運命の巻戻士

時空警察特殊機動隊、通称「巻戻士」は、不慮の死を遂げた人々を救う超精鋭部隊。2087年の東京都に本部を置く。巻戻士は右眼にタイムマシン「リトライアイ」を埋め込んでおり、ターゲットを救出するまで、何度も時間を巻き戻してはやり直し、成功のルートを探る。決まった未来を変えられる確率は100万分の1とも言われており、目的達成にはずば抜けた頭脳と精神力が必要となる。巻戻士は、3級・2級・準1級・1級・特級に階級分けされており、上の階級ほど難しい任務を任される。また、ひと握りの優れた巻戻士は、「リトライアイ」の隠れた能力を引き出す「開眼（バージョンアップ）」が可能。

クロノが巻戻士になるきっかけとなったのが、4年前に妹のトキネが亡くなった事件だった。誘拐されたトキネを救うことに成功したクロノだったが、その後、恨みに思った犯人がトラックでトキネを轢（ひ）き殺してしまう。そこにトキネを救う任務を帯びた特級巻戻士のシライがやってきて、時間を巻き戻す。なぜか巻き戻す前の記憶を失わなかったクロノは、シライとともに妹を救出しようとするが、時計の仮面を被（かぶ）った謎の男の妨害で、どうしてもトキネを救うことはできなかった。シライはクロノを連れて2087年の巻戻士本部に戻り、クロノを最強の巻戻士に育てることを約束する。トキネの事件は「CASE999」としてSS級の任務に指定された。SS級の任務は特級巻戻士しか受けることができない。一刻も早く特級巻戻士になり、妹を救うことがクロノの目的である。

巻戻士に敵対する謎の組織が、時空犯罪組織「クロックハンズ」。彼らの目的は不明だが、あらゆる時代で歴史を変えるような大犯罪を行っている最悪の組織である。そのメンバーは12人。それぞれが1時から12時を指すアナログ時計の仮面をつけており、数字が小さい順に地位が上だと言われている。クロノの妹、トキネが亡くなった事件で、クロノとシライを妨害したのは「1時（ワンオクロック）」で、組織のリーダーらしい。クロックハンズのメンバーは、それぞれ1つのことを極めており、例えば「12時（トゥエルブオクロック）」のキバクは、爆弾のスペシャリストで、国一つ滅ぼす爆弾から分子レベルの小さな爆弾を使いこなす能力の持ち主だった。