あらすじ
第1巻
トアル村で牧童として働くリンクは、村の子供達やイリアと平和でのどかな暮らしをしていた。しかしそんなある日、村のやんちゃ小僧のタロとマロが行方不明になってしまう。リンクは彼等を邪険に扱ったからだと責任感を感じ、村人達と夜の森を探し回る。自らの過去の過ちを思い出しながら、懸命に探し続けるリンクであったが、そこに影の世界から現れた闇の軍勢が襲いかかる。キングブルブリンに囚われたコリンとイリアを助けるため戦いを挑むリンクだったが、数の多い敵には叶わず、左腕を切り落とされ、そのままなぶり者にされてしまう。瀕死の重傷を負って放置されたリンクであったが、不思議な声がもたらした奇跡によって傷を癒やすのだった。そして目覚めたリンクは村へと戻ろうとするが、戻る途中に黒い壁を発見。そこに引きずり込まれる。謎の領域に入ったリンクはその姿を狼へと変貌させ、気を失ってしまう。
第2巻
謎の少女ミドナの呼びかけで目覚めたリンクは、己の姿が狼に変わり、牢で鎖に繋がれ囚われている事を教えられる。己の手足となって働くならば牢から解き放ってくれるというミドナの取引を受け入れたリンクは、彼女に導かれるまま城の中を進み、そこでゼルダと出会い、自分がいる場所がハイラル王国の王城が影の領域となり変わり果てた姿である事を知る。そしてミドナはゼルダから自身の目的の物である影の結晶石がフィローネの森にある事を伝えられ、リンクを連れて森を目指す事を決意するのだった。ゼルダをいつか助けに来る事を誓い、王城を後にしたリンクは、王城を抜けた場所で光の大精霊であるラトアーヌと出会い、自らに課せられた使命について教えられる。精霊により森の奥に自らが求める物があると教えられたリンクは、改めて森を目指す決意をする。そして森にたどり着いたリンクは、そこで影の魔物によって凶暴化した猿のボス・ウークと戦う。影の世界での戦いに不慣れなリンクは一度は敗れたものの、ミドナの助言によってかろうじて勝利する。そして解放された精霊フィローネの力によってリンクはついに人の姿へと戻るのだった。
第3巻
フィローネの森で影の結晶石を手にしたミドナとリンクは、精霊の導きに従って森を抜け、火の山と呼ばれるデスマウンテンを目指す。黄昏の黒雲に飲み込まれつつあるデスマウンテンにたどり着いたリンクは影の領域へと踏み込み、再び狼へと姿を変える。狼となったリンクは、山の麓にあるカカリコ村で、行方不明になっていたトアル村の子供達であるタロとマロ、コリンの気配を見つける。近くにいるけれど触れる事も話し掛ける事もできず苦悩するリンクであったが、彼らを守る決意を固め前に進む。そして、そこに現れた金色の狼はリンクを鍛える決意をし、意識の世界でリンクと一対一の戦いを繰り広げる。骸骨の剣士の姿となった金色の狼との戦いでリンクは技を引き継ぎ、金色の狼は再会を約束する言葉を残して去って行くのだった。目覚めたリンクは襲いかかる影の魔物達を倒し、光の精霊オルディンを解放。カカリコ村を救うも、そこにキングブルブリンが村に襲いかかる。カカリコ村の人々の援護を受けながら、激しい戦いを繰り広げるリンクはかろうじて勝利を手にし、村へと凱旋を果たす。
第4巻
カカリコ村を影の世界から救ったリンクとミドナは、影の結晶石を手に入れるためデスマウンテンへと向かう。道中、山に住むゴロン族を心配するカカリコ村の少女ルダも合流し、山へとたどり着いた一行であったが、そこでは大きな異変が起きていた。友好的なはずのゴロン族は人間に警戒心を抱き、リンク達を追い出そうとしていたのだ。彼等から人間が約束を破り、山に異変をもたらした事情を聞いたリンクは、異変の解決を約束。山の奥地で魔物と化していたゴロン族の族長と戦い、これを救う。異変の原因となっていた二つ目の影の結晶石も回収した一行は、最後の影の結晶石の在り処を求めて、ハイラルの王城を目指す。道中、ゾーラ族の少年ラルスを助け、彼の故郷であるゾーラの里を調べたリンクは、里に陣取っていた蟲の魔物を撃退。最後の光の精霊であるラネールを解放する。ラネールから影の結晶石がハイリア湖の湖底神殿にある事を教えられたリンクは、水中でも活動できるゾーラ族の力を借りるためラルスのもとへ向かう。そしてラルスの案内で湖底の神殿にたどり着いたリンクは魔物を倒し、ついに最後の影の結晶石を手にする。
第5巻
ついに影の結晶石が揃うも、そこに突如としてザントが現れる。ザントはラネールを一蹴し、リンクとミドナもその圧倒的な力を前に膝を屈してしまう。リンクはザントによって呪いを刻み込まれ、ミドナもその身を光によって焼かれ余命幾ばくもない状態になるが、何者かの助けによって窮地を脱する事に成功する。リンクはミドナを助けるため、ゼルダのもとへ向かう。ゼルダは消えかかるミドナに幼い頃に会った思い出を話し、消え去る彼女に生命力を分け与え、代償として自らが消え去ってしまうのだった。ゼルダの消滅に涙するミドナであったが、彼女の遺した言葉に従い、リンクと共に「マスターソード」を手に入れるためフィローネの森の奥を目指す。森の奥で勇者の力に導かれたリンクは、マスターソードを手にして闇と戦う決意を固めるのだった。そしてリンクは、旅の準備をするため王都へと戻り、そこで新たな仲間達と合流する。彼らから影の世界に行くために必要な「陰りの鏡」の話を聞いたリンクとミドナは、鏡があったとされる砂漠の処刑場を目指す。そして処刑場にうごめく怨霊を下したリンクは、その奥地で、砕かれた鏡の姿を目撃する。
登場人物・キャラクター
リンク
トアル村で暮らしている金髪の青年で、牧童として働いている。明るく爽やかな好青年で、よそ者にもかかわらず村になじんでおり、村の子供達にも懐かれている。左手の甲にハイラル王家の紋章と同じ「聖三角(トライフォース)」の紋章を宿しているが、リンク本人は紋章の意味について知らない。実は国境付近の砂漠の都市出身で、治安の悪い国境防衛のため戦士として訓練を積んでいた。 しかし、悪友達の腕試しに巻き込まれ「ガウロフの剣」を引き抜いてしまう。剣を抜いたあとは都市が跡形もなく消え去っており、その後、1年半ほど前に失意のままトアル村にたどり着いた経験を持つ。この経緯はリンクの心に深い自責の念をもたらしており、今も悪夢にうなされたり、魔法について書かれた書籍を取り寄せて原因を調べていたりする。 影の領域に入ると黒い毛並みの狼の姿になり、通常では見えない影の魔物を見るセンスを使う事ができる。ミドナとはお互いを利用し合う関係として「取引」したが、共に冒険を乗り越える内に少しずつ絆を育んでいる。エポナと呼ぶ愛馬をかわいがっており、場合によってはエポナに騎乗して戦う。
ゼルダ
ハイラル王国の姫。国一番の美女として名高く、高潔で優しい心を持つ女性。リンクと同じく「聖三角(トライフォース)」の紋章を右手の甲に宿している。ザントがハイラル王城を襲った際には、兵士達と共に剣を取って戦う勇敢さを見せつけたが敗北。その後はザントによって影の領域となったハイラル王城上層部の塔に幽閉され、魂だけの存在になった人々のため喪に服して過ごしていた。 遠くの風景を見通す千里眼の能力を持ち、リンクとミドナに影の結晶石の場所を教えた。実は幼い頃にミドナと出会っており、友情を育んだが、周囲の人に引き離され、彼女との約束を破った過去を持つ。その事を深く後悔しており、ミドナに対して謝罪したいと思っていた。そのため、ミドナが瀕死の重傷を負った際に、思いの丈を打ち明け、彼女に自らのすべての生命力を与えて消失した。
ミドナ
影の世界でリンクが初めて出会った住人で、子鬼のような姿をした少女。宙に浮き、巨大な手のような物をあやつってリンクを摑むなど、不思議な力を持つ。性格は皮肉屋で口が悪く、特に光の世界の住人や精霊達に嫌悪感をあらわにしている。影の結晶石を手に入れるため、囚われたリンクに、影の結晶石を集める取引を申し出た。以降、リンクのナビゲーターとしていっしょに行動している。 影の領域では実体化し、力を振るえるが、光の世界に行くと影だけの存在となるためリンクの影に潜んでいる。その正体は影の世界を治める「黄昏の姫君」。強力な魔力で影の世界に秩序と平和をもたらしていたが、ザントの反乱で敗北し、その力を奪われ、現在の姿へと変貌させられた。 実は幼い頃、ゼルダと出会っており、彼女と友情を育んだ。再び会う約束をするも、ゼルダが周囲の人に止められて引き離されたのを裏切られたと誤解し、これが光の世界の住人達に対する不審の原因となっている。ゼルダと再び会った際に、ゼルダがその少女だと気づかなかったが、ゼルダが瀕死のミドナを助けるため身を呈した姿を見て、ミドナも自分の本心を打ち明けた。
イリア
トアル村に暮らすショートヘアの少女。リンクが初めてトアル村を訪れた際に会った村人で、村で暮らし始めたリンクの住む場所や仕事の手配を行い、度々気をつかっている。キングブルブリンがトアル村を襲撃した際にコリンと共に連れ去られてしまう。その後、魔物達に囚われた状態で過ごしていたが脱走し、ハイラル王都にたどり着く。 ただし、その際に無理をしたため記憶喪失になり、親切な王都の酒場の女将テルマに拾われ「リーザ」と名付けられ、酒場の看板娘として住み込みで働いていた。リンクが王都を訪れた際に再会するも、記憶喪失であったためそっけなく接してしまう。ラルスを助けるため、リンクと共にカカリコ村に向かう際に、魔物に襲われたショックで記憶喪失から回復し、リンクとの再会を喜んだ。 その後はテルマへの恩返しのために王都の酒場で働いている。
モイ
トアル村に暮らす中年の男性。人当たりがよく、面倒見のよい性格をした男性で、リンクに対しても年長者として度々助力をしている。コリンの父親で、村では唯一の剣士として村を守る仕事をしている。村を守る結界としての役割がある吊り橋の門の開閉をする役目を持っており、毎日夕方、門を閉め切るのを日課としている。リンクの事は実の兄弟のように思っており、村の代表がなる剣の献上役に推薦するほど目をかけている。 そのためリンクからも信頼されており、自らの過去を唯一言って聞かせている。キングブルブリンの襲撃から村を守るため奮戦。その際に姿が見えなくなったリンクやコリン達の事を心配している。その後、ハイラル全土で起きている異変に対抗するため戦う事を決意。 カカリコ村でコリンと再会し、リンクが生きている事を知り、彼の力になるため王都へと駆けつけた。王都では志を同じくする者達とレジスタンスを結成し、彼らと共にリンクと再会した。
コリン
トアル村に暮らす少年。モイの息子で、家族ぐるみの付き合いがあるリンクにはあこがれの感情を抱いており、村ではよくいっしょに行動している。キングブルブリンにトアル村が襲撃された際に、イリアと共に捕まり、そのまま連れ去られてしまう。その後、魔物達に食べられかけたが、隙を見て逃げ出し、カカリコ村のレナードに助けられた。 気の弱い少年で魔物に襲われて以降、再び魔物に襲われるのを恐れておびえていたが、リンクと再会した事で元気を取り戻し、カカリコ村での戦いでもほかの子供達を魔物達からかばうなど勇敢な心を見せた。
タロ
トアル村に暮らす少年。やんちゃ盛りの子供で、村の特産品であるカボチャを作る農家の息子だが、本人はモイに弟子入りし剣士になりたいと言っている。ただしその後、リンクの活躍を見て牧童になりたいと言い出すなど、一つの事に集中できない子供っぽい性格をしている。リンクに弟子入りすべく直訴するも、邪険に扱われた事で憤慨。 彼の愛馬であるエポナに弟のマロと共に乗り込むも、暴れたエポナに振り回されながら行方不明になってしまう。その後、カカリコ村のレナードに助けられ、カカリコ村で過ごしていた。
マロ
トアル村に暮らす幼児で、タロの弟。年齢に見合わぬ落ち着いた雰囲気を持ち、難しい言葉も使いこなす。兄のタロの行動に振り回されており、リンクの愛馬であるエポナに勝手に乗ろうとしたタロに巻き込まれる形で行方不明となってしまう。その後、カカリコ村のレナードに助けられ、カカリコ村で過ごしていた。年齢に見合わぬ商才の持ち主で、カカリコ村での戦いのあと「マロマート」という雑貨店を開き、あっという間に王都でチェーン店を開くまで急成長させた。 王都で旅の準備をしていたリンクの前にゴロン族と共に現れ、彼に無料同然の値段で装備を売り、彼を応援している事を伝えた。
レナード
カカリコ村に暮らす牧師。村では娘のルダと共に医者としても働いており、ゴロン族やゾーラ族の治療もできる博識な男性。また人間的にも非常にできた人物で、コリンやタロ、マロといった子供達を保護し、魔物に襲われた際も子供達を第一に考えて行動している。また弓術の達人でカカリコ村がキングブルブリンに襲われた際には、リンクを援護し、彼を助けた。 彼の使っていた弓は、のちにリンクに手渡されている。
ルダ
カカリコ村に暮らすおかっぱ頭の少女。レナードの娘で、医者として働く彼の手伝いをし、患者達に気をつかう心やさしい心の持ち主。デスマウンテンに異変が起きたと知った際には、山に住んでいるゴロン族を心配し、カカリコ村を助けてくれたリンクに父親が昔使っていた弓を渡し、その道筋に同行した。不思議な力を持ち、リンクの影に潜んだミドナの気配を感じたり、精霊オルディンのお告げを聞いたりしている。
ラルス
ゾーラ族の王子。幼いが利発な少年で、影の世界の魔物に襲撃されたゾーラの里を守るべく、一人ハイラル王城を目指していた。魔物に襲われ力尽きかけていたが、リンクに助けられ、その後、王都の酒場にいた人々によって介抱される。ゾーラ族を治療できる医者が王都にいなかったため意識を取り戻さなかったが、カカリコ村のレナードによって治療され、意識を取り戻した。 自分を送り出した母親ルテラの死を知り動揺するも、母親の遺志を受け継ぎ、影の世界からハイラルを守るためリンクに力を貸した。
ラトアーヌ
ハイラルを守護する「光の四大精霊」の一体。光り輝く大きな角を持つ山羊のような姿をしており、トアル村近くの泉に暮らしている。トアル村の近くには、彼そっくりな姿をしているトアル山羊が多く生息している。影の領域に入り、狼の姿となったリンクに使命を伝え、送り出した。
フィローネ
ハイラルを守護する「光の四大精霊」の一体。光り輝く尾の長い猿のような姿をしており、フィローネの森の奥にある泉に封印されていたが、リンクが森にはびこっていた影の世界の魔物を倒した事で解放された。狼の姿のリンクを人の姿に戻し、勇者の証である緑の衣を与えた。また、リンクに神に選ばれた勇者である事と、デスマウンテンの異変について教えた。
オルディン
ハイラルを守護する「光の四大精霊」の一体。光り輝く巨大な翼を持つフクロウのような姿をしており、デスマウンテンの麓にあるカカリコ村を守護している。カカリコ村が影の領域になった事で封じられてしまったが、リンクが村を襲った魔物を倒した事で解放された。ルダはオルディンの声をお告げとして聞く事ができるらしく、オルディンは彼女にラルスの危機を知らせ、彼の命を助けている。
ラネール
ハイラルを守護する「光の四大精霊」の一体。光り輝く宝珠をくわえる巨大な大蛇で、ゾーラ族の住まう里の近くにある精霊の泉に暮らしている。ゾーラの里が襲われた際に封印されていたが、リンクが里を襲った魔物を倒した事で解放された。その後、すべての影の結晶石を手に入れたリンクがザントに襲われた際にはリンクに加勢するも、ザントの圧倒的な力の前に敗北してしまう。
金色の狼 (きんいろのおおかみ)
リンクの行く先々で姿を現す金色の毛並みを持つ狼。ミドナにとって大切な存在らしく、彼の姿を見た際にミドナは涙を流していた。勇者といわれ思い悩むリンクの意識を己の世界に連れて行き、彼に稽古をつけ、勇者とは何たる物かを教えた。その言動にはリンクに期待し、鍛える意味合いが強い。また意識の世界では、鎧をまとい剣と盾で武装した骸骨の姿で現れ、卓越した剣技でリンクを翻弄した。
キングブルブリン
影の世界からやって来た魔物の親玉。ボコブリン達を従え、巨大な二本の角が側頭部から生えている。弱肉強食の掟に従って生きる残虐で粗野な性分をしており、トアル村を襲い、イリアとコリンをさらった。イリアとコリンを守ろうとしたリンクの左腕を切り落とし、痛めつけてなぶり者にしている。イリアの事は気に入り、彼女の事を気にかけているが、一向になびかないイリアを見て、価値観の違いを実感する。 カカリコ村を襲撃した際に、死んだと思ったリンクと再戦。大猪にまたがり激しい騎馬戦を繰り広げるも、エポナと息の合った連携を見せたリンクに敗れ、不吉な言葉を残して奈落の底へと消えて行った。
ザント
影の世界の王。つねに鳥の頭のようなデザインの仮面で口元以外を覆っており、素顔は不明。かつては先代の王に仕えていた側近で、次代の王候補として名が上がるほど優秀な人物だったが、その内にある野心を見抜かれ王候補から外された。その後、新たな王となったミドナの治世に突如として反逆。影の世界を黒い霧で包み込み、住人達を魔物へと変貌させて意のままにあやつっている。 ミドナ曰く、そこまで強い魔力を持っていないはずが、突如として強大な力を振るい始めたため、急激な変化に何かあると疑われている。影の世界を手中に収めてからは影の結晶石を集め、光と影の世界を「一つの闇」へと統合し、すべてを支配するつもりで光の世界ハイラルへと攻め込んでいる。影の結晶石を集めたリンクとミドナの前に現れ、その圧倒的な力で二人を打ち倒し、影の結晶石を奪った。 ミドナには執着心を見せるも、彼女から拒絶され殺す一歩手前まで痛めつけるが、何者かの力によって二人を逃がしてしまう。
場所
トアル村 (とあるむら)
ハイラル王国の南西に位置する農村。特産品はカボチャで、甘くて栄養満点なトアル村のカボチャは王国全土に出荷されている。村の近くにはたくましい体と大きな角が特徴的なトアル山羊が生息しており、荷車を引かせたり、その毛をトアル村の民族衣装を織る材料にしたりと重宝されている。精霊の守る地とされ、フィローネの森と村をつなぐ吊り橋は出入り口以外にも、魔物や邪気が忍び込むのを防ぐ結界としての役割も存在し、夕方になると吊り橋に取り付けた門を閉め切るのが決まりとなっている。 また村外れに存在するトアルの泉には「光の四大精霊」の内の一体であるラトアーヌが住んでいる。
影の世界 (かげのせかい)
影の住人達が暮らす世界。影の住人達はもともと、魔力に長けた一族で、かつてその力でハイラルの聖地を治めようとするも、神の怒りに触れ、影の世界に追放されたとされる。追放された一族は「光の四大精霊」によって力の大部分を影の結晶石に封じられたが、それでも魔力をあやつるのに長け、最も魔力が強い者が影の世界を治めている。 そのため、ハイラルでは邪悪な存在が住まう世界だとされているが、現代では先祖とは違い、穏やかな発展を望む者が主流となっており、ザントが台頭するまで黄昏時のような優しい光が包み込む穏やかで美しい国だったとされる。ただし影の世界の住人の中には、影の世界を自分に都合の悪いものを追放するゴミ箱のように使うハイラルや神々に隔意を抱いている者達も一定数存在する模様。 現在はザントが生み出した黒い霧が立ち込め、それによって影の世界の住人達も魔物へと姿を変貌させられてしまっている。
その他キーワード
影の結晶石 (かげのけっしょうせき)
いにしえの時代、魔力で聖地を支配しようとした魔術師達の魔力を神々と精霊が罰した際に、その強大な力を封じた石。影の世界に魔術師が追放された際に、影の結晶石は四つに分かたれ、その一つが影の世界を治める王家に渡されている。残りの三つの影の結晶石は、光の世界ハイラルの精霊達によって管理され、精霊達は「黒き力」と呼んでいる。 石は欠片でも強大な力を持ち、それぞれの欠片は周囲の物を取り込み、巨大な化け物へと変貌している。ザントは影の結晶石をすべて集めてその力を手にする事を目論んでおり、ミドナが持っていた欠片を奪った。その後、ミドナは影の結晶石を集めてザントに対抗する事を考えリンクを使って集めるも、すべての欠片を集め終わった際に再びザントに奪われている。
マスターソード
いにしえの賢者達によって作られた退魔の剣。いにしえの賢者達によって作られた伝説の剣で、邪悪な者は決して触れる事ができないとされる。現在はフィローネの森の奥地に存在する聖域に安置されている。鍔に翼を広げた鳥のような装飾がほどこされており、刀身には「聖三角(トライフォース)」の紋章が刻まれている。巨大な怨霊を一刀で斬り伏せるほどの強力な退魔の力を持つ。
影の領域 (とわいらいと)
ザントによって奪われた光の世界の領域。領域内は「黄昏の黒雲(たそがれのこくうん)」と呼ばれる不気味な暗雲で覆われているためつねに薄暗く、影の世界の魔物や住人が跋扈している。本来存在する光の世界の住人は領域内では姿を保つ事ができず、魂だけの存在となってしまう。ただし、リンクはなぜか魂だけの存在にならず、狼の姿となる。 また領域の境目は、奇妙な紋様がある黒い壁で覆われており、普通の人間はこの壁を通る事はできない。
ゴロン族 (ごろんぞく)
カカリコ村の近くにそびえ立つデスマウンテンに住む種族。主食は岩で、大きな体のところどころに岩が生えている。移動をする際には体を丸めて岩の部分で転がって移動する。スモウで自らの体を鍛えており、非常に頑強で力強い種族となっている。基本的に穏和で他種族とも友好的に接するが、独自の価値観を持ち、山に穴を開けて鉱石を採掘する人間の行為を必要だと理解しつつも快くは思っていない。 そのため人間側が取り決めを破り、勝手に聖地として崇める「燃える親指」を掘削した際には怒りをあらわにした。
ゾーラ族 (ぞーらぞく)
ハイリア湖にある「ゾーラの里」に住む種族。人型の体の手足に水かきが生え、後頭部が魚の尾のような形になっている半魚人。陸上でも水中でも活動可能で、ハイラル湖の水源を守護しながら過ごしている。そのため、ゾーラ族はハイラル王国の王家とも親交深い。
書誌情報
ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 11巻 小学館〈てんとう虫コミックス(少年)〉
第1巻
(2016-06-24発行、 978-4091421746)
第2巻
(2016-12-28発行、 978-4091423146)
第3巻
(2017-05-26発行、 978-4091424006)
第4巻
(2017-12-27発行、 978-4091425942)
第5巻
(2018-08-28発行、 978-4091427588)
第6巻
(2019-03-28発行、 978-4091430175)
第7巻
(2019-08-28発行、 978-4091430700)
第8巻
(2020-03-27発行、 978-4091431646)
第9巻
(2020-12-25発行、 978-4091432582)
第10巻
(2021-09-28発行、 978-4091433466)
第11巻
(2022-03-28発行、 978-4091433954)
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