スーパースターを唄って。

スーパースターを唄って。

薄場圭の初連載作品。舞台は現代の大阪で、幼い頃に、覚せい剤中毒の母と最愛の姉を亡くした、17歳の売人・大路雪人が主人公。唯一信じてくれる親友の益田メイジの助けを得て、リリックを紡ぐことで、どん底の環境から抜け出そうとする雪人を描いた人間叙情詩。小学館「月刊!スピリッツ」2023年4月号より連載。2024年4月1日からは、「週刊ビッグコミックスピリッツ」に移籍して連載(2024年18号より)。

正式名称
スーパースターを唄って。
ふりがな
すーぱーすたーをうたって
作者
ジャンル
その他芸能・音楽
 
ヒューマンドラマ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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貧困と暴力とヒップホップ

本作の舞台となるのは、大阪ミナミのディープなゾーン。17歳の青年、雪人は、薬物中毒の母が残した借金を返すために、反社の下っ端として売人をしている。ゴミのような日々を送りながら、雪人は受け止めきれない思いを、1015冊ものノートに書き記した。姉の桜子が死んでから4年間、毎日書き続けた結果である。人気のビートメイカー、メイジは、そんな雪人の思いを形にするために音楽を続けているという。メイジと雪人には幼い頃に交わした、ある約束があったのだ。本作は、貧困と暴力、薬物の世界に生きる雪人が、ヒップホップでどん底から這い上がろうとする音楽ストーリーである。

二人の少年の出会いと誓い

メイジと雪人の出会いは、小学校4年生のとき。小さなスーパーでおにぎりを万引きした雪人を、メイジが助けたのがきっかけで友達になった。雪人の家に遊びにいったメイジは、雪人の姉、桜子によってヒップホップと出会う。それ以降、メイジは雪人の家に入りびたり、みんなで食べるご飯のおいしさや、帰ったとき誰かがいるあたたかさ、といったものを桜子に教えられた。それから約3年後、雪人の母が亡くなり、桜子が母の借金を肩代わりすることになる。体を張って生活を支え続ける桜子が、日々の痛みを記したノートを見た雪人は、反社の丸本に殴り込みをかける。雪人を助けるため、メイジもそれに従うが、二人は返り討ちにあう。血まみれで倒れながら、メイジはビートメイカーに、雪人はラッパーになって、この街から抜け出すことを誓いあった。このとき二人は13、14歳ぐらい。桜子はその後亡くなり、借金を抱えた雪人は、丸本のもとで売人になった。それから4年、現状に甘んじていた雪人だったが、18歳の誕生日に、メイジからトラック(曲)をプレゼントされたことをきっかけに、ラッパーの道を歩み始める。

登場人物・キャラクター

大路 雪人 (おおじ ゆきと)

覚せい剤中毒の母が残した借金を返済するために、売人を生業とする18歳の青年。天然パーマが特徴。4年前に最愛の姉、桜子も亡くなったため、天涯孤独である。姉がしていたように、日々の心の痛みや出来事を記し続け、そのノートが4年間で1015冊にもなった。借金や組織のしがらみなどで、売人生活を抜け出せずにいたが、親友のメイジの助けもあり、ラッパーとしてライブデビューする。

益田 メイジ (ますだ めいじ)

雪人の親友の男性。nervous rat名義で活動する気鋭のプロデユーサー、ビートメイカー。小学4年生のときに雪人と出会う。家族と思える人がいなくて孤独だったが、雪人とその姉の桜子とつるむようになり、みんなで暮らすあたたかさを知る。雪人の18歳の誕生日に、トラック(曲)をプレゼントし、雪人のライブデビューを後押しする。

書誌情報

スーパースターを唄って。 5巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2023-10-30発行、 978-4098625123)

第2巻

(2023-12-27発行、 978-4098626175)

第3巻

(2024-07-30発行、 978-4098630462)

第4巻

(2024-11-28発行、 978-4098630677)

第5巻

(2025-04-30発行、 978-4098632176)

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