概要・あらすじ
役者を目指していたが、フリーターとして自堕落な生活を送っていた青年・砧涼介。彼ははある日、儲け話に乗るも騙され300万円の借金を負ってしまう。そこで金貸しに紹介されたのが裏社会の「運送屋」だった。リーダーの花園丈(ジョー)、塚田のぼる(ジジイ)と共にヤクザの死体の処理を終えた砧らが、次に請け負ったのは中国マフィアの暗殺者「背骨」の護送。
背骨に殺された児玉組の組長の妻児玉ちはるも同行し、児玉組へ向かう一行だったが、砧の油断が原因で背骨が脱走してしまう。約束の時間である明日の朝までに背骨を連れ戻すことが不可能と考えたジョーは、ある作戦を提案。それは、砧に背骨を演じさせ、その間に本物の背骨を探し出す、というものであった。
当然、正体がばれれば皆殺し。砧の己の人生を賭けた、一世一代の大芝居が始まる。
登場人物・キャラクター
砧 涼介
24歳。今まで大事な場面で諦め、流されるまま生きてきた青年。役者を目指していたが、劇団を辞めフリーターとして無為な生活を送っていた。ある日パチンコ屋で儲け話を持ちかけられ、中国マフィア張福儀の手下となるも300万の借金を負わされてしまう。借金返済のため、金貸し山岡正久に「運送屋」の仕事をあてがわれ、ジョーの下で働くこととなる。
花園 丈 (はなぞの じょう)
34歳。密輸などの裏の仕事専門の「運送屋」として働く男。寡黙でプロ意識の高い性格。砧涼介に対しては厳しく接しつつも、気にかけている。
塚田 のぼる (つかだ のぼる)
66歳。砧涼介より先にジョーの下で「運送屋」として働いていた老人。身よりがなく、ジョーいわく「しばらく消えても失踪届の出ない身柄」。
山岡 正久 (やまおか まさひさ)
34歳。砧涼介に300万を貸し、ジョーの「運送屋」を紹介した男。ジョーとは幼なじみで、彼に仕事を発注することも多い。金のためなら何でもする性格で、死海幇と児玉組の間も上手く立ち回っている。ちなみに、ホモである。
児玉 春治 (こだま はるじ)
64歳。児玉組組長の男。中国マフィア死海幇から奪った覚醒剤の取引中、背骨と内臓に襲撃され、殺害される。
児玉 ちはる (こだま ちはる)
18歳。児玉春治の妻。背骨の護送を依頼し、ジョーらに同行した。若年ながら組のことを第一に考えており、幹部からの信頼も厚い。
河島 清二 (かわしま せいじ)
40歳。児玉組若頭。児玉3人衆の一人。凶暴で、拷問を好むサディスト。
西尾 健治 (にしお けんじ)
41歳。児玉組組員。児玉3人衆の一人。児玉ちはるが組長児玉春治殺しを仕組んだと疑った。
高橋 義春 (たかはし よしはる)
37歳。児玉組組員。児玉3人衆の一人。河島清二の弟分。
背骨 (せぼね)
25歳。中国マフィア死海幇の暗殺者。武器はヌンチャク。背中には背骨に沿って、「背骨」の刺青が入っている。死を恐れ、自分の死について考えを巡らせている。
内臓 (ないぞう)
29歳。中国マフィア死海幇の暗殺者。おかっぱ頭の巨漢で、素手で人間の首をへし折るほどの腕力の持ち主。上から目線の背骨の態度に苛立っている。
張 福儀 (ちゃん ふぃ)
23歳。中国マフィア死海幇の一員。砧涼介に300万円の借金を負わせた男。ボスに秘密で覚醒剤の売買を行い、私腹を肥やしている。さらに欲にかられ、背骨と内臓を児玉組に売った。
洪成沢 (ほん そんたく)
59歳。中国マフィア死海幇の老板(ボス)。張福儀の資金源を疑い、背骨と内臓に調査を命じた。