スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました

森田季節の小説『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のコミカライズ作品。ブラック企業に勤めていた女性が異世界に転生し、不老不死の魔女であるアズサ・アイザワとして、種族の違う仲間たちと血のつながらない家族として絆(きずな)を育みながら、スローライフを楽しむ姿を描いた転生ファンタジー。2021年4月にテレビアニメ化。「ガンガンONLINE」で2017年6月から配信の作品。

正式名称
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
ふりがな
すらいむたおしてさんびゃくねん しらないうちにれべるまっくすになってました
原作者
森田 季節
漫画
ジャンル
ファンタジー
 
日常
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

家族編

ブラック企業に勤める27歳の女性、相沢梓は過労の末に死亡し、異世界に転生して不老不死の魔女、アズサ・アイザワとして生きることになった。運動不足解消のため周辺に出現するスライムを毎日討伐しつつ、ダラダラと300年間も暮らした結果、レベルが最大値になっていた。この事実を隠匿し、これまでどおりスローライフを送ろうと決めたアズサだったが、噂(うわさ)を聞きつけたレッドドラゴンのライカや冒険者、さらにはアズサが殺害したスライムたちの魂が蓄積して精霊となったファルファシャルシャが戦いを挑んでくる。ようやく落ち着きを見せ始めた頃、上級魔族のベルゼブブに追われているという、エルフのハルカラが助けを求めてアズサの家にやって来る。

ロッコー火山編

ライカの姉の結婚式に出席するため、アズサ・アイザワたちはレッドドラゴンの集落があるロッコー火山にやって来た。大量の食料を漁(あさ)って大騒ぎするレッドドラゴンたちに驚くアズサたちの前に、フラットルテがレッドドラゴンを嫌うブルードラゴンを率いてやって来る。最初は静観しているつもりだったアズサだが、ファルファたち家族を傷つけられそうになったことで激怒し、あっという間にブルードラゴンを撃退してしまう。温泉のある観光地を襲撃しようとしていた別グループも、偶然湯治に訪れていたベルゼブブによって退治され、進退窮まったフラットルテはアズサの前で、レッドドラゴンとの不戦条約を結ぶ。その後アズサたちは、改めてライカの姉の結婚式に出席する。

新工場編

ベルゼブブに命を狙われているという誤解も解けたハルカラは、新たに栄養酒の工場を建てることとなった。広くて安価な土地を見つけて、さっそく工場を建てたハルカラだったが、いざ工場の稼働を目前に控えた頃、そこが幽霊が出ることで有名な土地であることを知り、さらにハルカラもその幽霊を目撃してしまう。ハルカラに助けを求められたアズサ・アイザワベルゼブブは、実際に幽霊のロザリーを発見する。このまま工場にいられても困ることから、ロザリーをアズサの家に移動させることになったが、その手段はハルカラに憑依(ひょうい)させて工場の敷地から出すというものだった。その後、無事にアズサの家に辿(たど)り着いたロザリーだったが、ハルカラの体から出られなくなってしまう。

ヴァンゼルド編

アズサ・アイザワは、レッドドラゴンとブルードラゴンの長い諍(いさか)いの歴史に終止符を打った功績で、魔王のプロヴァト・ペコラ・アリエースから表彰を受けるため、ヴァンゼルドを訪れることになった。リヴァイアサンのヴァーニアファートラにもてなされながらヴァンゼルドに到着したアズサたちは、緊張した様子でプロヴァトに拝謁する。しかし、ハルカラがプロヴァトの顎に頭突きをして気絶させてしまったことで、ハルカラは投獄され、アズサたちは捕らえられてしまう。このままではハルカラが処刑されてしまうと考えたアズサは、窓から脱走してプロヴァトと対決することとなる。

スライム編

ある日の朝、アズサ・アイザワのもとにシャルシャが涙目で飛び込んできた。ファルファが突然、スライムの姿から少女の姿に戻れなくなったと知ったアズサはベルゼブブにも協力を仰ぎ、まずはヴァンゼルドの王城に住んでいる賢いスライムに話を聞きに行くことにする。そこで「魔法使いスライムに聞くべきだ」と教わったアズサたちは、今度はマースラが暮らしている山へと向かう。そこで知らされたのは、ファルファが寝違えでスライムの姿になってしまったということだった。さらに武闘家スライムと呼ばれるブッスラーに会いに行くよう勧められるが、ブッスラーは不在で、さまざまな武道大会に出場しているという。

ニセの高原の魔女編

ヒマ潰しにハルカラの工場で働いていたアズサ・アイザワは、工場で働いているほかの女性から、アズサの偽物が出没しているという噂(うわさ)を耳にする。情報を確認するために別れて行動することにしたアズサは、ライカととある村に立ち寄って有力な情報を得る。だがそこで目にしたのは、アズサとは似ても似つかない老婆の姿をした魔女だった。その老婆の正体がアズサの名声にあこがれた魔女、エノだと知ったアズサたちは、エノ自身が有名な魔女になれるように薬品の販売を手伝うことにする。

ノームニナルダケ編

陽気に誘われたアズサ・アイザワたちは、高原でキノコパーティーを開くことにする。しかし以前キノコの仕分けを大雑把にやった結果、毒キノコを食べさせられたことのあるハルカラの提案なだけに、アズサは一抹の不安を感じていた。それでもキノコ料理のおいしさに舌鼓を打っていると、その一つがノームニナルダケだったため、アズサは子供の姿になってしまう。現状では解毒の方法がないと知り、ベルゼブブプロヴァト・ペコラ・アリエースに協力を仰いだアズサは、世界樹に行くことを勧められる。

吟遊詩人編

ある日、フラタ村に吟遊詩人「スキファノイア」のライブ告知の張り紙が出されているのを発見したアズサ・アイザワたちは、興味本位でその路上演奏を見物することにする。しかしそこで演奏されていたのは、ファルファたちの教育に悪影響を与えそうなデスメタル系の音楽だった。呆気(あっけ)に取られるアズサたちだったが、歌の途中でスキファノイアが空腹のあまり倒れてしまったのを見て、自宅に居候させることを決める。そんな中、スキファノイアは本名の「クク」を名乗り、音楽活動を続けていくためにどうすればいいかを模索し始める。

マンドラゴラ編

いつもアズサ・アイザワの家にやって来るベルゼブブの家へ、全員で遊びに行くことになった。ベルゼブブは広い邸宅に住んでいるものの、庶民出身ためにその広さに慣れておらず、屋敷のほとんどが使われずに埃(ほこり)だらけの部屋ばかりになっていた。それに加え、樹海と化した庭にファルファシャルシャが迷い込んでしまう。そんな中、アズサはかなりの年月を経ているらしいマンドラゴラの姿を目撃する。帰宅後にそのことをエノに話してしまったアズサは、マンドラゴラ狩りに巻き込まれてしまう。

踊り祭り編

フラタ村で年に一度開催される踊り祭りの時期がやってきた。前回の踊り祭りでは前日祭に「喫茶・魔女の家」を開店し、好評を博していたアズサ・アイザワたちは、今回も同じ店を開くことにする。家族が増えていることに加え、プロヴァト・ペコラ・アリエースファルファたちも店員として参加することになり、村人の期待は前回の比ではないほど盛り上がっていた。その中でもライカは異常な人気を集めていたが、アズサは一人ヒマそうにしているサンドラに気づく。

スピンオフ

漫画

本作『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』にはスピンオフ作品が多数存在する。ベルゼブブを主人公とした村上メイシの『ヒラ役員やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました』、ライカを主人公とした羊箱の『レッドドラゴン女学院』などがある。いずれもスクウェア・エニックス「ガンガンコミックONLINE」から刊行されている。

小説

本作『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のスピンオフ作品として、森田季節の小説『ヒラ役員やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました』がある。ベルゼブブが主人公で、ヒラ役員として前魔王に仕えていたベルゼブブが、新魔王となったプロヴァト・ペコラ・アリエースによって大臣に任命され、大臣として威厳ある振る舞いをできるよう試行錯誤を繰り返す日常が描かれている。同じく森田季節の『レッドドラゴン女学院』はライカが主人公で、アズサ・アイザワと出会う以前、レッドドラゴンの女子校に入学した当時のライカの日常が描かれている。共に「ガンガンONLINE」で配信されている。

関連作品

小説

本作『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』は、森田季節の小説『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』を原作としている。森田季節が「小説家になろう」に投稿した作品で、SBクリエイティブ「GAノベル」から刊行され、イラストは紅緒が担当している。

メディア化

テレビアニメ

2021年4月より、原作である森田季節の小説『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のテレビアニメ版が、TOKYO MXほかで放送された。監督は木村延景、キャラクターデザインは後藤圭佑が務めている。キャストは、アズサ・アイザワを悠木碧、ライカを本渡楓、プロヴァト・ペコラ・アリエースを田村ゆかりが演じている。テレビアニメ版では大幅にストーリーが省略されており、ポンデリユフフなど、登場しないキャラクターも多い。

登場人物・キャラクター

アズサ・アイザワ

魔女の女性。膝裏まで届く長い金髪を編み込みのハーフアップにしており、下ろした部分は毛先でまとめている。裏地の青い大きな三角帽子をかぶっている。一見すると17歳くらいに見えるが不老不死で、年齢は300歳。前世は日本のブラック企業に勤めていた「相沢梓」という名の女性だったが、27歳で過労死したことを哀れまれ、望みどおりのスローライフを神から与えられた。高原にある一戸建てに暮らしていることから、フラタ村の住民からは「高原の魔女」と呼ばれて慕われている。悠々自適の生活を送る中で、毎日最低20匹のスライムを倒すことを日課としていたが、300年間同じ生活を続けた結果、レベルが最大値になっていた。ライカのことは有能な弟子として、ファルファとシャルシャのことは自分の娘としてかわいがっている。

ライカ

レッドドラゴンの女性。本来の姿は巨大なレッドドラゴン。ふだんは赤毛のショートボブヘアで、黒い角のある少女の姿をしている。一見すると10代前半くらいに見えるが、年齢は300歳。もともとはアズサ・アイザワの暮らしている周辺で最強の名をほしいままにしていたが、レベルが最大値の魔女がいるという噂を聞き、アズサに力比べを申し出た。しかしアズサにあっさりと敗北を喫したことから、自らの慢心を悟り、アズサに弟子入りして力を磨きたいと願い出て、アズサの家でいっしょに暮らしている。

ファルファ

スライムの精霊の少女。シャルシャの姉。肩までの水色の髪をハーフツインテールにしている。一見すると幼い少女に見えるが、年齢は50歳前後。アズサ・アイザワによって殺害されたスライムの微細な魂が蓄積されたことで、精霊としての自我と肉体を得た。アズサのことは、ファルファたち姉妹が生まれたきっかけになった存在だという理由から、母親だと認識している。生まれた時からアズサに会いたがっていたが、その当時はアズサを憎んでいたシャルシャに引き止められ、なかなか対面することができなかった。しかしシャルシャがライカに敗北してから、アズサの家でいっしょに暮らしている。シャルシャよりも活発で運動神経がよく、小動物を捕らえるのが得意。

シャルシャ

スライムの精霊の少女。ファルファの妹。肩までの緑色の髪をハーフツインテールにしている。一見すると幼い少女に見えるが、年齢は50歳前後。アズサ・アイザワによって殺害されたスライムの微細な魂が蓄積されたことで、精霊としての自我と肉体を得た。アズサのことは、ファルファたち姉妹が生まれたきっかけになった存在だという理由から、母親だと認識している。登場当初はアズサのことをスライムの宿敵として憎み、命を狙っていたが、ライカに返り討ちにされてから、アズサの家でいっしょに暮らしている。ファルファ以上に知的好奇心が旺盛で、勉強家。魔族の言語も、知っている単語をつなげることで、なんとなく読み解くことができる。

ハルカラ

エルフの女性。金髪ロングヘアにしている。肉感的な体型のため、1日に2回は「いやらしい体しやがって」と言われている。一見すると17歳くらいに見えるが、年齢は200歳を超えている。調薬師としてスキルを磨いた結果、栄養酒を生み出した。しかし、この栄養酒を飲んだベルゼブブが一時死の淵(ふち)をさまよったことから、魔族に手配書が配られ、命を狙われていると噂になった。そのため、エルフの集落を追われることとなり、アズサ・アイザワに助けを求めてやって来た。それ以来、アズサの家でいっしょに暮らしている。体型にコンプレックスを抱いており、体ばかり見られることを嫌って調薬師としての実績を上げようと努力している。キノコに関しての造詣は深いが仕分けが大雑把なため、たまに毒のあるキノコも料理してしまうことがある。ベルゼブブから身を隠すため、「アキカナ」という偽名を使っていた。

ロザリー

幽霊の少女。右サイドだけを伸ばした金髪をショートカットにしている。ブルーのベレー帽と、同色のセーラーカラーワンピースを身につけている。商人の娘として育ったが、資金繰りに困った父親に歓楽街へ売り飛ばされることを知って自殺した。それ以来、その土地に取り憑(つ)いており、ハルカラが新しく建てた栄養酒の工場にも姿を見せたが、怖がったハルカラに依頼されたベルゼブブに捕獲された。しかし昇天を拒否したため、それからはアズサ・アイザワの家でいっしょに暮らしている。もともとは町でも評判のおしとやかなお嬢様だったが、死んでからグレたために現在は口が悪く、行儀も悪い。

フラットルテ

ブルードラゴンの女性。本来の姿は巨大なブルードラゴン。ふだんは濃い青色の髪を低い位置で二つの輪っかおさげヘアにした、黒い角のある少女の姿をしている。しかし人間の時も、シッポはドラゴンのままになっている。レッドドラゴンと非常に仲が悪いため、イヤガラセを繰り返していることから、「ブルードラゴンのイヤガラセ女王」とも呼ばれていた。ライカの姉がロッコー火山で結婚式を行った際、その幸せを妬み、ブルードラゴンを率いて式場を荒らしにやって来た。しかし、ファルファとシャルシャを傷つけようとしていることを察知したアズサ・アイザワと、温泉に湯治に訪れていたベルゼブブに返り討ちにされ、レッドドラゴンと不戦条約を結ぶことになった。プロヴァト・ペコラ・アリエースが、この条約締結に貢献したアズサを表彰した際にはフラットルテも出席させられた。そして、その場でプロトの命令によって、アズサに絶対服従を誓うこととなり、アズサの家でいっしょに暮らしている。吟遊詩人マニアで、無名の吟遊詩人、スキファノイアことククに関しても詳しい。しかし、吟遊詩人のことを話し始めると話が長くなるのに加え、専門用語を織り交ぜて話すため誰もフラットルテの話についていけない。

サンドラ

マンドラゴラの少女。300年のあいだ生き続けている。前髪を切り揃えた緑色のロングヘアで、頭頂部に3枚の葉が生えている。人語を理解し、二足歩行できる。ベルゼブブの屋敷の庭に生えていたが、エノがほかの魔女たちと共謀して捕獲を企てた際、アズサ・アイザワに保護を求めた。それからはアズサの家でいっしょに暮らしているが、基本的には土の中で寝起きしている。ファルファとシャルシャからは妹のようにかわいがられている。

プロヴァト・ペコラ・アリエース

魔王の女性。ヴァンゼルドにある王城で暮らしている。ウェーブがかったミディアムボブヘアで、側頭部から羊に似た2本の角が生えている。ふだんは胸を盛っているが貧乳なことから、コンプレックスを抱いている。温厚な性格で他人を見下すことを好まない。また、マゾヒストでレズビアン嗜好(しこう)があり、自分より強い人物を慕って生きていきたいと考えていた。アズサ・アイザワならその願望を満たす相手として最適ではないかと考え、あえて戦いを挑んで目論見どおりに敗北。今後は呼び捨てで、かつ命令口調で接して欲しいと願い出た。

ベルゼブブ

上級魔族の女性。ウェーブがかった長い銀髪に褐色の肌を持ち、側頭部から2本の角が生えている。一見すると10代後半から20代に見えるが、年齢は3000歳を超えている。栄養酒が原因で死にかけたため、調薬したハルカラを殺害するために手配書まで作ったと噂されていたが、真相はまったくの逆で、栄養酒を非常に気に入っている。ハルカラが栄養酒の新工場を建設および運営し始めてからは、週に3回以上箱買しているヘビーユーザー。ハルカラがアズサ・アイザワの家で暮らすようになってから、アズサの家によく遊びに来ており、ファルファ、シャルシャを非常にかわいがっている。プロヴァト・ペコラ・アリエースの補佐として農相を務めている。もともとは庶民の出身で、官僚として貴族になった。その際に広大な屋敷を与えられたが、あまりの広さを持て余しており、アズサたちが訪れるまでほとんどの部屋が300年ほど放置され続けていた。周囲からは「ハエの王」とも呼ばれているが、ベルゼブブ自身は温泉好きで綺麗(きれい)好きを自認している。

ヴァーニア

リヴァイアサンの女性。ベルゼブブの部下で、ファートラの妹でもある。人間の姿の時は尻下まである青い髪と、耳の代わりにヒレが付いている。本来の姿は背中に町を乗せられるほどの巨大なクジラ、もしくはナマズに似ている。賓客をもてなす料理係を務めており、料理の腕は確かだがサボり癖がある。

ファートラ

リヴァイアサンの女性。ベルゼブブの部下で、ヴァーニアの姉でもある。人間姿の時は尻下まである青い髪と、耳の代わりにヒレが付いている。本来の姿は背中に町を乗せられるほどの巨大なクジラ、もしくはナマズに似ている。生真面目な性格で、賓客の送迎を担当する際にも安全運転をモットーとしている。

大スライム (だいすらいむ)

巨大なスライム。大人が何人も寝転べるほどの大きさで、一部を人型に形成することができる。その際には全身ゲル状となり、頭に小さなスライムを乗せた長髪の女性の姿になる。世界最大の善なるスライムで、ファルファとシャルシャが住んでいた「ベルグリア」の森の奥にいる。世界中の善なるスライムと意識がつながっており、森の外の出来事もよく把握しているため、訪れた者の人生に公平な評価を与えている。人をダメにする感触だと評判ながら、ファルファとシャルシャは疲れた時はいつも大スライムの上で休憩していたと話している。

賢いスライム (かしこいすらいむ)

ヴァンゼルドの王城に住んでいるスライム。ふつうのスライムとほとんど変わらないが、黒色をしている。人間の言葉を理解しており、返答する時は壁に書かれた文字に体当たりすることで意思疎通を図る。アズサ・アイザワから「ここでなにをしているのか」と聞かれた際には「存在とはなにかということについて考えている」と答えている。アズサからは「賢スラ」と呼ばれている。

マースラ

モダディアナ山に住んでいるスライム。本来はスライム然としたゲル状の姿だが、魔法で薄い水色の髪を2本の三つ編みにした女性の姿に変化できる。もともと「魔法使いスライム」と呼ばれ、マースラも自称していたがアズサ・アイザワの命名によって「マースラ」と呼ばれるようになった。人間の言葉を理解しており、話すこともできる。

ブッスラー

つねに武者修行をしているスライム。本来はスライム然としたゲル状の姿だが、体を動かすことで人の体を手に入れた。肩までの髪を低い位置でツインテールにし、カチューシャを付けた少女の姿をしている。身体能力を生かして人型を維持しており、強さを追求するために市井に交わって修行していると話しているが、実際は賞金の出る大会に出場して金を貯めるのが趣味なだけ。守銭奴で、金があればどんなことも可能にできると考えている。アズサ・アイザワの強さにあこがれて弟子入りを志願したが、アズサからあふれ出る大量スライム殺しの気配を察知し、恐怖から弟子入りはあきらめた。その後、ベルゼブブに弟子入りして、ヴァンゼルドで暮らしている。ライカと意気投合して、武術大会前はよく手合わせをしている。「武道家スライム」とも呼ばれている。

エノ

魔女の女性。背中までの赤毛を2本のおさげにしている。一見すると10代に見えるが不老不死で、150歳を自称している。アズサ・アイザワのように誰からも敬われたことがないため、こじらせた考え方を持っている。人気のない森に暮らして他人ともかかわりを持たないようにしているが、有名になりたいという願望だけが肥大していた。アズサを騙(かた)って各地を巡り、地域住民からチヤホヤされる生活を満喫していたところ、噂を聞きつけたアズサとライカによって問い詰められた。引っ込み思案で人見知りだが、アズサを装っている時は大胆に振る舞っている。マンドラゴラ錠という万能薬を作っており、これを販売するようになってからは「洞窟の魔女」と名乗るようになった。

ポンデリ

ネコの獣人。アンデッドの少女。ボサボサの長髪で前髪が短く、ネコの耳とシッポが付いている。病的な面倒くさがり屋で、働くのを嫌って引きこもり生活を送っていたが、最終的に食事すら面倒になって餓死した。死後40年経過しているが、墓場近くの小屋に住み込んで墓場警備員を務めている。昼夜逆転生活を送っているため、近隣住人にはアンデッドだと気づかれていない。アズサ・アイザワやベルゼブブにアンデッドと気づかれてからはヴァンゼルドに引っ越し、娯楽に飢えている魔族相手の店を始めた。

クク

ウサギの獣人。吟遊詩人の少女。薄桃色のロングヘアで、ウサギの耳とシッポが付いている。「スキファノイア」というアーティスト名を名乗り、デスメタル系の演奏を続けていた。しかしファンが増えず、深夜バイトで働くも寝不足と栄養失調でライブ中に倒れてしまう。その際にアズサ・アイザワに保護され、一時的に居候することになった。フラットルテが自分よりも音楽の才能があることを知ってからは音楽ジャンルそのものを変え、本名の「クク」で歌うようになる。魔族の音楽祭に出演したことで一役売れっ子の吟遊詩人となり、数々のステージに出演するようになる。フラットルテに対しては弟子のように振る舞っている。

ユフフ

したたりの精霊である女性。水色の長い髪をサイドの毛先でまとめている。したたりとは、雨の日に葉からしたたる雫(しずく)を指している。おっとりとした物腰でつねに笑顔を浮かべているため、周囲からは母親のように慕われており、アズサ・アイザワも「ママ」と呼んでいる。ただし下腹部から水がしたたっているため、お漏らしとカンちがいされることがある。

キュアリーナ

クラゲの精霊である少女。黒髪ロングヘアで左目を前髪で隠しており、ベレー帽をかぶっている。絵を描きながら世界中を巡っているが、誰をモデルにしても異常に暗い表情と暗い構図で描いてしまうため、ほとんど売れることはない。クラゲとテレパシーで会話することができるが、特になんの得になることはない。

ナタリー

フラタ村でギルドの職員を務める女性。毛先が外ハネしたショートボブヘアで、眼鏡をかけている。巨乳の持ち主。300年もの長いあいだ誰も気にしていなかったアズサ・アイザワのステータスに興味を持ち、アズサのレベルが最大値になっていることを知った。

場所

フラタ村 (ふらたむら)

アズサ・アイザワが暮らしている高原から一番近くにある村。近隣のモンスターはスライムしかおらず、300年以上も平和を維持している。アズサが高原に居を構えてからは、急病人の診察や疫病対策も行うようになったことで、寿命以外での死者が以前よりも減っている。ただし魔法や地上からの攻撃に対して無防備で、ライカの発案によってアズサが結界を張ることになった。観光資源が乏しく、観光客が訪れるのは年に一度の踊り祭りくらいしかない。

ロッコー火山 (ろっこーかざん)

ライカの実家がある火山。火口部にはドラゴンの町が存在しており、効能のある温泉が湧いているため観光地になっている。ふだんはすべてのドラゴンはドラゴンの姿のまま生活しているが、観光地となっている町中では、観光客に接するため人間の姿に変化して生活を送っている者もいる。

ベルグリア

ファルファとシャルシャが、アズサ・アイザワに出会う前に暮らしていた森。人間は誰も寄りつかないとされており、森の奥には大スライムが住んでいる。大スライムからは人生の評価をしてもらえるが、ベルグリアには強いガスが漂っており、長時間滞在すると意識が保てなくなる恐れがある。

ヴァンゼルド

魔族たちの王都。長距離に及ぶ強固な城壁に囲まれている。人間の暮らしている土地からは非常に遠く離れているため、アズサ・アイザワたちがヴァンゼルドを訪れる際は、ライカやヴァーニアの背中に乗って移動する。多種多様な魔族が暮らしているが非常におおらかな土地柄で、争いの気配がまったくない。

世界樹 (せかいじゅ)

魔族たちの領地に生えている大きな木。人間の世界ではその存在が伝説となっているが、魔族たちは修学旅行で訪れるほど身近に感じている。周辺は観光地化されて屋台などが立ち並んでいる。108階にも及ぶフロアで複雑な迷路で構成され、さまざまな種族が住みついている。また下の階装の住民は最上階に辿(だど)り着いた者は少ないとされているが、85階まではエレベーターやレストラン、宿屋も完備されている。世界樹の頂上には古今東西の薬を取り扱っている店がある。

ブーガビー遺跡 (ぶーがびーいせき)

かつて銀鉱山として栄えた村で発見された遺跡。一時は廃坑を使ったテーマパークを建設していたものの客足が伸びず廃墟となり、その廃墟を地下遺跡と称して観光資源にしようとしたが、本物の地下遺跡「ブーガビー遺跡」が発見された。地下2階までは鉱山の資料館となっており、モンスターが出現するのは地下8階から下の階になっている。体を動かしたいからとフラットルテにせがまれ、アズサ・アイザワも攻略に参加したが、現れたモンスターがミミズや虫といった形態ばかりだったため、戦わず逃げに徹した。

善い枝候国 (よいえだこうこく)

エルフの自治区。「森の州」と呼ばれるフラント州にある。フラント州の人口は8割がエルフで占められている。何本も大木があり、エルフからは昔から霊地として崇(あが)められ、信仰を集めている土地でもある。現在は居住区は町として機能しており、「善い枝よいどれ酒造」という酒のテーマパークが観光地として知られている。もともとはハルカラの作る栄養酒の工場があった場所だが、ハルカラがベルゼブブに命を狙われているという噂から、ハルカラが一度追放されることとなった。しかし、それが根も葉もない噂だったこと、栄養酒が非常に売れていることを知り、再び工場を誘致した。

その他キーワード

スライム

下級モンスターの一種。丸いプルプルとしたゼリー状の生き物で、大きな目が付いている。フラタ村の周辺に出没し、倒すと1体につき銅貨2枚、日本円にして200円ほどの価値がある魔法石に変化する。ファルファとシャルシャ曰(いわ)く「スライムには穴があり、そこを突くとすぐに死んでしまう」。また、色の濃いスライムほどいいスライムであり、色が薄くなるにつれて悪に染まった邪悪なスライムだとされている。

ブルードラゴン

モンスターの一種。青い体皮をしている。頭部に黒い2本の角があるが、これに触れられると相手に絶対服従を誓わなければならない。服従を誓った相手がいる場合、主の命令がなければ食事を摂ることもできない。これはかつて人間の騎士に仕えていたため、主を乗せて戦っていた頃の名残と考えられている。強者はすべてを支配し、弱者は強者に対し抗わないという考え方を持っているため、たとえ死ねと命じられても反抗することはない。寒冷地に暮らしており、文化的とは言い難い、本能に忠実な生活を送っている。古文書にはブルードラゴンを「奴隷」と明記されているものも存在する。

栄養酒 (えいようしゅ)

ハルカラが調薬した小瓶に詰められている酒。滋養強壮によく効き、疲れている時に飲むと絶大な効果を発揮すると評判になり、爆発的な売り上げを記録した。しかし人間やエルフには効果があるが、魔族にとっては毒となり、栄養酒を飲んだベルゼブブは危うく死ぬところだったと噂されていた。しかし事実はまったく異なり、栄養酒を飲んで張り切りすぎたベルゼブブが過労で倒れただけだった。

マンドラゴラ錠 (まんどらごらじょう)

エノが調薬した万能薬。乾燥させたマンドラゴラを中心に調合されており、疲労回復や眼精疲労、腸の調整などにも効果がある。使用されるマンドラゴラは成分がしっかりと含まれる3年育成ものを厳選している。のちに子供向けの「子供マンドラゴラ錠」も販売され、共に大ヒットしている。

ノームニナルダケ

毒キノコの一種。美味だが食べると体が縮み、ノームや子供のような姿になってしまう。生活リズムも子供同然となってしまうため、昼寝が必須となる。解毒方法は魔族でもあまり研究が進んでいないため、ハルカラが誤ってアズサ・アイザワに食べさせてしまった際は、世界樹の頂上にある薬屋まで薬を買いに行った。

キツネニナルダケ

毒キノコの一種。食べるとキツネの獣人に変化し、キツネの耳とシッポが生える。その効果は食べた量で変動する。プロヴァト・ペコラ・アリエースによって故意にキツネニナルダケを食べさせられたアズサ・アイザワは、5日間キツネの獣人姿になっていた。キツネニナルダケを食べて獣人になると、油揚げを食べたくて仕方がなくなる。

魔族の音楽祭 (まぞくのおんがくさい)

ヴァンゼルドで開催される音楽祭。音は世界の四大元素に匹敵する要素だという魔族の考えに則(のっとっ)て、魔王であるプロヴァト・ペコラ・アリエースが音を正しく管理していると確認するための儀式でもある。3日間、ヴァンゼルド内の5か所で複数のアーティストが出演する。ベルゼブブの推薦によってククが出演し、一躍売れっ子の吟遊詩人となった。

踊り祭り (おどりまつり)

フラタ村で年に1度行われる祭り。250年前から催されている。前夜祭から賑(にぎ)わいを見せ、フラタ村の数少ない観光資源となっている。アズサ・アイザワはもともと祭りに参加していなかったが、ライカたちが暮らすようになってから、アズサの家では前日祭で「喫茶・魔女の家」を開店する習慣ができた。またこの時は、店員としてプロヴァト・ペコラ・アリエースやベルゼブブなども参加している。

クレジット

原作

森田 季節

キャラクター原案

紅緒

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