スカイブルー

スカイブルー

テレビアニメ化もされた『ラグナクリムゾン』で知られる小林大樹の初連載作品。人格を持ったエネルギー体「カラーズ」が存在する現代の日本を舞台に、カラーズの一人であるスカイブルーと家族を失った高校生・風見天晴が融合して「色彩能力者」(サイキッカー)となり、敵対するカラーズや色彩能力者と戦う姿を描いた異能バトルアクション。人間や社会のシステムに疎いスカイブルーが、天晴との交流を通じて人間を理解していく過程も見どころとなっている。スクウェア・エニックス「月刊少年ガンガン」2010年7月号から2012年3月号にかけて掲載の作品。

正式名称
スカイブルー
ふりがな
すかいぶるー
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ガンガンコミックス(スクウェア・エニックス)
巻数
全5巻完結
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事故死から始まった運命の出会い

風見天晴は、両親と妹を原因不明の事故で失って自暴自棄となり、不良たちとのケンカに明け暮れていた。そんな中、天晴は交通事故に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまう。死を目前にした天晴の心には恐怖心も後悔もなく、自らの死を受け入れようとしていたが、体内に宿ったスカイブルーの力によって一命を取り留める。勝手に自分の中に入り込んだ挙句、生殺与奪の権利を奪ったスカイブルーに天晴は不満を口にし、何かといがみ合うようになる。しかし思いを寄せる灰岡アンネを、誘拐犯から救出するために共闘したことをきっかけに、お互いを理解し合うことで信頼関係を築いていく。そして、スカイブルーと天晴は運命共同体となり、やがて強力な色彩能力者として成長を果たす。

謎のエネルギー体「カラーズ」

カラーズは人間に似た姿を有するエネルギー生命体。「スカイブルー」「アッシュグレー」「ルビーレッド」など、色を意味する名前を持っている。カラーズは単体でも戦闘が可能だが、人間と融合することで「色彩能力者」(サイキッカー)となり、驚異的な攻撃力や自己治癒能力を発揮する。スカイブルーと融合すれば高出力の電流を周囲に放出し、アッシュグレーと融合すれば念動力を発現するなど、融合するカラーズによって能力が変化する。また、色彩能力者となった人間とは感覚を共有しているため、融合相手の人間が傷つくとカラーズ自身もダメージを受けてしまう。色彩能力者の一人である王紅玉は、「色彩能力者」の語源が漢字の「彩」と超能力を意味する英単語「PSY」をかけたものだと推測したうえで、「きっと少年漫画が好きな人が考えたのだろう」と皮肉を述べている。

カラーズ同士の戦い「色彩戦争」

スカイブルーと風見天晴は、アッシュグレーの宿主となった灰岡ハイジや、ルビーレッドの宿主となった王紅玉をはじめとする強力な色彩能力者と戦いを繰り広げていた。そんな中、天晴は色彩能力者同士が最後の一組になるまで戦い抜く「色彩戦争」の存在を知らされる。色彩戦争は遙か古代から続いており、戦いの余波で無関係の人間が被害を被ることも少なくなかった。ただし、現在はカラーズの宿主で内閣総理大臣でもある足利照光の手で、色彩戦争による人間や社会への被害を抑えるため「色彩戦争対策機関」が組織されている。しかし色彩戦争を利用して、自らの野望を叶えようとする者が現れることなどから、色彩戦争の存在に懐疑的な色彩能力者も増えている。

登場人物・キャラクター

スカイブルー

男性型で、空色の体を持つカラーズ。中国風の衣装に身を包み、下駄を履いている。光の粒子となって空から降り注ぎ、交通事故で瀕死の重傷を負った風見天晴の体内に宿った。ふだんは天晴の中に潜んでおり、彼の全身に粒子を行き渡らせることで雷の力を宿した色彩能力者に変身できる。ふだんは冷静沈着な性格ながら、天然気味なところがある。一方で好奇心が強く、突拍子のないことを口走っては天晴からツッコミを入れられている。天晴の中で目を覚ました当初は、自分自身に関しての知識すらなく、周囲の状況を把握するために天晴を危険に晒すこともあった。だが、人間の心を学ぶことで天晴が心に秘めていた孤独感を理解し、やがて無二の相棒として信頼関係を築いていく。

風見 天晴 (かざみ あまはる)

とある高校に通っている男子。右目に縦一文字の傷がある。5年前、原因不明の事故で両親と妹が目の前で亡くなった。自分一人が生き残ったことに言い知れぬ理不尽さを感じ、自暴自棄になっていた。それからはケンカに明け暮れ、まるで格闘ゲームのキャラクターのように見境なく相手を殴り倒すことから、一部の不良に「リアル格ゲーキャラ」と呼ばれて恐れられている。交通事故で死にかけた際、スカイブルーに救われて意思疎通ができるようになり、色彩能力者に変身する能力を得る。さらに、スカイブルーや天晴のクラス委員長で不良のリーダー・灰岡アンネと交流することで狂暴性は鳴りを潜め、独自の正義感に基づいて敵対する色彩能力者と戦うようになる。のちに家族が消滅した原因が色彩能力者の攻撃によるものだと知り、スカイブルーと協力して仇を討つ決意を固める。アンネや色彩能力者の王紅玉からは「天晴くん」(あっぱれくん)のあだ名で呼ばれている。

書誌情報

スカイブルー 全5巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックス〉

第1巻

(2011-06-22発行、 978-4757532557)

第5巻

(2012-04-21発行、 978-4757535510)

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