドロテア・メルダースとヴィルヘルム・メルダースの娘で、エーリヒ・メルダースの妹。おとなしく、引っ込み思案な性格の5歳児。ドイツ語しか話せないため、家の使用人達の中でも意思の疎通が図れる者は限られる。絵を描く事が大好きで、同じ年頃のコリン・ジョーンズとは、気が合って仲がいい。

ヴィルヘルム・メルダース

ドロテア・メルダースの夫。ドイツからイギリスのハワースに移住して来た貿易商を営む男性。イギリスの階級重視社会に不満を感じており、思うところがある。ふだんから感情が顔に出ないタイプで、怖い人だと思われがち。そのため、妻からの提案で口ひげを生やすようになった。外見に反し、心優しくて礼儀に厳しい。妻のドロテアには心底惚れぬいているが、黒髪が好きだとはぐらかしつつ、本心を見せようとしない。

フレデリック・ミルドレイク

モニカ・ミルドレイクの夫。家を出ていったまま戻って来ない妻モニカに、帰って来てほしいと願っているが、妻には強く言えないでいる。温和な性格ながら、空気が読めないタイプ。つねに自分の都合のいいように解釈するため、どんな事にも簡単には屈しない強靭な精神を持っていると思われがち。しかし実際は、つねに考えが足りていないだけで、頭が悪い。

アニメ

英国戀物語エマ 第一幕

イギリスの階級社会においてメイドと当主の身分の差を軸に、それぞれの生活の中でそれぞれの恋心を育んでいく。メイドのエマと貿易商人の跡取り息子ウィリアム・ジョーンズが身分の差を乗り越えながら歩み寄っていく... 関連ページ:英国戀物語エマ 第一幕

英国戀物語エマ 第二幕

イギリスの階級社会においてメイドと当主の身分の差を軸に、それぞれの生活の中でそれぞれの恋心を育んでいく。メイドのエマと貿易商人の跡取り息子ウィリアム・ジョーンズが身分の差を乗り越えながら歩み寄っていく... 関連ページ:英国戀物語エマ 第二幕

書誌情報

エマ 全11巻 アスキー、KADOKAWA〈ビーム コミックス〉 完結

第1巻

(2002年9月発行、 978-4757709720)

第1巻

(2002年8月30日発行、 978-4047298804)

第2巻

(2003年3月発行、 978-4757713123)

第3巻

(2003年12月発行、 978-4757716421)

第4巻

(2004年6月発行、 978-4757718876)

第5巻

(2005年4月発行、 978-4757721685)

第6巻

(2005年9月発行、 978-4757724037)

第7巻

(2006年6月発行、 978-4757727878)

第8巻

(2007年4月発行、 978-4757734494)

第9巻

(2007年10月発行、 978-4757737266)

第10巻

(2008年5月発行、 978-4757741782)

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