覆面系ノイズ

基本情報

福山リョウコの代表作の一つ。

要旨と舞台設定

現代の高校を舞台に、音楽と恋愛を軸とした青春ストーリー。音楽でしか自分を表現できない高校生たちの成長と恋愛模様が展開され、「想いを音楽に乗せて表現する」ことをテーマとした物語構成となっている。

ストーリー展開

物語は、主人公の有栖川仁乃（ニノ）が幼いころに初恋の相手である榊桃（モモ）と音楽仲間の杠花奏（ユズ）の二人と別れを経験するところから始まる。「いつの日か歌声を目印に、ニノを見つけ出す」という約束を信じて由比ヶ浜で歌い続けてきたニノが、高校でユズとの再会を果たし、彼の所属するバンド「in NO hurry to shout」（イノハリ）のボーカルに誘われることで物語が本格的に動き出す。しかし、モモは作曲家としてのキャリアを積んでいたが、ニノのために作った曲を金のために売ってしまった自責の念からニノを避けるという複雑な心境を抱えていた。ニノ、モモ、ユズの三角関係を中心とした複雑な人間関係が展開され、それぞれが音楽を通じて自分の想いを表現しようとする姿が描かれる。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、音楽と片想いをテーマにしたラブストーリー。聴く者を惹きつける歌声を持つ少女と音楽的な才能に恵まれた高校生たちの等身大の悩みと成長が描かれる。

連載状況

白泉社「花とゆめ」2013年10号から2019年4号まで連載。

メディアミックス情報

テレビアニメ

2017年4月から6月まで放送。

実写映画

2017年11月25日公開。

歌うことが大好きな少女・ニノ(有栖川仁乃)は、幼い頃から初恋の相手・モモ(榊桃)といつも一緒だった。しかし小学校4年生の時にモモは突然いなくなる。それからマスクをつけて生活するようになったニノは、曲作りをする少年・ユズ(杠花奏)と出会う。彼が作った曲を歌うニノにユズは淡い思いを寄せるが、彼もまたニノの前から去っていく。

いつの日かニノの歌を見つけ出すというモモとの約束を信じて、歌い続けて来たニノは、やがて高校に入学する。そこで、ユズとの再会を果たす。ユズ達軽音部のメンバーは、正体不明の眼帯覆面バンドin NO hurry to shout(通称イノハリ)としてメジャーデビューし、人気が急上昇していた。

ニノに想いを寄せるユズは彼女をアリスと呼び、in NO hurry to shoutのボーカルとして誘う。一方ニノは、モモらしき人物が関わっているオーディションに応募する。その会場でついにモモと再会するが、モモはニノを冷たく突き放す。

同じ日、テレビ初出演の舞台に立ったin NO hurry to shoutのメンバーとニノ。ニノの歌声は、聞く人々の心を震わせる叫びとして響き渡った。